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ビットコインの保管場所・保管方法を紹介!

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2017年9月には、日本の金融庁は、ビットコインなどの仮想通貨の取引所を11箇所登録しました。これにより日本でビットコインが一層普及していくことが期待されます。これを機にビットコインを始めようと関心を持っている方が多いのではないかと思われます。

ビットコインを保有したり取引に使用したりするにはウォレット(仮想的な財布)というものを用意する必要があります。ビットコインのウォレットには、デスクトップ・ウォレット、ウェブ・ウォレット、モバイル・ウォレット、ハードウェア・ウォレット、ペーパー・ウォレットというものがあります。

本稿では、それぞれのウォレットについて使い方と、メリット・デメリットを紹介していきます。

ウォレットを作る「場所」

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ビットコインには、銀行での預金、振込・送金に使う口座番号と同じような役割を担うビットコイン・アドレスがあります。取引者とビットコインを送受信するには先方に自身のビットコイン・アドレス(このアドレスは、セキュリティ上、毎回異なるものが使われます)を伝える必要があります。

ビットコインの取引は、銀行口座を使った送金とは異なり、その取引内容全てが公開されますので、個人が特定されないようにウォレットというものが使われます。ウォレットはビットコインそのものを保管するだけでなく、取引の際には、前述のビットコイン・アドレスを自動的に生成して相手方に伝えます。これにより個人が特定されないような仕組みになっています。

ビットコイン所有者のパソコンにウォレットを作成するデスクトップ・ウォレット、スマホなどのモバイル端末にウォレットを作成するモバイル・ウォレット、物理的なデバイスをウォレットとするハードウェア・ウォレット、紙にビットコインアドレスと秘密鍵を印字したペーパーウォレットがあります。

それぞれのウォレットは、普段使用に使う少額のビットコインの保管場所に適しているもの、長期間多額のビットコイン保管に適しているものがあり、それぞれの利便性と安全性に注意して利用することが重要です。

パソコンにウォレットを作る

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専用のソフトウェアをパソコンにインストールして、パソコン上にウォレットを作成しビットコインを管理します。ビットコインは、自身のパソコンのハードディスク等に保管されるので、ウェブ上のウォレットに比べてセキュリティは高く、多額のビットコインを長期に保管するのに向いています。

しかし、パソコンをインターネットに接続されることが多いので、ウイルス等のマルウェアへの感染、外部からの不正侵入に対して防御を高めておくこと、さらに、自身が所有するパソコンですのでパソコンが故障してビットコインが消滅してしまわないようバックアップを行うことが重要となります。

スマホにウォレットを作る

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パソコン上にウォレットを作るデスクトップ・ウォレットと同様に、スマホ上にアプリをインストールしてビットコインを管理するのがモバイル・ウォレットです。アプリが財布として機能し、QRコードが利用できたりして、実店舗で利用するときにとても便利なウォレットです。

スマホは、日常的にインターネットに接続して利用されています。また、パソコンほどセキュリティ対策が講じられないまま利用されているケースが多く、ウィルスなどのマルウェアに感染しビットコインが盗まれてしまう危険性があります。

それでも、ビットコインが所有者自身の手元で管理されていますので、ウェブ・ウォレットよりは安全と言えるでしょう。パソコン上に作成するウォレットに比べればセキュリティは劣りますので、その可搬性と利便性の観点から、日常的に利用する少額のビットコインを管理するのには向いています。多額のビットコインを長期にわたって保管する場所としてはおすすめできません。

インターネットにウォレットを作る

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ウェブ・ウォレットと呼ばれ、インターネット上で利用されているDropboxやGoogleDriveなどのオンラインストレージと同様、Webサービスを提供する外部サーバーにウォレットが作られ、ビットコインの保管と取引に利用するものです。

ウェブ・ウォレットは、初心者やコンピュータ、セキュリティに関する知識に乏しくても、誰でも簡単にビットコインのウォレットの開設を行うことができるというメリットがあります。

注意すべき点は、外部のサーバーにビットコイン・ウォレットを置きますので、そのサーバーがハッキングされたり、不正侵入されてビットコインが盗まれてしまう危険性も高くなります。そのため、少額のビットコインを保存するのに向いていると言われています。

セキュリティを考慮するとウェブ・ウォレット事業者(ウォレット・プロバイダー)の選定の際に、セキュリティ対策への取り組み度合い、利用者の信用度合いを確認して選択することが必要となります。

また、普段利用しているWebサービス以上にセキュリティ対策を採っておくべきで、オンラインバンキングと同様、安易なパスワードとはしない、定期的にパスワードを変更する、さらに、二段階認証を利用するようセキュリティ対策を施しておくべきでしょう。

クライアント型の保管方法

クライアント型とは、自分のコンピュータ(ローカル環境)の上に専用のソフトウェアをインストールしてビットコイン・ウォレットを保管するデスクトップ型ウォレットのことで、公式ソフトであるBitcoin Core以外にも複数のソフトウェアが提供されています。

このソフトウェアには、完全型と簡易型という種類があります。クライアント型のウォレットを利用する場合、最初にソフトウェアのインストールと複雑な設定を自身で行わなければなりません。

コンピュータが故障したり、ウイルス感染やハッキングでウォレットが盗まれる危険性もありますが、インターネットに接続せずオフラインにしてビットコインを安全に保管することもできます。クライアント型の種類には、完全型と簡易型があります。その違いは、ブロックチェーンをダウンロードして利用するか、利用の都度、外部サーバーを参照するかの違いです

完全型のクライアント

完全型では、膨大な量のブロックチェーンのすべてダウンロードしなければなりません。

ブロックチェーンとは、ビットコインのすべての取引データが連なるように管理され、ビットコインを利用しているすべてのユーザーのコンピュータに保存されます。ブロックチェーンは、ビットコインの不正利用を防ぐための中核となる技術です。

全てのブロックチェーンをダウンロードするのには数十時間かかるとともに、起動時には新たに追加されたブロックチェーンと同期を行う必要がありここでも時間がかかります。ブロックチェーンのデータ容量は数十GBあり、日々増えています。

簡易型のクライアント

簡易型は、軽量型とも言われ、ブロックチェーンは、利用時に外部サーバーのデータを参照する方式です。すべてのブロックチェーンをご自身のパソコンに保管しない分、すぐに利用することができますが、外部サーバーを参照するため、セキュリティの面では完全型よりは劣ります。

簡易型には、HDウォレット(Hierarchical Deterministic Wallete)というものがあります。これは、仮想通貨のプライベートキー(秘密鍵)を12個の単語に暗号化するもので、スマホなどを失くしたが場合でも別のデバイスにアプリをインストールしてこの単語を使うことにより復元することができます。

オフライン(コールドストレージ)の保管方法

ビットコインを安全に保管する方法として、コールドストレージ機能というものがあります。二つのパソコンを用意し、一つのPCをオフラインにして秘密鍵を保管し、そのPCで取引処理(署名)を行います。もう一つのPCはオンライン環境で利用します。このPCには秘密鍵は保存されていませんのでハッキングを受けてもビットコインを不正取得されることはありません。

USBや外付けハードディスク

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コールドストレージを使ってオフライン環境で取引したデータは、USBメモリ等の物理的媒体を使ってオンライン環境のPCへ移動して利用します。この場合は、USBメモリがウィルス等に感染しないよう注意することが必要です。

また、複数のパソコンを用意できない場合は、USBメモリや外付けのハードディスクをビットコインウォレットのバックアップ場所として利用するようにします。バックアップファイルは、他人に盗まれる心配がないよう、オンラインストレージは使わないようにすることが必要です。

ハードウェア・ウォレットとして保管

ハードウェア・ウォレットとは、ビットコインを保管するために専用に作られている専用のハードウェア・デバイスのことです。USBポートへ挿入したり、Bluetooth接続するタイプのものがあります。ハードウェア・ウォレットは、普段はオフラインで保管され、ビットコインで取り引くする際に、パソコンに接続して利用するので、比較的安全にビットコインを保管できるというメリットがあります。

ただ、ハードウェアは別途購入しなければならないことと、海外製のものしかなく、日本語対応が代理店で作成した簡易な日本語マニュアルしかない場合がほとんどです。

日本での利用を考えると「Trezer(トレザー)」や「Ledger(レジャー)」というUSBメモリタイプのハードウェアウォレットが標準的に利用されています。いずれもAmazonから購入することができます。

ペーパー・ウォレットとして保管

直訳の通り「紙の財布」のことです。紙にアドレスと秘密鍵を印刷して保管する方法で、長期に安全にビットコインを保管する方法と言われています。ただし、一度ペーパー・ウォレットからビットコインを引き出した場合は同じペーパー・ウォレットは使用することはできません。

また、ハッキングや不正侵入によりビットコインを盗まれる危険性はないものの、紙を盗まれたり、直射日光や悪環境下での長期保存による紙やインクの劣化で印字が見えなくなる、火災で焼失するというなど、物理媒体としてのリスクは存在することに注意しましょう。

オンラインの保管方法

オンラインでビットコインを保管する方法は、ウェブ・ウォレットと呼ばれ、インターネット上のウォレット・プロバイダーにビットコインを預けるものです。ソフトウェアのインストール手間がなく、設定も簡単なので、容易に利用できるというメリットがあります。

日本語対応のWebウォレットは、現在「Blockchain」しかありません。

オンラインで保管する危険性

オンライン(ウェブ・ウォレット)の場合、セキュリティ対策はすべてウォレット・プロバイダーに管理を委ねることとなります。万が一、ハッキングや盗聴、不正侵入などの被害にあった場合、自分のウォレットからビットコインが引き抜かれる危険性があります。

使い方が簡単で、利便性については他のウォレットに比べ格段に優れているので、日常的にビットコインを出し入れするウォレットとして少額の資金のみに利用することが好ましいと言えるでしょう。また、利用にあたっては日本語に対応したものであり、トラブル発生時のサービス対応が充実しているウォレット管理会社を選ぶようにしましょう。

オンライン(ウェブウォレット)で利用する場合は、パスワードを難解なものにする、パスワードを定期的に変更する、二段階認証を利用するなどのセキュリティ対策を採ることが重要となります。安全性と利便性はバーターの関係となります。

しかし、パソコンのセキュリティに詳しくない方、データのバックアップや復元方法に疎い方にとっては、運営とセキュリティをプロに任せた方が安全な場合もあり、必ずしもウォレットの中では危険性が高いとは言えない面があるでしょう。

自己管理する方が安全と思っていて、かつ、そのスキルをお持ちの方は、ハードウェアタイプやペーパータイプを使う方が安全と思われますが、自身での安全管理に自信が持てない方は、ウェブ・ウォレットを積極的に利用すべきと思います。もちろん二段階認証を使うなど、よりセキュリティが高い認証方式を利用するようにしてください。

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