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「マウントゴックス事件」をご存知ですか。
ビットコインや仮想通貨に対して大きな影響を与えた事件であり、今なお裁判も行われています。マウントゴックス事件がきっかけでビットコインや仮想通貨にはマイナスなイメージがつきましたが、法整備などが整えられるようになった1つのきっかけにもなっています。
マウントゴックス事件の概要や真相、ビットコインの行方について確認していきましょう。特に最近ビットコインに関心を持ち始めた方は参考にご覧ください。
目次
1.マウントゴックス事件とは

仮想通貨による最も規模が大きく最悪な事件と言われるのが「マウントゴックス事件」です。巨額のビットコインが消失して投資家に大きな損害を与え、ビットコイン・仮想通貨の信頼を大きく落としました。ここでは、マウントゴックス事件の概要について見ていきましょう。
1.マウントゴックス事件の概要
マウントゴックス事件とは、2010年に設立された仮想通貨取引所「マウントゴックス」で巨額のビットコインが消失した事件のことです。2014年2月、マウントゴックスで顧客分の75万ビットコインと自社保有分の10万ビットコインの合計85万ビットコインが消失したと判明しました。
また、顧客からの預かり金の現金約28億円も消失したと発表されました。85万ビットコインとは当時のレートで約480億円相当になり、仮想通貨史上最悪の巨額消失事件となりました。
2.当初はハッキングが原因とされていた
マウントゴックス運営会社代表であるマルク・カルプレス社長は、記者会見を開き、巨額消失についてサイバー攻撃により消失したと主張しました。警視庁にもサーバーの通信履歴などを提出するなどしており、当初はマルク・カルプレス氏の発表どおり「サイバー攻撃による事件」と多くの人が思っていました。
3.社長の不正流用が真の原因
しかし、その後の調査で社長のマルク・カルプレス氏が社内システムの不正操作によってビットコインを消失させたのでは?という疑いが強くなりました。なぜなら、購入記録がないにも関わらず、ビットコイン残高が増えている口座が見つかったことや、同社関係者の証言からデータを操作できたのは社長1人であったこと、自分名義の口座データを2度改ざんして現金残高を水増しした疑いがあったこと、さらに顧客の資金を流用した疑いなどがあったためです。結果、マルク・カルプレス氏は業務上横領などの罪で起訴されました。
同氏は、その後の裁判でも一貫して無罪は主張していますが「社長が不正をして横領した」という形で一旦はこの事件も幕引きしたように思われました。
3.真犯人は別!?
社長が犯人と思われたマウントゴックス事件ですが、社長とは別の真犯人がいるという新しい情報が入ってきました。2017年7月25日に、ロシアのBTC-e取引所の関係者であるアレクサンダービニック氏が6年間にわたり約4400億円ものビットコインをマネーロンダリングしていたとして逮捕されました。
そして、このアレクサンダービニック容疑者がマウントゴックス事件の真犯人では?と言われています。ロイター通信によると米当局はアレクサンダービニック容疑者がマウントゴックス事件にも関連したとみており、マウントゴックスから入手した資金をBTC-eや別の取引所を通じてマネーロンダリングした疑いがあります。まだ不明な点が多いですが、今後、仮想通貨史上最大の事件の真相が明らかになってくると思われます。
2.マウントゴックス事件の問題点
マウントゴックス事件で問題となるのが、取引所の管理方法・体制です。管理の仕方に大きな問題があることからこの事件は起きており、その後の仮想通貨の信用まで下げてしまいました。
1.オンライン上での管理
マウントゴックスではビットコインの管理はオンライン上で行われていました。事件では、ビットコイン自体を改ざんされたわけではありませんが、取引所に保管されている際にハッキングにより流出しています。仮想通貨はインターネット上の通貨であり、ハッキングもインターネット上で行われるため、同じ環境で管理することは大変危険です。そのため、今は多くの取引所がコールドストレージによるオフライン環境で管理しています。
2.横領やハッキングを許す脆弱な管理体制
オンライン上で管理していただけでなく、ビットコインと顧客からの預り金を簡単に横領できる管理体制にも大きな問題がありました。(犯人は社長か別に真犯人がいるかはわかりませんが)社内の誰かが簡単に横領できてしまうような管理体制は極めて危険です。現在の取引所のように会社の資産と顧客の資産は分離して管理をし、第三者による監査なども入れる必要があります。
3.マウントゴックス事件がもたらしたもの
マウントゴックス事件によってビットコイン・仮想通貨のイメージは大きくダウンしてしまいました。ここでは、マウントゴックス事件がもたらしたものや今後について見ていきましょう。
1.ビットコインのイメージダウン
マウントゴックス事件により「ビットコイン=得たいが知れず危ないもの」というイメージが先行するようになり、ビットコイン及び仮想通貨全体のイメージがダウンしました。また、ビットコインがハッキングされたわけではないにも関わらず「ビットコインがハッキングされた」と誤った情報も出回り、ブロックチェーンはセキュリティが高いという情報についても嘘だと広まりました。事件後、多くの人はビットコイン・仮想通貨に対してマイナスな印象を持つようになります。
2.ビットコインの現状
現在、ビットコインは日本だけに限らず、世界で注目されています。事件以降しばらく停滞していましたが、2016年以降上昇を続けています。ビットコインの分裂問題により一時的に下がったものの、ビットコインとビットコインキャッシュが誕生し再び価格は上昇し、8月後半には52万円台の値を付けています。
そして、9月に入り、中国によるビットコイン取り締まり強化、3大取引所による取引停止によって一時30万円台まで下げましたが、2017年9月20日現在で430000円前後で推移しており、時価総額は7兆円を超えています。
3.ビットコインの将来性
国内においても多くの店舗で商品・サービスの決済にビットコインが利用できるようになっており、今後もさらに普及が広がっていくと予想されています。ビットコインの取引量が世界1位を誇る中国の規制がどれくらい影響を及ぼすかは、まだもう少し時間が経ってみないとわかりません。
また、中国以外の国でもビットコインに対して何らかの規制を設ける可能性もあります。今後、さらにネガティブな情報が出るようであればビットコインの普及は大きく遅れる可能性もありますが、既にある程度大きな規模にまで発展しているため、今後も一定のスピードで規模が拡大していくことも十分考えられます。
仮想通貨取引所のハッキングやトラブルはかなり多い
マウントゴックスの一件以降も、国内の仮想通貨界隈を揺るがしたCoincheck事件や、世界的に大ニュースとなったFTXの破綻など、仮想通貨取引所に関するトラブルは非常に多いです。
かなりボラティリティが高い業界であるということを念頭に置いた上で、複数の取引所に分散保持したりするなど対策を講じることが必要です。
まとめ
マウントゴックス事件は未だ犯人が誰かはっきりとわかっていませんが、非常にインパクトの大きい事件だったことは確かです。マウントゴックス事件以降、取引所ではハッキングされないように強固なセキュリティ・管理体制の下、運営をしており、安全に取引ができる環境となっています。ただし、ユーザーは取引所のセキュリティにだけ頼るのではなく、自分自身でも細心の注意を図り管理していくことが大切です。