※本ページにはプロモーション(広告)が含まれています
Macユーザーの方でも必要なファイルを誤って削除してしまった経験は、誰しも一度はあるでしょう。
ゴミ箱に捨てただけであれば、ファイルのある場所が変わっているだけなので、元に戻すことは容易です。しかし、ゴミ箱を空にしてしまったらファイルは削除されてしまい、通常は元に戻すことはできません。
本稿では、Macで誤って削除したファイルの復元方法について解説します。
目次
Macのファイル削除の仕組み
ファイルを削除したといっても、そのデータが即座にHDD等のストレージから消え去るわけではないということをご存知でしょうか?
ファイル削除の仕組みをかんたんに言うと次のようになります。
ファイルデータの保存と削除の仕組み
ファイルのデータは、実データとそれがどこにあるのかという情報(住所)がセットになって管理されています。
ファイルの削除が指示されると、ファイルの実データはそのままで、それがどこにあるのかという住所だけがOSが管理する住所録から削除されるのです。OSは住所録を元にファイルを表示しているので、住所録から削除されたデータはユーザからは見えなくなります。しかしファイルの実データ自体はまだHDD等のストレージにそのまま残っているのです。
HDD/SSDに残ったデータの扱い
そうなると、削除されたファイルのデータが溜まる一方ではないか、と思われるかもしれません。しかしそうではありません。住所録に載っていない番地は、未使用の空き領域同様に他のデータで上書きしてもよいという決まりになっているのです。
こうすることで、その都度実データを削除するという手間を省き、実際にその実データが占める領域が必要になった時に上書きするのです。
ゴミ箱から完全削除したファイルでも復元できる可能性がある理由
市販のデータ復元アプリケーション等はこの仕組みを利用してデータを復元します。特別な方法でHDD等のストレージをスキャンし、削除されたファイル(住所録に載っていない番地にあるデータ)を見つけ出し、再び住所録へ登録します。
しかし、この手法も完璧ではありません。なぜならば、削除されたファイルの実データはいつ他のデータによって上書きされ、破損するのかがまったく解らないからです。極端な話、データ復元アプリケーションをインストールしたことによって、復元したいデータ自体を破壊してしまうこともあり得るでしょう。
たとえユーザが他のファイルを作成・保存するような操作をしていない場合であっても、裏では様々なファイルの作成・保存・削除が常に行われており、それによって復元したいデータの領域が上書きされてしまう恐れがあります。
したがって、ファイルを削除してしまった後からの、いわば後手に回った手法が常に通用にするわけではありません。運が良ければ復元できる、といった程度に考えていただければよいでしょう。
Time MachineからMacで完全削除したファイルを復元する方法
前項で、後手に回った手法が常に有効とは限らないことを説明しました。であるならば、先手に回るしかありません。
この場合の先手とはバックアップを取ることです。バックアップを取っておけば、ファイルを誤って削除した場合であっても元に戻すことが可能です。
OS Xには「Time Machine」という自動バックアップ機能が標準搭載されています。Time Machineを有効にすることで、ユーザが意識せず常に自動でバックアップを取っておいてくれるので安心です。
Time Machineを有効にする
Time Machineを有効にするには、
1. バックアップデータを保存する外付けHDDをMacに接続します。
2. メニューバーのアップルメニューから「システム環境設定…」をクリックします。
3. システム環境設定のウィンドウから「Time Machine」をクリックします。
4. Time Machine環境設定の「ディスクを選択…」をクリックします。
5. 手順1で接続したHDDを「利用可能なディスク」から選択し「ディスクを使用」をクリックします。
6. Time Machine環境設定のスイッチを「入」にします。
これで、Time Machineによる自動バックアップが有効になります。初回のバックアップはシステム全体のデータをコピーするので相応の時間がかかりますが、それ以降は変更のあったファイルだけを対象にバックアップされるので短い時間でバックアップを行うことができます。
Time Machineからファイルを復元する
Time Machineからファイルを復元するには、
1. そのファイルがあったフォルダをFinderで開きます。
2. メニューバーのTime Machineメニューから「Time Machine に入る」をクリックします。
3. Time Machineのインターフェイスの中でフォルダの現在の状態が表示されます(フォルダウィンドウ右側に「今日(現在)」と表示されています)。
4. 「^」ボタンをクリックすることで、Time Machineでバックアップされたフォルダの過去の状態へさかのぼることができます。
5. 目的のファイルが削除される前の状態まで遡ります。
6. 目的のファイルを選択し、「復元」をクリックします。
7. Time Machineのインターフェイスから抜け、元のフォルダにファイルが復元されます。
このように、Time Machineによって常にバックアップを取っていれば、誤って削除してしまったファイルもかんたんに復元することができます。
フリーソフトよりも専門業者に依頼しよう
Macのゴミ箱を空にして完全削除した場合でも、端末の記憶領域から完全に消去された訳ではありません。
そのため、場合によってはゴミ箱から削除しても復元できる可能性が残されています。
この復元作業ができるフリーソフトも世の中にはありますが、パソコン内部の重要な箇所にアクセスする作業となりますので、信頼できる専門業者に依頼をして対応してもらった方が安心です。
「Dropbox」の利用もおすすめ!
ゴミ箱の完全削除などによるファイル紛失を防ぐためには、普段からクラウドサービスを利用するのもおすすめです。
Dropboxは複数端末で同一ファイルを共有できるクラウドストレージサービスですが、保存したファイルは自動バックアップされているので、端末のゴミ箱からファイルを完全削除したとしても、Dropboxから復元することができます。
また、ファイルのバージョン管理も自動で行ってくれているため、誤った情報を保存して上書きしてしまった場合でも、元の正しいファイルに復元したりすることもできます。
ゴミ箱から完全に削除した場合には取り消しができない
Macのゴミ箱からファイルを完全に削除してしまった場合には、削除を取り消しすることができません。
そのため、「command + z」のショートカットを実行してもエラーとなってしまい、ファイルを復元することができませんので注意しましょう。
ゴミ箱からファイルを削除する場合には、取り消し不可の作業であるため注意のポップアップが表示されますので、本当に完全に削除して良いのか確認をしてから実行するようにしてください。
まとめ
本稿ではMacで削除したファイルの復元方法について紹介しました。ファイル削除の基本的な仕組みを説明し、Time Machineによるバックアップ方法とファイルの復元方法について解説しました。
いざというときに後手に回った手法では確実な復元は難しい場合があります。先手に回ってふだんからバックアップを取っておき、確実なファイル復元ができるようにしておくことをおすすめします。