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最近は、日本を訪れる外国人旅行客が増加、3,000万人を超えています。一方で、日本人の海外渡航は、増加傾向ではありませんが、2,000万人弱となっています。
日本人にとってアジア圏は人気が高いエリアですが、韓国などに比べると中国を訪れる方はそれほど多くはありません。その分、これから多くの歴史遺産を見に中国に行かれる方が増えることも予想されますが、現地の情報はまだ少ないです。
ここでは、最近は生活インフラの1つとなっている中国のインターネット事情について説明していきたいと思います。次の旅行や出張の参考にしてください。
目次
中国のインターネット規制「金盾(グレートファイアーウォール)」)
インターネットはもともとは米国で軍事目的で開発されたものですが、今では誰でも利用できる環境にあります。「誰でも、どこからでも、どこへでも」が基本コンセプトですが、最近は有害サイトなどもあるでの、ご自分でウィルスチェックのソフトを入れて接続を制限されている方もいらっしゃます。
中国では、日本でアクセス可能なサイトでも、実はアクセスできないことが多々あります。これは、インターネット接続の問題ではないので、最初はかなりとまどうことになります。現地で困らないように、ここで状況を理解しておきましょう。
金盾とは
中国やロシア、キューバなどでは、国家としてインターネットを規制しています。接続してはいけないサイトを国として規制対象にしているのです。その中でも中国の規制は、一番厳しいものとなっています。
これを実現するために2003年から稼働しているのが「金盾」または「Great Firewall(GFW)」と呼ばれるインターネット接続の検閲&規制機能です。
中国から海外へ接続される出入口は、インターネットプロバイダー(インターネットサービスを提供する会社)が管理しており、ここにスーパーコンピュータを設置して、国外への接続をチェックして、必要に応じて規制しているのです。
金盾は具体的に何をするの?
金盾では、国外へのインターネット接続のうち、あらかじめ政府などが設定したブラックリスト(接続してはいけないサイトの一覧表のようなもの)にあるサイトに接続要求をした場合、その接続を処理せずにエラーで応答します。これにより、接続を要求した人にはエラーが返り、実行されないことになります。
このブラックリストは検査員によるだけでなく、AI(人工知能)によっても日々更新されています。
普通にWi-Fiをレンタルするだけでは規制に引っかかる
このような規制は、中国から国外に出るすべてのインターネット接続に適用されるので、あなたが旅行者で日本人であっても除外されません。
ですから、ポケットWifiをレンタルして、中国の街中でインターネットに接続、もしブラックリストにのっているサイトに接続しようとすればエラーになって接続できません。日本人だからと言って特別扱いはありません。
規制されるサービス
「世界で普通に使われているサービスは規制されていないよね。」と思った方、そんなことはありません。規制はあくまでも中国国家として問題とみなしたサイトすべてに適用されます。
具体的には、Google各種サービス、YouTube、Dropbox、Line、Facebook、Instagram、Twitter、などが対象です。世界で人気のあるSNSや動画サイトなどはほぼ利用できません。これ以外にも、一部のブログ、一部企業のホームページ、宗教法人なども規制の対象です。
インターネット規制回避方法①VPNを設定する
「インスタにアクセスできないというのはありえない。」という方も多いですよね。ここでは、VPNというサービスを使って規制を回避する方法をご紹介したいと思います。
VPNとは
VPNというのは、「Virtual Private Network」の略で、仮想ネットワークと呼ばれる技術です。
中国からいったん日本やシンガポールのサーバーに接続をして、そこから通常のインターネットに接続することになります。中国と日本やシンガポールにあるサーバーの間は、VPNトンネルという暗号化された接続なので、本来接続したいサイトの情報は中国では解読されず、日本やシンガポールのサーバーに到達した時点で解読されインターネットに接続される仕組みです。
これならブラックリストにある情報でも規制されることはありません。
VPNが利用できる会社と料金
ここでは、中国で利用できるいくつかのVPNサービスをご紹介しておきます。
ExpressVPN | UCSS | VPN.AC | |
---|---|---|---|
1年間の利用料金 | $99.95 (3ヶ月無料付) |
$89 | $58 |
1ヶ月の利用料金 | $12.95 | $11 (3ヶ月払い) |
$9 |
使用可能台数 | 3 | 3 | 6 |
利用できる端末 | Windows, Mac, iOS, Android, Linux, ルーター | Windows, Mac, iOS, Androidなど | Windows, Mac, iOS, Androidなど |
サーバー数 | 94か国、2,000 | 約20か国 | 21か国 |
データ利用量 | 制限なし | 月間50GB | 制限なし |
ExpressVPNは世界各国でサービスを展開するメジャーなVPNサービス会社。サーバーも各国にあるので自由度は高いです。また、端末の種類もほぼすべてに対応しているので安心です。
UCSSは、中国に強いVPNサービスと思われます。また、日本のストリーミングサービス(にこ動画)にも対応しているようなので、利用されたい方には便利なVPNです。ただし、月間のデータ使用量に制限があるので利用される場合は注意してください。
VPN.ACは比較的新しく、積極的にVPNサービスを拡大しています。価格も他のVPNサービスに比べ低めの設定となっています。
VPNを利用するメリット
通常では、使えないSNSなどのサービスが利用できることです。
利用に際しては、特に新しい機器などは不要で、スマホやパソコンにVPN用のアプリをインストールします。規制があるサービスを利用する前に、このVPN用のアプリを実行してから、SNSなどにアクセスをすると、指定した国のサーバーを経由してインターネット接続要求が実行されるので、中国の規制を避けることが可能になります。
VPNを利用するデメリット
インターネット接続時に他の国のサーバーを経由するので、速度が低下する場合があります。迂回をするVPNの仕組み上これは避けることが出来ません。ただし、VPNのサービスプロバイダーも速度の低下がなるべくおきないように、多くの国にサーバーを置く(迂回する国までの距離を短くする)、サーバーの処理能力を上げるなどの対策をとっています。
また、中国側でもVPNを利用して規制を避ける動きを察知しているので、VPNサービス用の各国のサーバー自体をブラックリストに登録する動きもあります。VPNでは暗号化されているとはいえ、最初に指定されたサーバーに接続しないといけないので、この時点ではサーバーのアドレスが見えています。このアドレスをブラックリストに登録されるとVPNサービスが実行できなくなってしまいます。
インターネット規制回避方法②香港simカードを利用する
これは、中国に旅行するにもかかわらず、香港用のSIMカードを使うものです。いわゆるデータローミングです。インターネット接続は香港経由になるので、中国の規制は適用されなくなります。
香港は中国と同じ国ではありますが、「一国二制度」といって、制度は別運用なので中国とは異なるインタネット接続、つまり中国の規制はありません。
SIMカードというのは、みなさんのスマホに差してあって、接続するキャリア(ドコモやソフトバンクなど)を決めているものです。これを香港のキャリアにして中国で利用できるようにします。
ただし、大前提としてあなたのスマホが「SIMフリー」であることが必要です。せっかくSIMカードを交換してもスマホがキャリアに固定されている「SIMロック」タイプだと使用できないのでご注意ください。よくわからない場合は、契約しているキャリアに確認しておきましょう。
通販で事前購入する
【中国聯通香港】「 中国 本土31省と 香港 8日間 無限 上網 Data通信 専用 プリペイド/SIMカード 」 新品価格 |
使えるSIMは中国聯通香港(チャイナユニコムHK)になります。これ以外のキャリアは対応しておりませんのでご注意ください。
旅慣れた方だと、「SIMカードは現地の空港で買うのが一番安い。」とおっしゃるかもしれません。ただし、今回は出発前にAmazonや楽天で事前購入をおすすめします。中国だけど中国ではない「中国聯通香港」のSIMカードは空港で販売されていない可能性が高いのです。
購入する場合は、有効期限と配送期間にも注意してください。あまりぎりぎりに購入すると受け取りが間に合わない場合もあります。
設定方法
通常設定は、現地に到着してから行ってください。日本でSIMカードを交換しても香港のキャリアの電波は受信できないので、設定完了できません。SIMカードの交換をしたことがない方は、スマホの説明書にSIMカードの入れ方が書かれているはずなので、これを読んで必要なツール(ピンなど)も持参してください。
購入した中にはSIMカードの他に日本語の説明書も入っています。この説明書通りに実行すれば難しいことはありません。Android用とiPhone用が別々に書かれています。
例えばiPhoneでは、SIMカードを交換した後に「設定→モバイル通信→モバイルデータ通信をON→通信のオプション→モバイルデータ通信ネットワーク」でAPN=3gnetと入力するだけです。あとは、自動的に電波を受信して接続してくれます。なお、日本用のSIMカードはきちんと保管しておいてください。帰国後はもとに戻さないと日本でスマホが使えなくなります。
香港simカードを利用するメリット
いつも使っているスマホを、普通に中国でも使用できます。これ以上のメリットはありませんね。短期間の契約なので、VPNのように月額料金を支払わなくてよいことになります。
香港simカードを利用するデメリット
まず、SIMカードを交換しないといけないので、購入時にドコモお任せ、という方にはハードルが高いかもしれません。また、通販での購入なのでお店の人に交換しいてもらう、というオプションも取れません。
使用できるデータ量がそれほど多くはないので、ヘビーユーザにはちょっと物足りない可能性もあります。そして、このSIMカードはデータ専用なので電話を利用することは出来ません。ただし、SkypeやLINEの電話はインターネット経由なので利用可能です。
おすすめsimカード2選
中国聯通香港(チャイナ・ユニコムHK)
対応する周波数帯が国際的に広く使われているものなので、ほぼすべてのスマホに対応。つまり、日本で使っているスマホをそのまま持っていけばいいことになります。ただし、接続は3Gで、主流のLTE(4G)の一世代前に規格になります。
Amazonでは7日間、4GBで2,280円となっています。
中国移動香港(チャイナ・モバイルHK)
こちらは、LTE(4G)に対応しており、3Gよりも高速でインターネット接続が可能です。ただし、こちらは接続できるスマホが制限されます。対応する周波数帯が限られています。ただし、最近のスマホは対応する周波数帯も広がっているので、中国移動香港のホームページとお持ちのスマホのホームページで対応周波数を確認してください。現地でいきなり使えないとどうしようもありません。
Amazonでは4日間、テータ無制限で590円となっています。
まとめ
このように、中国では普通に使っているインターネット上のサービスが利用できません。いきなりGoogleで検索、というわけにはいかないのです。
いつも通りにいかないと旅行中、ストレスになりかねません。これを解決するVPNとSIMカードをご紹介しました。VPNは長期滞在または駐在の方向けですね。一方でSIMカードは、1週間程度の短期滞在の方向けです。
あなたの計画にそって最適なサービスを選んで、中国でもインターネットを満喫して最高の旅行をしてください。