AirMac Extremeは、デザイン的にも洗練され、高速なWi-Fi環境が利用可能な、Apple純正の無線LANルーターです。AirMacと名称のついた無線ルーターには、価格が安くて人気の「AirMac Express」、その上位版となる「AirMac Extreme」、そして、Time Machineと連動し、バックアップ機能のある「AirMac Time Capsule」の3つのモデルがあります。
最新モデルであった「AirMac Extreme」を含み、2018年にAirMacシリーズは製造終了となっています。ですが、サポートは継続しており、中古品でも人気もあるようで、取引は続いています。
Apple社の製品はとてもデザイン性に優れています。ここではAirMacシリーズの歴史について振り返ってご紹介したいと思います。
目次
AirMac の歴史
AirMac ベースステーション
AirMacの歴史は、1999年に発売されたAirMac ベースステーションにまでさかのぼります。
当時は、スケルトンデザインのディスプレイ一体型iMacが人気であった時代です。一代目のAirMacのデザインは、スライムのような形での空飛ぶ空飛ぶ円盤形状の通称「グラファイト」と呼ばれるデザインで世の中に登場しました。モデム用ポートと、イーサネット用ポートがひとつそなわっています。
グラファイトに続き、「スノー」もしくは「デュアル・イーサネット」と呼ばれるAirMacが2001年に登場します。名前の通り、2つのイーサネット・ポートとなります。
AirMac Extremeベースステーションの登場
2003年に「AirMac Extremeベースステーション」が発表されたことにより、AirMac ベースステーションは製造中止になりました。
AirMac Extremeのデザインは同じく空飛ぶ円盤形状でも、当時アップルのメインカラーであるポリカーボネート製の白い筐体となりました。MacでWifiを使用するためには。Wifiの受信装備は標準では装備されていなかったので、「AirMac Extremeカード」を装着する必要がありました。最高54Mbpsのワイヤレス接続と、プリンター等を共有できるUSBポートに、外部アンテナ・ポートも追加されています。
二代目は、モデムと外部アンテナポートのない製品でしたが、ごく短期間で「AirMac Express」登場で姿を消します。
三代目は、2004年に発表され、Power over Ethernet (PoE) の利用可能なモデルで登場します。この後、2007年のAirMac Extreme 802.11nを待つこととなります。
AirMac Extremeの登場
2007年に「AirMac Extreme 802.11n」(第1世代)が発表され、「AirMac Extreme」時代に突入します。
第1世代・・・MacMiniと同じようなデザインで、正方形の薄型ランチボックスのような形態となって登場し、通信規格も802.11nになり、有線LANポートが3つそなわっています。
第2世代・・・2007年発表。ギガイーサネット対応となります。
第3世代・・・2009年発表。2.4GHz帯と5GHz帯が同時に使えるようになります。
第4世代・・・2009年発表。アンテナのデザインを改良し通信速度・範囲が広がります。デザイン変更するあたりAppleっぽいです。
第5世代・・・2009年発表。最大で450Mbpsのデータ転送が可能となります。
AirMac Extreme 802.11ac・・・2013年発表。現在の形態でタワー形状のデザインとなり、筐体は大きくなったもののアンテナの数を増やし、通信規格も801.11acに対応して大幅な速度アップが図られています。
AirMac Extremeの概要
最新のAirMac Extremeは、約10cm角の正方形で、高さ168mmのタワー形状をしています。
背面には、有線LANの接続ポートとして、ギガビット・イーサネットWANポートが1個、ギガビット・イーサネットLANポートが3個があります。また、外付けハードドライブやプリンタを接続可能なUSB2規格のUSBポートが1つあります。USBポートは、USBハブを使って複数のUSB装置と接続することも可能です。
最新のAirMac Extremeは、ビームフォーミング機能を有しており、受信側の機器を感知してその方向に対して強い電波を送ることができ、これにより利用可能エリアを広げ、より高速で安定した通信を可能としています。
簡単な初期利用設定
ギガビット・イーサネットWANポートと光回線などのDSLモデムをイーサネット・ケーブルを使って接続するだけです。電源を投入し、AirMac Extremeの正面下にあるステータスランプが、オレンジの点灯から緑の点灯に変わったらインターネットへの接続が確立し正常に動作していることになります。そして、Mac(iOSデバイスからも可能)から「AirMacユーティリティ」を使って簡単に接続設定ができます。
「AirMacユーティリティ」は、Mac OS Xの「ユーティリティ」フォルダにあります。起動すると、インターネットアイコンの下にAirMac Extreme等の接続されている機器が表示されます。(表示されない場合は、画面左上の「その他のWi-Fiデバイス」から選択してください。)
AirMacユーティリティの指示に従って新しいネットワークの設定を簡単に作成することができます。
ゲストネットワークを作ると、友人やお客様にもワイヤレスインターネット接続を使ってもらえます。この接続は、ローカルのネットワークにはアクセスできませんので、ネットワーク上のディスクドライブやプリンタへの接続を制限することができます。
ただし、セキュリティなしの状態で常時利用可能な状態にしておくことは、家の外からでも接続され無断使用される恐れがあります。パスワードを設定しておくか必要な時に設定するよう心がけてください。
AirMac Extremeの通信規格
初代のAirMacの通信規格は、IEEE 802.11b/g、無線の周波数帯は2.4GHzでした。最新の製品では、通信規格は IEEE 802.11ac、周波数帯は2.4GHzと5GHzのデュアルバンドに対応しています。これまでは、無線(WiFi)は有線(イーサネット)より遅いというのが定説でした。大容量のデータを扱う時はイーサネットケーブルに切り替えて使うような状況もありました。
最新のAirMac Extreme の通信規格 802.11acでは、有線LANのギガバイトイーサネット(1000BASEーT)よりも、理論値、実測値とも超えており、今では無線LANのほうが有線LANより転送速度は速くなっています。高速なブロードバンド回線を契約されていて、最近のMacを利用されている方は超高速なWiFi環境を手に入れることができます。
デュアルバンドの役割
最近のAirMac Extreme は、2.4GHzと5GHzの二つの周波数帯域で利用することができます。本体背面には、WAN側のLANケーブルポートと共に、LAN側のポートが3つ付いており、WiFiステーションと共に有線のネットワーク網も構築することができます。
これまでの2.4GHz帯では、電子レンジ、コードレス電話やBloutoothの電波と同一の周波数帯域を使用していますので、ベースステーションの設置場所によっては、干渉が起こり、ネットワークが切断されたり、不安定になったりしました。
これに対応するためには、AirMac Extreme側で使用しているチャンネルを変更し、他の機器との干渉を避けるという対処方法が採られてきました。しかし、最近では街中にWi-Fi電波が氾濫し他機器との干渉を避けるのは難しくなってきています。5GHz帯比較的混雑なく利用が可能です。
5GHz利用の設定方法
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