Macには「プレビュー」という標準アプリが搭載されており、PDFの閲覧・編集から画像の変換・加工まで幅広い用途に活用できます。Adobe Acrobatなどの有料ソフトを使わなくても、日常的なPDF・画像操作の大半はプレビューアプリだけで完結できます。本記事では、プレビューアプリの基本から上級テクニックまで、2026年最新の機能を含めて徹底解説します。

この記事でわかること

  • プレビューアプリの基本機能と起動方法
  • PDFへの注釈・署名・フォーム記入の方法
  • 画像の切り抜き・回転・サイズ変更の手順
  • ファイル形式の変換(PDF→JPEG・PNG等)
  • 複数ページPDFの管理・並び替え方法
  • PDFにパスワードを設定する方法

Macのプレビューアプリとは

プレビュー(Preview)は、macOSに標準搭載されているファイル閲覧・軽量編集アプリです。PDFや画像ファイルをダブルクリックすると自動的にプレビューが起動し、すぐに内容を確認できます。

プレビューアプリの主な特徴は次のとおりです。

  • PDF・画像の閲覧(JPEG、PNG、TIFF、GIF、BMP、SVG、PSD など)
  • PDFへのテキスト入力・注釈追加
  • 電子署名の作成と挿入
  • 画像のトリミング・回転・サイズ変更
  • ファイル形式の変換・書き出し
  • 複数PDFページの結合・並び替え
  • PDFへのパスワード保護

macOS Sequoia(2026年現在)では、マークアップ機能のUIが改善され、より直感的にPDF編集が行えるようになっています。

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プレビューアプリの起動と基本操作

プレビューを起動する主な方法は以下のとおりです。

起動方法

方法 手順
ファイルダブルクリック PDFまたは画像ファイルをダブルクリック(デフォルトの場合)
右クリックで開く ファイルを右クリック →「プログラムから開く」→「プレビュー」
Launchpadから起動 Launchpad →「プレビュー」を検索・クリック
Spotlightから起動 Command+Space →「プレビュー」と入力 → Enter
Finderから開く Finderでファイルを選択 → Command+O

基本的なキーボードショートカット

ショートカット 操作
Command+M マークアップツールバーの表示・非表示
Command+Option+1 サムネイルパネルの表示
Command+K 選択範囲をトリミング(切り抜き)
Command+L 画像を左に90度回転
Command+R 画像を右に90度回転
Command+E 書き出し(形式変換)
Command+P 印刷

PDFへの注釈・テキスト追加

プレビューのマークアップ機能を使うと、PDFに注釈やテキストを自由に追加できます。元のPDFファイルを変更することなく、コメントや修正指示を記入できるため、ビジネス文書の確認作業に大変便利です。

マークアップツールバーの表示

プレビューでPDFを開いた状態で、メニューバーの「表示」→「マークアップツールバーを表示」をクリックするか、ツールバーのペンアイコンをクリックします。画面上部にマークアップツールが並んだツールバーが表示されます。

使用できる注釈ツール一覧

ツール名 用途
テキスト PDFの任意の場所にテキストボックスを追加
ハイライト テキストに色付きマーカーを引く
取り消し線 テキストに取り消し線を引く
下線 テキストに下線を引く
フリーフォームペン 手書きで自由に描画
図形 矢印・四角・円などの図形を挿入
拡大ルーペ 特定箇所を拡大表示するルーペを追加
注釈 吹き出し形式のコメントを追加

PDFへの署名追加方法

プレビューを使えば、PDFに電子署名を追加できます。印刷してサインしてスキャンするという手間のかかる作業が不要になります。

署名の作成手順

署名を作成するには2つの方法があります。

方法1:トラックパッドで署名

  1. マークアップツールバーの「署名」アイコンをクリック
  2. 「署名を作成」→「トラックパッド」タブを選択
  3. 「ここをクリックして開始します」をクリック後、トラックパッドに指で署名を書く
  4. Enterキーを押して完了
  5. 「完了」をクリックして署名を保存

方法2:カメラで署名

  1. 白い紙にペンで署名を書く
  2. マークアップツールバーの「署名」→「署名を作成」→「カメラ」タブ
  3. 署名を書いた紙をMacのカメラの前にかざす
  4. 署名が認識されたら「完了」をクリック

署名の挿入方法

  1. マークアップツールバーの「署名」アイコンをクリック
  2. 保存済みの署名を選択
  3. PDFの署名欄にドラッグ&ドロップして位置を調整
  4. コーナーをドラッグしてサイズを調整
  5. Command+Sで保存

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PDFフォームへの記入方法

フォームフィールドが設定されているPDFの場合、プレビューで直接テキストを入力できます。役所や金融機関から配布されるPDF申請書を直接入力して提出する際に便利です。

フォーム入力の手順

  1. プレビューでフォームPDFを開く
  2. 入力フィールドをクリックするとカーソルが表示される
  3. テキストを直接入力する
  4. チェックボックスはクリックでオン/オフ切り替え
  5. ラジオボタンはクリックで選択
  6. Command+Sで保存(元のファイルに上書き)

フォームフィールドがない通常のPDFにテキストを追加したい場合は、マークアップツールバーの「テキスト」ツールを使って任意の場所にテキストボックスを配置します。

画像の編集機能

プレビューは画像の軽量編集ツールとしても優秀です。複雑な加工は専用アプリが必要ですが、日常的な操作はプレビューだけで十分対応できます。

画像の切り抜き(トリミング)

  1. プレビューで画像を開く
  2. 選択ツール(点線の四角アイコン)をクリック
  3. 切り抜きたい範囲をドラッグして選択
  4. 「ツール」→「選択した範囲にトリミング」またはCommand+Kを押す
  5. Command+Sで保存

楕円形や自由形状での切り抜きも選択ツールを切り替えることで対応できます。

画像の回転・反転

操作 メニュー ショートカット
左に90度回転 ツール → 左に回転 Command+L
右に90度回転 ツール → 右に回転 Command+R
水平方向に反転 ツール → 水平方向に反転 なし
垂直方向に反転 ツール → 垂直方向に反転 なし

画像サイズの変更

  1. 画像をプレビューで開く
  2. メニューバーから「ツール」→「サイズを調整」を選択
  3. 「イメージのサイズ調整」ダイアログが表示される
  4. 「縦横比を保持」のチェックを確認して幅または高さを入力
  5. 解像度(通常は72または300 DPI)を設定
  6. 「OK」をクリックして適用
  7. Command+Sで保存

色の調整(色調補正)

「ツール」→「カラーを調整」から、露出・コントラスト・ハイライト・影・彩度・色温度などを調整できます。写真の明るさや色味を手軽に補正したいときに便利です。

ファイル形式の変換(書き出し)

プレビューは多くのファイル形式への変換に対応しています。PDFをJPEGに変換したり、PNGをTIFFに変換したりといった操作をコマンドラインなしに行えます。

変換手順

  1. 変換したいファイルをプレビューで開く
  2. 「ファイル」→「書き出す」を選択(PDFの場合は「PDFとして書き出す」も選択可)
  3. 「フォーマット」プルダウンから変換先の形式を選択
  4. 品質(JPEG の場合は圧縮率)を設定
  5. 保存先と名前を指定して「保存」

対応している書き出し形式

形式 特徴・用途
JPEG 写真向け・ファイルサイズ小・圧縮で画質劣化あり
PNG 透過対応・無劣化・Webグラフィック向け
TIFF 高品質・印刷向け・ファイルサイズ大
PDF 文書配布向け・複数ページ対応
HEIC iPhoneの標準形式・高圧縮・macOS対応
BMP Windows標準形式・無圧縮
GIF アニメーション対応・256色制限

複数ページPDFの管理・並び替え

複数ページのPDFをプレビューで管理する機能は非常に強力です。ページの追加・削除・並び替えがドラッグ操作で直感的に行えます。

サムネイルパネルの表示

  1. PDFをプレビューで開く
  2. 「表示」→「サムネール」を選択(またはCommand+Option+1)
  3. 左側にページのサムネイルが一覧表示される

ページの並び替え

サムネイルパネルでページのサムネイルをドラッグするだけで順序を変更できます。複数ページを選択(Commandキーを押しながらクリック)してまとめて移動することも可能です。

ページの削除

  1. サムネイルパネルで削除したいページを選択
  2. Deleteキーを押す
  3. 「削除」をクリックして確認
  4. Command+Sで保存

PDFへのページ追加(結合)

  1. ベースとなるPDFをプレビューで開く
  2. サムネイルパネルを表示
  3. 追加したいPDFまたは画像をサムネイルパネルの任意の位置にドラッグ
  4. 挿入位置を確認してCommand+Sで保存

別々のPDFを完全に結合したい場合は、両方のPDFをプレビューで開き(別ウィンドウ)、一方のサムネイルをもう一方のサムネイルパネルにドラッグして追加します。

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PDFへのパスワード保護

機密性の高い文書をPDF化して送付する際、パスワードを設定することで第三者の閲覧を防止できます。プレビューだけでパスワード保護が完結します。

パスワード設定手順

  1. 保護したいPDFをプレビューで開く
  2. 「ファイル」→「PDFとして書き出す」を選択
  3. ダイアログ左下の「詳細を表示」をクリック
  4. 「パスワードを要求」にチェックを入れる
  5. 「オーナーパスワード」にパスワードを入力(オーナーパスワードで印刷・編集制限も設定可)
  6. 「ユーザーパスワード」でも閲覧時のパスワードを設定可能
  7. 保存先を指定して「保存」

設定後は、そのPDFを開く際にパスワードの入力が求められるようになります。パスワードを忘れると開けなくなるため、安全な場所に控えておきましょう。

プレビューの便利テクニック集

スナップショット(画面キャプチャのトリミング)

スクリーンショット(PNG)をプレビューで開き、必要な部分だけをトリミングして保存することで、不要な部分を簡単に除去できます。

検索機能で文字を探す

PDFに収録されたテキストはCommand+Fで全文検索が可能です。スキャンされたPDFでも、OCR処理済みの場合は文字検索できます。

テキストの選択とコピー

PDFのテキスト選択ツール(ツールバーの「T」アイコン)に切り替えると、PDFの文章をドラッグで選択してCommand+Cでコピーできます。

連続ページ表示とスライドショー

「表示」→「連続スクロール」にすると複数ページを上下スクロールで閲覧できます。「表示」→「スライドショー」ではプレゼンテーション形式での表示も可能です。

プレビューでPDFをスキャン(iPhone/iPad連携)

macOS Sequoiaではより強化されたiPhone連携により、「ファイル」→「iPhoneからインポート」→「書類をスキャン」でiPhoneのカメラを使って書類をスキャンし、直接プレビューで開けます。

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よくある質問

Q. プレビューで保存したPDFをAdobeで開いたら注釈が消えた

プレビューの注釈はApple独自の形式で保存される場合があり、Adobe Acrobatとの互換性が完全ではないことがあります。互換性を高めるには、「ファイル」→「PDFとして書き出す」を選択して書き出すと、注釈がPDF標準形式でフラット化されます。

Q. PDFのページを分割して個別ファイルにする方法は?

サムネイルパネルで個別のページを選択し、「ファイル」→「選択したページを新規ドキュメントに移動」を選択すると、そのページだけの新しいPDFとして保存できます。

Q. 画像を白黒(グレースケール)に変換したい

「ツール」→「カラーを調整」でダイアログを開き、「彩度」スライダーを左端まで下げるとグレースケールになります。「ツール」→「カラープロファイルを割り当てる」からグレースケールプロファイルを選ぶ方法もあります。

Q. プレビューが起動しない・クラッシュする場合の対処法

プレビューの設定ファイルが壊れている可能性があります。Finder でホームフォルダ → ライブラリ(Optionキーを押しながら「移動」メニューで表示) → Containers → com.apple.Preview フォルダを削除してから再起動してみてください。

Q. 複数の画像をまとめてPDFに変換したい

Finderで変換したい画像ファイルを複数選択し、右クリック→「プログラムから開く」→「プレビュー」を選択します。プレビューが起動したら「ファイル」→「PDFとして書き出す」でまとめてPDFに変換できます。

まとめ

Macのプレビューアプリは、無料・標準搭載ながら非常に多機能なPDF・画像処理ツールです。主な活用ポイントをまとめると以下のとおりです。

  • PDF編集:注釈・テキスト追加・ハイライトなどのマークアップが可能
  • 電子署名:トラックパッドまたはカメラで署名を作成してPDFに挿入
  • フォーム入力:PDFフォームのフィールドに直接テキスト入力
  • 画像編集:切り抜き・回転・サイズ変更・色調補正
  • 形式変換:JPEG・PNG・TIFF・GIFなど多様な形式に書き出し可能
  • PDF管理:ページの結合・分割・並び替えをサムネイルで直感操作
  • パスワード保護:PDF書き出し時にパスワードを設定して機密文書を保護

有料ソフトを導入する前に、まずプレビューアプリで対応できないか試してみましょう。日常的な作業の大半はプレビューだけで完結できるはずです。