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現在視聴率の恒常的な調査を行っている会社は「ビデオリサーチ社」だけです。ビデオリサーチ社では、前週分の視聴率を翌週の水曜日(水曜までの平日に祝日があれば木曜日)にインターネット上の情報を更新することになっています。つまり、視聴率速報として数字が出ているものに関しては、どこからその情報を得ているのかが気になるところでしょう。
視聴率のデータそのものは、ビデオリサーチ社で翌日には集計が完了してデータ化されていますので、速報としてデータ更新前に視聴率を知ることはできそうです。
情報源はビデオリサーチ社
ビデオリサーチ社では、契約をしている会社に対して有償で視聴率データを提供しています。このことはビデオリサーチ社のホームページにも記載されており、公表できる情報を週間のジャンル別ランキングと歴代のランキングのみと断りを入れているようです。
また、ホームページ上に公開されている視聴率データに関しては、許諾を得ることにより転載することもできますが、事前に視聴率のデータを得るためには、ビデオリサーチ社と契約関係にある会社の関係者であるか、若しくは有償で指定期間の視聴率データを買い取るかのどちらかになります。すでに公開済みの情報であれば、転載や研究用などで利用するために許諾を取ることも出来るようですが、転載目的やデータ量のよっては許可されない場合もあるとのことです。
視聴率データの料金はどのくらい?
現在行われている視聴率データは機械式での調査が行われていますが、テレビからの視聴データを収集しているのはビデオリサーチ社のみです。そのため、テレビによる視聴率データに関しては独占的な立場にあると言えるでしょう。そのデータの詳細は有償で提供されていますが、その価格については公にはされていません。そこで、テレビではなくインターネット視聴のデータから価格を推測してみることにします。
インターネット視聴率データの価格
インターネット視聴率を調査している会社はビデオリサーチ社を含めて5社存在しています。それぞれが視聴率の統計を取るサンプリング方法などが異なり、データの料金も多少変動があります。以下にその詳細をまとめてみました。
●Japan Access Rating(JAR)
日本リサーチセンターが開発し、アイ・エス・ティが販売を担当しているネット視聴調査です。1999年に国内で初めてインターネット視聴率調査を開始しています。低料金でのデータ提供をしているため、スタートアップ企業でも利用できるのが特徴です。
・4週間のうちに4回以上インターネットに接続している世帯を対象として、3000人のモニターを抽出して調査しています。半年に一度、モニターの半分を対象者5万人の中から選んで入れ替えています。
・データの価格
スタンダード版 スポット購入5万円 年間購入42万円
プロフェッショナル版 スポット購入15万円 年間購入120万円
●日経BP社インターネット視聴率調査
全国から無作為に選んだ一般家庭のモニターと、ビジネスにか関わるビジネスマンを合わせて集計しています。特定のカテゴリに強いデータを抽出しているのが特徴です。1999年にJARより数か月遅れでスタートしました。
・週に一度以上インターネットを利用している15歳以上のモニターを3250人抽出して集計を行っています。年に1度モニター契約を行い最長2年で入れ替えているようです。
・データ価格
1ファイル単位 最新で4000円 前月分までは2000円で提供
●Nielsen//NetRatings「オーディエンス・メジャーメント・サービス(AMS)」
世界17か国でネット視聴率を調査している会社で、2000年から日本での調査を開始しました。幅広いジャンルを統計しており、モニター数も多いのが特徴です。
・PC所有者の中で3万人のモニターを抽出し、半年ごとに退会者と非利用者を入れ替えています。(最長で3年)
・データ価格
年間契約のみで、データのジャンルが広いため、個別に見積りが必要。
●ビデオリサーチネットコム「Internet Audience Measurement」
2000年よりネット視聴率調査に参入しました。他社には無いテレビ視聴率調査のノウハウを生かして調査をしているのが特徴です。
・4800世帯(約7000人)を調査対象として、1年ないし半年で対象を入れ替えています。
・データ価格
データ量が多いため、利用単位に応じて個別に見積もりが必要とのこと。標準的な利用項目で30~40万円というデータがある。
●diaMetrix「ドメイン&デジタルメディアアプリケーション・レポート」
5社の中では最後発になりますが、世界13か国、ネット利用者の約90%をカバーしているという圧倒的なモニター対象を有しているのが特徴です。
・インターネット利用者に限らず、ネットを利用するアプリなどからもリサーチが可能です。約9000人のモニターを抽出し、より詳細な利用シーンにおける視聴率データを提供することができます。
・データ価格
データ区分など細部にわたるため、個別に見積もりが必要
速報データの入手は有償で買う必要がある。
テレビ視聴での視聴率の価格は正確にはわかりませんでしたが、ネット視聴率調査においての価格帯から推測すると、1番組当たりの視聴率を知るだけなら数千円程度で済む可能性がありそうです。個人のブログなどで視聴率速報を掲載し、閲覧数を増やす方法として利用されていることが推測できます。
ビデオリサーチ社を介して視聴率データの購入ができるので、自分で視聴率速報が知りたいと考えているならば、ホームページや電話などを介して問い合わせてみるのが良いでしょう。
ストリーミング時代における視聴率速報の重要性
近年、NetflixやAmazon Prime Videoなどのストリーミングサービスの普及により、テレビ視聴の在り方が大きく変化しました。それに伴い、視聴率速報の重要性や見方も変わりつつあります。視聴率速報は、リアルタイムでの視聴動向を捉える重要な指標ですが、録画視聴やオンデマンド視聴が一般的になった今、視聴率だけでは番組の真の人気度を完全には反映しないことがあります。
録画やタイムシフト視聴の影響
現在の視聴率調査では、リアルタイム視聴だけでなく、録画や「タイムシフト視聴」も集計されることがあります。タイムシフト視聴とは、視聴者が放送後に録画した番組を後から視聴することを指します。このように、視聴者が自分の都合に合わせてコンテンツを消化することが増えると、速報視聴率が全体の人気度を完全には示していない場合が多いのです。
ストリーミングデータとの連動
一部のデータプロバイダーや放送局では、ストリーミング視聴数も併せて報告するようになっています。特にNHKは、「NHKプラス」などのネット配信サービスの視聴データを視聴率に含めて報告し、ユーザーの視聴行動をより正確に反映しようとしています。
視聴率データの多角的な分析が必要
今後は、リアルタイムの視聴率だけでなく、録画視聴やストリーミングのデータも含めた「多角的な視聴率データ分析」が求められるでしょう。特に広告業界や制作会社にとっては、より包括的な視聴データが今後の番組制作やマーケティング戦略に影響を与える重要な指標となります。
視聴率速報とSNSの相互影響
近年、テレビ番組の視聴とSNSでの反応が密接に関連してきています。番組が放送されている最中、TwitterやInstagramなどのSNSではリアルタイムで視聴者のコメントや感想が飛び交い、視聴者の反応が視聴率にも影響を与えることが少なくありません。特に、テレビ番組のリアルタイム視聴中に盛り上がるハッシュタグがトレンド入りすると、その後の視聴率に大きな影響を及ぼすことがあります。
SNSバズと視聴率の関係
SNSで「バズる」ことで、視聴者が急増し、番組の人気が瞬間的に上昇するケースも見られます。特に若年層はSNSを通じて番組を知ることが多く、視聴率速報では測れないほどの影響力を持つこともあります。たとえば、バラエティ番組やドラマの感動的なシーンがSNSで話題になることで、次回の放送時に視聴者数が跳ね上がることも珍しくありません。
SNSデータの視聴率計測への活用
現在、いくつかのテレビ局やデータ解析企業は、SNSのリアクションを視聴率と併せて解析し、視聴者の本当の反応をより正確に把握しようとしています。これにより、リアルタイム視聴だけでなく、視聴者の感情や番組への関心度も視聴率に反映させる新たな取り組みが進んでいます。
視聴率の国際比較:日本と海外の違い
視聴率の測定方法やその重要性は、国によって異なります。たとえば、日本ではビデオリサーチ社が主要な視聴率のデータを提供していますが、アメリカではNielsen(ニールセン)社が主導し、視聴データの取得方法や分析手法にも違いがあります。
アメリカの視聴率システム
アメリカの視聴率は、Nielsenが収集する「People Meter」と呼ばれるシステムを中心に行われています。これにより、リアルタイムの視聴だけでなく、DVR(録画装置)を使った後からの視聴も含めた「ライブ+7日視聴」など、様々な視聴形態がデータに反映されます。さらに、アメリカではストリーミングサービスの視聴データも積極的に計測され、NetflixやHulu、Disney+のようなプラットフォームも視聴率の対象に含められています。
日本の視聴率との違い
一方、日本ではまだリアルタイムの視聴率が中心で、録画視聴やストリーミング視聴の集計は限定的です。今後、ストリーミングサービスの視聴データも視聴率に含めることで、より包括的なデータを提供できる可能性があります。
番組のジャンル別視聴率トレンド分析
視聴率のデータは番組のジャンルによって大きく異なる傾向があります。ドラマ、スポーツ、バラエティ、ニュース番組など、ジャンルごとの視聴者層や視聴行動に関するデータ分析を行うことで、番組制作に役立つ情報を得ることができます。
ドラマの視聴率トレンド
近年、視聴者の注目を集めるドラマは、特にストリーミングサービスでの視聴が急増しています。日本国内でも、地上波放送のドラマの視聴率だけではなく、放送後にHuluやTVerなどのプラットフォームで視聴されることが一般化しており、視聴率のデータに対する新たな分析が求められています。
スポーツ中継の高視聴率維持
スポーツ中継は、依然としてリアルタイム視聴率が高い番組ジャンルの一つです。特にオリンピックやFIFAワールドカップなどの大規模なスポーツイベントでは、国際的にも高視聴率が期待され、テレビ放送とストリーミング配信の両方が組み合わされることが多くなっています。今後は、これらの大規模イベントにおいて、リアルタイム視聴とデジタル視聴のデータを統合した視聴率計測が主流になると予測されています。
テレビ視聴行動の未来と視聴率の変化
視聴率という概念は、今後も進化を続けていくでしょう。AIやビッグデータの活用により、視聴者の行動パターンをより詳細に解析し、広告業界や制作サイドがさらに精密なマーケティング戦略を立てられるようになると期待されています。
個人ごとの視聴行動データの活用
今後、家庭単位ではなく、個人ごとの視聴行動データが収集されることで、より精密なターゲティングが可能になります。これは、テレビ業界にとっても革新的な変化となるでしょう。さらに、個別の視聴履歴や興味関心に基づいたパーソナライズされた番組推奨が進化すれば、テレビ番組の視聴体験そのものが変わる可能性もあります。
広告業界における視聴率の新たな役割
視聴率は広告業界にとっても重要な指標ですが、広告の形態やその評価方法も変わりつつあります。特に、視聴者のエンゲージメントやSNSでの反響が広告効果に大きく影響を与えるため、単なる視聴率データだけではなく、視聴者がどれだけ番組に関わっているかが広告効果の指標として重要になってきています。
エンゲージメントと広告効果の新指標
広告の効果を測定する際には、視聴者が番組をどれだけ積極的に視聴し、SNSやインターネットで番組に対するコメントや反応を示しているかを測定する「エンゲージメント」が新たな指標として注目されています。これにより、視聴率だけでは測れない、視聴者の真の関与度を把握できるようになっています。
よくある質問とその回答
Q1. 視聴率速報はどこで確認できますか?
A1. 視聴率速報は、ビデオリサーチ社の公式サイトや、一部のテレビ番組に特化したニュースサイトで確認できます。ただし、一般公開されるまでに数日かかる場合があるため、特定の視聴率データが必要な場合は、有償でビデオリサーチ社から購入することも可能です。
Q2. 視聴率速報はどのくらいの速さで更新されますか?
A2. 番組によって異なりますが、視聴率速報は早ければ放送終了後2~3日以内に更新されます。定期的な視聴率データは、ビデオリサーチ社が毎週水曜日に公開します。
Q3. すべての番組の視聴率速報が提供されていますか?
A3. いいえ、すべての番組ではなく、特に人気のあるドラマやバラエティ、スポーツの主要な大会、NHKの大河ドラマや連続テレビ小説が主な対象となっています。
Q4. 視聴率データは無料で入手できますか?
A4. 一般的に公開されている週間ランキングは無料で閲覧可能ですが、詳細な視聴率データや速報をいち早く入手したい場合は、有償での提供になります。視聴率データの購入は、ビデオリサーチ社と直接契約する必要があります。
Q5. 視聴率のデータが正確でない場合がありますか?
A5. ビデオリサーチ社が提供する視聴率データは、長年の調査経験に基づく信頼性の高いものです。ただし、サンプリング調査であるため、厳密な全視聴者数ではなく、統計的に推測されたデータであることを理解してください。
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