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まず最初に、「最近のMacでは、アプリを使ったメモリ解放操作は必要ありません。」
読者の方々が、日々Macを使っていくうちに、どうもMacの動作が遅くなったと感じることがあることでしょう。
書籍やネットでの解説では、メモリ解放アプリを使うと解放されずに残っているメモリを解放することができるとあり、多くの方がメモリ解放アプリを使っていると思います。
そして、アプリの使用後はMacの動作が軽快になったとレポートされている方も多くいらっしゃいます。
しかしながら、最近のMacではOSのメモリ管理機能が働いており、ユーザーによるメモリの解放措置は基本的には必要ないのです。
まずはMacにおけるメモリ管理方法から説明していきましょう。
[ad name=”adTop”]Macのメモリ管理方法
MacのOS Xは、Marvericks(OS X 10.9.x)以降新しい管理方式を採用しています。
それは「圧縮メモリ」という方式です。
アプリはメモリ上で動作します。アプリを終了すると利用していたメモリは解放され、他のアプリが使えるようになります。
最近のMacのOS Xでは、アプリが終了して使わなくなったメモリは、圧縮して、かつ、キャッシュにしてメモリ上の隅に保存されます。
次に同じアプリを起動した時は、圧縮したものを展開して元に戻して利用するようにしてます。
これにより「ハードドライブなどへの書き込み処理がなくなるので、一度利用したアプリの再起動などを高速に扱うことができるわけです。
圧縮といえば、ファイルの圧縮をイメージされる方が多いと思います。
大きなサイズのファイルをZip形式などの圧縮ファイルに変換して、メールに添付して送信したり、ハードディスクの中に保管していると思います。
これをメモリの上で実施するのが圧縮メモリの概念です。
もし、メモリが使用済みの圧縮メモリでいっぱいになってしまった時は、古い圧縮メモリから順に解放して、新しく起動したアプリでメモリが使えるようにします。
メモリ解放アプリを利用されている方で、メモリの使用量がずっと99%のままとなっていることを経験されていることと思います。
これはOS Xの圧縮メモリ機能が働いているからです。
アクティビティモニタでメモリをチェック
メモリ圧縮の働いている状況は、OS Xのユーティリティ「アクティビティモニタ」を使ってみることができます。
「アクティビティモニタ」の起動は、Finderメニューから、[移動]ー[ユーティリティ]と進むと、「アクティビティモニタ」があります。
アクティビティモニタの参照方法の詳細については、Apple社のサイトを参考にしてください。
(初期起動画面)
ここで、「メモリ」パネルをクリックして、メモリの使用状況を見てみましょう。
画面下左側にある「メモリプレッシャー」のグラフが圧縮メモリの状況です。
これが、緑色の場合がメモリリソースが利用可能な状態。黄色表示となった場合は、メモリリソースが利用可能ですが、圧縮などのメモリ管理プロセスによる負荷がかかった状態を表します。
画面の例では、Virtualboxを立ち上げた直後でメモリ圧縮が作動している状態です。しばらくすると緑に変わり圧縮プロセスが終了します。
このように、アクティビティモニタで黄色と緑が表示されている状態であれば、ユーザーがアプリなどを使ってメモリ解放などの操作をする必要はなく、圧縮メモリが正常に機能しています。
次の画面のように表示が赤くなった時は、メモリリソースが不足した状態であり起動ドライブにスワップされた状態を表します。
赤い表示が続いている状態となった場合は、メモリスワップが継続していて物理的にメモリが不足している状態でMacの動作も遅くなっているはずです。
このような状態が継続する場合は、メモリの増設、Macのメンテナンス処理、あるいは各種設定の見直しを行うようにしましょう。
Macの動きを軽快にするメンテナンス
ここまで説明してきたように、最近のMacでは、先端的なメモリ管理機能によりメモリの専有により動作が遅くなることは原則的にありません。
メモリ解放アプリを利用してMacの動きが軽快になったとしても、それは一時的なものであり根本的な原因が解決したわけではありません。
Macが遅くなる原因は別のところに潜んでいると考えてください。
メモリ解放アプリの利用では、逆にMacの動作が一時的に遅くなったり、場合によっては、圧縮管理されているメモリを破棄することにより動作が不安定となる場合もあることに注意してください。
ここで必要となるのが、Macの設定の見直しとメンテナンスです。
効果的な設定の見直し
先ほどの「アクティビティモニタ」の「CPUパネル」で「CPU時間」の列見出しをクリックしてください。
Macを起動してからCPUの利用頻度順に並べ替えられます。
どのアプリにCPUのパワーを取られているかがわかります。
また、「メモリパネル」で一番左の「メモリ」で並べ替えると、メモリを専有しているアプリがわかります。
ここで、使っていないアプリがあれば終了させてください。また、起動時に自動起動に設定されており使ってもいないのにメモリを専有している場合もあります。
自動起動の管理
Appleメニューから[システム環境設定]ー[ユーザートグループ]でログイン項目を選択してください。
右側の枠に表示されているアプリが、起動時(ログイン時)に自動起動されるアプリです。
この中で、普段使わないアプリがあれば、選択して下の「−」ボタンをクリックして削除して自動起動から除外しましょう。
ただし、アプリによっては、除外してもアプリ起動時に自動起動に設定されてしまう行儀の悪いアプリもあります。(この場合は無視するか、利用をやめるしか策はありません。)
不要なアプリ、データは削除しましょう
Macは、常に内蔵ストレージ(HDDやSSD)のファイルの読み書きを行っており、ドライブ装置を適切な状態に保つ動作を行っています。(このため、Macではディスクのデフラグ操作を行う必要がないのです。)
そのため、利用しないアプリはアンインストールして必要になった時にインストールして利用しましょう。
また、不要なデータや重複データは削除して可能な限りストレージの容量を確保しておきましょう。
これによりMacの動作は改善されるはずです。一般的にはストレージの全容量の2割程度の空き容量を確保することが推奨されています。