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ここ数年、LINEに関わる犯罪やそのセキュリティの問題について話題になることが多くなっています。
単にメッセージを送るだけでなく、グループ会話や通話が無料でできるなど、その高い機能性で人気を呼びました。
ゆえに、どうしたら安全に利用できるか、トラブルを回避できるかは、多くのユーザーにとって非常に高い関心事といえます。
いまや全世界3億人以上のユーザーを有し、身近なメッセンジャーアプリとして定着しているLINE。
今回はその仕組みと危険性を解説しつつ、トラブルを回避するために誰もがすぐにできる「セキュリティ対策」をご紹介します。
この記事のまとめ
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LINEの仕組みと利用する危険性
手軽に相手とメッセージをやり取りできるのがLINEの魅力ですが、その仕組みについては意外と知られていないのではないでしょうか。
また、その手軽さは危険性と表裏一体であることも認識しなければいけないのですが……。
どうやってメッセージを送ったり通話をしたりするのか?
LINEの特徴は
「電話番号の認証だけで登録できる」手軽さ
「自分が登録している友だちのみとメッセージのやりとりができる」
ということがあげられます。
普段LINEで会話していると、こちらが発したメッセージが直接相手に届けられている、かのような印象を受けます。
リアルタイムで行われるメッセージのやり取りをみているとそう思っても不思議ではありません。しかし、実際にはもう少し複雑なステップを踏んでいるのです。
LINEを登録した際の電話番号は、LINEのサーバにアップされます。この時にその端末が持っているアドレス帳などもアップするかどうか確認されます。
アドレス帳を登録すると、そこに蓄えられている数々の電話番号も紐付けされ、こちらが承認すれば友だちとしてメッセージ交換や通話などができるようになります。
メッセージ交換や通話は、このLINEのサーバを通じて行われます。リアルタイムに思えるところですが、LINEのサーバが受け取り、それを相手側に送り、そこでさらにメッセージや通話を送り……の繰り返しで成り立っています。
危険性1:「誰とでも」つながってしまう~個人情報や機密漏洩も~
「自分が登録している友だちとのみ」といいつつ、LINEは機能的には不特定多数の人、つまり「誰とでも」つながってしまうような仕様になっているのです。
LINEが受け取ったアドレス帳は、こちらから何もアクションを起こさなければ、世界中のユーザーに向けて「開放」されたような状態になってしまいます。
どこの誰だかわからない人からいきなりメッセージが送られてくることもありますし、場合によってはプライバシーの侵害が行われたり、機密情報などが漏洩してしまうような危険性もはらんでいます。
便利な仕組みをもつLINEですが、それゆえ機密情報を扱う企業などでは、例えプライベートであっても利用を禁じるところもあるといいます。
危険性2:出会い系サイトやストーカー被害につながりやすい
気軽にグループ会話を楽しめて、仲間との親交を深めるのに役立つツールとなっているLINEですが、その使い方次第では、「いじめ」や「過剰な愛情表現(ストーカー)」を引き起こすこともあります。
また、誰とでもつながれる仕組みを悪用した「出会い系サイト」への誘導、詐欺行為なども報告されています。
これら犯罪に直面する危険性があることを常に意識していく必要があります。
過去にあったLINEでの情報漏れトラブル
LINEでの情報漏れトラブルといえば、数年前、ワイドショーを賑わせた某歌手とタレントの不倫騒動が思い起こされるかもしれません。
あらゆるメディアで、その真偽のほどはともかく、さまざまな情報が飛び交ったので注目されたわけですが、これに限らず過去には様々な情報漏れトラブルが発生しています。
現在、それぞれの事案に対する対応策は実施されていますが、知らずに巻き込まれる可能性は今だ存在しています。
リスト型攻撃
各サイトやFacebook、Twitterなど各種インターネットサービスにおいて、ユーザーID、メールアドレス、パスワードが抜き取られ、それを利用して関係のない第三者が不正ログインしてくることを「リスト型攻撃」と呼んでいます。
LINEにおいても過去にリスト攻撃が度々行われており、被害が報告されています。
そもそもの原因としては、様々なサービスで同じIDやパスワードを使い回していた、ということがわかっています。
このような事態はLINEに限らず、あらゆるインターネットサービスにおいて日常的に注意喚起が行われているのでご存じかと思います。
LINEでもログイン通知の強化や、2段階認証の導入を進めていますが、インターネットサービスを利用するうえでの基本として使う側の私たちも注意したいものです。
なりすまし
「リスト型攻撃」がネットからアクセスしてデジタル的に関係データを引き抜いているのに対して、もっとアナログ的な手法で行われている事件も発生しています。
いわゆる「なりすまし」と呼ばれるものです。SNSなどを介して、友だちや親兄弟、知り合いなどになりすまし、電話番号や2段階認証のための認証番号を聞き出して悪用するという手口を使います。
最近では第三者が本人になりすましWeb用のプリペイドカードを買わせた詐欺事件が記憶に新しいかと思います。
このような本人のモノとは異なる端末を利用した事件を受け、LINEでは登録している以外のスマホから電話番号認証が発せられたときは、元のアカウントに対し警告メッセージが届けるような仕組みをとっています。
しかしこれについても、利用しているユーザー自身が、電話番号やメールアドレス、パスワードや認証番号など本人しか知らない情報を不用意に外部に教えないようにするのが最も重要なことです。
また、何に使うのか確認するというのも有効だと思われます。
クローンiPhoneによる同時アクセス
前述した某不倫騒動において、当事者間のLINEメッセージの画面(といわれるもの)が公開され話題となりました。
これらを撮った(といわれている)ものが「クローンiPhone」です。
簡単に言うと、iTunesによるバックアップを利用して、全く同じ機能・動作をするiPhone(クローンiPhone)をもう一台つくりあげてしまった、ということになります。
クローンiPhoneでLINEにアクセスすれば、本家で行われているメッセージのやり取りをそのまま「監視」できる、というわけです。
この騒動の後、LINE側は対応を発表。
iPhone複数台による同時アクセスができないようにアップグレードが行われました。具体的にはクローンiPhoneをたちあげると、本人確認のステップが起動します。
➀メールアドレスとパスワードを入力すると、2段階認証、もしくはFacebookログインが求められます。
➁これを行った時点でもう一方の端末のLINEは初期化されます。
現在このような対処が行われているため、この方法を利用した情報流出は何とか防がれてはいますが、抜け道などが研究されているともいわれ、引き続き注意は必要かもしれません。
LINEのセキュリティレベルを上げる方法9つ
セキュリティ的に不安があるといわれるLINEですが、対策をとって安全に使えないものでしょうか。
ここまでの事例などをよく見てみると、本人が注意することで回避できる余地がだいぶ残されてるようにも思えます。
また、LINE側でも、個人情報保護やセキュリティ保全には対策を講じており、個人情報管理の安全性を示す国際認証規格である「SOC2」「SOC3」「SysTrust」などを取得して、情報管理を徹底していることをアピールしています。
LINE自体の機能でも、情報流出をできる限り防ぐようなものが標準でつけられており、随時アップデートも行われています。
以下にあげる各機能を設定することで、セキュリティーレベルを簡単にあげることができます。
「パスワードロック」
LINEを起動させた時にパスワードを求められます。これを「パスワードロック」と呼んでいます。「設定」の中の「プライバシー管理」を選択し、そこでオンにします。
なお、iOSのバージョンによっては、Touch ID(指紋認証)も利用することができます。
メッセージ内容の非表示
新着のメッセージが届いた時、その内容を画面表示しないように設定できます。
基本的にパスワードロックをかけると自動的に内容表示はオフになりますが、もし何らかの理由でパスワードロックをしない場合、「設定」の中の「通知(Android端末では通知設定)」で「メッセージ内容表示」をオフにすればOKです。
これで新着メッセージが届いても「新着メッセージがあります」との表示のみになります。
他の端末でのログイン許可をオフに
一応、他の端末やWebサービス(PC、iPad、ブラウザ版LINEストアなど)のログインすると、通知がくるようにはなっていますが、「アカウント」において、「ログイン許可」のチェックをオフにしておけば、本人が意図しないログインができないようになります。
ID検索の許可をオフに
18歳以上の年齢であることを認証したうえで、任意に設定されたIDがある場合、それらを(不特定含めた)相手に検索してもらい友だち登録をしてもらえる機能が「IDによる友だち追加を許可」です。
「プライバシー管理」にあるこの「IDによる友だち追加を許可」のチェックをオフにしておけば、手当たり次第に友だち登録されることがなくなります。
「友だちの自動追加」「友だちの追加」をオフに
アドレス帳をアップしてその中からLINEユーザーを検索し、自動で友だちを追加してくれる「友だちの自動追加」、登録した電話番号を照合して、保有しているユーザーを友だちとして追加する「友だちへの追加を許可」。
どちらも「設定」中の「友だち」にありますので、「友だちの自動追加」「友だちの追加」をオフにします。仕事の上で電話番号は知らせなければならないけど、LINEは……という人などを含め、むやみやたらにつながりたくない場合に役立ちます。
「メッセージ受信拒否」をオン
「メッセージ受信拒否」をオンにすることで、友だち登録している人以外からのメッセージを拒否することができます。「プライバシー管理」中の「メッセージ受信拒否」にあります。
QRコードの更新
LINEでは自分のアカウントのQRコードを生成して配布することができます。これをスキャンすることで友だちとして追加してもらえるというものです。
しかし、悪意ある第三者がこれを手に入れているとも限りません。そこでQRコードは定期的に更新することをおすすめします。
「設定」中の「プロフィール」で「自分のQRコード」をタップすると、QRコードが表示されます。右上のチェックをタップすると「QRコードを更新」というメニューが表示されますので、OKをタップします。
QRコードを更新することでアカウントのURLも自動的に更新されます。
「ブロック」
「友だちリスト」や「知り合いかも?」につながりたくない人や、誰だかわからない人などが表示された時、その相手を「ブロック」してメッセージが送受信されないようにすることができます。
相手の名前を左にスワップ(Android端末では長押し)すると「非表示」「ブロック」と表示されますので、「ブロック」を選択します。
相手にはこちらがブロックしていることは伝わりませんし、誤ってブロックしてしまってもすぐに解除できます。解除は「設定」中の「友だち」にある「ブロックリスト」から行います。
「編集」をタップして「ブロック解除」を選択すれば解除となります。
「Letter Sealing」とは?
メッセージのやり取りや無料通話している時に、「Letter Sealing」と呼ばれる暗号化が行われています。
画面にロックアイコン(カギのマーク)が表示されている時がそれで、現在ではデフォルトでオンになっているため、ユーザー側で任意に無効化しない限りは適用される仕組みとなっています。
この仕組みにより、ハッキングされてもその内容は暗号化されているので第三者には判別不明となります。
外部アプリからの情報アクセスを拒否する
LINEでは、友人がインストールしたアプリが、LINEの情報を参照して、自分のプロフィール情報を参照できてしまいます。
ここが常に許可になっていると、LINEに登録している下記の情報が外部から参照できる状態となり、思わぬところで情報が悪用されてしまう可能性があります。
- LINEでのお名前
- プロフィール画像
- ステータスメッセージ
- LINE内部の識別ID
そのため、外部アプリからの情報アクセスは、できれば「拒否」に設定しておくことがおすすめです。
設定手順は次の通りです。
- LINEの設定画面を開く
- 「プライバシー管理」をタップ
- 「アプリからの情報アクセス」をタップ
- 「拒否」をタップ
よくある質問と回答
Q1: LINEでなりすましを防ぐにはどうすればいいですか?
A: 電話番号や認証コードを他人に教えないことが重要です。また、LINEのセキュリティ機能で2段階認証を設定することも推奨します。
Q2: 他の端末での不正ログインを防ぐには?
A: 設定から「他の端末でのログイン許可」をオフにし、ログイン通知を有効にしましょう。
Q3: LINEの暗号化機能について教えてください。
A: 「Letter Sealing」という機能があり、メッセージや通話を暗号化します。通常はデフォルトでオンになっています。
まとめ
LINEそのもののセキュリティーについては、電話番号などの個人情報を一企業が独占的に収集しているということで、不安に思う面が少なからずあるのは事実です。
無料という裏側には、個人情報が料金代わりになっている、という穿った見方までする人もいます。
一番いいのは、自分に合わないものであれば使わない、ということになりますが、便利であるのは事実ですし、諸々の事情で使わなくてはいけない人もいるでしょう。
結局は大半は自分で身を守るすべをしなくてはいけないのですが、今回は過去の事故事例を含め、そのためのヒントを提示したつもりです。
まとめると
➀パスワードを設定(ここでは触れませんでしたが、端末にも行うのは当然です)
➁個人情報、IDやパスワードなどは他人に教えない
➂各セキュリティー機能について熟知する
LINEを便利で安全なツールとして使い続けるためには、これら3点の重要性を認識することが肝要だと思います。