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地デジにおける周波数の帯域は、電波法などにより使用できる領域が決められています。今やあらゆる場面で様々な目的に使われる電波が飛び交う現代においては、この電波領域を統一することは必須であり、混在してしまうと社会的にも混乱してしまうことになるでしょう。
しかしながら用途が広く、あらゆることに利用されてきたがゆえに、資源としての電波帯域には激しい争奪戦が繰り広げられるようになっているようです。ここでは、地デジで利用されている周波数や、電波に関する周辺事情をご紹介します。
この記事のまとめ:
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普段の生活の中で行き交う電波
電波は、通常目に見えず音も聞こえません。電波の単位は、音の波長を表すHz(ヘルツ)という単位と同じですが、これは一秒間に何回振動するかという事を表しています。人間の耳は、通常20〜20000Hzの振動を聞き分けることができると言われていますので、この範囲を外れた振動数であれば、音として認識されることはないと言うわけです。
20000Hzを超える振動を超音波といい、生活で使用される電波は、すべて超音波の域に入ります。もし仮に電波が目に見えたり聞こえたりするならば、視界全体が電波だらけになるほど激しく行き交っていることでしょう。
電波帯域は貴重な資源 -身の回りにある電波って?-
地デジの電波以外にも、生活電波として主に利用されているのは、携帯電話が思いつくでしょう。それに加えてラジオや無線など、コードレスでの通信を行える機器に関しては、全て電波を利用してやり取りを行うものであると言ってよいです。
無線での通信ができるのは、特定の周波数の電波を受信することで、その電波に含まれている情報を読み取ることができるようになっているので、仮に用途が違う同じ周波数の電波が混在していると、それを認識できる機器が混乱してしまいます。
代表的な例としては、エアコンやテレビのリモコンで利用されている電波でしょう。異なる用途のリモコンであるにも関わらず、利用している電波帯域が極端に近い物であったり、全く同じものであった場合には、連動して動いてしまうことがあるのです。このように電波を使って動かすもの同士は、使用する電波帯域の管理が必須で、仮にテレビの電波と携帯電話の電波帯域が混在してしまった場合には、大きな混乱が起こってしまう可能性があります。
一般的には、生活帯域における電波は、UHF(UltraHigh Frequency)訳すと極超短波といわれ、300MHz〜3000MHzの範囲にある周波数が使われているようです(特に300MHz〜1000MHzの周波数が良く使われています)。
地デジで利用されている電波帯域は?
地デジの電波として利用されている電波帯域は、UHF−L(ロー)という呼び名で管理されています。周波数は470MHz〜710MHzの領域で、この中に13〜30ch(チャンネル)分の情報が含まれているそうです。完全に地デジ化が完了した2012年7月24日以降では、テレビの電波帯域が整理され、710MHz以上の電波帯域は携帯電話用として利用されるようになりました。
地デジの周波数で使われる「UHF帯」
「UHF帯」のUHFは、Ultra High Frequencyの略称であり、極超短波とも呼ばれ、周波数の300MHzから3000MHzの範囲に該当します。
電波の波長がとても短く、300MHzであれば100cmなど非常に短い波長であるため、「極超短波」と呼ばれています。
地デジの周波数は470~710MHzであるため、この「UHF帯」に該当します。波長が短いため、受信するためのアンテナの小型化が可能となっており、710MHz以降の「UHF帯」については、下記でご紹介する「プラチナバンド」として、スマートフォンなどの移動通信体の通信に利用されています。
貴重なプラチナバンド
言葉だけはCMなどで取り上げられることが多いプラチナバンドとは、利用価値の高い電波帯域の周波数を指し、その範囲は700MHz〜900MHzとなっています。違う呼び名では、ゴールデンバンドといういい方もあるようで、その理由としては、この帯域の周波数は、生活利用するにあたって最も適したものとなっているようです。
地上デジタル化によって、それまでアナログ用として利用されていた周波数の一部が、このプラチナバンドとなっていたため、完全に地デジ化されたことを受けて、携帯電話用に転用され、より有用度の高い機器へと利用されることになりました。その内訳としては、携帯電話の他に衝突回避システムの通信などの新しい車載システムへ利用されています。
1チャンネルあたりの周波数はどのくらい?
1チャンネル当たりの周波数にはある程度幅があり、その範囲の周波数を受信できれば、番組の視聴が可能になります。それぞれのテレビ局では、決められた周波数で放送を行っており、テレビでは、受信する周波数の切り替えを行うことで、チャンネルの切り替えを行うことができる仕組みです。
地上デジタル放送では、1チャンネル当たりの周波数の幅が6MHz必要で、この幅の事をチャンネル幅やチャンネル間隔と呼んでいます。
チャンネル間の周波数にはある程度の間隔が設けられている
1チャンネル当たりには6MHzの周波数が割り当てられているという事でしたが、チャンネル同士には識別をするための間隔が設けられています。その幅は400KHzとなっており、チャンネル幅と比べるとかなり短い間隔です。
アナログ放送の際には、電波同士の干渉が強かったために、チャンネル幅に加えて間隔をかなり大きく取らなければなりませんでした。そのため、割り当てられている周波数に対してのチャンネル数が少なく、チャンネル幅の倍近く広い帯域が必要だったのです。それに対して、地デジはチャンネル同士の干渉幅が極端に少なくなったため、必要となる帯域も狭い領域で済むようになりました。
これにより貴重な周波数の資源をより有効に使えるようになり、電波資源の整理が行われたのです。こうした背景には、先ほども触れた携帯電話の普及台数が飽和状態になりつつある状況を踏まえて、電波資源の整理が不可欠であったことが先に挙げられ、アナログ放送の非効率さを解消する必要があったと言われています。
世界各国の地上デジタル放送の状況
地デジが普及してきた当初は、画質が良い映像が見れるという認識が強かったですが、電波資源の枯渇状況が深刻になっていたことが背景にあったとわかるでしょう。地デジの電波の方が、効率良く電波帯域を利用できるので、移行する理由にも納得がいきます。
世界でも日本と同様の電波資源再編計画を進行中
電波資源の状況は、世界各国でも日本と事情は変わらないようです。主な国の周波数利用状況については、概ね利用する周波帯域と利用目的には共通点が多くみられます。異なる国で同じ周波数帯を使っていても、地デジの電波が届く距離は中継局を挟まない限りは短い範囲でしかないので、海外の地デジ放送は視聴することはできないので、問題ないという訳です。
電波の周辺事情を知ると、意外なことが分かってくる
地デジが普及してきた当初は、画質が良い映像が見れるという認識が強かったですが、電波資源の枯渇状況が深刻になっていたことが背景にあったとわかるでしょう。地デジの電波の方が、効率良く電波帯域を利用できるので、移行する理由にも納得がいきます。
よくある質問
Q1. 地デジの電波とアナログ放送の電波の違いは何ですか?
A1. 地デジ(地上デジタル放送)とアナログ放送の主な違いは、電波の効率的な利用方法です。地デジでは電波がデジタル信号として送信され、アナログ放送と比べて、より多くのチャンネルを同じ帯域で放送できます。また、デジタル化により高画質での映像視聴が可能となり、音声やデータ放送も同時に提供できるようになりました。
Q2. 地デジの電波帯域は他の機器に影響を与えないのですか?
A2. 地デジの電波帯域は470MHz〜710MHzのUHF帯を使用しており、特定の周波数がテレビ放送に割り当てられています。地デジ化の際に電波帯域の整理が行われ、他の通信機器と干渉しないように調整されました。そのため、通常の生活環境では地デジの電波が他のデバイスに干渉することはほとんどありません。
Q3. なぜ「プラチナバンド」は貴重なのですか?
A3. 「プラチナバンド」は700MHz〜900MHzの周波数帯域を指し、電波が建物の中や地下などでも届きやすいため、携帯電話や車載通信システムなど、生活に直結するデバイスに最適です。この周波数帯は、利用価値が高いため「プラチナバンド」と呼ばれ、非常に貴重なリソースとなっています。
Q4. 地デジの電波はどのくらいの距離まで届きますか?
A4. 地デジの電波はUHF帯を使用しており、直進性が強く障害物に弱い性質があります。通常、地デジの電波は数十キロ程度まで届きますが、山や建物などの障害物があると電波が弱くなるため、必要に応じて中継局を設置し、電波を届けています。
Q5. 海外の地デジ放送を日本で受信できますか?
A5. いいえ、基本的には受信できません。地デジの電波は特定の地域内で利用されており、日本の地デジは国内向けに設定された周波数を使用しています。各国で異なる周波数が割り当てられているため、海外の地デジ放送を直接日本で受信することは難しいです。