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「自動化できたらもっと作業効率が上がるのに。。」と思いながら、毎日同じような作業を繰り返していませんか。MacのAutomatorを使えば、現在おこなっている作業を効率化でき、生産性を高めることができるかもしれません。
ここでは Automatorの基本的内容や主な利用方法 についてご紹介しています。AutomatorはMacの標準アプリでありながらも、残念ながらそこまで知名度が高くありません。
しかし、使い方によっては非常に便利なものなのでMacユーザーは知っておいて損はありません。ぜひ、1度Automatorを使ってみましょう。
この記事のまとめ:
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Automatorとは
Automatorとは、Macに標準で搭載されているワークフロー構築ソフトウェアのことで、Appleの公式説明では 「簡単に作業を効率化できるパーソナル自動化アシスタント」 になります。
Automatorを使用することで、簡単な作業を自動化できるため 時間短縮・作業効率の向上 が期待できます。特定のフォルダの中にあるすべてのファイルの名称変更を一瞬でおこなったり、大量のWordのファイルをすべてPDFファイルへ変換したりなど、自動かつスピーディーに希望の作業を実行可能です。
Automatorを使用する際は「ドキュメントの種類」と「アクション(何をさせるか)」を考える必要があります。
ドキュメント全8種類
- ワークフロー
- アプリケーション
- プリントプラグイン
- サービス
- フォルダアクション
- カレンダーアラーム
- イメージキャプチャプラグイン
- 音声入力コマンド
Automatorは終了に向けて準備開始
Automatorは作業の自動化をする上で非常に便利な機能です。
しかし、MacOS「Monterey」以降搭載される機能「ショートカット」に自動化機能が組み込まれ、今後何年かかけてAutomatorのサービス終了がされることが明らかになっています。
古いMacOSを使用している方は、引き続きAutomatorの使い方を学ぶことは作業を自動化させる上でメリットが大きいですが、今後MacOS「Monterey」が利用できる新しい端末を購入される方は、Automatorよりも「ショートカット」の学習を優先するのがおすすめです。
ショートカットへの移行手順
Automatorで作成した自動化ワークフローは、「ショートカット」にもそのまま移行することができます。手順は次の通りです。
- Automatorのワークフローファイルを表示
- 「ショートカット」を開く
- ワークフローファイルをショートカットにドラッグ&ドロップ
多くの場合、この方法でAutomatorのワークフローをショートカットに移行できます。ただし、ショートカットでサポートしていない処理が組み込まれている場合はエラーとなりますので、その場合はショートカットで一から作成することが必要になります。
あるいは、Finderから.workflowのファイルをダブルクリックして開くことで、自動的に「ショートカット」アプリに読み込ませることもできますのでお試しください。
ワークフロー
ワークフローは、Automatorのアプリ内で自動化できるドキュメントで、あとで動作の修正・編集などをすることもできます。指定したテキストのコピー&ペーストやマウスの動きを記憶させて自動化で特定の作業をさせることなどができます。
アプリケーション
アプリケーションのドキュメントは、Automatorを起動しなくても自動化による作業を実行できます。生成されたアプリケーションをダブルクリックするだけで、SDカードから取り込んだ写真を日付で分類させたりなど、さまざまな作業が自動でおこなえます。
生成するアプリケーションはわかりやすいようにアイコンを変えることも可能です。
プリントプラグイン
プリントプラグインとは、その名の通りプリントする際に実行されます。たとえば、WordやExcelなどのファイルをプリントプラグインの実行により、瞬時にPDFファイルへ変換することが可能です。
サービス
「サービス」は、Mac内のアプリケーションやFinderを通じた自動化処理が作成できます。
複数のアプリケーションを横断した自動化処理ができますので、例えばターミナルを起動して特定コマンドを実行、実行結果のログを表示させてスクリーンショットで撮影、日時をファイル名にして特定フォルダに保存するといった作業も自動化することが可能です。
フォルダアクション
「フォルダアクション」は、特定フォルダのファイルに対して自動化処理を作成できます。
ファイル名の変更や、ファイル種別や特定文字列を基準に複数フォルダに分類して保存するなど、フォルダ関連の手作業を自動化することが可能です。
カレンダーアラーム
「カレンダーアラーム」は、特定時刻に特定アクションを実行させる自動化処理を作成することができます。
毎日特定時刻に行う作業があったり、確認作業がある場合にはカレンダーアラームで自動化処理を作成することで実行でき、実行結果だけを確認すれば良くなるので大幅にルーティンワークを自動化できます。
Automatorの設定方法
ここでは、Automatorの設定方法について見ていきましょう。どのドキュメント・レシピを選択するかで設定方法は若干異なりますが、いずれも決して難しくはありません。どのドキュメントを使い、どんなアクションをさせるかを事前に考えたうえで実際に設定をしてみましょう。
1.Automatorを起動する
まずは、Automatorを起動します。AutomatorはMacのLaunchpadを開き、「その他」のフォルダ内にあります。見つけきれない場合はSpotlight検索で探してみましょう。
Automatorはロボットのアイコンをしたアプリで、起動をすると「新規作成」ファイルがありますので開くと「ワークフロー」や「アプリケーション」「カレンダーアラーム」「プリントプラグイン」など、各ドキュメントのアイコンが表示されています。
2.自動化させたい操作を選択する
自動化させたい作業に合わせてドキュメントを選択します。ドキュメントを選択すると画面左側に自動化レシピの一覧が表示されますので、自動化させたい希望のレシピを選択して画面右側へと移します。
選択したレシピは、ドラッグして順番の入れ替えが可能ですので、動作させたい順番に上から並べてください。
あとで「やっぱり必要がない」と判断したレシピについては削除することも可能です。特別プログラミングの知識がなくても設定することができるため非常に便利なソフトです。
Automatorで自動化できること厳選3例
ここでは、Automatorで自動化できる主な3つのことについて見ていきましょう。他にもたくさんのことができますので、いろいろと試してみることをおすすめします。
複数のアプリケーションの起動
特にパソコンを使って仕事をしている人は、さまざまなアプリケーションを起動する必要があるのではないでしょうか。アプリケーションを開くだけですが、毎日のことですので面倒に感じますし、急いでいるときはストレスを感じてしまうものです。
Automatorを使えば、いつも開いている複数のアプリケーションを自動で起動させることが可能です。これにより、自分で一つひとつアプリケーションを開いていく作業も省くことができ、業務効率が高まります。
複数のアプリケーションの起動を自動化したい場合は Automatorを開いて「アプリケーション」を選択し、レシピの一覧から「アプリケーション起動」を見つけ画面右側へ移行させましょう。
毎日おこなう作業だからこそ、Automatorを使い自動化させることで生産性向上へつながります。
画像サイズの変更
仕事などで画像ファイルを扱うことが多い方は、毎回の画像サイズの変更がストレスに感じませんか?また、プライベートでブログをしていて写真をよく投稿する人も、Automatorを使用することで画像サイズの変更が自動化できるため、作業工程を減らし、効率を高めることが可能です。
Automatorにより、指定ピクセルに一括リサイズするためには Automatorの「サービス」を開いて、画面左側のアクションから「写真」を選択し、「イメージサイズを調整」を画面右側へ移行させます。
イメージサイズの調整画面が表示されますのでピクセルを指定し、対象となるファイルを選択します(イメージファイルなど)。
あとは、生成アプリケーションに名前をつけると完了です。これにより、Automatorを起動しなくても対象の画像ファイルを一括でリサイズすることができます。
動作を再現する機能
Automatorには動作を再現する機能もあります。記録機能によりマウス操作を自動化することができるため、毎日おこなうような単純作業であれば自動化により作業効率を大きく高めることも可能です。
動作を記録する場合は Automatorを開いてワークフローを選択して、画面右上に表示されている「記録」のアイコンをクリックして再現させたいマウス操作を開始します。記録したマウスの操作を実行したい・確認したい場合は同じく画面右上にある「実行」アイコンをクリックします。
そして、反復作業をさせたい場合は、「操作を記録」を選択して、コピー&ペーストで対応可能です。記録に失敗した場合はAutomatorをアクティブにする(cmd+tab)もしくはワークフローを中断(cmd+.)させましょう。
マウス操作を記録させる際はウィンドウの位置が変化しないようにフルスクリーンでおこなってください。
Automator活用例
Automatorには様々な活用法があります。その使い方は多種多様ですが、いくつかピックアップしてご紹介したいと思います。あくまで機能の一部なので「こんなことができるんだ」くらいに受け取っていただけたらと思います。
筆者も軽く触れた程度ですが、奥の深いアプリゆえまだまだ未知数な部分もあります。使いこなしていけば自分だけのオリジナルアプリを自由に作成できるようになると思います。一緒に見ていきましょう。
複数のファイル名を一括変換
何十何百とあるファイルを規則正しい名称に変更するという作業を経験したことありませんか?一つ一つは大して時間もかからず簡単に終わるものですが、それを何度も繰り返し作業をするとなるとウンザリですよね。
「Automator」を使うと、このような機械作業を一瞬で終わらせることができます。ここでは全てのファイルに連番をつける手順をご紹介します。
ワークフロー作成
- Automator を起動する
- 新規作成 をクリックする
- サービス を選択して 選択 をクリック
- 左部にある ファイルとフォルダ をクリック
- Finder 項目の名前を変更 を右側にドラッグ&ドロップ
- 表示された警告ウィンドウでは 追加しない をクリック
- ファイルとフォルダ をクリックして 連番付きの名前にする に変更する
- 番号の位置、開始番号、区切り記号等を入力して完成
これで複数のファイルを一括で連番付きの名前に変更できるワークフローが完成しました。続いて実際に使用して名前を変更してみましょう。
ファイル名一括変換
- 変換させたい複数のファイル を選択して右クリック
- 表示されたメニューから サービス→連番を付ける をクリック
クリップボードのテキストをオーディオファイル化
ここでご紹介するのは、クリップボードにコピーしてあるテキストを簡単にオーディオファイル化させるアプリを作る手順です。早速作っていきましょう。
アプリ作成
- Automator を起動する
- 新規作成 をクリックする
- アプリケーション を選択して 選択 をクリック
- 左部にある ユーティリティ をクリック
- クリップボードの内容を取得 を右側にドラッグ&ドロップ
- 左部にある テキスト をクリック
- テキストをオーディオファイルにレンダリング を右側にドラッグ&ドロップ
- ファイル→保存 で完成
以上の操作でクリップボードのテキストをオーディオファイル化させるアプリが完成しました。クリップボードに適当なテキストをコピーしてアプリをダブルクリックしてみましょう!「〇〇○.aiff」というオーディオファイルがデスクトップに出来上がっていると思います。
画像加工・編集を自動化
画像加工を始めとした様々な編集作業を自動化させることもできます。ここでは画像ファイルをPNGからJPEGに変換させるアプリを作る手順をご紹介します。
アプリ作成
- Automator を起動する
- 新規作成 をクリックする
- アプリケーション を選択して 選択 をクリック
- Finder 項目をコピー を右側にドラッグ&ドロップ
- 保存先 を デスクトップ に
- イメージタイプを変更 を右側にドラッグ&ドロップ
- 変更後のファイルタイプ を JPEG に
- ファイル→保存 で完成
以上の操作で画像ファイルのフォーマットをJPEGに変換させるアプリができました。後は変換させたい画像ファイルをドラッグ&ドロップするだけです。画像ファイルの変換をウェブ上で行う方も少なくありませんが、自分だけのアプリを作ることによってオフラインでも簡単に変換ができるようになりますね。
今回は画像フォーマットを変更させるアプリを例に上げましたが、他にも沢山の加工・編集が行えます。画像サイズにリサイズや切り抜き・結合…。ほとんどの作業をアプリ化できるため、色々試してみたいですね。
Automatorの2024年最新アップデート情報
2024年に入り、AppleはmacOS 14.5のアップデートでAutomatorに関する重要な変更を加えました。この最新情報を踏まえて、Automatorの現状と今後の展望をお伝えします。
Automatorの段階的廃止プロセス
Appleは2024年1月のデベロッパー向け発表で、Automatorの段階的廃止プロセスの詳細なタイムラインを公開しました。
- 2024年秋リリース予定のmacOS 15では、Automatorは引き続き利用可能ですが、新機能の追加は行われません。
- 2025年のmacOS 16では、Automatorは「レガシーアプリケーション」としてインストールされなくなります。ただし、App Storeから別途ダウンロードすることで使用可能です。
- 2026年以降、Automatorのサポートは完全に終了する予定です。
ショートカットへの移行支援ツール
AppleはAutomatorユーザーのショートカットへの移行を支援するため、「Automator Migration Assistant」というツールを2024年春にリリースしました。このツールの主な機能は以下の通りです:
- 既存のAutomatorワークフローを自動的に分析し、ショートカットに変換可能なアクションを特定します。
- 変換可能なアクションについては、ワンクリックでショートカットに変換できます。
- 変換できないアクションについては、代替案を提案します。
ショートカットの新機能
macOS 14.5では、ショートカットにいくつかの新機能が追加され、Automatorからの移行がさらに容易になりました:
- 「フォルダアクション」に相当する機能が追加され、特定のフォルダ内のファイル操作を自動化できるようになりました。
- 「バッチ処理」機能が強化され、大量のファイルを効率的に処理できるようになりました。
- 「スクリプト実行」アクションが改善され、より複雑なシェルスクリプトやAppleScriptを実行できるようになりました。
移行のベストプラクティス
- Automator Migration Assistantを使用して、既存のワークフローをできるだけ早くショートカットに移行しましょう。
- 移行できないワークフローについては、ショートカットで同様の機能を実現する方法を検討しましょう。
- Appleのデベロッパーフォーラムやコミュニティサイトを活用し、他のユーザーの移行事例を参考にしましょう。
- 新しい自動化タスクを作成する際は、今後のサポート終了を見据えて、ショートカットを使用することをおすすめします。
Automatorのサポート終了は残念ですが、ショートカットはより強力で柔軟な自動化ツールとして進化し続けています。この機会に、Macユーザーはショートカットの活用スキルを磨くことで、より効率的な作業環境を構築できるでしょう。
よくある質問と回答
Q: Automatorは難しいですか? A: いいえ、特別なプログラミング知識がなくても使えます。直感的なインターフェースで、簡単に自動化ワークフローを作成できます。
Q: Automatorで作成したワークフローは「ショートカット」に移行できますか? A: はい、多くの場合移行可能です。ただし、一部の処理は互換性がない可能性があるので注意が必要です。
Q: Automatorの主な用途は何ですか? A: ファイル名の一括変更、画像処理の自動化、複数アプリケーションの一括起動など、繰り返し行う作業の自動化に適しています。
まとめ
Automatorを上手く活用すれば、作業効率を高めることができるかもしれません。さまざまなドキュメント・レシピが用意されており、いろいろな作業の自動化が可能です。気になる方は、ぜひ1度試しに使ってみてください。