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1970年代からお茶の間のテレビで人気を博し続けてきた「サザエさん」の視聴率が、このところ急落してきているようです。色々な原因がささやかれてはいますが、最近のテレビ離れと全く無関係ではないようです。
数年前までは平均視聴率20%を越すオバケ番組とまで言われましたが、時代の流れからか往年のような数字が出せていません。どうしてこのような状態になっているのでしょうか。ここ最近の動向と照らし合わせて考えていきましょう。
この記事のまとめ
この記事のまとめ
サザエさんの視聴率が低下し始めたのはいつごろか。
サザエさんの視聴率は、1989年から2008年までの間でも平均で22%以上をキープしていました。
最高視聴率に関しては40%近くを記録するなど、まさに昭和を代表する人気アニメというにふさわしいでしょう。しかし、2014年を境にして徐々に視聴率が低下してきていることが、ビデオリサーチ社の調べで分かりました。2015年は14%前後、2016年には11%に至り、8月に入ると10%にも達しない状況も増えてきています。
2021年の視聴率では世帯平均視聴率が11.2%、個人視聴率が7.7%となっており、下げ止まりは見えましたが、ここからの改善は難しい状況が続いています。
時代錯誤か?視聴率低下の原因は?
視聴率の低下の背景には、内容が時代錯誤だという声も聞かれます。確かに3世代同居にマスオさんのような婿がいるなど、現代ではもうほとんど見ることができない家族構成です。
そんな家族に対して共感ができなくなったのでは?ということも考えられますが、今日における家族構成の変化は、昭和の時代にすでに変わりつつあったことでもあるので、この考えは当てはまりそうにもないと思われます。
もしこれが原因ならば、視聴率の低下はもっと緩やかに進んでいたはずだと考えられるからです。視聴率低下の傾向はここ2~3年の間の出来事なので、根底にある原因はもっと違うところにあるでしょう。
時代を支えた団塊の世代の影響か?
サザエさんが絶好調だった時代には、団塊の世代と呼ばれる人たちが社会の中心で活躍していました。
その子供たちの多くがサザエさんを視聴して楽しんでいたはずです。そして徐々にサザエさんを見なくなってしまったのではと考えると、最近の視聴率低下と重なるところがあるかもしれません。
しかし、団塊の世代の子供たちが大人になって、子供を持つようになったなら、さらにその子供たちも一緒にみることになっていたはずなので、視聴率がこれほど急落する事は無かったでしょう。原因の一つとして考えることはできそうですが、まだ別の要素が絡んでいそうな気がします。
最近のテレビ離れの原因と重なる
最近ではテレビを見なくなるという人が増えており、子供でもあまりテレビを見ないというのも珍しくありません。
では、何が原因でテレビ離れが加速しているのでしょうか。それは、スマートフォンやタブレットなどの携帯端末の普及によるものではないかと考えられます。
手軽で便利なうえに、ニュースより早く最新情報が入るだけでなく、アニメやドラマなどの映像コンテンツも視聴できるため、テレビをわざわざ見なくても事足りてしまう傾向にあるからです。
テレビ以外にも映像を楽しめる媒体が登場したことにより、テレビの需要が以前ほど高くはなくなってきているのが分かります。そうしたことから、現在の子供がテレビでサザエさんを見なくなったのではと考えることができるでしょう。
しかし、またも面白いデータがあります。視聴率は下がっていても、録画して後で見るという人の数はそれほど減っていないというデータがあるようです。もしこうした映像離れが加速しているという事であれば、録画してみるという人も減っていくはずなので、別の要因を探っていく必要があるでしょう。
テレビに求めるものが変わりつつある?
一昔前まではテレビに対しては面白さや娯楽を求める傾向にありましたが、現在では最近の災害などの情報などの生活に関わるものを求めるという人が増えてきているようにも思えます。
それに加えて、以前よりもなんとなくテレビをみるというような人の割合も減ってきており、テレビに求める質そのものが変わりつつあると考えられるのです。
もちろん、一概にそうとは言い切れませんが、昔のような番組構成・内容では視聴率を稼げなくなってきている事だけは確かな数字として出てきています。
スマホ・タブレットの普及も影響大
前述したことに加えて、スマホやタブレットの普及も大きな要因の一つとして挙げられます。
携帯端末の利便性は、テレビをはるかに上回るものであり、日本国民の約半数が持っているというところまで来ている影響も大きいでしょう。
メディアの収入は、コンテンツと共に流すCMなどからの広告収入が主ですが、こうした視聴機会の多くをスマホとタブレットからのコンテンツに奪われていることが、テレビ離れを加速する一端を担っていることは確実です。
その証拠に2013年9月からガラケーとの利用率が逆転し、その後も右肩上がりに増え続けているのが分かります。その時期がサザエさんの視聴率低下の少し前に当たるということもあり、その因果関係は少なからずあるということになるでしょう。
そして2014年秋ごろから発売されたスマホは、それまでよりも連続使用時間が飛躍的に向上したこともあり、充電器なしでは30分程度しか連続して動画を視聴できなかったのが、一気に4倍程度にまで性能を延ばしたことも大きな影響を与えています。
コンテンツとしてもインターネットの方が魅力的に見える
色々考えられることを紹介してきましたが、どの問題も折り重なるように影響し合って現在の低視聴率化につながっていると考えられます。
これだけ要因が多く上がると、どれが原因であるというような事柄でもなさそうに思えるからです。番組の改変や視聴媒体の変化など、時代の流れの中でサザエさんのあり方そのものが変わるかも知れません。
長寿番組名だけに、この先どうなるのかはわかりませんが、少しでも長く放送が続いてほしいところです。
裏番組の影響も大きい
話がそれましたが、サザエさんの視聴率低下の背景は同時間帯に放送されている裏番組の影響も否めません。
以前は強力なライバル番組と呼べるものがありませんでしたが、現在ではニュース番組が高視聴率を出すようになりました。
加えて、サザエさんの放送元であるフジテレビの相次ぐ不祥事に、嫌気がさした視聴者がフジテレビの番組そのものを見なくなっているという事も少なからず影響を与えているでしょう。
さらに声優の交代など、慣れ親しんだ声が変わるというのも視聴率低下の大きな要因になります。他の長寿アニメを見ていてもわかることですが、声優の交代によって見なくなったという人は意外に多いでしょう。こうしたことは仕方ないことですが、時代の流れの中で、どう生き残っていくのかが問われるでしょう。
様々な要因が重なったサザエさんの低視聴率
色々考えられることを紹介してきましたが、どの問題も折り重なるように影響し合って現在の低視聴率化につながっていると考えられます。これだけ要因が多く上がると、どれが原因であるというような事柄でもなさそうに思えるからです。
番組の改変や視聴媒体の変化など、時代の流れの中でサザエさんのあり方そのものが変わるかも知れません。長寿番組名だけに、この先どうなるのかはわかりませんが、少しでも長く放送が続いてほしいところです。
よくある質問と回答
Q1: サザエさんの視聴率低下は内容が時代錯誤だからですか? A1: 必ずしもそうとは言えません。3世代同居などの家族構成は昭和時代からすでに変化していたため、最近の急激な視聴率低下の主因とは考えにくいです。
Q2: 若い世代はなぜサザエさんを見なくなったのでしょうか? A2: スマートフォンなどで多様なコンテンツが手軽に楽しめるようになり、テレビ視聴自体が減少していることが大きな要因の一つです。
Q3: サザエさんの視聴率は今後改善する可能性はありますか? A3: 現状では改善は難しい状況が続いていますが、録画視聴者数は維持されているため、時代に合わせた番組の進化次第では可能性があります。
2024年の新たな動き:デジタル展開への挑戦
サザエさんの制作・放送元であるフジテレビは、2023年後半から視聴者層の拡大を目指して新たな取り組みを開始しています。具体的には:
- 動画配信プラットフォームでの展開
- FODでの見逃し配信サービスの強化
- YouTubeでの公式チャンネル開設(短編クリップの配信)
- SNSでの情報発信拡大(Twitter、Instagramでの番組情報や作品紹介)
- コンテンツの多様化
- 従来の30分枠に加え、15分のミニエピソードの制作
- 現代的なテーマを取り入れたストーリー展開(在宅勤務やSNSの話題など)
- 視聴者参加型企画の実施
- ファン投票によるエピソード選定
- SNSでのハッシュタグキャンペーン
また、新たなデータ分析も示唆に富んでいます:
- リアルタイム視聴と録画視聴を合わせた「総合視聴率」では15%前後を維持
- スマートフォンでの視聴は若年層(10-20代)で増加傾向
- 親子2世代での視聴習慣が新たなトレンドに
視聴形態の変化に関する具体的なデータ
調査会社の最新レポートによると:
- 年齢層別の視聴傾向
- 50代以上:依然としてテレビでのリアルタイム視聴が主流(約65%)
- 30-40代:録画視聴が増加(約40%)
- 10-20代:スマートフォンでの視聴が急増(約35%)
- 視聴時間帯の分散
- 従来の日曜18:30の放送時間以外での視聴が全体の45%に
- 平日夜間(21:00-24:00)の録画視聴が特に増加
これらの新しい動きにより、サザエさんは従来の「テレビアニメ」という枠を超えて、マルチプラットフォームのコンテンツとしての進化を目指しています。視聴率という単一の指標だけでなく、総合的な「視聴者接点」の創出が新たな評価基準となりつつあります。
コラム:変わりゆくアニメの評価基準
従来のテレビ視聴率至上主義から、以下の要素を含む複合的な評価へとシフトしています:
- 動画配信プラットフォームでの視聴回数
- SNSでの言及量(Twitter投稿数など)
- 関連商品の売上
- ファンイベントへの参加者数