「仕事中に通知が届くたびに集中が途切れる」「夜間に不要な通知を止めたい」そんな悩みを解決するのがMacのフォーカスモードです。macOS Monterey以降に大幅強化されたフォーカス機能は、おやすみモードを発展させた強力な集中ツールです。本記事では、フォーカスモードの基本から、プロフィール設定・自動起動・iPhone連携まで徹底解説します。

この記事でわかること

  • フォーカスモードとおやすみモードの違いと関係
  • フォーカスプロフィールの作成・編集方法
  • 時間・場所・アプリで自動起動する設定方法
  • 特定の連絡先やアプリだけ通知を許可する例外設定
  • iPhoneとのフォーカス状態の共有・同期
  • 集中作業・会議・就寝など場面別の活用法

フォーカスモードとおやすみモードの違い

macOS Monterey(2021年)以前のMacには「おやすみモード」が搭載されていました。おやすみモードはすべての通知を一括で止めるシンプルな機能でしたが、フォーカスモードはより細かい制御が可能な進化版です。

おやすみモードとは

おやすみモードはすべての通知を無音化・非表示にするシンプルな機能です。macOS Monterey以降では「フォーカス」機能の一つとして統合されています。基本的な「全通知オフ」の用途にはおやすみモードで十分です。

フォーカスモードとは

フォーカスモードはAppleが用意した複数のプリセット(仕事・パーソナル・睡眠など)または自分でカスタム作成したプロフィールに基づいて通知を制御する機能です。「特定のアプリからの通知だけ許可」「特定の人からの連絡だけ受け取る」「場所や時間で自動的に切り替える」といった細かい設定が可能です。

主な違い比較

機能 おやすみモード フォーカスモード
通知の制御 すべてオフ 許可リストで細かく設定
プロフィール 1種類のみ 複数作成可能
自動起動 時間のみ 時間・場所・アプリ
iPhone連携 なし iCloud経由で同期
ホーム画面カスタマイズ なし 対応(iPhone)
フォーカス状態の共有 なし 連絡先に表示可能

フォーカスプロフィールの設定方法

フォーカスの設定はシステム設定から行います。Appleが用意したプリセットを使うか、自分でカスタムプロフィールを作成できます。

フォーカス設定を開く

  1. 「Appleメニュー()」→「システム設定」をクリック
  2. 左サイドバーから「フォーカス」を選択

既存プリセットの確認

デフォルトで以下のフォーカスプリセットが用意されています。

  • おやすみモード:すべての通知をブロック(緊急連絡のみ許可可能)
  • 仕事:仕事関連のアプリ・連絡先のみ通知を許可
  • パーソナル:プライベートな連絡・アプリのみ通知
  • 睡眠:就寝時間に自動起動、ほぼすべての通知をブロック
  • 運転:iPhoneで使用する運転中通知制限(Macでは限定的)
  • フィットネス:Apple Watch連携(Macでは限定的)

カスタムフォーカスプロフィールの作成

  1. フォーカス設定画面の左下「+」ボタンをクリック
  2. 「カスタム」を選択
  3. プロフィール名を入力(例:「執筆モード」「ミーティング」)
  4. アイコンと色を選択して「追加」をクリック
  5. 作成したプロフィールをクリックして詳細設定を行う

通知の許可・ブロック設定(例外設定)

フォーカスモードのカスタマイズの核心は「どの通知を許可するか」の設定です。許可リストと遮断リストの2つのアプローチがあります。

許可する連絡先の設定

  1. フォーカス設定で対象のプロフィールをクリック
  2. 「通知を許可する人」セクションの「追加」をクリック
  3. 連絡先を個別に追加するか、グループを選択

家族からの連絡は仕事中でも受け取りたい場合などに活用できます。「繰り返しの着信を許可」をオンにすると、緊急時に同じ人から15分以内に2回着信があった場合に通知が届きます。

許可するアプリの設定

  1. 「通知を許可するApp」セクションの「追加」をクリック
  2. 通知を許可したいアプリを選択して追加

「仕事」フォーカス中はSlackやメールのみ許可、「執筆モード」中はすべてのアプリ通知をブロックするなど、目的に合わせて設定しましょう。

フォーカス状態の共有設定

「フォーカス状態を共有」をオンにすると、フォーカス中にメッセージを送ってきた相手に「通知が消音されています」という表示が出ます。「緊急の場合は通知を届ける」オプションも相手側に表示されます。プライバシーを重視する場合はオフにしましょう。

自動起動の設定(時間・場所・アプリ)

フォーカスモードの最大の利点の一つが、手動操作なしに自動で切り替わる機能です。

時間による自動起動

  1. フォーカス設定で対象プロフィールを選択
  2. 「自動化を追加」→「時間帯」をクリック
  3. 開始時刻・終了時刻・繰り返す曜日を設定

例:平日の午前9時〜午後6時は「仕事」フォーカスを自動起動、午後11時〜翌朝7時は「睡眠」フォーカスを自動起動、といった設定が可能です。

場所による自動起動

  1. 「自動化を追加」→「場所」をクリック
  2. 地図で場所を指定するか、住所を検索して選択
  3. 「到着時」または「出発時」に起動するか選択

例:自宅に到着したら「パーソナル」フォーカスに切り替え、職場に到着したら「仕事」フォーカスに切り替えるといった設定ができます。位置情報の使用許可が必要です。

アプリによる自動起動

  1. 「自動化を追加」→「App」をクリック
  2. トリガーとなるアプリを選択

例:Keynoteを開いたら「プレゼン」フォーカスを起動して通知をすべてオフにする、FaceTimeを開いたら「おやすみモード」を起動するといった設定が可能です。

iPhoneとのフォーカス同期

Apple IDでサインインしているiPhone・iPad・MacのフォーカスはiCloud経由で同期されます。MacでフォーカスをオンにするとiPhoneでも同じフォーカスが自動的に有効になります。

デバイス間の共有設定

  1. フォーカス設定で「デバイス間で共有」がオンになっていることを確認
  2. iPhoneの「設定」→「フォーカス」でも同様の設定を確認

Macで仕事フォーカスをオンにすると、iPhoneでも自動的に仕事フォーカスが起動して、プライベートな通知がブロックされます。プライベートな時間にMacで作業するときは意図せずiPhoneの通知もブロックされないよう注意が必要です。

デバイス間同期を無効にする場合

Macだけ・iPhoneだけで独立してフォーカスを管理したい場合は、各デバイスのフォーカス設定で「デバイス間で共有」をオフにします。

場面別フォーカス活用テクニック

フォーカスモードは設定して終わりではなく、自分の生活リズムに合わせて活用することが重要です。

深い集中作業(ディープワーク)

プログラミング・文書作成・企画立案など深い集中が必要な作業には、カスタムの「執筆モード」「集中モード」を作成しましょう。

  • 許可するアプリ:使用するエディタやIDEのみ(例:VS Code・Pages)
  • 許可する連絡先:なし(または緊急連絡先のみ)
  • 自動化:Pomodoroアプリを開いたら自動起動

会議・ビデオ通話時

「ミーティング」フォーカスを作成して、ZoomやTeamsを開いたら自動起動するよう設定します。通話中に不要な通知バナーが画面に表示されるのを防げます。

就寝・休息時

「睡眠」フォーカスは「ヘルスケア」アプリの睡眠スケジュールと連動させると自動的に起動します。家族など特定の連絡先だけ許可しておくことで、緊急連絡に対応しながら静かな環境を維持できます。

メニューバーからのクイックアクセス

コントロールセンターのフォーカスボタンや、メニューバーのコントロールセンターからフォーカスをすぐにオン・オフできます。よく使うフォーカスをメニューバーに表示するには、「システム設定」→「コントロールセンター」でフォーカスを「メニューバーに常に表示」に設定します。

フォーカスフィルタでアプリの動作も制御

macOS Ventura以降では「フォーカスフィルタ」機能が追加されました。通知のブロックだけでなく、アプリの動作自体もフォーカスに合わせて変更できます。

  • Safari:特定のタブグループのみ表示
  • メール:特定のメールアカウントのみ表示
  • カレンダー:特定のカレンダーのみ表示
  • メッセージ:特定の会話のみ通知

フォーカスフィルタの設定はフォーカス設定の「フォーカスフィルタ」セクションから追加できます。

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よくある質問

Q. フォーカス中でも電話は着信しますか?
A. 設定次第です。「許可する連絡先」に登録していない番号からの着信は通知されません。ただし、「繰り返しの着信を許可」をオンにしていれば15分以内に2回かかってきた場合は通知されます。緊急連絡が心配な場合はこの設定をオンにしておくと安心です。
Q. フォーカスをオンにしても通知が来ます。なぜですか?
A. 「クリティカル通知」を許可しているアプリや、「時間帯のお知らせ」などのシステム通知は一部フォーカスをすり抜けることがあります。アクティビティモニタで通知元アプリを確認し、個別に設定を調整してください。
Q. iPhoneでフォーカスをオンにするとMacでも通知が止まりますか?
A. 「デバイス間で共有」がオンの場合、iPhoneでフォーカスをオンにするとMacでも同じフォーカスが自動的に有効になります。Mac側でオフにしたい場合は「デバイス間で共有」をオフにするか、Macで手動でフォーカスをオフにしてください。
Q. 特定のアプリの通知だけフォーカス中も必ず受け取りたい場合は?
A. フォーカス設定の「通知を許可するApp」にそのアプリを追加します。また、アプリ側の通知設定で「時間帯のお知らせ」をオンにすることで、フォーカスをすり抜けさせることも可能です(通知設定の「クリティカル通知」扱いになる場合)。
Q. フォーカスプロフィールは何個まで作れますか?
A. 明確な上限は公表されていませんが、実用上は10〜20個程度作成可能です。プリセットに加えてカスタムプロフィールを複数作成できます。
Q. フォーカスを自動起動したが通知が止まっていない場合は?
A. フォーカスの自動化がシステム設定上で正しく設定されているか確認してください。また、macOS Venturaからはフォーカスの自動化に「集中モードフィルタ」の許可が求められる場合があります。「システム設定」→「フォーカス」→対象プロフィール→「自動化」から設定を見直してください。

まとめ

Macのフォーカスモードはおやすみモードをはるかに超えた、シーンに合わせた通知管理を実現する強力な機能です。まずはAppleが用意した「仕事」や「睡眠」プリセットを使い始め、慣れてきたら自分の生活リズムに合わせたカスタムプロフィールを作成してみましょう。

時間・場所・アプリによる自動起動を組み合わせることで、手動での切り替えが不要になり、集中とリラックスを自然に切り替えられる環境が整います。iPhoneとの同期も活用して、Apple製品全体で一貫した通知管理を実現してください。