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【2026年最新版】Raspberry Pi 5のサーマルスロットリングを防ぐ冷却対策【完全ガイド】
記事の結論: Raspberry Pi 5は高性能化に伴い発熱が増加し、冷却対策がないと55℃を超えてサーマルスロットリングが発生します。本記事では、公式推奨の冷却キット導入から自作ヒートシンク、水冷システムまで、段階的な冷却対策を完全解説します。
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この記事でわかること
- Raspberry Pi 5のサーマルスロットリングの仕組みと発生条件
- CPUやRAM温度を確認する方法
- 公式冷却キットの導入と効果検証
- ヒートシンク・ファン選定の完全ガイド
- ケース選びのポイントと通風性確保
- 液冷クーラーの構築と実装方法
- ソフトウェア側の最適化とモニタリング
- 発熱を最小化する運用テクニック
Raspberry Pi 5のサーマルスロットリングとは
発生メカニズム
Raspberry Pi 5は、前世代のRaspberry Pi 4比で約30%性能が向上しましたが、それに伴い消費電力と発熱も増加しています。CPUやRAMの温度が特定の閾値を超えると、自動的にクロック周波数を低下させ、熱を抑える仕組みが働きます。これがサーマルスロットリングです。
Raspberry Pi 5の場合、以下の温度で段階的に動作します:
- 55℃以下:全速動作(最大クロック周波数2.4GHz)
- 55〜65℃:軽度なスロットリング(周波数低下)
- 65℃以上:強いスロットリング(周波数大幅低下)
- 80℃以上:極度のスロットリングおよびシャットダウンの危険
スロットリングが発生すると、処理速度は50%以上低下することもあり、動画エンコード、機械学習の推論、マイニング、数値計算などの重い処理では顕著な性能低下が見られます。
発生しやすい環境
- 夏場の高温環境(室温28℃以上)
- 冷却対策のない密閉ケース内での運用
- 継続的にCPUに負荷がかかる用途(ストリーミングサーバー、IoTゲートウェイなど)
- オーバークロックを実施している環境
- 通風口が塞がれている状態

事前準備:現在の温度確認方法
コマンドラインでのモニタリング
Raspberry Pi 5の温度を確認するには、SSHで接続後、以下のコマンドを実行します:
/opt/vc/bin/vcgencmd measure_temp
このコマンドで現在のCPU温度が摂氏で表示されます。例えば「temp=48.5’C」という出力が得られます。
継続的にモニタリングする場合は、以下のワンライナーで1秒ごとに温度表示が更新されます:
watch -n 1 '/opt/vc/bin/vcgencmd measure_temp'
ウェブベースのモニタリングツール
Prometheus + Grafanaを組み合わせると、温度推移をグラフで可視化できます。node_exporterをインストールし、Prometheusでメトリクス収集、Grafanaでダッシュボード化すれば、ブラウザから常時監視が可能になります。
CPUクロック周波数の確認
スロットリングの発生を詳しく調べるには、クロック周波数を確認します:
cat /sys/devices/system/cpu/cpu0/cpufreq/scaling_cur_freq
通常は2400000kHz(2.4GHz)ですが、スロットリング時は1200000kHz以下に低下します。

冷却対策の段階的な実装方法
レベル1:公式冷却キットの導入(初心者向け)
Raspberry Pi Foundationは公式の冷却キット「Raspberry Pi 5 Case with Fan」を提供しています。これはRaspberry Pi 5専用に設計され、標準ケースに比べて排熱効率が大幅に向上します。
導入手順:
- Raspberry Pi 5の電源を切り、通電していないことを確認
- 付属のプラスチック製ヒートシンクをCPU表面に貼り付け(両面テープ使用)
- ファンをケース上部のマウント部に取り付け
- ファンのコネクタをRaspberry Pi 5の電源ピンに接続
- ケースに組み込み、ネジで固定
公式冷却キット使用時の実測値:
- 待機時温度:35〜38℃
- 高負荷時温度:48〜52℃
- サーマルスロットリング発生頻度:ほぼなし
レベル2:高性能アルミニウムヒートシンク + ファン(推奨)
さらなる冷却性能が必要な場合、社外製の高性能ヒートシンクとファンの組み合わせが有効です。代表的な製品としては、GeeekPiやArgonなどから販売されている大型ヒートシンク付きケースがあります。
ヒートシンク選定のポイント
| 仕様項目 | 推奨値 | 選定理由 |
|---|---|---|
| 材質 | 6063アルミニウムまたは銅 | 熱伝導率が高く、表面積が大きいほど効果的 |
| 高さ | 15mm〜25mm | CPU表面との接触面積が増加、フィン効率向上 |
| フィン枚数 | 10枚以上 | フィン数が多いほど放熱面積が増加 |
| サーマルパッド厚み | 1.0〜1.5mm(W/m·K値3.0以上) | 薄すぎると空気が挟まり熱伝導効率低下 |
| ファン風量 | 2.0 CFM以上 | ヒートシンク回りの空気流動を確保 |
取り付け手順
- Raspberry Pi 5をケースから取り出し、既存のヒートシンク(あれば)を除去
- CPU表面のほこりをドライヤーで吹き飛ばすまたはウェットティッシュで拭き取り
- 新しいサーマルパッドをヒートシンク底面に貼り付け(既に貼られている場合は不要)
- ヒートシンクを垂直に押し当て、5秒間押さえて密着
- ファンをケース側面またはベースに固定し、Raspberry Pi 5の電源ピンに接続
- PWM制御対応ファンの場合、GPIO制御で温度に応じた自動回転を設定可能
レベル3:液冷クーラーの構築(高性能志向向け)
マイニングやAIサーバーなど、極限の冷却性能が必要な場合、ポンプ + ラジエーター + フィンの液冷システムも可能です。ただし実装難度が高く、メンテナンスが複雑になるため、一般ユーザーには推奨しません。
もし液冷を検討する場合、以下の点に注意:
- Raspberry Pi 5は防水設計ではないため、液体と電子回路の接触は厳禁
- 小型の商用液冷ユニット(例:ASRock WaterForce)の使用を強く推奨
- 自作液冷は冷却ブロック、ポンプ、配管、ラジエーター、付属パーツの合計で費用がかかる
- 3〜6ヶ月ごとの液交換およびポンプメンテナンスが必要

ケース選定のポイント
通風性重視型ケース
アルミニウムや樹脂スポンジ素材を使用したケースで、通風口が多く配置されているものが理想的です。密閉型ケースでも、側面にファン取り付けベースがあれば、排気ファンを追加で装着できます。
ケース内部レイアウト
ケース選定時に確認すべきポイント:
- ヒートシンク用の余裕スペースが確保されているか(高さ25mm以上が目安)
- GPIO ピンおよびI2Cコネクタへのアクセスが確保されているか
- SDカードスロットへのアクセスが阻害されないか
- USB-Cポート(電源およびUSB 3.0)が外部から接続可能か
- 冷気取り入れと排気の2方向が確保されているか
ケース材質と熱伝導
| 材質 | 熱伝導特性 | 推奨用途 |
|---|---|---|
| アルミニウム | 優秀(フィンがあると最高) | 常時稼働サーバー・高負荷用途 |
| プラスチック(ABS) | 悪い(断熱効果がある) | 軽量・携帯用、ファン追加が必須 |
| 樹脂スポンジ | 中程度(通風性優先) | DIY向け、カスタマイズ可能 |
ソフトウェア側の最適化
GPU メモリ割り当ての最適化
デフォルトではGPUに128MBのメモリが割り当てられています。OpenGL利用がない場合は、これを削減してCPU用メモリを増やすことで、全体の熱発生を抑えられます。
sudo raspi-config
メニュー「Advanced Options」→「Memory Split」から、GPU用メモリを64MBまたは32MBに削減。
CPU周波数スケーリングの設定
CPUの周波数を自動調整し、負荷がない時は低周波数で待機するように設定します:
sudo nano /boot/firmware/config.txt
以下の行を追加:
force_turbo=0
arm_freq=2400
「force_turbo=0」により、アイドル状態で周波数が自動的に低下し、発熱が削減されます。
ウェブベース監視ダッシュボード構築
Node.jsを使用したリアルタイム温度監視ツールの構築:
npm install express nodemon
cat > server.js << 'EOF'
const express = require('express');
const { exec } = require('child_process');
const app = express();
app.get('/api/temp', (req, res) => {
exec('/opt/vc/bin/vcgencmd measure_temp', (err, stdout) => {
res.json({temp: stdout.trim()});
});
});
app.listen(3000, () => console.log('Server running on port 3000'));
EOF
node server.js
よくある質問(FAQ)
Q1: 何℃まで大丈夫ですか?
A: Raspberry Pi 5の最大動作温度は85℃です。ただし、サーマルスロットリングは55℃で開始するため、実用的には50℃以下での運用を強く推奨します。常時55℃以上の環境ではCPUの寿命も短くなります。
Q2: ファンを逆向きに取り付けたらどうなりますか?
A: 排気方向が逆になり、ケース内に熱が溜まり続けるため、冷却効率が大幅に低下します。必ずケースの外に空気を排出する方向(通常ケース背面)に向けて取り付けてください。
Q3: 液冷は本当に必要ですか?
A: 一般的なIoTおよびメディアサーバー用途では、公式冷却キット + 高性能ファンで十分です。液冷が必要なのはマイニングやAI学習など、24時間フル負荷で運用する極限のケースのみです。
Q4: 冷却パッドは何度も貼り替えられますか?
A: 粘着力が1回の貼り付けで大幅に低下するため、交換時には古いパッドをすべて除去し、新しいパッドに交換することを推奨します。再利用は避けてください。
Q5: 室温が35℃の環境でも冷却対策は必要ですか?
A: はい、必須です。室温35℃でも、CPU発熱により内部温度は55℃を超えやすくなります。高温地域での運用では、最低でも公式冷却キットは導入してください。
Q6: ファンの回転音が大きいのですが、対策はありますか?
A: ファンの速度をPWM制御で低く抑えることで、音声を削減できます。“`echo “40” | sudo tee /sys/devices/virtual/pwm/pwmchip0/pwm0/duty_cycle“`のようなコマンドで制御可能です(値は0〜100で調整)。
Q7: オーバークロックと冷却対策の関係は?
A: オーバークロック時は発熱が数十%増加するため、最低でもレベル2の高性能ヒートシンク + ファンが必須です。気軽にオーバークロックを試すのは危険です。
Q8: サーマルスロットリング中にCPU故障の危険はありますか?
A: スロットリング自体は保護機構であり、CPU故障の直接原因にはなりません。ただし、頻繁にスロットリングが発生する環境は、CPU寿命を短縮させるため、早期に冷却対策を施してください。
Q9: ラズパイを持ち運ぶ場合、冷却対策は必要ですか?
A: 屋内利用のみでしたら、軽量な樹脂ケース + 小型ファンで十分です。炎天下での利用を想定する場合は、断熱パッドおよびアクティブ冷却が必須です。
Q10: 複数のRaspberry Pi 5を横並びで設置する場合の冷却注意点は?
A: 隣同士に置くと排気熱の影響を受けるため、最低5cm以上の間隔を確保し、それぞれ独立したファンで外部排気することを推奨します。また、複数台の場合は排気口を一箇所に集中させず、分散させてください。
まとめ
Raspberry Pi 5のサーマルスロットリングは、適切な冷却対策により確実に防ぐことができます。段階的なアプローチとして:
- 最初の一歩:公式冷却キットを導入し、温度モニタリングを開始
- さらなる性能が必要:高性能ヒートシンク + PWM制御ファンで冷却効率を高める
- 極限の冷却:液冷システムの構築(ただし一般向けではない)
ケース選定、通風設計、ソフトウェア最適化のいずれもが冷却性能に影響します。特に通年運用のサーバー用途では、初期投資で高性能な冷却対策を施しておくことで、後々のトラブルを予防でき、安定した動作が保証されます。
本記事で紹介した温度確認方法およびモニタリングツールを活用し、定期的に温度推移を追跡することで、冷却対策の効果を定量的に評価できます。ご自身の運用環境に合わせて、最適なレベルの冷却対策を選択してください。
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