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【2026年最新版】CPUグリスの塗り方と塗り替え方法【パソコン排熱改善・完全ガイド】

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📑 この記事の目次(タップで開く)
  1. 【2026年最新版】CPUグリスの塗り方と塗り替え方法【パソコン排熱改善・完全ガイド】
  2. 1. CPUグリスとは何か
  3. 2. グリス塗り替えが必要なサインと確認方法
  4. 3. CPUグリスの種類と選び方
  5. 4. 必要な道具と事前準備
  6. 5. CPUグリスの塗り方(5種類)
  7. 6. デスクトップPCでのグリス塗り替え手順
  8. 7. ノートPCでのグリス塗り替え手順
  9. 8. よくある失敗と対策
  10. 9. グリス交換後の温度改善の目安
  11. 10. グリス交換の頻度と長持ちさせるコツ
  12. 11. よくある質問(FAQ)
  13. 12. まとめ

【2026年最新版】CPUグリスの塗り方と塗り替え方法【パソコン排熱改善・完全ガイド】

パソコンの動作が重い、急にシャットダウンする、ファンが常にうるさい——そんな症状に悩んでいませんか?その原因のひとつとして、CPUグリスの劣化・乾燥が挙げられます。

CPUグリスは、CPU(プロセッサー)とCPUクーラーの間に塗布する熱伝導材料です。適切に塗布されていれば熱を効率よく逃がせますが、時間が経つと乾燥・劣化し、冷却効率が著しく低下します。グリスを新しく塗り替えるだけで、CPU温度が10〜20℃以上下がるケースも珍しくありません。

この記事では、初心者でも安全にCPUグリスを塗り替えられるよう、必要な道具の選び方から実際の手順、注意点まで徹底的に解説します。

グリスの種類と選び方
この記事でわかること

  • CPUグリスとは何か・なぜ劣化するのか
  • グリス塗り替えが必要なサインと確認方法
  • おすすめCPUグリスの種類と選び方
  • 必要な道具と事前準備
  • CPUグリスの正しい塗り方(5種類)
  • デスクトップPC・ノートPCそれぞれの手順
  • よくある失敗と対策
  • FAQ(よくある質問10問)

1. CPUグリスとは何か

1-1. CPUグリスの役割

CPU(Central Processing Unit)は動作中に大量の熱を発生させます。その熱をCPUクーラー(ヒートシンク+ファン)に伝えて逃がすのがCPUクーラーの役目ですが、CPUの表面とヒートシンクの表面は微細な凹凸があり、完全には密着しません。その隙間には空気が入り込み、空気は熱の伝達効率が非常に悪いため、冷却効率が下がってしまいます。

そこで使われるのがCPUグリス(サーマルペースト・サーマルコンパウンド)です。グリスはCPUとヒートシンクの隙間を埋め、熱伝導率を高める役割を担います。

比較項目 空気(グリスなし) CPUグリスあり
熱伝導率 約0.024 W/m·K 4〜14 W/m·K(製品による)
CPU温度への影響 高温になりやすい 効率よく放熱できる
パフォーマンス サーマルスロットリング発生のリスク 安定した高負荷動作が可能

1-2. グリスはなぜ劣化するのか

CPUグリスは永久に効果が続くわけではありません。主な劣化原因は以下の通りです。

  • 乾燥・固化:グリスの溶剤成分が蒸発し、ひび割れや固化が起きる
  • 熱膨張・収縮の繰り返し:電源ON/OFFのたびに素材が伸縮し、グリスが剥離する
  • 経年劣化:一般的に2〜5年で性能が低下し始める
  • 初期塗布量の不足・偏り:最初から適切に塗られていない場合もある

特にノートPCは薄型設計で熱がこもりやすく、デスクトップPCより劣化が早い傾向があります。


2. グリス塗り替えが必要なサインと確認方法

2-1. 症状チェックリスト

以下の症状が複数当てはまる場合は、CPUグリスの劣化が原因の可能性が高いです。

症状 詳細
CPUファンがうるさい 常時高回転でファンが回り続ける
パソコンが熱くなる 底面・キーボード周辺が異常に熱い
動作が急に重くなる サーマルスロットリング(熱による自動クロックダウン)
突然シャットダウン 熱保護機能による緊急停止
使用年数が3年以上 グリスの経年劣化が進んでいる可能性大
ゲームや動画編集で落ちる 高負荷時にのみ発生する過熱シャットダウン

2-2. CPU温度の確認方法

フリーソフトを使えば、現在のCPU温度を簡単に確認できます。

Windowsの場合:HWiNFO64

  1. 「HWiNFO64」を公式サイトからダウンロードしてインストール
  2. 起動後「Sensors Only」モードで起動
  3. 「CPU Package Temperature」や「CPU Core #0〜#N」の温度を確認
  4. アイドル時:40℃以下が正常、60℃以上は要注意
  5. 高負荷時:80℃以下が目安、90℃以上は危険域

Macの場合:iStatMenus / Intel Power Gadget

  1. App Storeから「iStatMenus」をインストール(有料)
  2. または「Macs Fan Control」(無料)を使用
  3. CPU温度がアイドル時50℃以上、高負荷時90℃以上ならグリス交換を検討

Linuxの場合:lm-sensors

sudo apt install lm-sensors
sensors

3. CPUグリスの種類と選び方

塗り替えの手順

3-1. グリスの主な種類

種類 熱伝導率の目安 特徴 用途
シリコン系(白色) 0.8〜4 W/m·K 安価・扱いやすい・絶縁性あり 入門用・軽負荷向け
金属酸化物系 4〜9 W/m·K コスパ良い・非導電性・長寿命 一般的な用途に最適
液体金属系 40〜80 W/m·K 最高性能・導電性あり・扱い難しい 上級者向け・オーバークロック用
カーボン系 6〜14 W/m·K 絶縁性・高性能・やや高価 ゲーミングPC・ハイエンド向け
相変化型シート 4〜6 W/m·K 固体シート状・塗布不要・均一に塗れる 初心者・OEM向け

3-2. 初心者におすすめのグリス

最初のグリス交換には、金属酸化物系(アルミナ・酸化亜鉛配合)が最も扱いやすくおすすめです。特に以下の製品が定番として人気があります。

  • Arctic MX-4 / MX-6:非導電性、ハイコスパ、世界的な定番品
  • Thermal Grizzly Kryonaut:高性能、やや高価だが品質が高い
  • Noctua NT-H1 / NT-H2:信頼性高く長寿命、Noctuaクーラーとのセット品も
  • 信越化学 X-23-7762-5:国産・業務用品質で耐久性抜群
⚠️ 液体金属グリスについての注意
Thermal Grizzly Conductonaut などの液体金属グリスは熱伝導率が非常に高い反面、導電性があるため基板・コンデンサに接触すると短絡(ショート)の危険があります。初心者には絶対に推奨しません。また、アルミ製ヒートシンクには使用不可です(アルミを腐食します)。

3-3. 必要なグリスの量の目安

グリスは米粒1粒〜大豆1粒程度の量(直径4〜5mm)があれば十分です。塗りすぎると溢れ出してショートの原因になる場合があるため、少なすぎず多すぎず適量を意識してください。


4. 必要な道具と事前準備

4-1. 必要な道具一覧

道具 用途 代替品
CPUグリス 新しく塗布するグリス なし(必須)
無水エタノール(純度99%) 古いグリスの除去・洗浄 イソプロピルアルコール(IPA)70%以上
キムワイプ(不織布ワイプ) グリス拭き取り用 コーヒーフィルター(ティッシュは繊維が残るのでNG)
プラスドライバー(精密) クーラー取り外し用 サイズは機種に合わせてPH0またはPH1
静電気防止手袋またはアースバンド 静電気による破損防止 金属部分(PCケースなど)に触れて放電
スプレッダー(ヘラ) グリスを均一に伸ばす場合 クレジットカードの角、ビニール手袋の指先
綿棒 細かい部分の拭き取り
磁気トレイまたは小皿 外したネジをまとめる マスキングテープ+紙でもOK

4-2. 事前準備の手順

  1. PCのデータをバックアップする:作業中の誤操作に備え、重要ファイルを外付けHDDやクラウドに保存
  2. PCを完全シャットダウンし、電源ケーブルを抜く:スリープではなく完全な電源オフ
  3. 少なくとも10〜15分待つ:CPU・クーラーが十分に冷えてから作業開始
  4. 静電気対策をする:アースバンドを装着するか、金属製のPCケースを触って体の静電気を逃がす
  5. 作業スペースを確保する:広い机の上で、明るい照明の下で作業する
  6. スマートフォンで現在の配線・レイアウトを撮影する:組み立て時に参考になる
✅ ポイント:ノートPCの場合、バッテリーが内蔵されていると電源ケーブルを抜いても電力が残っています。可能であればバッテリーも取り外すか、BIOS設定で放電してから作業してください。

5. CPUグリスの塗り方(5種類)

グリスの塗り方には複数の方法があります。それぞれ一長一短があり、CPUのサイズや形状によって最適な方法が異なります。

塗り方 概要 向いているCPU 難易度
米粒法(センター1点) 中央に米粒大を1点置く 正方形・小型CPU ★☆☆☆☆
X字法 X字型に線を引く 中型CPU全般 ★★☆☆☆
スプレッド法(全塗り) ヘラで全面に薄く伸ばす 大型・長方形CPU ★★★☆☆
ライン法 中央に横1本の線を引く 長方形CPU(Ryzenなど) ★★☆☆☆
点×5法(梅干し型) 中央1点+四隅に計5点 大型・正方形CPU ★★☆☆☆

5-1. 最も一般的な「米粒法(センター1点)」

初心者には最もシンプルなセンター1点置き(米粒法)がおすすめです。ヒートシンクを取り付けた際の圧力でグリスが広がり、均一に塗布されます。

  1. グリスのシリンジ(注射器状の容器)の先端を、CPU中央の真上約1cmの高さに持っていく
  2. ゆっくり押し出しながら、直径約4〜5mmの円形になるよう塗布する
  3. 大きすぎず小さすぎず、「大きめの米粒1粒〜小豆1粒」サイズが目安
  4. グリスを伸ばしたり触ったりせず、そのままクーラーを装着する
⚠️ 注意:グリスを広げようとして指で触ると、指紋や汚れが混入します。また、気泡が入ると熱伝導率が下がります。置いたらそのままクーラーを乗せるのが基本です。

5-2. Ryzenや横長CPUに適した「ライン法」

AMD Ryzenシリーズのような長方形に近いダイ(CPU本体)には、中央に横一本のラインを引く「ライン法」が効果的です。

  1. CPUの中央より少し左から右に向けて、細い線(幅2〜3mm)を引くように押し出す
  2. グリスの量は米粒2粒分程度
  3. ヒートシンクを取り付けると左右に均等に広がる

6. デスクトップPCでのグリス塗り替え手順

温度測定と効果確認

6-1. CPUクーラーの取り外し

デスクトップPCのCPUクーラーには大きく「リテールクーラー(付属品)」と「社外クーラー」の2種類があります。取り外し方はメーカー・モデルによって異なりますが、基本的な手順は共通です。

Intel リテールクーラーの取り外し(プッシュピン式)

  1. ケースの電源ケーブルを抜き、PCが十分冷えていることを確認する
  2. CPUクーラーのファンコネクタをマザーボードから引き抜く(「CPU_FAN」と書かれたピン)
  3. 4つのプッシュピン(黒い爪)を反時計回りに90度回転させてロックを解除する
  4. 4つのピンが外れたら、クーラーを軽く左右にゆっくりひねりながら引き上げる(グリスが固着している場合は無理矢理引かず、ゆっくりと)
  5. クーラーを安全な場所に置く(古いグリスが付いたヒートシンク面は上向きに)

AMD AM4/AM5 リテールクーラーの取り外し(レバー式)

  1. レバー(片側または両側)を起こして、プラスチックブラケットのフックから外す
  2. クーラーを軽くひねりながら引き上げる

社外クーラー(ネジ留め式)の取り外し

  1. 対角線上に少しずつ均等に緩める(例:左上→右下→右上→左下の順)
  2. 均等に緩めることで、CPUソケットへの偏った圧力を防ぐ
  3. 全てのネジが外れたらクーラーを引き上げる

6-2. 古いグリスの除去

古いグリスを完全に除去することが、新しいグリスの効果を最大限に引き出すカギです。

  1. まず乾いたキムワイプで古いグリスを大まかに拭き取る
  2. 無水エタノールをキムワイプに少量染み込ませ、CPUの表面を円を描くように拭く
  3. 同様にヒートシンクの底面(CPUと接触する金属面)も拭き取る
  4. エタノールが完全に揮発するまで1〜2分待つ(白い残留物が残っていたら再度拭く)
  5. 完全に乾いた状態(鏡面に近い光沢面)になってから次のステップへ
ℹ️ ポイント:CPUのIHS(集積回路を守る金属蓋)は精密な鏡面研磨がされています。傷が付くと熱伝導が悪化するため、強くこすりすぎないよう注意してください。

6-3. 新しいグリスの塗布とクーラーの取り付け

  1. CPU中央に米粒1粒分のグリスを置く(5-1参照)
  2. クーラーをCPUの真上からゆっくり垂直に下ろす(ずらすとグリスが偏る)
  3. クーラーを軽く押しながら、対角線上のネジを少しずつ均等に締める
  4. 全てのネジを同じ力で最終的に締め付ける(締めすぎ注意)
  5. ファンコネクタを「CPU_FAN」ピンに接続する

6-4. 動作確認

  1. PCを起動し、BIOS/UEFIの「H/W Monitor」でCPU温度を確認する
  2. アイドル時に40℃以下であれば成功
  3. OSが起動したらHWiNFO64などで温度を確認し、高負荷テスト(Prime95など)で80℃以下をキープできるか確認する

7. ノートPCでのグリス塗り替え手順

7-1. ノートPCでのグリス交換の注意点

ノートPCのグリス交換はデスクトップPCよりも難易度が高く、以下の点に注意が必要です。

  • メーカー保証が無効になる場合がある:分解を禁止しているメーカーもある(要確認)
  • ネジが極めて小さく精密ドライバーが必須:なめると修理不能になる可能性
  • フラットケーブルやコネクタが多い:無理に引っ張ると断線する
  • 機種ごとに分解手順が大きく異なる:事前に機種名で分解手順を検索しておく
⚠️ 保証期間内のPCは要注意:購入から1〜2年以内の場合、メーカーサポートにグリス交換を依頼するか、保証期間終了後に自分で作業することをおすすめします。

7-2. 一般的なノートPCのグリス交換手順

以下は一般的な手順です。機種によって異なるため、必ずお使いの機種の分解マニュアルをiFixitなどで事前に確認してください。

ステップ1:底面パネルの取り外し

  1. PCを完全にシャットダウンし電源ケーブルを抜く
  2. 底面のネジを全て外す(長さ・種類が異なる場合は場所を記録する)
  3. スクライバー(プラスチック製の棒)やギターピックを使い、底面パネルの合わせ目に沿って慎重に外す
  4. 内部のバッテリーコネクタをマザーボードから外す

ステップ2:冷却モジュールの取り外し

  1. CPUクーラー(ヒートパイプ+ファン)を固定しているネジを外す(番号順に外すと良い)
  2. ファンのケーブルをマザーボードから外す
  3. クーラーをゆっくりと水平に引き上げる

ステップ3:グリスの除去と塗布

  1. CPUチップ(およびGPUチップ、チップセットが共通クーラーの場合)の古いグリスを無水エタノールで丁寧に除去する
  2. ヒートシンク・ヒートパイプの接触面も同様に清掃する
  3. 各チップに米粒〜小豆大のグリスを1点ずつ置く(複数のチップがある場合は各チップに塗布)

ステップ4:組み立てと動作確認

  1. クーラーを元通りに取り付け、ネジを対角線上に均等に締める
  2. ファンケーブルを接続する
  3. バッテリーコネクタを接続し、底面パネルを閉じる
  4. PCを起動してCPU温度を確認する

8. よくある失敗と対策

8-1. グリスを塗りすぎた

症状:クーラーを取り付けた際にグリスが溢れ出し、マザーボードのコンデンサや周辺回路に付着する。

対策:米粒〜小豆程度の適量を守る。溢れた場合は電源を入れる前に無水エタノールで完全に除去する。

8-2. グリスが少なすぎた

症状:CPUとクーラーの密着が不十分で、温度が下がらない。

対策:クーラーを再度取り外し、グリスを除去してから再塗布する。表面積の半分以上をカバーする量が目安。

8-3. ヒートシンクを傾けて装着した

症状:グリスが片側に偏り、CPU全体を均一に冷却できない。温度が改善しない。

対策:クーラーを必ずCPUの真上から垂直に下ろす。取り付け後に対角線上のネジを均等に締める。

8-4. 静電気でパーツが破損した

症状:作業後にPCが起動しない、または不安定になった。

対策:作業前に必ずアースバンドを装着するか、PCケースの金属部分に触れて放電する。カーペットの上での作業は避ける。

8-5. ネジを締めすぎてマザーボードが変形した

症状:PCが起動しない、またはCPUが正常に動作しない。

対策:ネジを締める際は「指で止まるところまで締めてから、1/4回転だけ増し締め」が基本。強く締めすぎない。

8-6. 古いグリスが完全に除去できていなかった

症状:グリスを塗り替えたのに温度が改善しない。

対策:エタノールと清潔なキムワイプで、表面が鏡面になるまで繰り返し拭き取る。コーヒーフィルターも繊維が残らないのでおすすめ。


9. グリス交換後の温度改善の目安

グリスを正しく交換した場合、以下のような温度改善が期待できます。

状況 交換前(例) 交換後(例) 改善幅
3〜5年使用・アイドル時 55〜65℃ 35〜45℃ 約−15〜20℃
3〜5年使用・高負荷時 90〜100℃ 70〜80℃ 約−15〜20℃
1〜2年使用・軽度劣化 70〜80℃(高負荷時) 60〜70℃(高負荷時) 約−5〜10℃
ノートPC(特に薄型) 90〜105℃(高負荷時) 70〜85℃(高負荷時) 約−10〜20℃

グリス交換だけでこれだけの差が出る場合があります。特に3年以上使用しているPCで動作が重い・熱いと感じている方には、グリス交換は最もコスパの高いメンテナンスのひとつです。


10. グリス交換の頻度と長持ちさせるコツ

10-1. 推奨交換頻度

用途・環境 推奨交換頻度
一般的なデスクトップPC(文書・ウェブ程度) 3〜5年ごと
ゲーミングPC(高負荷・長時間使用) 2〜3年ごと
ノートPC(薄型・高温環境) 2〜3年ごと
業務用サーバー・24時間稼働 1〜2年ごと

10-2. グリスを長持ちさせるコツ

  • 高品質なグリスを使う:安価なシリコン系より、金属酸化物系や信越X-23の方が耐久性が高い
  • 適量を守る:塗りすぎると乾燥が早まる
  • PC内部のホコリを定期的に除去する:ホコリがたまると冷却効率が下がり、グリスへの熱負荷が増す
  • PCの設置場所を改善する:通気口をふさがない、高温の場所に置かない
  • CPU温度を定期的に確認する習慣をつける:早期発見が重要

11. よくある質問(FAQ)

Q1. グリスを塗らないとどうなりますか?

CPUとクーラーの間の熱伝達効率が著しく低下し、CPUが高温になります。熱保護機能による急激なパフォーマンス低下(サーマルスロットリング)や突然のシャットダウン、最悪の場合CPUが故障する可能性があります。グリスは必ず塗布してください。

Q2. 歯磨き粉やバターで代用できますか?

絶対に代用しないでください。歯磨き粉は研磨剤が含まれており表面を傷つけます。バターは油分と水分があり腐敗してマザーボードを汚染します。市販のCPUグリスは数百円から購入できるため、必ず専用品を使用してください。

Q3. グリスがCPUソケットのピンに付いてしまいました。どうすればよいですか?

まず絶対に電源を入れないでください。無水エタノールを綿棒に染み込ませ、ピンの間を丁寧に拭き取ります。エタノールが完全に揮発してから再度確認し、グリスが残っていないことを確認してから電源を入れてください。

Q4. グリスの色が灰色・白・銀色と違いますが、どれが正しいですか?

グリスの色は成分によって異なります。白色〜クリーム色はシリコン系や酸化亜鉛系、灰色〜銀色は金属粒子(アルミナ・銀など)を含む高性能品です。色の違いは品質の良し悪しではなく、成分の違いです。

Q5. 液体金属グリスを試したいのですが、初心者でも使えますか?

初心者には強くおすすめしません。液体金属グリスは導電性があり、こぼれると基板をショートさせる危険があります。また、アルミ製ヒートシンクを腐食させます。まず通常のグリスで経験を積んでから、デスクトップPCの高性能機種のみで慎重に試してください。

Q6. グリスを塗り替えたのに温度が改善しません。原因は何ですか?

考えられる原因は複数あります。①グリスの量が少なすぎる・多すぎる、②古いグリスが完全に除去できていない、③クーラーのネジが均等に締まっていない(片締め)、④クーラー自体がほこりで詰まっている、⑤グリスとは無関係にファンが故障している、⑥電源管理設定でCPUが高負荷動作している、などが考えられます。

Q7. ノートPCのグリス交換は自分でやるべきですか?

機種・年数によります。5年以上経過したノートPCで保証が切れているなら自分で交換するのも選択肢です。ただし、分解に慣れていない場合はメーカーサポートや街のPC修理店に依頼する方が安全です。特に薄型ゲーミングノートは設計が複雑なため、プロに任せることをおすすめします。

Q8. グリスを塗り替える際、CPUを取り外す必要はありますか?

基本的にCPUを取り外す必要はありません。CPUはソケットに留まったまま、クーラーのみを取り外して作業します。CPUを取り外すとソケットピンを曲げるリスクがあるため、グリス交換だけが目的なら取り外さないのが原則です。

Q9. 購入したばかりの新品PCでもグリスを塗り替えた方がいいですか?

通常は必要ありません。新品PCはメーカーが適切なグリスを塗布した状態で出荷しています。ただし、一部の低価格PCや工場での組み立てが粗いものは塗布量が不均一な場合があります。購入直後でも温度が異常に高い場合は確認する価値があります。

Q10. グリス交換後、どのくらいで効果が安定しますか?

グリスによっては「なじみ」が出るまで数時間〜数日かかるものがあります。特にシリコン系グリスは最初は少し高めの温度が出ることがありますが、1〜3日の使用でグリスが均一に広がり、安定した温度を示すようになります。交換直後の温度より、2〜3日後の温度の方が参考になります。


12. まとめ

CPUグリスの塗り替えは、パソコンのメンテナンスの中でも最もコストパフォーマンスの高い作業のひとつです。数百円のグリスと1時間の作業で、CPU温度を10〜20℃以上下げ、動作の安定性・パフォーマンスを大幅に改善できる可能性があります。

この記事のポイントをまとめます。

  • グリスは2〜5年で劣化する。定期的な点検と交換が重要
  • 初心者には金属酸化物系グリス(Arctic MX-4など)が最適
  • 米粒1粒分の量を中央に1点置くだけでOK(塗りすぎ・少なすぎに注意)
  • 古いグリスの完全除去が成功の鍵。無水エタノール+キムワイプで丁寧に
  • 静電気対策を忘れずに
  • 作業前後に温度をモニタリングして効果を確認する

「CPUグリスを塗り替えてみたら動作が安定した」「ノートPCがうるさくなくなった」という体験談は多くあります。ぜひこの記事を参考に、安全に作業してみてください。

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