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サイドボタンが沈んだまま戻らず、押しても反応しない…けれど画面はまだ生きている。この状態は「故障」であると同時に、まだやれることが残っている猶予期間でもあります。
結論を3行でお伝えします。①陥没して戻らないボタンは、内部の部品が壊れているサインであることが多く、外側から押し直して直るものではないとされます。②AssistiveTouch(アシスティブタッチ)を使えば、画面ロック・再起動・スクリーンショットといったサイドボタンの主要な役割を画面操作で代替でき、当面はこのまま使い続けられます。③ただしAssistiveTouchでは埋められない穴が3つ残ります。自分から電源を切ること・フリーズ時の強制再起動・緊急SOSは、いずれもサイドボタンを必要とします。とくに「自分で電源を切る」ことは避けておくのが安全です。一度切ると、充電してもそのままでは起動せず、サイドボタンの長押しが必要になる場合があるためです(充電器につなぐと自動的に起動したという報告も多く、挙動は機種やiOSのバージョンにより異なる可能性があります)。だから今のうちに、バックアップと修理の段取りを済ませておきます。
先に、よくある誤解をひとつ解いておきます。電池が尽きて自然に電源が落ちた場合は、充電器につないで十分な電力がたまれば、自動的に起動するのが設計上の既定の動作とされています。サイドボタンを押す必要はありません。「電池が切れたら二度と起動できなくなる」わけではありませんので、過度に恐れないでください。詳しくは5章で説明します。
この記事は「画面が生きていること」を前提にしています。すでに画面が真っ暗で、充電しても何の反応もない状態の方は、この記事の対象外です。その場合はiPhoneの電源が入らない・充電しても反応しない時の対処法をご覧ください。充電ケーブルやアダプタ、ポートの異物、パソコン接続といった通電系の切り分けは、すべてそちらの記事で扱っています。本記事では充電まわりの話は一切扱わず、「画面が生きている今、何ができて、何をしておくべきか」だけに集中します。

📑 この記事の目次(タップで開く)
この記事でわかること
- 指の感触だけでできる、サイドボタンのセルフ診断(押し込めるか・沈んだままか・クリック感があるか)
- ケースや保護フィルム、異物が原因の「物理故障ではない」パターンの見分け方と外し方
- AssistiveTouchでサイドボタンの代わりに行える3つの操作(画面ロック・再起動・スクリーンショット)
- ボタンが使えないまま当面をしのぐための運用術(自動ロックの延長・タップでスリープ解除・背面タップ)
- AssistiveTouchでも埋められない3つの穴…自分から電源を切ってはいけない理由、強制再起動と緊急SOSがサイドボタンを必要とすること
- 電池が切れて電源が落ちた場合に実際どうなるのか(充電すれば自動的に起動するのが既定の動作です)
- 画面が操作できるうちに済ませておくべきこと(バックアップ・修理の予約)
- 陥没したボタンがなぜ自力で直せないのか、その内部構造上の理由と修理の選択肢
1. まずは触感セルフ診断…あなたのボタンはどのタイプですか
「効かない」とひとことで言っても、内部で起きていることは症状によってまったく違います。修理店に持ち込む前でも、指の感触だけで大まかな切り分けができます。まずは静かな場所で、サイドボタンをゆっくり押してみてください。強く押し込む必要はありません。むしろ、力を入れすぎると状態を悪化させる可能性があるため、軽く触れる程度で十分です。
次の早見表で、ご自身の症状に近いものを探してください。診断結果ごとに、読むべき章が変わります。
| 指の感触 | クリック感・音 | 考えられる状態 | 次に読む章 |
|---|---|---|---|
| 沈んだまま戻ってこない | まったくしない | 内部のバネ・ドームスイッチの破損や、部品の変形が疑われます | 3章・5章・7章 |
| 押し込めるが手応えが軽い・スカスカ | しない、または鈍い | スイッチ部分の劣化・接点の不良が疑われます | 3章・5章・7章 |
| 押し込めるしクリック感もある | はっきりする | ボタン自体は生きていて、ソフト面や接続の不具合の可能性があります | 2章を優先 |
| 硬くて押せない・引っかかる | しない | ケースの干渉や異物の詰まりの可能性があります | 2章を優先 |
| ケースを外すと普通に押せる | ケースを外すとする | ケース側の問題です。物理故障ではありません | 2章で解決します |
1. 「沈んだまま戻らない」が意味すること
ボタンが押した位置から戻ってこない場合、ボタンを元の高さへ押し返している内部の弾性部品が機能していない可能性が高いと考えられます。iPhoneのサイドボタンは、外から見える金属やプラスチックの部品の下に、押すと変形して戻る小さなスイッチ部品が組み合わされた構造になっているとされます。この「押し返す力」が失われると、ボタンは沈んだままになります。
この状態は、外側から爪や工具で引き上げようとしても改善しないことがほとんどです。それどころか、隙間に工具を差し込むことで防水性能を損なったり、周辺の部品を傷つけたりする可能性があります。沈んだまま戻らないボタンを、自分で押し戻そうとしないでください。
2. 「クリック感がない」が意味すること
押し込めるのに手応えがない、あるいは以前より明らかに軽い場合、スイッチ部分が摩耗・劣化しているか、押しても電気的な接点がつながらなくなっている可能性があります。長年使ったiPhoneでは、毎日何度も押されてきた部品が寿命を迎えることがあります。これは使い方が悪かったわけではなく、可動部品である以上、避けられない経年変化と言えます。
3. 「クリック感はあるのに反応しない」が意味すること
ここが分かれ道です。カチッという手応えがはっきりあるのに画面が反応しない場合、ボタンそのものではなく、別の部分に原因がある可能性があります。スイッチからロジックボードへ信号を伝えるケーブルの接触不良や、ソフトウェア側の一時的な不具合も考えられます。このタイプに当てはまる方は、次の2章を先に試してください。分解修理をせずに解決する見込みが、他のタイプより高いためです。
4. 診断が難しい場合の考え方
感触が微妙で判断がつかないときは、反対側の音量ボタンと比べてみてください。音量ボタンが正常であれば、それが「本来あるべき手応え」の基準になります。サイドボタンの感触が明らかに違うのであれば、物理的な変化が起きていると考えてよいでしょう。左右で押し比べるだけの簡単な方法ですが、記憶に頼るよりずっと確実です。
2. ソフト寄りの原因を先に潰す…外して・取って・試す
1章の診断で「クリック感はある」「ケースを外すと押せる」に当てはまった方は、この章で解決する可能性があります。物理故障だと決めつける前に、必ず一度は確認してください。修理に出す必要がまったくなかった、というケースは実際に存在します。
1. ケースを外して素の状態で押す
意外に多いのがこのパターンです。手順は次のとおりです。
- iPhoneのケースを完全に取り外します。ボタン部分だけをめくるのではなく、全体を外してください。
- 何も付けていない状態でサイドボタンを押し、手応えと反応を確かめます。
- 正常に反応するなら、原因はケースです。ケースを付け直し、再び押せなくなるかを確認します。
ケースが原因になる理由はいくつかあります。厚みのあるケースや耐衝撃タイプのケースでは、ボタン部分のカバーが硬く、内部のボタンをうまく押し込めないことがあります。また、ケースの装着位置がわずかにずれて、ボタンを常に軽く押した状態で固定してしまうこともあります。この「押しっぱなし」状態は、ボタンが陥没しているように感じられるため、故障と勘違いしやすいポイントです。
さらに、長く使ったケースは素材が硬化して、購入当初より押しにくくなることがあります。「前は使えていたのに最近から押せない」という場合、iPhoneではなくケースが変化した可能性を疑ってみてください。落下時にケースだけが変形し、ボタン部分を圧迫しているケースもあります。
2. 隙間の異物・汚れを取り除く
ボタンとフレームの隙間には、ポケットの糸くず、ホコリ、皮脂、化粧品などが少しずつ蓄積します。これが固まると、ボタンの動きを物理的に妨げることがあります。
- まずiPhoneを明るい場所に持っていき、ボタンの周囲を目視で確認します。黒っぽい汚れが詰まっていないか見てください。
- 乾いた柔らかいブラシ(使っていない歯ブラシや、カメラ用のブロアーなど)で、隙間のホコリを軽く払います。
- 皮脂汚れが見える場合は、乾いた柔らかい布で周囲を拭きます。
- 再度ボタンを押して、動きが改善したかを確認します。
ここで守っていただきたい注意があります。爪楊枝や針金など、硬く尖ったものを隙間に差し込まないでください。内部の部品を傷つけたり、異物を奥へ押し込んでしまったりする可能性があります。また、水や洗剤、アルコールを直接吹きかけるのも避けてください。防水性能をうたう機種であっても、内部への浸水リスクや、コーティングへの影響が考えられます。乾いた状態での清掃にとどめるのが安全です。
3. 保護フィルム・アクセサリの干渉を確認する
ケースほど多くはありませんが、全面を覆うタイプの保護フィルムやバンパー、リング、ストラップホルダーなどが、ボタン周辺に干渉していることがあります。特にボタンの縁までかかる形状のアクセサリを最近付け替えた方は、それを外した状態で試してみてください。「新しいケースに替えた直後から」というタイミングの一致があれば、原因はほぼそこにあります。
4. 再起動できるなら再起動する
ボタンが押せる状態であれば、一度iPhoneを再起動してみる価値があります。ソフトウェア側の一時的な不具合でボタン入力が受け付けられなくなっている可能性が、わずかながらあるためです。
ここで重要なのが、ボタンを使わずに再起動する方法があるという点です。サイドボタンが押せない状態では、通常の電源オフ操作ができません。しかし設定アプリから電源を切ることができます。
- 「設定」アプリを開きます。
- 「一般」をタップします。
- 一番下までスクロールし、「システム終了」をタップします。
- 「スライドで電源オフ」を右にスライドすると、電源が切れます。
ただし、この操作を実行する前に、必ず5章と6章を読んでください。電源を切ってしまうと、サイドボタンが使えない状態では電源を入れ直すのに手間がかかる場合があるためです。この記事で最も注意していただきたい箇所です。再起動したい場合は、電源を切るのではなく、次章で説明するAssistiveTouchの「再起動」を使ってください。こちらは電源オフと再投入を一連の動作として行うため、起動をめぐって迷う場面そのものを避けられます。
5. iOSを最新の状態にする
ソフトウェアの不具合が疑われる場合、iOSの更新で改善する可能性があります。手順は「設定」から「一般」、「ソフトウェアアップデート」と進み、更新が提供されていれば適用します。ただし、更新の途中で再起動が発生するため、サイドボタンが使えない状態での更新には注意が必要です。通常、更新後の再起動は自動的に行われ、ボタン操作を求められることはないとされますが、万一途中で電源が落ちた場合に手動で起動できないリスクは残ります。バッテリーを十分に充電した状態で、時間に余裕のあるときに行ってください。不安がある場合は、修理の目処が立ってから更新するという判断も合理的です。

3. AssistiveTouchでサイドボタンを代替する…必要なのは3操作だけ
ここからが、この記事の中心です。1章の診断で物理故障が濃厚だった方も、まだ諦める必要はありません。iPhoneには、物理ボタンの役割を画面操作に置き換える機能が標準で備わっています。それがAssistiveTouchです。
AssistiveTouchには多くの機能がありますが、この記事で扱うのは「サイドボタンの代わりになる3つの操作」だけです。カスタムアクションの割り当て方、独自ジェスチャーの作成、ボタンの透明度やサイズの調整といった応用的な設定は、iPhoneのAssistiveTouch設定・使い方完全ガイドで詳しく解説しています。まずは最短の手順でオンにして、必要な3操作を確保しましょう。
1. AssistiveTouchをオンにする(最短手順)
- 「設定」アプリを開きます。
- 「アクセシビリティ」をタップします。
- 「タッチ」をタップします。
- 「AssistiveTouch」をタップし、スイッチをオンにします。
これで画面上に半透明の丸いボタンが表示されます。ドラッグして好きな位置に動かせますので、操作の邪魔にならない場所へ置いてください。以降、この丸いボタンをタップするとメニューが開きます。
2. 画面をロックする(スリープさせる)
サイドボタンの最も日常的な役割が、画面を消してスリープさせることです。これはAssistiveTouchで確実に代替できます。
- 画面上のAssistiveTouchボタンをタップしてメニューを開きます。
- 「デバイス」をタップします。
- 「画面をロック」をタップします。
これでサイドボタンを押したときと同じように画面がロックされ、スリープ状態になります。既定の設定では「デバイス」メニューの中に「画面をロック」が用意されているとされます。毎回2階層たどるのが面倒であれば、AssistiveTouchボタンのシングルタップやダブルタップに「画面をロック」を直接割り当てることもできます。その設定方法は前述のガイド記事をご覧ください。
3. 再起動する
iPhoneの調子が悪いときの定番対処である再起動も、ボタンなしで実行できます。
- AssistiveTouchボタンをタップしてメニューを開きます。
- 「デバイス」をタップします。
- 「その他」をタップします。
- 「再起動」をタップし、確認が表示されたら実行します。
「再起動」の項目は、お使いのiOSのバージョンによってメニュー内の位置が異なる場合があります。「デバイス」の直下に見当たらない場合は「その他」の中を探してみてください。この機能はiOS 11以降で利用できるとされますが、正確な対応状況は公式情報でご確認ください。
この「再起動」は、サイドボタンが使えない方にとって命綱です。設定アプリからの「システム終了」が電源を切ったままにするのに対し、AssistiveTouchの「再起動」は電源を落として再び立ち上げるところまでを自動で行います。つまり、起動時にサイドボタンを押す必要がありません。iPhoneを再起動したいときは、必ずこちらを使ってください。
4. スクリーンショットを撮る
サイドボタンと音量を上げるボタンの同時押しで撮っていたスクリーンショットも、代替できます。
- AssistiveTouchボタンをタップしてメニューを開きます。
- 「デバイス」をタップします。
- 「その他」をタップします。
- 「スクリーンショット」をタップします。
撮影時にAssistiveTouchの丸いボタン自体は画像に写り込まない仕様とされていますので、通常どおりの見た目で保存できます。
5. 電源オフについての注意点
AssistiveTouchで「画面をロック」を長押しすると「スライドで電源オフ」が表示される、という情報を目にすることがあります。ただしこの挙動は機種やiOSのバージョンによって異なり、表示されないという報告もあります。お使いの環境で動作するかどうかは、実際に試してみないと分かりません。
いずれにせよ、サイドボタンが使えない状態で意図的に電源を切ることは推奨しません。理由は5章で詳しく説明します。電源を切る必要が生じた場合でも、まずは「再起動」で足りないかを検討してください。
4. この状態で当面を乗り切るための運用術
AssistiveTouchで3つの操作を確保できれば、日常の大半は問題なく回ります。ここではさらに、「サイドボタンを押したくなる場面そのものを減らす」設定を紹介します。修理までの期間を快適に過ごすための実践的な工夫です。
1. 画面をタップしてスリープを解除する
スリープからの復帰にサイドボタンを使っていた方は、この設定で解決します。
- 「設定」から「アクセシビリティ」、「タッチ」と進みます。
- 「タップしてスリープ解除」をオンにします。
これで画面を軽くタップするだけでスリープが解除されます。この機能はFace IDを搭載した機種で利用できるとされます。ホームボタンのあるTouch ID搭載機(iPhone SE 第2世代・第3世代を含みます)では利用できないとされますので、項目が見当たらない場合は次の方法をお試しください。対応状況はお使いの機種やiOSのバージョンにより異なる可能性がありますので、詳細は公式の最新情報をご確認ください。
2. 手前に傾けてスリープを解除する
iPhoneを持ち上げる動作だけで画面が点く設定です。
- 「設定」から「画面表示と明るさ」を開きます。
- 「手前に傾けてスリープ解除」をオンにします。
この機能はiPhone 6s以降で利用できるとされます。Face IDに対応した機種であれば、画面が点いた時点で顔認証が動き、そのままロック解除まで進めます。サイドボタンにまったく触れずに、ポケットから出して使い始めることができます。
3. 自動ロックの時間を延ばす
画面が勝手に消える回数を減らせば、スリープ解除の操作自体が減ります。
- 「設定」から「画面表示と明るさ」を開きます。
- 「自動ロック」をタップします。
- 「3分」「5分」など、長めの時間を選びます。
ここで一点、知っておくと迷わずに済むことがあります。低電力モードがオンになっていると、自動ロックは30秒に固定され、変更できなくなります。項目がグレーになって選べない場合は、「設定」の「バッテリー」から低電力モードをオフにしてください。なお、画面消灯までの時間についてより詳しく知りたい方は、iPhoneの画面が暗くなるのが早い・自動ロックを延長する方法もあわせてご覧ください。
ただし注意点もあります。自動ロックを「なし」にしたり極端に長くしたりすると、画面が点きっぱなしになり、バッテリーの消費が早まります。外出先で残量が心もとなくなるのは、ボタンの状態にかかわらず不便ですし、6章で説明するバックアップにも電力と時間が必要です。3分から5分程度にとどめ、「なし」は選ばないことをおすすめします。
4. 背面タップを活用する
iPhoneの背面を指で軽く叩く動作に、機能を割り当てられます。
- 「設定」から「アクセシビリティ」、「タッチ」と進みます。
- 一番下の「背面タップ」をタップします。
- 「ダブルタップ」または「トリプルタップ」を選びます。
- 一覧から「画面をロック」や「スクリーンショット」を選びます。
この機能はiPhone 8以降かつiOS 14以降で利用できるとされます。背面タップに「画面をロック」を割り当てておけば、AssistiveTouchのメニューを開かずに、背中を2回叩くだけでスリープできます。サイドボタンを押していた感覚に最も近い操作かもしれません。
なお、割り当てられるアクションの一覧に「再起動」は用意されていないとされます。再起動が必要なときはAssistiveTouchのメニューから実行してください。背面タップに「AssistiveTouch」自体を割り当てて、メニューを素早く呼び出せるようにしておくのも一つの方法です。
5. 充電に余裕を持たせておく
設定の話ではありませんが、あわせて意識しておきたい点です。バッテリー残量には余裕を持たせておいてください。就寝時の充電を習慣にする、モバイルバッテリーを持ち歩く、といったごく当たり前の備えで十分です。
ここで、はっきりさせておきたいことがあります。「サイドボタンが押せない状態で電池が切れたら、二度と起動できなくなるのでは」と不安に感じている方がいるかもしれません。その心配は基本的に不要です。電池が尽きて自然に電源が落ちたiPhoneは、充電器につないで十分な電力がたまれば、自動的に起動するのが設計上の既定の動作とされています。サイドボタンを押す必要はありません。この点は次章の3節と4節で詳しく扱います。
それでも充電に余裕を持たせておきたい理由は、切迫したものではありません。ひとつは、6章で説明するバックアップに電力と時間が必要になるためです。もうひとつは、深く放電した状態から起動できるようになるまでには10〜30分程度の充電時間を要する場合があるとされ、その間はiPhoneを使えないためです。いずれも「間に合わなくなる」類の話ではなく、単に不便を減らすための備えとお考えください。
5. AssistiveTouchでは埋められない3つの穴…ここだけは代替できません
ここまで読んで、「AssistiveTouchがあるなら、このまま使い続ければいいのでは」と思われたかもしれません。日常操作に限れば、それはおおむね正しいです。しかしサイドボタンが使えないことには、AssistiveTouchでは埋められない穴が3つあります。いずれも、「画面が操作できる」という前提が崩れたとき、あるいは自分からその前提を手放してしまったときに効いてきます。
先に結論を言えば、3つのうち3番目だけは、あなた自身の操作で確実に防げます。残る2つは起きるかどうかを選べませんが、備えることはできます。それが6章の内容です。
1. 強制再起動ができなくなる
iPhoneが完全にフリーズして画面操作を一切受け付けなくなったとき、最後の手段が強制再起動です。しかしこの操作は、機種を問わずサイドボタン(旧機種ではスリープ/スリープ解除ボタン)を必要とします。
| 機種 | 強制再起動の手順 | サイドボタンの要否 |
|---|---|---|
| iPhone 8以降(X・11・12・13・14・15・SE第2/第3世代など) | 音量を上げるボタンを押してすぐ離す、音量を下げるボタンを押してすぐ離す、サイドボタンをAppleロゴが出るまで長押し | 必要です |
| iPhone 7・7 Plus | 音量を下げるボタンとスリープ/スリープ解除ボタンを同時に長押し | 必要です |
| iPhone 6s以前・SE第1世代 | ホームボタンとスリープ/スリープ解除ボタンを同時に長押し | 必要です |
お使いの機種の正確な手順は公式情報でご確認いただきたいのですが、いずれの世代でもサイドボタンに相当するボタンが手順に含まれています。AssistiveTouchの「再起動」は画面操作が生きている前提の機能ですので、完全にフリーズしてしまえば当然タップできません。つまり、フリーズしたら打つ手がなくなるということです。
2. 緊急SOSが使えなくなる可能性がある
緊急SOSは、サイドボタンと音量ボタンの同時長押し、またはサイドボタンを素早く5回押すことで発信する仕組みとされています。どちらの操作もサイドボタンを使います。
日常的に使う機能ではありませんが、いざというときに使えないかもしれない、という事実は知っておくべきです。とっさの場面で「押せない」と気づくのでは遅すぎます。緊急SOSの設定内容や発信方法についてはiPhone緊急SOSの設定方法完全ガイドで解説していますので、ご自身の設定を確認しておくとよいでしょう。なお、電話アプリから緊急通報番号に直接発信すること自体は通常どおり可能とされますので、意識があり画面を操作できる状況であれば、そちらで代替できます。
3. 自分から電源を切ると、入れ直すのに手間がかかる場合がある
3つの穴のうち、あなた自身の操作で避けられるのはこれだけです。だからこそ、最も気をつけていただきたい点でもあります。
電源が切れたiPhoneを起動する一般的な方法は、サイドボタンをAppleロゴが表示されるまで長押しすることです。ボタンを使わずに、電源オフの状態から画面操作だけで起動する確実な方法は確認できていません。AssistiveTouchは、iPhoneが起動していて画面が表示されている間しか使えない機能です。電源が落ちてしまえば、画面には何も表示されず、タップする対象すら存在しません。
つまり、2章でお伝えした「設定」から「一般」、「システム終了」と進む操作や、「スライドで電源オフ」を自分の意思で実行してしまうと、起動し直すのに手間がかかる場合があります。一般には、解除にサイドボタンの長押しが求められるとされます。
ただし、もし電源を切ってしまった場合でも、そこで打つ手がなくなるわけではありません。まずは充電器に接続したまま、しばらく待ってみてください。電源を切ったiPhoneが充電器につないだだけで自動的に起動した、という報告は数多くあり、修理の現場でも「電源に挿して自動的に起動するかどうか」がボタン側の不具合を切り分ける方法として案内されています。ただしこの挙動はApple公式が明記しているものではなく、機種やiOSのバージョン、バッテリーの残量によって異なる可能性がありますので、必ず起動するとは申し上げられません。それでも起動しない場合は、電池を使い切ってから充電器に接続すると起動することがある、という報告もあります。
いずれも確実な方法ではありません。だからこそ、そもそも切らずにおくのがいちばん確実です。「切ったら終わり」ではありませんが、切ると余計な手間と不確実さを抱え込むことになるため、わざわざ切らないほうが安全、という趣旨だとお考えください。
そのため、この状態で守るべきことは、ひとつだけです。
サイドボタンが使えない間は、自分から電源を切らない。再起動が必要なときは、必ずAssistiveTouchの「再起動」を使う。
3章でお伝えしたAssistiveTouchの「再起動」が命綱である理由が、ここにあります。電源オフと再投入を一連の動作として実行するため、途中でサイドボタンを求められる場面がありません。「電源を切る」と「再起動する」は日常では似た操作に見えますが、今のあなたにとっては意味がまったく違います。
4. 補足…「電池が切れたら終わり」ではありません
ここで、混同されやすい点をはっきりさせておきます。「自分で電源を切った場合」と「電池が尽きて電源が落ちた場合」とでは、案内されている挙動が異なります。前者は3節で説明したとおりサイドボタンの長押しを求められる場合がありますが、後者は充電するだけで起動するのが既定の動作とされています。とはいえ3節で触れたとおり、前者でも充電器につないだだけで起動したという報告は多く、どちらの場合も充電で起動することがあり、実際の挙動は機種や状況により異なるようです。この2つを厳密に線引きできるほどの確かな情報は、公式には見当たりません。
電池切れで自然に電源が落ちたiPhoneは、充電器につないで十分な電力がたまれば、自動的に起動するのが設計上の既定の動作とされています。サイドボタンを押す必要はありません。ただし、バッテリーを深く放電した状態からは、起動に必要な電圧まで回復するのに10〜30分程度の充電時間を要する場合があるとされます。その間は画面が真っ暗のままだったり、電池のアイコンだけが表示されたりすることがあります。すぐに反応がなくても故障と判断せず、しばらく充電したまま待ってみてください。
したがって、「電池が切れたら二度と起動できなくなる」という理解は正確ではありません。この状態で手間がかかりやすいのは、あくまで自分から電源を切ってしまった場合であり、電池切れそのものではありません。残量を見て焦る必要はありませんし、焦りを理由に修理を即決する必要もありません。
ただし、挙動は機種・iOSのバージョン・バッテリーの状態によって異なる可能性がありますので、断定は避けます。充電しても長時間起動しないという事例が報告されることもあり、その場合に一般に案内される対処(充電時間を長めにとる、別のケーブルや電源を試す、ワイヤレス充電を試す)でも改善しなければ、最終的に強制再起動が必要になることがあります。これは1節でお伝えしたとおりサイドボタンを要する操作です。つまり電池切れは「起動できなくなる原因」ではなく、「ごくまれに、サイドボタンが必要な場面へ回り込む可能性がある要因」と理解しておくのが正確です。日々の充電に余裕を持たせておけば、その可能性はさらに小さくなります。

6. だから今のうちに…画面が操作できるうちにやるべき2つのこと
状況を正確に理解できたら、やることはシンプルです。前章で確認したとおり、AssistiveTouchでは代替できないのは、①フリーズしたときに強制再起動できないこと、②緊急SOSがサイドボタンを必要とすること、③自分から電源を切ると入れ直すのに手間がかかる場合があることの3点でした。
このうち③は、電源を切らないと決めるだけで避けられます。しかし①と②は、起きるかどうかを自分では選べません。だからこそ、それらが起きても困らない準備をしておきます。具体的にはバックアップと、修理の段取りです。今日中に決めなければならない類の話ではありませんが、先延ばしにする理由もありません。画面が生きていて操作できる今が、最も選択肢が多い状態です。
1. バックアップを取る
最優先はこれです。理由は2つあります。ひとつは、フリーズして強制再起動もできなくなった場合など、iPhone側からデータを取り出せない状況があり得るためです。もうひとつは、修理に出す際にデータが失われる可能性があるためです。どちらも起きるとは限りませんが、バックアップさえ済んでいれば、どちらが起きても実害は残りません。
iCloudでバックアップを取る手順は次のとおりです。
- Wi-Fiに接続し、電源に接続した状態にします。
- 「設定」を開き、一番上のご自身の名前をタップします。
- 「iCloud」をタップします。
- 「iCloudバックアップ」をタップします。
- 「今すぐバックアップを作成」をタップします。
iCloudの無料の保存容量には上限があり、写真や動画が多い方は容量が足りない場合があります。その際は追加容量の購入を検討するか、パソコンへのバックアップを選択してください。料金や容量の詳細は変動する可能性がありますので、公式の案内でご確認ください。
パソコンをお持ちであれば、そちらでのバックアップも有効です。Macでは Finder、Windowsでは Apple Devices アプリ(環境によっては iTunes)を使う方法が案内されています。バックアップ時に「ローカルバックアップを暗号化」を有効にしておくと、パスワードやヘルスケアのデータも含めて保存できるとされます。復元時に必要になりますので、設定したパスワードは必ず控えておいてください。お使いのOSのバージョンによって手順や画面が異なる可能性がありますので、詳細は公式情報をご確認ください。
バックアップは、電池が十分にある状態で、時間に余裕をもって行ってください。途中で電源が落ちることだけは避けたいためです。
2. 修理の予約・相談をする
バックアップが終わったら、次は修理の段取りです。ここで大切なのは、「修理に出す」ことではなく、まず「予約や相談をしておく」ことです。今すぐ手放す必要はありません。しかし、ボタンが完全に反応しなくなってから慌てて探し始めるのと、画面が操作できて余裕のあるうちに選択肢を比較しておくのとでは、選べる幅が変わります。
確認しておきたいのは次の点です。
- AppleCare+ などの保証に加入しているか(加入の有無で費用が大きく変わるとされます)
- 修理の方法が部品交換なのか、本体そのものの交換になるのか
- データが保持されるのか、初期化されるのか
- 修理にかかる期間と、その間の代替手段
特に「本体交換になる場合、データは基本的に引き継がれない」点は重要です。だからこそ、バックアップを先に済ませておく順番に意味があります。
7. なぜ自分で直せないのか…陥没したボタンの内部で起きていること
ここまで一貫して「自分で押し戻さないでください」とお伝えしてきました。その理由を、構造の面から説明します。納得したうえで判断していただきたいためです。
1. サイドボタンの内部構造
iPhoneのサイドボタンは、外から見えている部品だけで成り立っているわけではありません。一般的には、指が触れる外側のボタン部品、その内側で押されると変形して電気的な接点をつなぐスイッチ部品、そしてスイッチの信号を本体の基板へ伝えるフレックスケーブル(薄いフィルム状の配線)が組み合わさっているとされます。ボタンを押したときの「カチッ」という手応えは、このスイッチ部品が変形し、元に戻る動きから生まれています。
2. 陥没が意味すること
ボタンが沈んだまま戻らないということは、この「元に戻る」動きが失われたということです。考えられる原因としては、スイッチ部品そのものの破損、押し返す力を生む部分の劣化や折損、落下や圧迫による部品の変形、周辺部品のずれなどが挙げられます。いずれも本体の内側で起きている変化です。
ここが決定的な点です。原因が内側にある以上、外側から何をしても届きません。ボタンを爪で引っ張っても、テープで持ち上げても、内部で壊れた部品は元に戻りません。むしろ、隙間に力を加えることで防水のためのシールを傷めたり、周辺部品にさらなる負荷をかけたりする可能性があります。
3. 分解が前提になる理由
壊れた部品を交換するには、本体を開ける必要があります。そしてiPhoneの分解は、専用の工具と手順、そして経験を必要とする作業です。画面を外す工程では、内部のケーブルを切ってしまうリスクがあります。防水性能を持つ機種では、組み立て時にシール材を適切に処理しなければ性能が損なわれます。ネジの種類や長さを取り違えると、基板を傷つけることもあるとされます。
さらに実務上の問題として、正規のサービス以外で分解した履歴があると、その後にApple正規の修理を受けられなくなる場合があるとされます。自分で開けてみて直らなかった場合、正規修理という選択肢まで失う可能性があるということです。これは金銭的にも大きな損失になりかねません。
4. 修理の選択肢を整理する
修理先には大きく分けて、Appleの正規サービス(Apple Store や正規サービスプロバイダ)と、その他の修理店があります。それぞれに特徴があります。
| 比較する点 | Apple正規のサービス | その他の修理店 |
|---|---|---|
| 使用される部品 | 純正部品が使われるとされます | 店舗により異なります |
| 対応の形 | 本体交換になる場合があるとされます | 該当箇所のみの交換に対応する店舗があります |
| データの扱い | 本体交換の場合は引き継がれないとされます | 店舗や修理内容により異なります |
| 保証との関係 | 保証の対象内であれば費用が抑えられる場合があります | 以後の正規修理に影響する可能性があるとされます |
| 費用 | 保証の有無で大きく変わるとされます | 店舗により幅があります |
修理費用については、この記事で具体的な金額をお伝えすることは控えます。調べた範囲でも情報源によって金額に大きな幅があり、機種・保証の加入状況・修理内容・時期によって変動するためです。不正確な数字を目安にして判断を誤るより、Appleの公式サイトの修理料金ページや、お近くの修理店に直接お問い合わせいただくほうが確実です。多くの窓口では、見積もりだけを無料で出してもらえます。
なお、選択にあたってはお住まいの地域で利用できる窓口かどうかも確認してください。郵送に対応している事業者もあれば、店舗への持ち込みが前提の場合もあります。
その前に、もう一度お伝えします。まずはケースの干渉除去とAssistiveTouchでの代替をお試しください。これで当面は使い続けられます。2章でケースが原因だと分かれば費用はかかりませんし、3章の設定を済ませれば日常操作に大きな支障はありません。有料の修理を検討するのは、それらを試したうえで、なお不便が残る場合や、5章でお伝えした3つの穴(強制再起動・緊急SOS・電源を切れないこと)を解消したい場合です。急かされて即決する必要はまったくありません。
そのうえで、物理的な修理に踏み切ると決めたのであれば、画面が生きていて操作できる今のうちに予約を取っておくのが最も損の少ない進め方です。以下は、修理の相談先を探す際の参考情報です。
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画面が生きているうちに、ボタンの修理を段取りしておきたい場合
まずはケースやフィルムの干渉を外し、AssistiveTouchで画面ロック・再起動を代替できるようにしてください。これで当面は使い続けられます。ここで足りる方に、以下は必要ありません。ただし、陥没したボタンは内部のバネやスイッチ、フレックスケーブルの損傷が疑われ、外側から押し戻して直るものではありません。また、フリーズしたときの強制再起動や緊急SOSなど、サイドボタンでなければ操作できない場面は残ります。画面が操作できるうちに修理を段取りしておくと、慌てずに済みます。データを消さずに物理的な修理を相談したい方の選択肢として、専門の修理サービスがあります(修理できるかは症状により異なり、必ずできるとは限りません)。
8. うまくいかない時に確認したいこと
ここまでの手順を試しても状況が変わらない場合、次の点を確認してみてください。
1. AssistiveTouchのボタンが表示されない
設定をオンにしたのに丸いボタンが見当たらない場合、透明度の設定が低くなっていて見えにくいだけかもしれません。画面の端に薄く表示されていないか探してみてください。それでも見つからない場合は、AssistiveTouchを一度オフにして、再度オンにしてみてください。また、「設定」から「アクセシビリティ」の一番下にある「ショートカット」に AssistiveTouch を登録しておくと、サイドボタンの操作なしで呼び出せる場合があります。
2. メニューに「再起動」が見当たらない
「デバイス」の中に見当たらない場合は「その他」の中を探してください。それでも見つからない場合、お使いのiOSのバージョンが古い可能性があります。ソフトウェアアップデートで改善する可能性がありますが、2章でお伝えしたとおり、この状態での更新には慎重な判断が必要です。
3. ボタンが勝手に押された状態になっている
音量が勝手に変わる、画面が何度も消える、スクリーンショットが勝手に撮られるといった症状がある場合、ボタンが物理的に押しっぱなしの状態になっている可能性があります。まずケースを外して改善するかを確認してください。ケースを外しても続く場合は、内部で部品が押し込まれたまま固定されている可能性があり、修理での対応が現実的です。
4. 一時的に押せることがある
「たまに反応する」「強く押せば効く」という状態は、接触が不安定になっているサインと考えられます。この段階が、実は最も動きやすいタイミングです。完全に反応しなくなる前に、バックアップと修理の相談を済ませておくことを強くおすすめします。「まだ使えるから」と先延ばしにしているうちに、完全に押せなくなるという流れは十分あり得ます。
5. どうしても電源を切りたい場面がある
飛行機の搭乗時など、電源オフを求められる場面が心配な方もいるかもしれません。多くの場合、機内モードをオンにすることで対応できるとされます。「設定」の「機内モード」、またはコントロールセンターから切り替えられます。サイドボタンが使えない状態では、電源を切るという選択そのものを避けるのが安全です。
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9. よくある質問
1. 陥没したボタンを自分で押し戻すことはできますか?
おすすめできません。ボタンが戻らないのは内部の部品が壊れているためであることが多く、外側から力を加えても改善しないとされます。それどころか、隙間に工具を差し込むことで防水性能を損なったり、周辺の部品を傷つけたりする可能性があります。ケースを外して改善するかを確認する程度にとどめ、それ以上は分解を伴う修理に委ねてください。
2. AssistiveTouchで電源を切ることはできますか?
「画面をロック」を長押しすると「スライドで電源オフ」が表示される場合があるとされますが、この挙動は機種やiOSのバージョンによって異なり、表示されないという報告もあります。確実な方法は「設定」から「一般」、「システム終了」と進む経路です。ただしサイドボタンが使えない状態で電源を切ることは推奨しません。起動時にサイドボタンの長押しが必要になる場合があるためです。再起動が目的であれば、AssistiveTouchの「再起動」をお使いください。
3. サイドボタンが使えなくても強制再起動はできますか?
できないと考えてください。強制再起動の手順には、機種を問わずサイドボタン(旧機種ではスリープ/スリープ解除ボタン)が含まれています。AssistiveTouchの「再起動」は画面操作が受け付けられる状態でのみ使える機能ですので、完全にフリーズした場合の代替にはなりません。正確な手順や仕様は公式情報でご確認ください。
4. 緊急SOSは使えますか?
緊急SOSはサイドボタンと音量ボタンの同時長押し、またはサイドボタンを素早く5回押す操作で発信するとされますので、サイドボタンが使えない場合はこれらの操作が難しくなります。ただし、画面を操作できる状況であれば、電話アプリから緊急通報番号に直接発信すること自体は通常どおり可能とされます。ご自身の設定や仕様の詳細は公式情報でご確認ください。
5. 電池が切れたらどうなりますか?
電池が尽きて自然に電源が落ちた場合は、充電器につないで十分な電力がたまれば、自動的に起動するのが設計上の既定の動作とされています。サイドボタンを押す必要はありません。深く放電した状態からは起動までに10〜30分程度の充電時間を要する場合があるとされますので、すぐに画面が点かなくても、しばらくつないだまま待ってみてください。「電池が切れたら二度と起動できなくなる」という理解は正確ではありませんので、残量を見て焦る必要はありません。
ただし、挙動は機種やiOSのバージョン、バッテリーの状態により異なる可能性がありますので断定は避けます。なお、ご自身の操作で電源を切った場合は、起動にサイドボタンの長押しが必要になる場合があるとされます。ただしこの場合も、充電器につないだだけで自動的に起動したという報告は数多くありますので、もし切ってしまったときは、まず充電器に接続したまましばらく待ってみてください。どちらになるかは機種やiOSのバージョン、バッテリーの残量により異なる可能性があり、確実とは申し上げられません。サイドボタンが使えない間は、自分から電源を切らないでおくのが安全です。
6. ケースが原因ということはありますか?
十分にあり得ます。厚みのあるケースや耐衝撃タイプのケースでは、ボタン部分のカバーが硬くて押し込めなかったり、装着位置のずれでボタンを常に押した状態にしてしまったりすることがあります。長く使って素材が硬化したケースや、落下時に変形したケースでも起こり得ます。まずケースを完全に外した状態で押してみてください。これで直れば、修理は不要です。
7. 修理費用はいくらくらいかかりますか?
この記事では具体的な金額をお伝えすることを控えます。機種、保証への加入状況、修理の内容、依頼先、時期によって大きく変動し、調べた範囲でも情報源によって金額に相当な幅があるためです。Appleの公式サイトの修理料金ページで機種ごとの目安を確認するか、修理を扱う窓口に直接お問い合わせください。多くの窓口で見積もりのみの相談を受け付けています。AppleCare+ などの保証に加入している場合は費用が大きく変わるとされますので、まずご自身の加入状況を「設定」の一番上にあるご自身の名前から確認してみてください。
8. 修理するとデータは消えますか?
修理の方法によって異なります。Apple正規のサービスでは本体そのものの交換になる場合があり、その際はデータが引き継がれないとされます。該当箇所のみを交換する修理であればデータが保持される可能性もありますが、いずれの場合も修理に出す前にバックアップを取っておくことが大前提です。データの扱いについては、依頼先に事前に確認してください。画面が操作できる今のうちにバックアップを済ませておけば、どちらの結果になっても困りません。
10. まとめ
サイドボタンが陥没して戻らない状態は、確かに故障です。しかし画面が生きている限り、それは手遅れではなく、猶予期間です。この記事でお伝えしたことを整理します。
- まず触って診断する…沈んだまま戻らない、クリック感がないなら物理的な故障の可能性が高く、クリック感があるならソフト面や接続の問題も考えられます
- 無料で直る可能性を先に潰す…ケースを完全に外す、隙間の汚れを乾いた状態で払う。これだけで解決することがあります
- AssistiveTouchで3操作を確保する…画面ロック・再起動・スクリーンショット。この3つがあれば日常は回ります
- 押したくなる場面を減らす…タップしてスリープ解除、手前に傾けてスリープ解除、自動ロックの延長、背面タップ
- 自分から電源を切らない…一度切ると、起動にサイドボタンの長押しが必要になる場合があります。再起動はAssistiveTouchのメニューから行ってください。もし切ってしまったら、まず充電器につないだまま待つと自動的に起動することがあります
- 電池切れは過度に恐れない…電池が尽きて自然に落ちた場合は、充電すれば自動的に起動するのが既定の動作とされます。深放電からの復帰には10〜30分ほどかかることがあります
- 埋められない穴を知っておく…フリーズ時の強制再起動と緊急SOSは、いずれもサイドボタンを必要とします
- 今のうちにやる…バックアップを取り、修理の相談・予約をしておく
- 自分で開けない…原因は内側にあり、外からは届きません。分解履歴は正規修理の選択肢を失わせる可能性があります
今日やるべきことをひとつだけ挙げるなら、バックアップです。それが済んでいれば、この先どんな展開になってもデータだけは守られます。そのうえでAssistiveTouchを設定し、充電を切らさないようにしながら、落ち着いて修理先を選んでください。
画面が点いている今は、選択肢がいちばん多い時間です。慌てる必要はありません。ただ、接触が不安定になったボタンがこの先どう変化するかは読めませんので、できる準備だけは早めに済ませておくと安心です。
なお、この記事の内容はiOSの仕様変更によって変わる可能性があります。設定の項目名や手順、機能の対応状況、修理の料金などは、お使いの機種・バージョン・地域・保証の加入状況により異なります。最新かつ正確な情報は、Appleの公式情報や各修理窓口の案内でご確認ください。
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