※本ページにはプロモーション(広告)が含まれています
パソコンに欠かせない重要なパーツの1つとして、色々なデータを保存しておくための「記憶装置」というものがあります。「外部記憶装置」としては、フロッピーディスク、CDやDVD、USBフラッシュメモリなどがありますが、パソコンでのメインの記憶装置用途として使用されているのは、「HDD(ハードディスクドライブ)」と「SSD(ソリッドステートドライブ)」の2種類でしょう。ここでは、HDDとSSDの違いをご紹介し、パソコン購入の際に自分に合った用途のメイン記憶装置を選択できるようにし、購入後のHDD、SSDのデータ移行やクリーンインストールなどの手順までご紹介いたします。
この記事のまとめ:
この記事のまとめ:
SSDとは
SSDとは、半導体素子メモリを使ったドライブ(記憶媒体)のことを指します。機械的に駆動する部分がないためサイズが小さく軽く、データの読み書き時に駆動音が発生しません。そのため、消費電力をカットすることで発熱も抑えられているので、動画視聴や書類作成などの作業でも静かな環境で快適に使用できます。また、構造上、耐衝撃に優れているため、よほど強い衝撃でなければデータの保存中でもドライブが破損する心配はありません。
HDDとは
HDDとは、プラッタと呼ばれる磁性体ディスクを内部に搭載したドライブ(記憶媒体)のことを指します。構造的にはCDやDVDと似ており、データを保存する際はこのプラッタに磁気ヘッドを使って書き込み、データを読み込む際も同様に磁気ヘッドでプラッタ上から読み込みます。機械的に駆動する部分があるため、データ読書き時に駆動音が発生します。また、データの読み書き時に衝撃を加えると、内部の磁気ヘッドに大きな力が加わってプラッタを傷付けてしまい、データが破損してしまう場合があり、構造上消費電力が多く、高負荷時に発熱が起こりやすいのが難点です。
SSDとHDDの違い
容量と価格の違い
HDDはSSDと比較して容量当たりの価格が安いのが特徴。HDDは、現在では1TB(テラバイト)以上の大容量タイプのものが当たり前になっており、高価なメモリーチップが内部に使われていないため、同じ容量でもSSDの約半額で入手可能です。それに比べ、SSDは以前に比べて容量も大きく値段も抑えられてきていますが、128GB(ギガバイト)~512GBの容量のものが主流です。1TB=1,000GBのため、HDDはSSDの約2倍~8倍の容量を持つということになります。もちろん、SSDにも1TB以上の大容量タイプのものも出てきていますが、値段が高いためあまり一般向けではありません。
処理速度の違い
HDDは内蔵ディスクを回転させてデータの読み書きを行いますが、SSDは、メモリーチップでデータの読み書きを行うため処理速度が早いことが特徴です。パソコンの電源を入れてからOSが起動するまでの時間がかなり短縮されますし、OS以外のアプリケーションについても、HDD使用時に比べるとソフトの起動時間も約30%も短縮できます。
データの保存性能の違い
SSDに使われているフラッシュメモリは、データの読み書きを行うたびに半導体素子が劣化してしまうという欠点がありますが、最近のSSDは寿命も延び、読み書き回数10万回、年数にして約5年~10年は使い続けられるようになってきています。HDDの寿命が約3年~4年といわれているため、寿命はSSDの方がHDDより優れているといえるでしょう。その一方で、長期間のデータ保存はHDDが適しています。SSDをはじめとするフラッシュメモリは、長期間放置していると自然放電によりデータが消失してしまう可能性があるためです。データを長期間保存しておきたい場合は、HDDを使用した方が安全です。
HDD/SSD交換時のデータの取り扱いについて
それでは、実際にHDD/SSD交換時、どのような方法があるかご紹介します。
クリーンインストール
OSを新規にインストールするので、移行データがない分だけ早く完了できます。しかし、今まで自分がインストールしたアプリケーションや作成したデータ、OS上の設定などは、すべて消去されてしまうので、再度インストールしたり、必要なデータのコピーや自分好みに設定し直したりする必要があります。
データ移行
HDD・SSDを換装後、すぐにOSごと今までと同じ状態で使用することが可能です。ただし、事前に、パソコンの内蔵HDD・SSDから、新しいHDDやSSDにクローンを作製しておくことが必要です。データ移行ソフトや、ディプリケーター(logitec)などのクローン(OSごとバックアップ作成)専用の機器を利用すると簡単に作業できます。クローンの方法によっては、データの最適化を行わずにデータ移行がされるので、事前に最適化をした方がよいでしょう。
クローン作成方法
クローン製作とは、現在使用しているHDD/SSDの中身をOSまるごと、別に用意したHDD/SSDに保存することです。簡単にいえば、「複製を作っておく」ということになります。これにより、元のHDD/SSDが万が一故障して、OSが起動しなくなってしまった場合でも、換装して起動することが可能です。なお、クローンを製作しておけば、製作時点までのシステムやデータは守られていることになります。
おおまかな手順は下記の通りになります。
SSDをUSB接続でパソコンと接続。「ハードディスクパーティションの作成とフォーマット」からSSDのフォーマットを行います。この時に、初回のみ「ディスクの初期化」画面が表示され「パーティションスタイル」を聞かれます。MBRとGPTの2種類のパーティションスタイルを聞かれますが、ここは必ず「MBR」を選択しましょう。
PCとつなげてフォーマットする(PCがSSDでを認識できるようにするためにやる感じです)
ソフトウェアを使ってHDDからSSDにデータを移行する
デスクトップならPCケース内にSSDを取り付ける
ノートパソコンならHDDとSSDを交換する
交換したSSDでパソコン(Windows)が問題なく起動できることを確認する
HDD/SSDへの交換方法
新しいHDD/SSDを用意し、パソコンに内蔵されているパソコンの内蔵HDD/SSDを取り外し、新しいHDD・SSDと入れ替える。
よくある質問と回答
Q1: SSDに交換するメリットは何ですか?
A1: 起動時間が大幅に短縮され、動作が静かで発熱も少なく、耐衝撃性に優れています。
Q2: データ移行は必ず必要ですか?
A2: クリーンインストールを選択する場合は不要ですが、既存の設定やデータを維持したい場合は必要です。
Q3: SSDの寿命は短いのでは?
A3: 最新のSSDは5-10年程度の寿命があり、HDDの3-4年より長くなっています。
最新のSSD規格と選び方のポイント
NVMe SSDとSATA SSDの違い
NVMe SSDは、従来のSATA SSDと比較して約4-6倍の読み書き速度を実現できます。具体的な速度として、SATA SSDが読み込み・書き込みともに最大600MB/秒程度なのに対し、NVMe SSDは読み込みで3,500MB/秒、書き込みで3,000MB/秒以上の速度を実現できます。ただし、この性能を活かすためには、マザーボードがM.2 NVMeスロットに対応している必要があります。
2024年現在の主要なSSD規格
– PCIe 3.0 x4:最大速度約3,500MB/s
– PCIe 4.0 x4:最大速度約7,000MB/s
– PCIe 5.0 x4:最大速度約14,000MB/s(最新規格)
容量別の推奨用途
– 250GB:ブートドライブとしての最小構成
– 500GB:一般的な用途に最適
– 1TB:大容量データや動画編集向け
– 2TB以上:プロフェッショナル向け
SSD交換後の最適化テクニック
Windows 11でのSSD最適化設定
1. トリム機能の確認と有効化
“`
defrag /C /H
“`
2. 仮想メモリの最適化
3. 不要な一時ファイルの削除
SSD/HDDのデータ引っ越し実践ガイド
無料で使えるクローンソフト徹底比較
Macrium Reflect Free
特徴:最も安定した無料クローンソフト
対応OS:Windows 11/10/8.1/7
主な機能:
パーティション単位のバックアップ
スケジュール機能(制限付き)
ブータブルメディア作成
使用手順:
- 公式サイトから「Macrium Reflect Free」をダウンロード
- インストール時に「Free」を選択
- 「Create an image of the partition(s) required to backup and restore Windows」を選択
- バックアップ先のドライブを指定
- 「Finish」をクリックして完了
AOMEI Backupper Standard
特徴:日本語対応で初心者向け
対応OS:Windows 11/10/8.1/7/Vista/XP
主な機能:
システムクローン
ディスク/パーティションクローン
ファイル同期
具体的な手順:
- アプリケーション起動後「クローン」を選択
- 「ディスククローン」をクリック
- コピー元とコピー先を選択
- 「SSD最適化」にチェック
- 「開始」で処理実行
クローン作成時の具体的な注意点
事前準備
必要な容量計算:使用容量+20%の余裕を確保
不要ファイルの削除:
一時ファイル(%temp%フォルダ内)
Windows.oldフォルダ
ハイバネーションファイル(hiberfil.sys)
ページファイル(pagefile.sys)
クローン中の注意事項
PCの電源設定を「高パフォーマンス」に変更
外付けHDD/SSDは必ずUSB 3.0以降のポートに接続
バックアップ中はPCをスリープさせない
ノートPCの場合は必ずACアダプターを接続
SSDの寿命を延ばす実践テクニック
具体的な最適化設定手順
Windows 11でのSSD最適化
powershellCopy# トリム機能の有効化確認
fsutil behavior query DisableDeleteNotify
# 結果が0なら有効、1なら無効
# トリム機能の手動実行
defrag /C /H /L
Over-Provisioning設定
具体的な容量設定例:
250GB SSDの場合:25GB(10%)
500GB SSDの場合:50GB(10%)
1TB SSDの場合:100GB(10%)
設定手順:
- ディスクの管理を開く
- SSDのパーティションを縮小
- 未割り当て領域を確保
温度管理の実践的対策
温度モニタリング
推奨ツール:
CrystalDiskInfo(無料)
HWiNFO(詳細な情報が必要な場合)
確認すべき項目:
現在温度(35-40℃が理想)
最高温度の履歴
S.M.A.R.T.情報の確認
物理的な対策
ケース内エアフロー改善:
フロント:吸気ファン(140mm×2基)
リア:排気ファン(120mm×1基)
トップ:排気ファン(140mm×1基)
ヒートシンク選択:
アルミニウム製:一般用途
銅製:高負荷用途
グラファイトシート:薄型ノートPC用
BIOS/UEFI設定
省電力設定の最適化:
AHCI mode確認
省電力機能の無効化(デスクトップの場合)
ファン制御:
温度閾値の設定(45℃でファン回転数上昇)
カスタムファンカーブの設定