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Excelで「この売上目標を達成するには何個売ればいい?」「月々の返済を10万円以内にするには、借入額をいくらにすればいい?」と考えたことはありませんか?
通常の計算では「数値を入れて結果を確認する」流れですが、ゴールシーク・シナリオ分析・データテーブルを使えば「目標から逆算して入力値を求める」という逆向きの分析が可能です。
この記事では、ExcelのWhat-If分析ツールを使って、ローン計算・損益分岐点・売上予測などのビジネス課題を実践的に解決する方法を徹底解説します。

この記事でわかること
- ゴールシークの仕組みと基本操作
- シナリオマネージャーで複数シナリオを比較する方法
- 1変数・2変数データテーブルの作り方
- ローン計算・損益分岐点・売上予測への実践応用
- よくあるエラーと対処法
What-If分析とは何か
What-If分析(仮定分析)とは、「もし〇〇だったら?」という仮定を数値で検証する分析手法です。Excelでは以下の3つのツールが「データ」タブの「What-If分析」にまとめられています。
| ツール名 | 主な用途 | 変数の数 |
|---|---|---|
| ゴールシーク | 目標値から逆算して入力値を求める | 1変数 |
| シナリオマネージャー | 複数のシナリオを登録・比較する | 最大32変数 |
| データテーブル | 変数の範囲で結果を一覧表示する | 1〜2変数 |
これら3つをうまく使い分けることで、ビジネスの意思決定に必要な定量的な根拠を素早く作れます。
ゴールシークの基本使い方
ゴールシークとは
ゴールシークは、数式の結果(目標値)が決まっているとき、数式の入力セルを自動的に変化させて目標値を達成する入力値を求める機能です。
たとえば「PMT関数で月返済額を計算する数式がある。月10万円以内にするには借入額をいくらにすればよいか?」という問いに一発で答えられます。
ゴールシーク:ローン計算の実例(手順)
前提となるシート構成:
- B1:借入金額(例:500万円)
- B2:年利(例:2.5%)
- B3:返済期間(例:120ヶ月)
- B4:月返済額(数式
=PMT(B2/12,B3,-B1))
手順1.「データ」タブ→「What-If分析」→「ゴールシーク」をクリックします。
手順2.ゴールシークダイアログが開きます。以下のように設定します。
- 「数式入力セル」:B4(月返済額の数式が入ったセル)
- 「目標値」:100000(10万円)
- 「変化させるセル」:B1(借入金額)
手順3.「OK」をクリックするとExcelが計算を繰り返し、月返済額が10万円になる借入金額を自動的に求めます。
手順4.「ゴールシークの状態」ダイアログに「解が見つかりました」と表示されたら「OK」で確定します。

ゴールシーク:損益分岐点の計算
次は「月の固定費が150万円・1個あたりの変動費が800円の商品を、いくつ売れば黒字になるか?」という損益分岐点を求めます。
シート構成:
- B1:販売価格(例:1,500円)
- B2:変動費(例:800円)
- B3:固定費(例:1,500,000円)
- B4:販売数量(例:1,000個)
- B5:利益(数式
=(B1-B2)*B4-B3)
手順:ゴールシーク設定で「数式入力セル:B5」「目標値:0」「変化させるセル:B4」とすると、利益がゼロになる販売数(損益分岐点)が求まります。
| 設定項目 | 入力値 | 意味 |
|---|---|---|
| 数式入力セル | B5(利益) | 結果を表す数式セル |
| 目標値 | 0 | 利益=0(損益分岐点) |
| 変化させるセル | B4(販売数量) | 逆算したい入力値 |
計算結果として「2,143個」が表示されれば、月2,143個の販売が損益分岐点です。
シナリオマネージャーの使い方
シナリオマネージャーとは
シナリオマネージャーは、複数の入力値の組み合わせ(シナリオ)を登録・保存し、ワンクリックで切り替えて比較できるツールです。「楽観的ケース・基本ケース・悲観的ケース」といった複数の見通しを管理するのに最適です。
シナリオマネージャーの手順
手順1.「データ」タブ→「What-If分析」→「シナリオマネージャー」をクリックします。
手順2.「追加」ボタンをクリックし、「シナリオ名」(例:楽観ケース)を入力します。
手順3.「変化させるセル」に入力値が入ったセル範囲を指定します(例:B1:B3)。
手順4.「シナリオの値」ダイアログで各セルの値を入力し「OK」で保存します。
手順5.同じ操作で「基本ケース」「悲観ケース」も登録します。
手順6.登録したシナリオを選んで「表示」ボタンを押すと、シートがそのシナリオの値に切り替わります。
シナリオ概要レポートの作成
シナリオマネージャーダイアログの「概要」ボタンを押すと、すべてのシナリオの結果を一覧で見られるレポートシートが自動作成されます。プレゼン資料に活用できます。
| シナリオ | 販売数量 | 単価 | 売上予測 |
|---|---|---|---|
| 楽観ケース | 5,000個 | 2,000円 | 1,000万円 |
| 基本ケース | 3,500個 | 1,800円 | 630万円 |
| 悲観ケース | 2,000個 | 1,500円 | 300万円 |
データテーブルの使い方
データテーブルとは
データテーブルは、1つまたは2つの変数の値を複数のパターンで一覧表示し、それぞれの結果を同時に確認できる機能です。「金利が2%から5%まで変化したときの月返済額はどう変わるか?」というような感度分析に便利です。
1変数データテーブルの作り方(縦方向)
前提:借入500万円・返済120ヶ月として、年利を変えたときの月返済額を一覧表示する例です。
手順1.A列に変数の値(年利)を並べます。例:A2〜A7に 1%、2%、3%、4%、5%、6% と入力。
手順2.B1セルに結果の数式を入力します(例:=PMT(B2/12,B3,-B1))。ここでは参照セルが別にあるものとします。
手順3.A1:B7の範囲を選択します(変数列と数式列を含む範囲)。
手順4.「データ」→「What-If分析」→「データテーブル」をクリック。
手順5.「列の代入セル」に年利が入ったセル(B2)を指定し「OK」。
B2〜B7に各金利に対応した月返済額が自動計算されます。
2変数データテーブルの作り方
2変数データテーブルでは、行と列の2軸で変数を変えて、結果のマトリクスを作れます。
例:借入金額(行方向:300万・400万・500万)と年利(列方向:2%・3%・4%)の組み合わせで月返済額を一覧表示。
手順1.表の左上セル(例:C1)に結果の数式を入力します。
手順2.行方向(C2〜C4)に借入金額、列方向(D1〜F1)に年利を入力します。
手順3.C1:F4の範囲を選択。
手順4.「データテーブル」→「行の代入セル」に借入金額セル・「列の代入セル」に年利セルを指定→「OK」。

実践:売上予測へのWhat-If分析活用
来期売上目標の逆算(ゴールシーク応用)
「来期売上を3,000万円にしたい。広告費をいくら投入すればよいか?」という問いに答える例です。
過去データから「広告費1万円あたりの売上増加額=5万円」と仮定すると:
- B1:基礎売上(例:1,500万円)
- B2:広告費(変化させるセル)
- B3:広告効果率(例:5)
- B4:予測売上(数式
=B1+B2*B3)
ゴールシークで「B4の目標値=30,000,000・変化させるセル=B2」とすると、必要な広告費が即座に計算されます。
価格感度分析(データテーブル応用)
値引き率と販売数の組み合わせで、最も利益が出る価格戦略を探る場合もデータテーブルが有効です。行に値引き率、列に販売数量を並べることで、利益マトリクスが一目で確認できます。
| 値引き率\販売数 | 1,000個 | 2,000個 | 3,000個 |
|---|---|---|---|
| 0%(定価) | 200万円 | 400万円 | 600万円 |
| 10%値引き | 165万円 | 330万円 | 495万円 |
| 20%値引き | 130万円 | 260万円 | 390万円 |
各ツールの比較・使い分け早見表
| 状況・目的 | 推奨ツール | 理由 |
|---|---|---|
| 目標値を決めて入力値を逆算したい | ゴールシーク | 1変数の逆算に最適・操作が簡単 |
| 楽観・基本・悲観の3シナリオを比較したい | シナリオマネージャー | 複数変数・複数ケースを一元管理できる |
| 変数を変化させた結果を一覧で見たい | データテーブル | 感度分析・レンジ分析に最適 |
| 2つの変数の組み合わせで結果マトリクスを作りたい | 2変数データテーブル | 2次元の影響分析が一画面で完結 |
| プレゼン用にきれいなシナリオ比較表を作りたい | シナリオ概要レポート | 自動生成で見栄えのよい一覧表が完成 |
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よくあるエラーと対処法
ゴールシーク「解が見つかりませんでした」
数式が目標値を達成できない場合や、変化させるセルが数式セルと無関係なときに表示されます。変化させるセルが数式の参照セルになっているか確認しましょう。変化させるセルには数値のみ(数式なし)が必要です。
データテーブルが更新されない
Excelの計算設定が「手動計算」になっていると、データテーブルは自動更新されません。「数式」タブ→「計算方法の設定」→「自動」に変更するか、F9キーで手動再計算を実行します。
ゴールシークの結果が不正確
Excelは反復計算で近似解を求めるため、小数点以下に誤差が生じることがあります。「ファイル」→「オプション」→「数式」の「反復計算を使用する」から最大繰り返し回数・最大変化量を調整できます。
シナリオが保存されない
シートが保護されていると、シナリオの追加・変更ができません。「校閲」タブ→「シート保護の解除」で対応します。
データテーブルを手動で編集できない
データテーブルの結果セルは配列として扱われるため、個々のセルを直接編集できません。テーブル全体を削除してから変更する必要があります。
FAQ
Q1. ゴールシークで変化させるセルに数式を入れても大丈夫ですか?
いいえ。「変化させるセル」には必ず数値のみを入力してください。数式が入っているとエラーになります。数式セルは「数式入力セル」側に設定します。
Q2. ゴールシークで求めた値を「確定させずに元に戻す」にはどうすればよいですか?
ゴールシーク完了ダイアログで「キャンセル」をクリックすると、セルの値が元に戻ります。「OK」を押す前に必ず結果を確認しましょう。
Q3. シナリオマネージャーで登録したシナリオを別のブックに移すことはできますか?
はい。「シナリオのマージ」機能を使えば、別のブックやシートからシナリオをコピーできます。シナリオマネージャーダイアログの「マージ」ボタンから操作します。
Q4. データテーブルのセルを後から変更したい場合はどうしますか?
配列数式として保護されているため、テーブル全体を選択してDeleteキーで削除してから再作成します。部分的な編集はできません。
Q5. What-If分析はExcelのどのバージョンから使えますか?
ゴールシーク・シナリオマネージャー・データテーブルはExcel 2003以降で利用可能です。2026年時点のMicrosoft 365版でも同じ操作手順で使えます。
Q6. ゴールシークとソルバーの違いは何ですか?
ゴールシークは1つの変数を操作して1つの目標を達成するシンプルな機能です。ソルバーは複数の変数・制約条件・最大化・最小化に対応した高度な最適化ツールです。複雑な問題にはソルバーを使いましょう。
Q7. MacのExcelでもWhat-If分析は同じ操作ですか?
はい、Mac版Excel(Microsoft 365)でも「データ」タブから「What-If分析」を選ぶ操作は同じです。インターフェースの細部は異なる場合がありますが、機能・手順に本質的な違いはありません。
まとめ
ExcelのWhat-If分析ツールを活用することで、目標値から逆算するゴールシーク、複数シナリオを比較するシナリオマネージャー、変数の感度分析が行えるデータテーブルを使いこなせます。
この記事のポイントを振り返りましょう。
- ゴールシーク:結果セルと変化させるセルを指定するだけで目標値からの逆算が可能
- シナリオマネージャー:楽観・基本・悲観ケースを登録し、レポートで一括比較できる
- データテーブル:1〜2変数の感度分析をマトリクス形式で一覧表示できる
- 実践活用:ローン計算・損益分岐点・売上予測など幅広いビジネス課題に対応
まずはゴールシークから試して、分析の逆算という発想に慣れてみてください。日常業務の試算作業がぐっと速くなるはずです。
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