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マイナンバーカードの電子証明書の有効期限が切れた時の更新手続き

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マイナンバーカードの表面に書かれている有効期限がまだ数年先でも、カードの中に入っている「電子証明書」は年齢に関係なく5年で切れます。これが切れると、パソコンやスマホをどれだけ操作しても直りません。アプリの再インストールも、カードの置き直しも、暗証番号の入れ直しも無駄です。住民登録のある市区町村の窓口で更新すれば、手数料は無料。期限が切れてしまったあとでも、無料で手続きできます。

30秒診断:あなたはどれに当てはまりますか

(a) 券面のどちらの欄を見ていますか
カードのおもて面には「有効期限」(カード本体)と、それとは別に「電子証明書の有効期限」を書き込む欄があります。後者は手書きで記入される欄で、空欄のままになっていることも珍しくありません。カード本体の期限だけを見て「まだ先だから大丈夫」と判断している方が非常に多いです。→ 第1章・第4章へ

(b) 画面に出ているのは「利用者証明用」ですか「署名用」ですか
マイナンバーカードには性質の違う電子証明書が2種類入っています。エラー文に「利用者証明用」とあればログイン系(数字4桁)、「署名用」とあれば申告・申請系(英数字6〜16桁)です。片方だけが失効していることもあります。→ 第2章へ

(c) もう更新したのに、まだエラーが出ますか
まず疑うのは旧カードで読み取っていないかです。カード本体を更新した方は手元に新旧2枚があり、取り違えが起きます。次に多いのがシステムへの反映待ちで、数時間から翌日以降かかることもあります。→ 第7章へ

この記事では、電子証明書の有効期限という「見えにくい期限」の仕組みと、窓口での更新手続き、そして代理人に頼む場合の段取りまでを一本にまとめます。特に、公的な案内は各機関が自分の所管範囲しか説明しないため、「結局どのサービスが止まって、どれは止まらないのか」が分かりにくくなっています。第3章に、期限切れで止まるもの・止まらないものを横断した一覧表を置きました。まずそこを見れば、いま慌てるべきかどうかが判断できます。

カード本体の有効期限と電子証明書の有効期限が別物であることを示した図

📑 この記事の目次(タップで開く)
  1. 1. マイナンバーカードには「2つの有効期限」がある
  2. 2. 署名用と利用者証明用|2つの電子証明書は何が違うのか
  3. 3. 期限が切れると止まるもの・止まらないもの【横断一覧】
  4. 4. 自分の電子証明書の有効期限を確認する3つの経路
  5. 5. 窓口での更新手続き|いつ・どこで・何を持って行くか
  6. 6. 代理人に行ってもらう場合の段取り
  7. 7. 更新したのに、まだエラーが出るときの切り分け
  8. 8. カード本体の期限が来ている場合は、別の手続きになります
  9. 9. やってはいけないこと・気をつけたいこと
  10. 10. よくある質問
  11. 11. まとめ
  12. 12. 困ったときの問い合わせ先

1. マイナンバーカードには「2つの有効期限」がある

この問題のほぼすべては、1枚のカードに基準の違う期限が2つ同居していることから生じます。まずここを分けて理解してください。

1-1. カード本体の期限と、電子証明書の期限

マイナンバーカードそのものの有効期限は、発行日から10回目の誕生日まで(18歳未満は5回目の誕生日まで)です。一方、カードのICチップに搭載されている電子証明書の有効期限は、年齢を問わず、発行日から5回目の誕生日までです。厚生労働省のリーフレット「マイナ保険証利用時には電子証明書の有効期限をご確認ください!」(令和7年10月時点)にも、この基準がそのまま示されています。

つまり、18歳以上でカードを受け取った方の場合、カードの寿命のちょうど折り返し地点で、中身の電子証明書だけが先に切れるのです。券面には「2030年◯月◯日まで有効」と印字されているのに、2025年の誕生日に電子証明書が静かに失効している。この落差が、「カードは有効なはずなのに使えない」という混乱を生んでいます。

対象 有効期限の基準 確認できる場所
カード本体(18歳以上で交付) 発行日から10回目の誕生日まで おもて面に印字された「有効期限」
カード本体(18歳未満で交付) 発行日から5回目の誕生日まで おもて面に印字された「有効期限」
カード本体(令和4年3月31日までに交付申請した20歳未満) 発行日から5回目の誕生日まで おもて面に印字された「有効期限」
電子証明書(署名用・利用者証明用とも) 年齢を問わず発行日から5回目の誕生日まで おもて面の手書き記入欄/マイナポータル/JPKI利用者ソフト

1-2. 20歳基準と18歳基準の分かれ目を取りこぼさない

ここが盲点になりやすいところです。民法の成年年齢が20歳から18歳に引き下げられたことに伴い、マイナンバーカードの有効期限の基準年齢も変わりました。マイナンバーカード総合サイトの説明では、令和4年(2022年)3月31日までに交付申請した20歳未満の方は、発行から5回目の誕生日までです。令和4年4月1日以降の申請分は、18歳未満が5回目の誕生日までという扱いになります。

この分岐が効いてくるのは、たとえば次のようなケースです。

  • 2021年(令和3年)に19歳で申請した方 → 申請した時点の基準が適用され、カード本体も5回目の誕生日で期限が来ます。いまは成人になっているため「自分は10年のはず」と思い込みやすいのですが、基準を決めるのは現在の年齢ではなく申請した時期です。カード本体の期限も同時期に到来していることに気づけません
  • 2022年4月以降に18歳で申請した方 → 新基準で10年です
  • 年齢に関係なく、電子証明書はどちらの時期の申請でも一律5年です。この点だけは分岐しません

自分がどちらの基準なのかを暗算する必要はありません。券面に印字された「有効期限」の日付をそのまま読めば、カード本体の期限は確定します。悩むべきなのは、印字されていないことがある電子証明書のほうです。

1-3. なぜ今、これほど多くの人が同時に期限を迎えているのか

マイナンバーカードの交付が一気に増えたのは、マイナポイント事業が動いていた時期です。2016年の制度開始直後の層に加えて、2020年から2021年にかけて申請した方が非常に多くなりました。電子証明書の有効期間は5年ですから、その層がちょうど今まとめて期限を迎えています

「周りでも同じ話を聞く」「病院の受付で急に言われた」という状況が同時多発しているのは、個々のカードの不具合ではなく、この時間差によるものです。故障を疑う前に、まず期限を疑ってください。

1-4. 「5回目の誕生日」の数え方でつまずかないために

「発行日から5回目の誕生日まで」という表現は、慣れないと数え間違えます。基準になるのは発行日そのものではなく、発行日より後に迎える誕生日を1回目として数えた5回目です。

たとえば、誕生日が6月10日の方が2021年3月にカードを受け取った場合、最初に迎える誕生日は2021年6月10日です。これを1回目として数えると、5回目は2025年6月10日。つまり有効期限は2025年6月10日ということになります。逆に、同じ方が2021年8月に受け取っていれば、1回目の誕生日は2022年6月10日となり、期限は2026年6月10日です。

ここで見落としやすいのが、誕生日の直前にカードを受け取った方は、実質的な有効期間が5年より短くなるという点です。上の例の3月受け取りのケースは、実際には約4年3か月しか使えていません。「まだ5年経っていないから大丈夫」という感覚での判断は当てになりません。数えるのではなく、第4章の方法で実際の日付を確認してください。

なお、2月29日生まれの方など、暦の都合で誕生日が存在しない年がある場合の扱いが気になるときは、お住まいの市区町村の窓口に確認するのが確実です。いずれにしても、券面またはマイナポータルに表示される実際の満了日が唯一の正解です。

2. 署名用と利用者証明用|2つの電子証明書は何が違うのか

電子証明書は2種類あります。混同されがちですが、有効期間はどちらも「発行日から5回目の誕生日まで」で同じです。違うのは、用途と、期限以外で失効する条件、そして発行の対象です。ここを「期間の差」だと誤解すると、対処を間違えます。

項目 利用者証明用電子証明書 署名用電子証明書
役割 ログインした人が本人であることの証明 作成した電子文書が本人のもので改ざんされていないことの証明
主な使い道 マイナ保険証としての利用、マイナポータルへのログイン、コンビニでの証明書交付サービス e-Taxなどの電子申告、各種オンライン申請、民間のオンライン契約
暗証番号 数字4桁 英数字6〜16桁
ロックまでの誤入力回数(一般的な案内) 連続3回 連続5回
有効期間 発行日から5回目の誕生日まで 発行日から5回目の誕生日まで(同じ)
住所・氏名などの変更時 失効しません(そのまま使えます) 自動的に失効します(引越し・結婚などが該当)
15歳未満への発行 法定代理人による申請で発行できます 原則として発行されません(本人と法定代理人が一緒に窓口へ行くなどの例外的な扱いを設けている自治体もあります)

2-1. 「期限はまだなのに署名用だけ使えない」は引越しが原因のことが多い

署名用電子証明書には、住民票の基本4情報(氏名・生年月日・性別・住所)が記録されています。そのため、引越しや結婚などでこれらが変わると、有効期限内であっても署名用は失効します。公的個人認証サービスのポータルサイトでも、失効の事由として「住民票の基本4情報(氏名、生年月日、性別及び住所)の記載が修正された場合(ただし、利用者証明用電子証明書は失効しない)」と明記されています。

一方、利用者証明用は住所や氏名の情報を持たないため、この理由では失効しません。だからこそ「マイナポータルにはログインできるのに、確定申告の署名だけ通らない」という一見ちぐはぐな状態が起きます。これは故障ではなく、仕様どおりの挙動です。転入・転居の届出をした際に窓口で署名用の再発行手続きまで済ませていない場合は、あらためて手続きが必要になります。確定申告の送信でつまずいている段階の方は、e-Taxで確定申告データが送信できない・送信エラーになる原因と対処法もあわせてご確認ください。

2-2. 顔認証マイナンバーカードを使っている場合

暗証番号を設定せず、顔認証または目視による確認に限定した「顔認証マイナンバーカード」を選んでいる方もいます。この場合も利用者証明用電子証明書は搭載されており、5回目の誕生日という期限は同じように到来します。暗証番号を使わない運用だからといって、更新が不要になるわけではありません。

なお、顔認証マイナンバーカードでは、暗証番号の入力を前提とするサービス(マイナポータルへのログイン、コンビニ交付、e-Taxなど)は利用できません。また、自治体によっては郵便局の窓口では顔認証マイナンバーカードの手続きを受け付けていないケースもあります。お住まいの市区町村の案内をご確認ください。

2-3. スマホ用電子証明書は「連動して」失効します

スマートフォンにマイナンバーカードの機能を搭載する「スマホ用電子証明書」を登録している方は、ここも押さえてください。スマホ用電子証明書の有効期限は、マイナポータルの公式FAQのとおりカードの電子証明書の有効期限と同一です。さらに、有効期限内であってもカード側の電子証明書が失効すればスマホ側も連動して失効します。

「カードは使えなくなったけれど、スマホに入れてあるから当面は大丈夫だろう」という考え方は成り立ちません。スマホだけ生き残ることはないと理解しておいてください。カード側を窓口で更新したあと、スマホ側もあらためて設定し直す必要があるかどうかは、お使いのアプリの案内に従ってください。

3. 期限が切れると止まるもの・止まらないもの【横断一覧】

ここがこの記事の核心です。公的な案内は、それぞれの機関が自分の所管するサービスについてしか書きません。厚生労働省はマイナ保険証について、国税庁はe-Taxについて、市区町村はコンビニ交付について。そのため、読者が本当に知りたい「全体としてどうなるのか」を一覧で示した資料が存在しません。以下にまとめます。

用途 使う証明書 電子証明書が切れたら
身分証明書としての提示(本人確認書類) 使いません(券面の目視) 止まりません。カード本体の有効期限内であれば、引き続き本人確認書類として使えます
マイナ保険証(医療機関での資格確認) 利用者証明用 すぐには止まりません。一定の猶予期間があります(下記3-1で詳述)。その後は利用できなくなります
コンビニでの住民票・印鑑証明などの交付 利用者証明用 止まります。期限を過ぎると利用できません
マイナポータルへのログイン 利用者証明用 止まります。ログインできなくなります
e-Taxなどの電子申告・電子申請 署名用(ログインに利用者証明用を使う場合もあり) 止まります。署名ができなくなります
民間サービスのオンライン本人確認・オンライン契約 サービスにより異なります 止まる可能性が高いです。電子証明書を使う方式のものは利用できなくなります
スマホ用電子証明書 カード側と連動 止まります。カード側が失効すると連動して失効します
マイナンバー(個人番号)そのものの通用 使いません 止まりません。番号自体が無効になるわけではありません

この表から読み取ってほしい要点は2つです。第一に、「オンラインで何かをする」用途はほぼ全滅するということ。第二に、「窓口で提示する」用途は生きているということ。役所や銀行の窓口でカードを見せる用事なら、電子証明書が切れていても(カード本体の期限内なら)そのまま使えます。

3-1. マイナ保険証だけは猶予がある|受付での3段階の表示

医療機関の窓口については、期限切れの当日にいきなり門前払いになるわけではありません。厚生労働省のリーフレット「マイナ保険証利用時には電子証明書の有効期限をご確認ください!」(令和7年10月時点)によると、電子証明書の有効期限が切れても、一定期間は引き続きマイナ保険証で受診できます。同リーフレットは、その期間の長さを「有効期限満了日が属する月の末日から3カ月間」と注記しています。期限切れの日から3か月ではなく、期限切れの月の末日を起点に3か月です。月の初めに期限を迎えた方は、実際にはおよそ4か月近い猶予がある計算になります。

ただし、この猶予期間中は保険資格情報の提供のみとなり、診療情報・薬剤情報等の提供はできません。「使えるから急がなくていい」ではなく、「受診はできるが機能は落ちている」と理解してください。

医療機関・薬局に置かれている顔認証付きカードリーダーには、段階に応じて次のような文言が表示されます。ご自身の画面と照合してみてください。

時期 カードリーダーに出る内容 受診できるか
有効期限の3か月前から期限まで 「証明書の有効期限が3カ月以内となっています。自宅に送付される有効期限通知書をご覧ください。」という趣旨の通知 できます
期限切れの翌日から(猶予期間は有効期限満了日が属する月の末日から3か月間) 期限切れの旨と更新のお願い。資格情報のみを医療機関に提供する旨の表示 できます(資格情報のみ)
猶予期間の経過後 証明書が失効している旨と、カードを取り出して受付窓口へ進むよう促す表示 マイナ保険証としては利用できません

あわせて押さえておきたいのが、猶予期間内に手続きをしないと、マイナ保険証の利用登録が解除される場合があるという点です。その場合でも、電子証明書を更新したあとに医療機関などのカードリーダーであらためて利用登録をすれば、また使えるようになります。

また、手元に有効な健康保険証がなく、期間内に再発行手続きをしなかった場合には、同リーフレットのとおり3か月以内に資格確認書が交付されます。医療を受けられなくなるわけではありませんが、余計な書類のやりとりが発生します。早めに窓口へ行くほうが手間は少なく済みます。実際の運用は保険者や自治体によって案内が異なる場合がありますので、加入している健康保険の案内もあわせてご確認ください。

なお、ここで扱っているのは「電子証明書の期限切れが原因で資格確認が止まる」というケースだけです。期限内なのに受付機で読み取れない、資格情報が確認できないという場合は原因が別にありますので、マイナ保険証が病院の受付で読み取れない・資格情報が確認できない時の対処法をご覧ください。

3-2. マイナポータル側にも事前の通知が出ます

同じリーフレットには、マイナポータルへのログイン時にも、有効期限の3か月前の時点から「マイナンバーカードの電子証明書を更新してください」という趣旨の通知が表示されると記載されています。心当たりがある方は、次にログインしたときに画面上部の通知を読み飛ばさないでください。

電子証明書が切れると何が止まり何が使えるのかを整理した図

4. 自分の電子証明書の有効期限を確認する3つの経路

「切れているかどうか分からない」段階の方は、次のどれかで確認します。手間の少ない順に並べました。

4-1. 経路1:カードのおもて面を見る(最速・ただし空欄のことがある)

マイナンバーカードのおもて面には、電子証明書の有効期限を記入するための欄があります。多くの場合、交付時に窓口の担当者が手書きで記入します。ここに日付が書かれていれば、それが電子証明書の期限です。

注意点はこの欄が空欄になっている場合があることです。記入は任意の扱いで、自治体の運用によって記入されないことがあります。また、更新手続きをしたあとに新しい日付が書き直されるかどうかも、自治体によって扱いが分かれます。空欄だからといって「電子証明書が入っていない」という意味ではありません。空欄だった場合は、次の経路2または経路3で確認してください。

券面を撮影した画像を人に送らないでください。マイナンバーカードのおもて面には12桁の個人番号と顔写真が同じ面に印刷されています。「この日付で合っているか見てほしい」という目的であっても、券面を撮影した画像をSNSに投稿したり、問い合わせフォームやメールに添付したりしないでください。読み取れない・判断できないときは、市区町村の窓口で対面で確認してもらうのが安全です。撮影した画像が端末に残る場合は、共有先の設定にも注意してください。

4-2. 経路2:マイナポータルで確認する

厚生労働省のリーフレットにも図で示されているとおり、マイナポータルにログインしたあと、トップページから「マイナンバーカード」を選択すると、電子証明書の有効期間満了日が表示されます。券面が空欄だった場合の第一候補はこちらです。

手順の目安は次のとおりです。画面の構成は更新されることがありますので、実際の表示に読み替えてください。

  1. スマートフォンでマイナポータルのアプリを開き、マイナンバーカードを読み取ってログインします(利用者証明用の数字4桁の暗証番号を使います)
  2. トップページから「マイナンバーカード」に相当する項目を選びます
  3. 「電子証明書」の欄に表示される有効期間満了日を確認します

アプリの名称変更について:デジタル庁は、マイナポータルアプリとデジタル認証アプリを統合し、2026年8月25日より「マイナアプリ」として提供する予定と発表しています。ストア上のマイナポータルアプリがアップデートの形で切り替わる想定とされています。名称や画面構成が案内と異なって見える場合は、この移行の前後である可能性があります。最新の情報は公式の案内をご確認ください。

すでに電子証明書が切れている場合、そもそもマイナポータルにログインできません。この経路は「まだ切れていないが、いつ切れるか知りたい」段階の方に向いています。ログインできない時点で、期限切れの可能性は十分に高いと考えてよいでしょう。

4-3. 経路3:パソコンとICカードリーダライタで確認する(もっとも確実)

手元にICカードリーダライタがある方は、公的個人認証サービスの「JPKI利用者ソフト(利用者クライアントソフト)」で、有効期限だけでなく現在有効なのか失効しているのかまで確認できます。有効期限が切れているのか、住所変更で失効しているのかを切り分けたいときに有効です。

公的個人認証サービスのポータルサイトで案内されている流れは、おおむね次のとおりです。

  1. ICカードリーダライタをパソコンに接続し、マイナンバーカードをセットします
  2. 「JPKI利用者ソフト」を起動します
  3. 「自分の証明書」を選び、確認したい証明書(署名用または利用者証明用)を選択します
  4. 該当するパスワードを入力します(利用者証明用なら数字4桁、署名用なら英数字6〜16桁)
  5. 表示された証明書の画面で「有効性確認」を選ぶと、「有効」「失効済み」「有効期限切れ」などの結果が表示されます

暗証番号を思い出せないときは、ここで試し打ちしないでください。利用者証明用は連続3回、署名用は連続5回の誤入力でロックがかかります。ロックの解除は、原則として市区町村の窓口での手続きになります(自治体によっては、指定の郵便局やコンビニ等の端末を使う経路が案内されている場合もありますので、お住まいの市区町村の案内をご確認ください)。更新のついでに窓口で再設定してもらえますので、確認のために番号を当てにいく必要はありません。詳しくは第5章、およびロックしてしまった場合の手順をまとめたマイナンバーカードの暗証番号を忘れた時のリセット方法をご覧ください。

4-4. 有効期限通知書が届く仕組みと、届かない場合

有効期限が近づくと、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)から「有効期限通知書」が入った封筒が自宅に送付されます。時期の目安は、厚生労働省のリーフレットのとおり期限の2〜3か月前です。封筒には、代理人が手続きする際に使う「照会書兼回答書」が同封されている場合があります。

ただし、この通知書が届かないケースがあります。郵便の転送サービスを利用している場合や、通知が発送される時期の前後に引越しをした場合などです。通知書は転送されない扱いで送られることがあるためです。

重要なのは、通知書が手元になくても更新手続きはできるという点です。厚生労働省のリーフレットにも「通知が来ていなくても有効期限の3カ月前から更新ができます」と明記されています。通知書を待って期限を過ぎてしまうのは避けてください。

4-5. カードの読み取り自体ができない場合

スマートフォンでカードを読み取ろうとしても反応しない、途中でエラーになるという場合は、期限の問題ではなく読み取りの問題である可能性があります。NFCの設定、カードを当てる位置、ケースの干渉、アプリのバージョンなど、原因は別系統です。読み取り不具合と期限切れは、切り分けてから対処したほうが早く終わります

4-6. どの経路でも確認できないときは、確認せずに窓口へ行ってかまいません

券面の欄が空欄で、手元にあるのはスマホだけで、しかもすでにログインできない。この状態の方がいちばん多く、そして自力での確認手段がありません。ここで止まる必要はありません。

市区町村の窓口では、カードを専用の端末で読み取って、有効なのか失効しているのかをその場で判定できます。つまり、事前に自分で期限を調べられていなくても、手続きはそのまま進みます。「切れているかどうか分からないのに行っていいのか」と迷う必要はありません。マイナンバーカードと、運転免許証などの本人確認書類を持って行けば十分です。有効期限通知書があれば添えてください。無くてもかまいません。

窓口で確認した結果、期限がまだ先だったとしても、3か月前を切っていればその場で更新してもらえます。まだ先すぎる場合は「いつから手続きできるか」を教えてもらえます。どちらに転んでも無駄足にはなりません。

5. 窓口での更新手続き|いつ・どこで・何を持って行くか

ここからが実務です。電子証明書の更新と再発行の手続きは、オンラインではできません。窓口へ行く必要があります。

5-1. いつから手続きできるか

更新できるのは有効期限の3か月前からです。自治体の案内では「有効期限の3か月前の翌日から」という表現が使われていることもあります(たとえば有効期限が4月25日なら1月26日から、という数え方です)。細かい起算日が気になる場合は、お住まいの市区町村の案内をご確認ください。

期限を過ぎてしまった場合も手続きはできます。厚生労働省のリーフレットには「電子証明書の有効期限が切れても、お住まいの市区町村窓口で手続を行うことで再発行できます」と明記されています。そして手数料についても、マイナンバーカード総合サイト「更新手続きについて」が「更新にかかる手数料は無料です」としています。期限を過ぎたことによる不利益(追加料金など)はありません。ただし、期限内は「更新」、期限後は「再発行」と呼び分けられることがあり、必要書類の扱いが少し変わる場合があります(詳しくは第6章の代理人の項をご覧ください)。

なお、国外に転出した方向けのマイナンバーカードについては、有効期間満了日の1年前から更新できるなど、国内とは異なる扱いが案内されています。該当する方は、本籍地の市区町村または在外公館の案内をご確認ください。

5-2. どこで手続きするか

原則は住民登録のある市区町村の窓口です。本庁だけでなく、支所・出張所やマイナンバーカード専用窓口で扱っている自治体もあります。

加えて、近年は市区町村が指定した郵便局でも電子証明書の新規発行・更新や暗証番号の初期化を受け付ける取り組みが広がっています。たとえば市内の複数の郵便局を指定して受け付けている自治体があります。ただし、郵便局では本人による申請のみを受け付け、代理人の手続きは市区町村窓口に限るといった条件が設けられていることが多く、対応している郵便局も自治体ごとに異なります。「郵便局でできる」と決めつけずに、お住まいの市区町村の案内で対象局と条件を確認してから出向いてください。

また、混雑を避けるために予約制をとっている自治体、その場で完了する自治体、後日あらためて来庁が必要な自治体など、運用は分かれます。行く前に電話またはウェブで確認するのが結局いちばん早い方法です。

5-3. 手数料

有効期限の到来による更新は無料です。マイナンバーカード総合サイト「更新手続きについて」に「更新にかかる手数料は無料です」と示されています。期限が切れたあとの再発行についても、費用はかかりません。

有料になるのは、紛失・破損などで再交付を受ける場合です。この場合、自治体の案内では合計1,000円(カード分800円、電子証明書分200円)程度とされていることが多いですが、金額や免除の扱いは自治体によって案内が異なる場合がありますので、お住まいの市区町村の案内をご確認ください。

5-4. 持ち物

状況 持って行くもの
本人が行く(暗証番号を覚えている) マイナンバーカード。有効期限通知書があれば一緒に
本人が行く(暗証番号を忘れている) マイナンバーカードに加えて、運転免許証などの本人確認書類。窓口で暗証番号の再設定もあわせて行えます
15歳未満・成年被後見人の方の手続き 本人のマイナンバーカード、法定代理人の本人確認書類、代理権を確認できる書類(戸籍謄本や登記事項証明書など。同一世帯なら不要とする自治体もあります)
代理人が行く 第6章で詳しく説明します

5-5. 暗証番号はどうなるのか

ここは安心してよい部分です。多くの自治体の案内では、更新後も現在設定している暗証番号をそのまま引き続き使えるとされています。新しい番号を覚え直す必要は基本的にありません。

そして、暗証番号を忘れていても手続きは止まりません。窓口で本人確認をしたうえで、暗証番号の初期化・再設定を同時に行えます。「番号を思い出してから行こう」と先延ばしにするのがいちばん損です。思い出せないまま窓口へ行ってください。

5-6. 更新するとどこまで延びるのか

公的個人認証サービスのポータルサイトは、「有効期間満了前に更新を行った場合は、電子証明書の有効期間は、電子証明書発行の日から6回目の誕生日までです」としています。ここでいう「発行の日」は、更新時に新しく発行された証明書の発行日です。

更新できるのは満了日の3か月前から満了日までですから、新しい発行日から数えて1回目の誕生日が、ちょうどこれまでの期限の日にあたります。そこから6回目ということは、次の期限は、これまでの期限のちょうど5年後の同じ誕生日です。

具体例で確認します。第1章と同じ、誕生日が6月10日で有効期限が2025年6月10日の方が、2025年4月に更新した場合。新しい期限は2030年6月10日です。3か月早く手続きしても、その3か月分が切り捨てられることはありません。早めに手続きして不利になることはないと考えて差し支えありません。

なお、期限が切れたあとの再発行では、原則どおり新しい発行日から数えて5回目の誕生日までになります。次回の期限がいつになるかは、手続きの際に窓口で確認してください。

5-7. 更新した直後は「反映待ち」の時間がある

窓口での手続きが終わっても、その瞬間にすべてのサービスが使えるようになるとは限りません。自治体の案内では、マイナポータルやコンビニ交付が利用できるようになるまで数時間から数日かかる場合があると説明されています。e-Taxについては、国税庁の案内で更新情報の反映に1時間程度かかるとされています。

したがって、確定申告の期限当日や、その日のうちにコンビニで証明書が必要という状況で窓口へ駆け込むのは危険です。余裕をもって手続きしてください。

5-8. 窓口ではどのくらい時間がかかるか

手続き自体は、カードに新しい電子証明書を書き込む作業が中心です。郵便局での取り扱いを案内しているある自治体は、所要時間の目安を20分から30分程度としています。市区町村の窓口でも、待ち時間を除いた作業時間はおおむね同程度と考えてよいでしょう。

問題になるのは待ち時間のほうです。次の時期は窓口が混み合いやすく、余裕をみておく必要があります。

  • 確定申告のシーズン:署名用電子証明書が必要になる方が一斉に動きます
  • 年度末から年度初め:転入・転居の届出と重なり、住民異動の窓口全体が混雑します
  • 月曜日と連休明け、月末:いずれの窓口業務でも定番の混雑日です

予約制を導入している自治体、時間帯によって受付を区切っている自治体、平日夜間や休日に臨時窓口を開けている自治体があります。「窓口の開いている時間に行けないから更新できない」と諦める前に、休日窓口の有無を確認してください。マイナンバーカード関連の手続きに限って休日開庁している自治体は少なくありません。

6. 代理人に行ってもらう場合の段取り

入院中、施設に入所中、平日に休みが取れないなど、本人が窓口へ行けない事情はよくあります。代理人による手続きも認められていますが、その場で代理人が窓口へ行くだけでは完結しません。事前に本人がやっておく作業があります。

6-1. 照会書兼回答書を「封入・封かん」して渡す

代理人手続きの中核はこの書類です。マイナンバーカード総合サイトの案内では、照会書兼回答書に申請者本人が記入し、封入・封かんのうえ代理人に渡すとされています。暗証番号など第三者に見られてはいけない情報を記入するため、封をした状態で代理人に預ける仕組みになっています。

この書類は、有効期限通知書に同封されて自宅に届くのが一般的です。手元にない場合や、通知書が届いていない場合の入手方法は自治体によって異なりますので、事前に市区町村へ問い合わせてください。

記入漏れや不備があると、その場で受付できず出直しになります。封をする前に、記入欄がすべて埋まっているか、署名または記名押印が済んでいるかを必ず確認してください。代理人は中身を確認できないため、間違いに気づくのは窓口です。

6-2. 代理人が持って行くもの

  • 本人のマイナンバーカード
  • 封かん済みの照会書兼回答書
  • 代理人自身の本人確認書類(顔写真付きのものを求められるのが一般的です)
  • 自治体によっては、代理人自身のマイナンバーカードなど追加の書類

なお、第5章で触れた郵便局での取り扱いは本人申請のみに限定されているケースが確認されていますので、代理人に頼む予定なら最初から市区町村の窓口を前提に計画を立ててください。

必要書類の細目は自治体ごとに定められています。「顔写真付き1点でよいのか、2点必要なのか」だけでも扱いが分かれますので、出向く前にお住まいの市区町村の案内で確認してください。

6-3. 期限が切れたあとの代理人手続きには制限がある場合があります

ある自治体の案内では、有効期限を過ぎたあとの手続きに照会書兼回答書を使う場合、印字されている住所・氏名に変更がないときに限り使用できるという条件が示されています。引越しなどで情報が変わっていると、その書類は使えないということです。

この点も自治体によって運用が異なりますので、期限切れ後に代理人へ頼む場合は、必ず事前に市区町村へ確認してください。二度手間を防げます。

6-4. 15歳未満・成年被後見人の場合

15歳未満の方や成年被後見人の方については、法定代理人による申請が必要とされています。この場合、任意代理人の照会書兼回答書とは別に、代理権を確認できる書類(戸籍謄本や登記事項証明書など)が求められるのが一般的です。同一世帯であれば戸籍謄本を省略できるとする自治体もあります。

また、15歳未満の方には署名用電子証明書が原則として発行されません。「署名用も一緒に更新しておこう」とは基本的にならない点に注意してください。

7. 更新したのに、まだエラーが出るときの切り分け

「窓口で手続きしたのに使えない」という場合、原因はおおむね次のどれかです。上から順に確認してください。

7-1. 旧カードで読み取っている(更新済みなのに直らない最有力の原因)

意外に思われるかもしれませんが、「更新したのにメッセージが消えない」という相談で、まず疑うべきはこれです。マイナポータルの公式FAQ(FAQ番号12106)は、更新をうながす表示について「マイナンバーカードの読み取り時点の利用者証明用電子証明書の有効期限情報を元に表示しています」と説明しています。つまり画面に出ているのは、いま読み取ったそのカードの状態であって、あなたが手続きを済ませたかどうかではありません。古いカードを読み取れば、古い期限がそのまま表示されます。

これが起きやすいのは、第8章のカード本体の更新をした方です。カード本体を更新すると新しいカードが交付され、手元に新旧2枚のカードが並ぶ状態になります。見た目がほとんど同じなので、財布に入れ替えたつもりで旧カードが残っている、という取り違えが普通に起こります。

新旧の見分け方は次のとおりです。

  • おもて面の「有効期限」の印字を比べる。日付が新しいほうが新カードです。これがいちばん確実です
  • 電子証明書の有効期限欄(手書きの欄)を比べる。記入されていれば、こちらも日付が新しいほうが新カードです
  • 交付時のケースや封筒に入ったままのほうを疑う。受け取ってから一度も出していないカードは、たいてい新しいほうです

もうひとつ見落としやすいのが、読み取っているつもりのカードと、実際に反応しているカードが違うパターンです。スマホケースの背面ポケットやカードケースに旧カードを入れたまま、その上から新カードをかざすと、NFCが手前の旧カードに反応してしまうことがあります。読み取るときは、他のICカードをすべて離して1枚だけでかざしてください。交通系ICカードやクレジットカードが近くにあるだけでも読み取りが不安定になります。

旧カードの扱いについては、自己判断で処分しないでください。返納が必要か、穴あけ処理をして手元に残すのか、その場で回収されるのかは自治体によって運用が分かれます。交付のときに案内があるはずですので、それに従ってください。案内が見当たらない場合は、お住まいの市区町村へ確認してから処分してください。

7-2. まだ反映されていない

前述のとおり、更新後にサービス側へ反映されるまで時間がかかります。数時間、サービスによっては翌日以降になることもあります。手続き当日に急いでいる場合を除き、まずは時間をおいてから再度お試しください。

7-3. 更新したのは片方だけだった

署名用と利用者証明用は別々の証明書です。片方だけ更新して、もう片方が切れたままになっているケースがあります。特に、15歳未満の方や、過去に署名用を発行していなかった方は、そもそも署名用が搭載されていない場合もあります。エラー文に出ている証明書の種類(利用者証明用か署名用か)をもう一度確認してください。

7-4. 期限ではなく、住所・氏名変更による失効だった

署名用電子証明書は、住所や氏名が変わると期限内でも失効します。引越しや結婚の届出をした際に署名用の再発行まで済ませていなければ、「期限は先なのに署名だけ通らない」状態になります。この場合の手続きも市区町村の窓口です。確定申告の送信でこの状態に当たった方は、e-Taxで確定申告データが送信できない・送信エラーになる原因と対処法で、署名用以外の原因もあわせて切り分けられます。

7-5. マイナ保険証の利用登録が外れている

更新前にマイナ保険証の利用登録をしていた場合、原則としてあらためて申し込む必要はありません。ただし、マイナポータルの健康保険証のページで「登録済」と表示されていない場合は、再度の利用登録が必要です。猶予期間を過ぎて利用登録が解除されていた場合も同様で、医療機関などのカードリーダーで登録し直せば復活します。

7-6. e-Taxの再登録が必要かどうか

国税庁の案内によれば、有効期限の到来や引越しに伴ってマイナンバーカードの電子証明書を更新した場合、マイナンバーカード方式の利用開始手続きをやり直す必要はありません。ただし更新情報の反映に1時間程度かかるため、更新直後はご利用いただけません。

一方、e-Taxソフトなどで電子証明書を「登録」する形で使っている場合は、新しい証明書の登録操作が必要になることがあります。お使いの方式によって扱いが異なりますので、e-Taxの案内をご確認ください。

7-7. 暗証番号がロックされている

更新前に何度も番号を試していた場合、ロックがかかっている可能性があります。ロックの解除も、原則として市区町村の窓口での手続きです(自治体によっては別の経路が案内されている場合があります)。更新と同時に解除・再設定してもらってください。

7-8. そもそもカード本体の期限が来ていた

電子証明書ではなく、カード本体の期限が到来しているケースです。この場合は電子証明書の更新では解決しません。次章の手続きになります。

8. カード本体の期限が来ている場合は、別の手続きになります

券面に印字された「有効期限」が到来している、または間もなく到来する場合は、電子証明書の更新ではなくカードそのものの更新(交付申請)が必要です。流れが違うので分けて説明します。

8-1. 流れ

  1. 有効期限の2〜3か月前を目途に、J-LISから有効期限通知書が届きます。カード本体の期限が対象の場合は、封筒に交付申請書が同梱されます
  2. 同梱の申請書などを使って交付申請をします
  3. 新しいカードができたら交付通知書(はがき)が届きます
  4. 交付通知書と手元のマイナンバーカードを持って窓口へ行き、新しいカードを受け取ります

厚生労働省のリーフレットは、カード本体の更新には交付時の来庁が必要で、事前申請をして交付時に来庁すればその場で新しいカードと交換できる、と説明しています。また「これまでと同様、任意の代理人による受取が可能です」とも記載されていますが、方法は市区町村の窓口へ問い合わせるよう案内されています。

8-2. 電子証明書はどうなるか

新しいカードには新しい電子証明書が搭載されます。カード本体を更新すれば、電子証明書の期限も同時にリセットされると考えてよいでしょう。逆に言えば、カード本体の期限が先に来ている状況で電子証明書だけを更新しても、すぐにまたカードの手続きが必要になります。2つの期限が近い場合は、窓口でどちらの手続きが必要かを最初に相談してください。手数料は第5章のとおりで、期限到来による更新は無料です。

新しいカードを受け取ったあとは、旧カードを財布やケースに残さないでください。前章の7-1で挙げたとおり、旧カードを読み取ってしまい「更新したのにエラーが出る」と悩む原因になります。旧カードの処分方法は交付時の案内に従ってください。

市区町村の窓口で電子証明書を更新する手順と持ち物を示した図

9. やってはいけないこと・気をつけたいこと

期限切れの場面では、焦って状況を悪化させてしまうことがあります。次の5点だけ避けてください。

9-1. 暗証番号を思い出そうとして繰り返し入力しない

暗証番号の試し打ちはロックを招きます(回数と詳細は第4章の注意ボックスをご覧ください)。そもそも期限切れが原因なら、正しい番号を入れても解決しません。

9-2. 更新を案内するメールやSMSのリンクをうかつに開かない

公的な案内として押さえておきたいのは、電子証明書の更新と再発行の手続きはオンラインではできないという点です。つまり、「マイナンバーカードの電子証明書の更新はこちらから」といったリンクを踏んで、その場で更新が完結するような案内は、仕組みのうえで成立しません。

有効期限の通知は郵便で届きます。メールやSMSで届いた更新案内のリンクから個人情報や暗証番号を入力することは避けてください。確認は、お住まいの市区町村の公式サイトか、公式に案内されている窓口・電話窓口から行うのが安全です。

9-3. カードを自分で分解したり、ICチップ部分を削ったりしない

読み取れない原因が期限切れであれば、カードには何の異常もありません。物理的に手を加えれば、本来必要のなかった再交付(有料)が発生します。電子レンジや強い磁気に近づける行為も同様に避けてください。

9-4. 「使えない=カードが不要になった」と考えて捨てない

電子証明書が切れても、カード本体の有効期限内であれば身分証明書として使えますし、更新はそのカードに対して行います。手続きにはそのカードが必要です。処分や返納をしてしまうと、カードの再交付から始めることになり、手数料が発生する可能性もあります。

9-5. カードが見当たらないときは「様子を見る」で済ませない

更新に行こうとしてカードを探したら見つからない、というのはよくあることです。ここで「そのうち出てくるだろう」と放置しないでください。紛失や盗難の可能性がある場合は、期限の確認や更新よりも先に、マイナンバー総合フリーダイヤルの一時停止受付へ連絡してカードの機能を一時停止します。この受付は24時間365日対応しています。

一時停止は取り消せる措置です。あとからカードが出てきた場合は、市区町村の窓口で停止を解除して使い続けられます。先に止めておくほうが、失うものが小さいと考えてください。連絡先は第12章にまとめています。

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10. よくある質問

Q1. 電子証明書の期限が切れると、マイナンバーカード自体が無効になりますか?

いいえ。電子証明書とカード本体は別々の期限で管理されています。カード本体の有効期限内であれば、身分証明書としてはそのまま使えます。マイナンバー(個人番号)そのものが無効になることもありません。使えなくなるのは、電子証明書を使うオンライン系のサービスです。

Q2. 期限が切れてから何年も経っていますが、まだ更新できますか?

期限切れ後でも、住民登録のある市区町村の窓口で手続きすれば無料で再発行できます。ただし、カード本体の有効期限も過ぎている場合は、カードの交付申請からやり直しになります。まずは券面の「有効期限」を確認してください。手続きの内容が変わります。

Q3. 有効期限通知書が届いていません。まだ更新できないということですか?

いいえ。通知書がなくても、有効期限の3か月前から更新手続きができます。転送サービスを利用している場合や、通知の発送時期の前後に引越しをした場合は届かないことがあります。通知を待たずに、期限が近いと分かった時点で窓口へ行ってください。

Q4. 暗証番号を完全に忘れました。手続きできますか?

できます。マイナンバーカードと、運転免許証などの本人確認書類を持って窓口へ行けば、暗証番号の初期化・再設定を更新と同時に行えます。思い出そうとして何度も入力するとロックがかかり、かえって手間が増えます。忘れたまま窓口へ行ってください。

Q5. 家族が入院していて動けません。代わりに手続きできますか?

代理人による手続きは認められています。ただし、本人が照会書兼回答書に記入し、封入・封かんしたうえで代理人に渡す必要があります。本人が記入できない状態の場合の扱いは自治体によって異なりますので、事前にお住まいの市区町村へ事情を伝えて相談してください。

Q6. スマホに入れたマイナンバーカードの機能は、カードの電子証明書が切れても使えますか?

使えません。スマホ用電子証明書の有効期限はカードの電子証明書と同一とされており、カード側が失効すればスマホ側も連動して失効します。カード側を窓口で更新したうえで、スマホ側の設定についてはお使いのアプリの案内に従ってください。

Q7. マイナ保険証が使えなくなると、病院で全額自己負担になりますか?

電子証明書の期限が切れても、一定期間はマイナ保険証で受診できます。その期間を過ぎた場合でも、有効な健康保険証がなく再発行手続きもしていない方には資格確認書が交付されます。ただし、猶予期間中は診療情報や薬剤情報の提供ができないなど機能が制限されます。詳しい運用は加入している健康保険や医療機関によって案内が異なりますので、受診前に確認しておくと安心です。

Q8. 更新に行く時間が取れません。期限を過ぎてから行っても不利になりませんか?

手数料の面では不利になりません。期限が切れたあとでも手続きは無料です。呼び方が「更新」から「再発行」に変わり、自治体によって必要書類の扱いが少し変わることはありますが、追加の料金が発生する仕組みにはなっていません。不利になるのは費用ではなく時間のほうです。マイナ保険証は猶予期間を過ぎると使えなくなり、コンビニ交付やマイナポータルは期限の当日から止まります。「損をするから急ぐ」のではなく、「使えない期間が伸びるから急ぐ」と考えてください。なお、平日に行けない方向けに休日窓口を設けている自治体は少なくありません(第5章の5-8)。

Q9. 子どもの分もまとめて手続きできますか?

できますが、条件があります。15歳未満の方や成年被後見人の方の手続きは法定代理人による申請となり、本人のマイナンバーカードに加えて、法定代理人の本人確認書類と代理権を確認できる書類(戸籍謄本や登記事項証明書など)が必要になるのが一般的です。同一世帯であれば戸籍謄本を省略できるとする自治体もあります。また、15歳未満の方には署名用電子証明書が原則として発行されませんので、更新の対象は利用者証明用だけになります。同伴が必要かどうかも自治体で扱いが分かれますので、人数分の書類をそろえる前に市区町村へ確認してください。

11. まとめ

この記事の要点をもう一度整理します。

  • マイナンバーカードには、カード本体の期限電子証明書の期限という基準の違う期限が2つある
  • 電子証明書は年齢を問わず5回目の誕生日まで。18歳以上でカードを作った方は、カードの寿命の半分で中身が先に切れる
  • 署名用と利用者証明用は有効期間は同じ。違うのは用途と、住所・氏名変更で失効するかどうか
  • 期限が切れるとオンライン系はほぼ止まるが、窓口で提示する身分証としては使える
  • マイナ保険証だけは猶予期間がある。ただし機能は制限される
  • 更新は住民登録のある市区町村の窓口で、手数料無料。オンラインではできない
  • 期限の3か月前から手続き可能。切れたあとでも無料。暗証番号を忘れていても窓口で同時に再設定できる
  • 期限内に更新すれば、次の期限はこれまでの期限のちょうど5年後。早く行っても損はしない
  • 更新したのにエラーが消えないときは、旧カードで読み取っていないかを最初に確認する
  • 期限が確認できなくても窓口へ行ってよい。その場で有効か失効かを判定してもらえる

今日やることは1つだけです。マイナンバーカードを手に取り、おもて面の「電子証明書の有効期限」の欄を見てください。日付が書かれていればその日が期限です。空欄なら、マイナポータルで確認するか、確認できないまま窓口へ行ってもかまいません(第4章の4-6)。そこから先の手続きは、この記事の第5章のとおりに進めれば完了します。

なお、手続きの細かい運用(予約の要否、即日で終わるかどうか、必要書類の点数、対応している郵便局など)は自治体によって差があります。窓口へ向かう前に、お住まいの市区町村の案内を必ずご確認ください。それだけで、出直しになる可能性をかなり減らせます。

12. 困ったときの問い合わせ先

カードが見当たらない・盗まれたかもしれない場合は、期限の確認より先に一時停止を。マイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178)にかけ、音声ガイダンスで2番「マイナンバーカードの紛失・盗難」を選びます。この一時利用停止の受付は24時間365日対応しています。更新はそのあとで間に合います。

問い合わせ先は、次の3つを押さえておけば足ります。

  • マイナンバー総合フリーダイヤル 0120-95-0178:デジタル庁の案内では、受付時間は平日9時30分から20時00分まで(マイナンバーカード・電子証明書に関する音声ガイダンスの番号は、土日祝も20時00分までとされています。他の番号は土日祝17時30分まで)(年末年始を除く)です。音声ガイダンスで用件の番号を選びます。カードの手続き全般は1番、紛失・盗難は2番(24時間365日)、健康保険証利用は5番です。番号や受付時間は変更されることがありますので、かける前にデジタル庁の「マイナンバー制度・マイナンバーカードに関するお問合せ」のページでご確認ください
  • お住まいの市区町村:更新の予約の要否、必要書類の点数、代理人の条件、対応している郵便局、休日窓口の有無など、運用の差が出る部分はすべてここが答えを持っています。この記事で「自治体によって異なります」と書いた箇所は、市区町村の公式サイトか電話でご確認ください
  • マイナポータルの公式FAQ:ログインできない、更新したのに表示が変わらないといった、マイナポータル側の挙動についてはこちらが最も具体的です。第7章で引用したFAQ番号12106もここにあります

電話番号や受付時間を検索して調べる場合は、検索結果の広告枠や、公式を名乗る第三者のサイトに注意してください。第9章の9-2で触れたとおり、更新をうながすメールやSMSのリンクから手続きが完結することはありません。番号の確認は、デジタル庁またはお住まいの市区町村の公式サイトから行ってください。

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