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テレビで録画したDVDがパソコンで再生できない時の対処法|買う前に確認すること

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📑 この記事の目次(タップで開く)
  1. 最初に結論|テレビ録画DVDは「ディスク・ドライブ・ソフト」の3つがそろって初めて再生できます
  2. 30秒診断|ディスクをパソコンに入れて「フォルダ名」を見るだけで原因の半分が分かります
  3. ステップ1|まず「録画に使ったレコーダー」で再生できるか確かめる
  4. ステップ2|ディスクの録画方式を確定する(VIDEO_TS/DVD_RTAV/BDAV)
  5. ステップ3|ファイナライズ済みかを判定する(パソコンでは絶対にできない処理)
  6. ステップ4|自分のドライブがCPRM対応かを、無料・数分で確定させる
  7. ステップ5|再生ソフトを選ぶ(Windows標準では再生できません)
  8. ステップ6|見落とされがちな第5の条件「HDCP対応の接続経路」
  9. 症状・メッセージ別の早見表
  10. それでも再生できないときの切り分け
  11. パソコンで見ることをあきらめる選択肢と、費用・手間の比較
  12. Macの場合の結論
  13. やってはいけないこと・この記事で扱わないこと
  14. よくある質問
  15. まとめ

最初に結論|テレビ録画DVDは「ディスク・ドライブ・ソフト」の3つがそろって初めて再生できます

テレビやレコーダーで録画した番組をダビングしたDVDがパソコンで再生できないのは、故障ではなく条件が1つ以上足りていないだけであることがほとんどです。デジタル放送を録画したディスクにはCPRMという著作権保護がかかっており、ディスク(録画方式とファイナライズ)・ドライブ(CPRM対応)・再生ソフト(CPRM対応)の3つが全部そろわないと映りません。1つでも欠けると、他が完璧でも再生できません。

そして、この3つを確かめる順番を間違えるとお金を無駄にします。先に再生ソフトを買ってしまい、あとからドライブが非対応だと分かって全額が無駄になる、という事故が実際によく起きています。この記事は「お金を1円も使わずに、自分の環境で再生できる見込みがあるかどうかを確定させる」ことを最優先に組み立ててあります。

今すぐ30秒で確認してください。①問題のDVDをパソコンに入れる → ②エクスプローラーでDVDドライブを右クリックして「開く」を選ぶ → ③DVD_RTAVというフォルダが見えたら、ディスクもドライブも生きています(残る原因は再生ソフトかHDCPの2つだけ) → ④何も見えないなら、ファイナライズ未実施かドライブ非対応です(この場合、再生ソフトを買っても解決しません)。この一手だけで原因の半分が消えます。詳しい手順と、他のフォルダ名が見えたときの判定は次の「30秒診断」の章にまとめました。

市販DVDは見られるのに、録画したDVDだけ再生できない理由

レンタルしてきた映画のDVDは問題なく再生できるのに、自宅で録画した番組のディスクだけが再生できない――この差の正体がCPRM(Content Protection for Recordable Media)です。デジタル放送の番組は、放送局側で「1回だけ録画可」「ダビング10」といった制御信号が付けられており、DVDに残すときは原則としてCPRM対応の録画用メディアへ、DVD-VRという形式で記録されます(ハイビジョン画質のまま残すAVCREC方式を選んだ場合を除きます)。市販のDVD-Video(映画などのパッケージソフト)とは記録の仕組みそのものが違うため、市販DVDが読めることは録画DVDが読めることの証明にはまったくなりません

逆に言えば、市販DVDが正常に再生できている時点で「ドライブが壊れている」「PCが古すぎる」といった漠然とした不安は消してよく、原因はCPRM周りの数個に絞り込めます。これは非常に強い手がかりです。

再生に必要な5つの条件(3条件+見落とされがちな2条件)

一般的な解説記事では「ディスク・ドライブ・ソフトの3条件」と説明されます。しかし実際に読者がつまずく現場では、ここにファイナライズHDCP対応の接続経路という2つが加わります。この5つを最初に頭に入れておくと、以降の作業で迷わなくなります。

条件 内容 確認にかかる費用 解説する章
①ディスクの録画方式 DVD-VR形式か、DVD-Video形式か、AVCRECか。方式によって必要な再生環境が変わる 0円・約30秒 ステップ2
②ファイナライズ 他の機器で読めるようにする仕上げ処理。未実施だとパソコンからは中身が見えない 0円・約1分 ステップ3
③ドライブがCPRM対応 パソコンの光学ドライブ自体がCPRMの読み出しに対応している必要がある 0円・約5分 ステップ4
④再生ソフトがCPRM対応 Windows標準の機能では再生できない。CPRMとDVD-VRに対応したソフトが必要 多くは有料 ステップ5
⑤HDCP対応の接続経路 映像の出口(モニターとケーブル)も著作権保護に対応している必要がある 0円・約2分 ステップ6

費用の欄を見ていただくと分かるとおり、お金がかかるのは④だけです。そして④を買う前に①②③⑤を全部確かめられます。だからこの記事は①→②→③→⑤→④の順で進めます。

この記事が扱う範囲と、扱わない範囲

この記事は「テレビ・レコーダーで録画した番組をダビングしたDVD」を「保護をかけたまま正規の環境で再生する」ための記事です。次の場合は別の記事をご覧ください。

また、本記事ではCPRMなどの著作権保護技術を解除・回避する方法や、そのためのソフトの名前・入手先には一切触れません。日本では技術的保護手段の回避を伴う複製は、私的な目的であっても著作権法上の例外から除外されるとされており、回避を目的とするプログラムを提供する行為も処罰の対象になり得ます。「自分が録画した番組なのだから自由にしてよいはずだ」と感じる方は多いと思いますが、放送番組の著作権は放送局や制作者にあり、録画した本人のものにはなりません。ここは気持ちの問題ではなく制度の問題なので、本記事は保護を外さずに、正規の再生環境を整える方法だけを扱います。法律の細かい解釈については文化庁など公的機関の解説をご確認ください。

再生に必要な三つの条件を示す図

30秒診断|ディスクをパソコンに入れて「フォルダ名」を見るだけで原因の半分が分かります

ここが本記事でいちばん価値のある部分です。多くの解説記事は「CPRM対応の機器が必要です」で終わってしまいますが、実際にはディスクをパソコンに入れてフォルダ名を見るだけで、録画方式もファイナライズ状態も無料で判別できます。再生ソフトは不要です。まずこれをやってください。

手順:ディスクの中身をエクスプローラーで開く

  1. 問題のDVDをパソコンの光学ドライブに入れます。
  2. 自動再生のウィンドウが出た場合は閉じます(ここでは再生させません)。
  3. キーボードのWindowsキーとEキーを同時に押してエクスプローラーを開きます。
  4. 左側の一覧から「PC」を選びます。
  5. DVDドライブのアイコンを右クリックし、「開く」を選びます。ダブルクリックだと再生ソフトが起動してしまうことがあるので、右クリックからの「開く」が確実です。
  6. 表示されたフォルダ名を確認します。

Windows 11では、表示されたフォルダが少ない場合に備えて、エクスプローラーの「表示」から「隠しファイル」を表示する設定にしておくと確実です。ただし通常は隠し設定にはなっていないため、まずはそのまま確認して構いません。

フォルダ名で分かること(判定表)

見えたフォルダ名 ディスクの正体 状態の意味 次に読む章
DVD_RTAV DVD-VR形式(VRモード)。デジタル放送を録画したディスクはほぼこれ ドライブは読めている。ファイナライズも問題ない可能性が高い ステップ4・ステップ5
VIDEO_TS DVD-Video形式(ビデオモード)。市販DVDと同じ構造 ファイナライズ済み。CPRMがかかっていない可能性もある ステップ2・ステップ5
BDAV AVCREC。DVDメディアにハイビジョン画質で記録した方式 再生にはブルーレイ対応ドライブとAVCREC対応ソフトが必要 ステップ2
BDMV ブルーレイのビデオ形式、またはビデオカメラのAVCHD DVDメディアなら業務用途やAVCHD書き出しの可能性 ステップ2
何も見えない・空に見える 判別不能 ファイナライズ未実施/ドライブが非対応/ディスクの不良のいずれか ステップ1・ステップ3
ドライブを開けない・エラーになる 判別不能 ディスクの傷や汚れ、ドライブの読み取り不良の可能性 切り分けの章

この1回の操作で、以降の作業量が大きく変わります。たとえばDVD_RTAVが見えた時点で「ディスクは無事」「ドライブはディスクを認識できている」「ファイナライズで詰まっている可能性は低い」の3つが同時に確定し、残る原因はドライブのCPRM対応・再生ソフト・HDCPの3つに絞れます。逆に何も見えない場合は、ソフトをいくら探しても解決しないので、先にステップ1とステップ3へ進むべきだと分かります。

フォルダの中身をもう一歩だけ確認する

フォルダ名が確認できたら、そのフォルダを開いて中のファイルも見ておくと、より確実です。おおよそ次のような構成になっています。

  • DVD_RTAVの中…「VR_MOVIE.VRO」(映像と音声の本体)、「VR_MANGR.IFO」(管理情報)、「VR_MANGR.BUP」(管理情報のバックアップ)といったファイルが並びます。VROファイルのサイズが録画時間相応(数百MBから数GB)になっていれば、データそのものは記録されています。
  • VIDEO_TSの中…「VIDEO_TS.IFO」「VTS_01_1.VOB」のような、拡張子がIFO・BUP・VOBのファイルが並びます。
  • BDAVの中…「STREAM」「CLIPINF」「PLAYLIST」といったフォルダと、「info.bdav」などの管理ファイルが入っています。

ここで注意していただきたいのは、ファイルが見えているからといって、ダブルクリックすれば再生できるわけではないという点です。VROファイルを直接開こうとしても、CPRMがかかっていれば暗号化されているため再生できません。ここでの目的はあくまで「ディスクの状態を無料で診断すること」であって、この方法で再生することではありません。

ステップ1|まず「録画に使ったレコーダー」で再生できるか確かめる

パソコンの設定をいじる前に、1分でできる決定的な切り分けがあります。そのディスクを、録画・ダビングに使ったレコーダーに入れて再生してみることです。上位の解説記事でこれを冒頭に置いているものはほとんどありませんが、得られる情報量は最大です。

レコーダーで再生できた場合

ディスクは正常に記録されており、映像データも生きていることが確定します。つまり問題は100パーセントパソコン側です。この場合は、ステップ4以降(ドライブのCPRM対応・再生ソフト・HDCP)に集中してください。ディスクを疑ったり、レコーダーを操作したりする必要はありません。

なお、この時点で「そもそもパソコンで見る必要があるのか」を一度考えてみる価値もあります。テレビとレコーダーで問題なく見られるのであれば、パソコンで見るためだけに対応ドライブやソフトを買うのは、目的次第では割に合いません。判断材料は後半の比較表にまとめています。

レコーダーでも再生できなかった場合

この場合は、パソコンをどれだけ整えても解決しません。次のどれかを疑ってください。

  • ファイナライズが済んでいない…ただし、録画に使ったレコーダー自身では未ファイナライズでも再生できるのが普通なので、同じレコーダーで見られないなら別の原因の可能性が高くなります。
  • ダビングが正常に完了していない…ダビング中に停電や強制終了があったディスクは、記録が中途半端な状態で終わっていることがあります。
  • ディスクの物理的な劣化・傷・汚れ…記録面に指紋や傷、カビ状の斑点がないか、明るい場所で確認してください。
  • レコーダー側のドライブの劣化…他のディスクは読めるかどうかで切り分けられます。

録画に使ったレコーダーが手元にない場合

買い替え済み、故障して処分した、実家にある、といったケースは珍しくありません。ここは正直にお伝えしますが、ファイナライズが済んでいないディスクで、録画に使ったレコーダーがもう存在しない場合、正規の方法で中身を取り出す手段は事実上ありません。他社製・他機種のレコーダーでは、他機で記録した未ファイナライズディスクのファイナライズができない仕様になっていることが多いためです。

ただし、望みが完全に絶たれるわけではありません。次の順に確認してください。

  1. そもそもファイナライズが必要なディスクかを確認する。DVD-RAMやDVD-RW(VRモード)は原則としてファイナライズ不要なので、この問題自体が発生しません。ステップ3の表で確認してください。
  2. 同じメーカーの同世代のレコーダーが家族や知人の家にないか。メーカーや世代が同じであれば読める可能性はありますが、機種差があるため確実ではありません。
  3. そのディスクの中身は再入手できないか。再放送、配信サービス、パッケージ商品として入手できる番組であれば、そちらのほうが確実で早く、画質も良いことが多いです。

ステップ2|ディスクの録画方式を確定する(VIDEO_TS/DVD_RTAV/BDAV)

30秒診断で見えたフォルダ名から、ディスクの正体を確定させます。方式によって必要な再生環境が変わるため、ここを飛ばすと的外れな対処に時間を使うことになります。

DVD_RTAV=DVD-VR形式(VRモード)

テレビ・レコーダーでデジタル放送を録画してDVDにダビングした場合、記録方式はほぼ確実にDVD-VR形式になります。これはユーザーが選べるものではなく、デジタル放送の保護の仕組み上そうなるためです。DVD-VRは追記や部分消去、チャプター編集といったレコーダーならではの操作に対応した形式で、市販DVDのDVD-Video形式とは構造が異なります。

DVD-VR形式のディスクをパソコンで再生するには、DVD-VRに対応した再生ソフトが必要です。さらにCPRMがかかっている場合は、そのソフトがCPRMにも対応していなければなりません。この2つは別の条件で、「DVD-VRは再生できるがCPRMには対応していない」ソフトも存在します。

そして重要なのが、DVD-VR形式でもCPRMがかかっていないディスクが存在するという点です。アナログ放送時代に録画したもの、ビデオカメラの映像やホームビデオをレコーダー経由でVRモード記録したもの、コピー制御のかかっていない映像を記録したものなどが該当します。この場合は保護がかかっていないため、DVD-VRに対応した無料の再生ソフトでも再生できる可能性があります。ソフトの販売が目的の解説記事はこの事実を書きたがりませんが、無料で解決できる人が一定数いるのは事実です。まずは無料の選択肢を試してから、有料を検討してください(詳細はステップ5)。

VIDEO_TS=DVD-Video形式(ビデオモード)

市販DVDと同じ構造です。テレビ録画ディスクでこれが見えるのは、次のようなケースです。

  • アナログ放送時代に、ビデオモードを選んでダビングしたディスク
  • コピー制御のかかっていない映像(自分で撮影した動画など)をビデオモードで記録したディスク
  • レコーダーやパソコンのソフトで、DVD-Video形式のディスクとして作成したディスク

VIDEO_TSが見えている時点で、そのディスクはファイナライズ済みです(ビデオモードはファイナライズしないとこの構造にならないため)。またDVD-Video形式にはCPRMを載せられないため、CPRMがかかっていない可能性が高いと言えます。この場合、無料の再生ソフトでも再生できることが多く、それでも再生できないなら原因はCPRMではなく別系統です。WindowsでDVDが再生できない・認識しない原因と対処法のほうが役に立ちます。

BDAV=AVCREC(DVDメディアへのハイビジョン記録)

AVCRECは、ブルーレイの記録方式であるBDAVをDVDメディアに応用し、ハイビジョン画質のまま記録する方式です。使えるメディアはDVD-R、DVD-R DL、DVD-RW、DVD-RAMなど(どのメディアに記録できるかはレコーダーの機種によって異なります)。

著作権保護については誤解が広まっているので、正確に書きます。AVCRECは規格としては原則AACSを用いる方式ですが、日本のデジタル放送を記録する場合はCPRMがAACSの代用として使われます。つまり、テレビ番組をAVCRECで残したディスクにかかっている保護はCPRMです。そのため記録にはCPRM対応のDVD-R/DVD-R DL/DVD-RAMなどが必要で、再生する側にはブルーレイに対応したドライブAVCREC(BDAV)の再生に対応した再生ソフトの両方が要ります。「ブルーレイだからAACS、DVDだからCPRM」と単純に割り切れないのがAVCRECの厄介なところです。

ここが落とし穴です。AVCRECのディスクは、見た目はDVDでも、再生にはブルーレイに対応したドライブと、AVCRECに対応した再生ソフトが必要とされています。DVDしか読めないドライブでは、CPRM対応であっても再生できません。「DVDなのだからDVDドライブで読めるはず」という思い込みで何時間も溶かす人が多い部分なので、BDAVフォルダが見えたら真っ先に手持ちのドライブがブルーレイ対応かどうかを確認してください。

もう1つ、ソフトを買う前に必ず確認していただきたいことがあります。購入予定の再生ソフトの公式サイトで、「対応ディスク」の一覧にAVCRECの記載があるかを見てください。CPRM対応をうたっているソフトでも、AVCRECは対応表に載っていない場合があります。実際、あとで触れるサイバーリンクのPowerDVDも、公式の対応ディスク一覧にはBD-R/BD-RE/BD-ROM/AVCHD/XAVC-S/DVD-Video/DVD-VR/DVD+VRなどが並ぶ一方で、AVCRECという表記はありません。BDAVフォルダが見えた方が「CPRM対応と書いてあるから大丈夫だろう」と判断して購入すると、再生できない可能性があります。対応表の内容は改版で変わるため、購入直前にご自身で最新のページをご確認ください。

BDMVが見えた場合

BDMVはブルーレイのビデオ形式、またはビデオカメラで使われるAVCHDの構造です。DVDメディアでBDMVが見えた場合は、ビデオカメラの映像をAVCHD形式でDVDに書き出したものか、特殊な用途で作成されたディスクである可能性があります。テレビ録画のダビングでこの構造になることは一般的ではありません。ブルーレイディスクを入れていたということであれば、ブルーレイをPCで再生する方法とおすすめドライブをご覧ください。

何も見えない・空に見える場合の3つの可能性

ドライブは認識しているのに中身が空に見える、あるいは「フォーマットされていません」といった趣旨のメッセージが出る場合、原因は次の3つに絞られます。

  1. ファイナライズが済んでいない…最も多い原因です。ステップ3へ進んでください。
  2. ドライブがそのディスクの形式やCPRMに対応していない…ステップ4で確認してください。
  3. ディスクまたはドライブの読み取り不良…別のディスク(市販DVDなど)が読めるか、別のパソコンでそのディスクが読めるかで切り分けます。後半の切り分けの章を参照してください。

録画用DVD-Rとデータ用DVD-Rの違い(パッケージでの見分け方)

ここまでで「CPRM対応メディア」という言葉が何度か出てきました。DVD-Rには録画用データ用の2種類があり、テレビ番組のダビングに使えるのは録画用だけです。同じ「DVD-R 4.7GB」でも中身の仕様が違います。

売り場やパッケージでは、次の表記が目印になります。

  • 録画用for VIDEOCPRM対応地上デジタル放送録画対応…テレビ番組の録画・ダビングに使えるメディアです。パッケージの表面のほか、ディスクを入れる袋やケース、レーベル面に印刷されていることもあります。
  • データ用for DATAPCデータ用…パソコンのファイル保存を想定したメディアで、CPRMには対応していません。

両者の決定的な違いは、CPRMの鍵を書き込むための領域があるかどうかです。データ用にはその領域がないため、デジタル放送の番組をダビングしようとするとレコーダー側が受け付けず、ダビングの段階でエラーになります。つまり「気づかずデータ用に焼いてしまった」という失敗は、原理的に起こりにくい構造になっています。

ここから、診断に使える大事な結論が出ます。すでにレコーダーでのダビングが正常に完了しているディスクは、録画用(CPRM対応)メディアで確定です。データ用メディアではそもそもダビングが通らないからです。したがって「メディアの種類を間違えたのではないか」という心配は、この時点で原因リストから外して構いません。これも1円もかけずにできる消去法の一手で、30秒診断と同じ考え方です。

なお、録画用とデータ用の区別があるのはDVD-Rだけではありません。DVD-RWやDVD-RAMにも同じ区別があり、テレビ番組を扱うならいずれも録画用(CPRM対応)のものが必要です。これから買い足す場合は、パッケージの表記でご確認ください。表記の呼び方はメーカーによって多少異なるため、迷ったら「CPRM」の4文字が書かれているかを基準にすると確実です。

ステップ3|ファイナライズ済みかを判定する(パソコンでは絶対にできない処理)

ファイナライズとは、録画したディスクを録画に使った機器以外でも読めるように仕上げる処理のことです。ディスクの管理情報を確定させて再生専用の状態にする作業で、これを行わないと他のプレーヤーやパソコンからは中身が見えません。

ファイナライズが必要なディスク・不要なディスク

ディスクの種類と記録方式 他機器での再生にファイナライズは 補足
DVD-R(ビデオモード) 必須 ファイナライズして初めてDVD-Video規格のディスクになる
DVD-R(VRモード) 必要 録画した機器以外で再生するには処理が要る
DVD-RW(ビデオモード) 必要 機種によっては解除して再編集できる場合がある
DVD-RW(VRモード) 原則不要 機種により挙動が異なるため取扱説明書で確認
DVD-RAM 不要 そもそもファイナライズの概念がない

表のとおり、DVD-Rを使ってダビングした場合はファイナライズが必要だと考えてください。ダビング時に「他の機器で再生する」といった選択肢を選んでいれば自動でファイナライズされている機種もありますが、選ばなかった場合は未実施のまま残ります。この「選ばなかった」ことに気づいていない方が非常に多いのが実情です。

ファイナライズはパソコンではできません

ここは誤解が多いので、はっきり書きます。録画済みDVDのファイナライズは、パソコンのライティングソフトや設定ではできません。 ファイナライズはレコーダー側の機能であり、しかもそのディスクに録画・ダビングを行ったレコーダー本体で行うのが原則です。他機で記録した未ファイナライズディスクは、別のレコーダーではファイナライズできない仕様になっていることが多く、メーカーもその旨を案内しています。

「パソコンでファイナライズする方法」といった情報を見かけても、それはパソコンで作成したデータディスクや音楽CDのクローズ処理の話であり、レコーダーで録画したCPRM保護ディスクには当てはまりません。時間を使わないでください。

レコーダーでファイナライズする手順の探し方

操作手順はメーカー・機種・年式によってメニュー名も階層も異なるため、この記事で「この順にボタンを押せば必ずできる」と断定することはできません。ただし、探し方には共通の勘所があります。

  1. ディスクをレコーダーに入れます。
  2. リモコンのホーム機能一覧スタートクイックメニューといった、メニューを開くボタンを押します。
  3. 「ディスク管理」「メディアを使う」「ディスク設定」「ディスク操作」といった趣旨の項目を探します。ディスクの管理系メニューの下にあるのが一般的です。
  4. その中に「ファイナライズ」という項目があります。
  5. 実行するとディスク容量に応じて数分から数十分かかります。途中で電源を切らないでください。

メーカー別に、探すときの当たりの付け方をまとめます。どのボタンでメニューを開くかどの名前の階層を掘るかの2点さえ分かれば、初めて触るレコーダーでもたどり着けます。

メーカー メニューを開くボタンの傾向 その下でたどる階層名の傾向
パナソニック(ディーガ) ホーム(機種により「スタート」「機能一覧」) 「ディスク管理」「メディアを使う」など、ディスクを扱う項目の下
ソニー(BDZシリーズなど) ホーム(ディスク選択後に「オプション」を押す機種もある) 「ディスク操作」「ディスクへコピー」など、ディスク関連の項目の下
シャープ(アクオス ブルーレイ) ホーム(機種により「クイックメニュー」) 「各種設定」「ディスク管理」など、設定・管理系の項目の下
東芝(レグザブルーレイ) スタートメニュー(機種により「クイックメニュー」) 「編集ナビ」「ディスク管理」など、ダビング・編集系の項目の下

この表は当たりを付けるためのもので、同じメーカーでも発売年でメニュー名も階層も変わります。項目名が表と違っても慌てず、「ディスク」「メディア」という語が入った項目を上から順に開いてみてください。ファイナライズはほぼ必ずその下にあります。

そして最終的には型番で取扱説明書を検索して確認してください。多くのメーカーが公式サイトで機種別の取扱説明書をPDF公開しており、「メーカー名 型番 取扱説明書」で検索すれば到達できます。型番はレコーダー本体の前面・背面・底面のラベルに記載されています。PDF内で「ファイナライズ」を検索すれば、その機種の正確な手順のページに直接飛べます。

ファイナライズ実行前に知っておくべきこと

  • ファイナライズすると再生専用になります。 以降そのディスクへの追記や編集はできなくなります(DVD-RWなど、機種によっては解除できるメディアもあります)。
  • 処理中は絶対に電源を切らないでください。 中断するとディスクが読めなくなる可能性があります。
  • ディスクに残したい番組が全部入っているか、実行前に確認してください。 追加でダビングしたい番組があるなら、先にダビングしてからファイナライズします。
  • ファイナライズしたからといって、パソコンで再生できることが保証されるわけではありません。ステップ4以降の条件も必要です。

ディスクのフォルダー名から録画方式を判別する手順

ステップ4|自分のドライブがCPRM対応かを、無料・数分で確定させる

ここが本記事の核心です。ほとんどの解説記事は「お使いのドライブがCPRMに対応しているか、メーカーの仕様をご確認ください」の一行で終わっています。しかし読者が知りたいのは、まさにその確認の仕方です。CPRM保護のディスクを再生するにはドライブ側がCPRM関連の情報を読み出せる必要があり、ドライブが非対応であればどんな再生ソフトを入れても再生できません。順序はハードウェアが先、ソフトが後です。数千円を守るために、5分だけ使ってください。

内蔵ドライブの型番を調べる(Windows 11/Windows 10)

  1. スタートボタンを右クリックします(またはキーボードのWindowsキーとXキーを同時に押します)。
  2. 表示されたメニューから「デバイス マネージャー」を選びます。
  3. 一覧の中から「DVD/CD-ROM ドライブ」を探し、左側の矢印をクリックして展開します。
  4. その下に表示されている名前が、ドライブの型番です。「HL-DT-ST」「MATSHITA」「PIONEER」「ASUS」といったメーカー名らしき文字列と、英数字の組み合わせで表示されます。ここまでで型番が読み取れれば十分です。次の照合へ進んでください。

型番を手で打ち直さずコピーしたい場合は、その名前を右クリックして「プロパティ」を開き、「詳細」タブの「ハードウェア ID」から文字列をコピーできます。画面で読み取れているなら、この操作は不要です。

メニュー名や表示位置はWindowsのバージョンや更新プログラムによって変わることがあります。「デバイス マネージャー」が見つからない場合は、タスクバーの検索ボックスに「デバイス」と入力すれば候補に出てきます。

ここで「DVD/CD-ROM ドライブ」の項目自体が存在しない場合は、CPRM以前にドライブがパソコンに認識されていません。この場合は接続の問題(外付けならUSBケーブル・ポート・電力不足)やドライバーの問題なので、WindowsでDVDが再生できない・認識しない原因と対処法を先にご覧ください。

型番からCPRM対応を照合する

型番が分かったら、次の順で調べます。

  1. 検索エンジンで「型番 CPRM」と検索します。 例として型番が「XX-1234」なら「XX-1234 CPRM」と入力します。ドライブメーカーの製品ページや仕様表がヒットすれば、そこに「CPRM対応」の記載があるかを確認します。
  2. 見つからない場合は「型番 仕様」で検索し、メーカーの仕様表ページを開いて「対応メディア」「機能」「再生対応」といった欄を確認します。
  3. それでも見つからない場合は、パソコン本体の型番で調べます。国内メーカー製のパソコンは、公式サイトに機種別の詳細仕様ページがあり、「光学ドライブ」の欄にドライブの仕様が書かれています。「メーカー名 パソコンの型番 仕様」で検索してください。パソコン本体の型番は本体のラベルか、キーボードのWindowsキーとRキーを押して表示される「ファイル名を指定して実行」にmsinfo32と入力すると表示される「システム情報」の「システム モデル」から確認できます。

仕様表の読み方(ここでつまずく人が多い部分)

  • 「CPRM対応」と明記されていれば対応です。「CPRM対応(読み出し)」「CPRM対応(Read/Write)」のような書き方をされることもあります。テレビ録画DVDを見るだけなら、読み出しに対応していれば十分です。
  • 「CPRM」の文字がどこにも出てこない場合、非対応と断定はできませんが、対応をうたっていない製品を前提に再生ソフトを買うのは避けるべきです。この場合はメーカーの問い合わせ窓口で型番を伝えて確認するのが最も確実です。
  • ドライブメーカーとパソコンメーカーの仕様が食い違う場合は、実際に搭載されているモデル(デバイスマネージャーで見えた型番)の仕様を優先してください。パソコンメーカーの仕様表は世代でドライブが切り替わることがあります。
  • AVCREC(BDAVフォルダ)のディスクの場合は、CPRM対応かどうかに加えて、そのドライブがブルーレイに対応しているかも確認してください。仕様表に「BD-ROM」「BD-R」「BD-RE」といった記載があればブルーレイ対応です。DVDだけのドライブでは再生できません。

外付けドライブの場合

外付けのDVDドライブは、製品ページやパッケージの仕様欄に対応状況が明記されているのが普通です。国内メーカーの外付けドライブでは「CPRM対応でテレビ番組の録画にも対応」といった形で、機能一覧に載せていることが多くあります。手元の製品の型番(本体底面やパッケージに記載)で検索し、公式の製品ページの仕様欄を確認してください。

これから買う場合は、商品ページで「CPRM」の文字を検索してから買ってください。ブラウザーのCtrlキーとFキーで「CPRM」を検索するのが確実です。「DVD再生対応」とだけ書かれている製品は、市販DVDの再生を指している可能性があります。なお、再生ソフトが付属している製品もありますが、その付属ソフトがCPRMに対応しているかは製品によって異なるため、こちらも仕様欄で確認してください。

ドライブが非対応だと分かったら

その場合、そのパソコンでの再生はあきらめてください。再生ソフトを買っても再生できません。選択肢は次の3つです。

  • CPRM対応の外付けドライブを購入する(数千円程度から。ノートパソコンでも使えます)
  • 別のパソコン(CPRM対応ドライブを積んだもの)で試す
  • パソコンで見ること自体をあきらめ、レコーダーとテレビで見る

この「非対応と分かった時点でソフトを買わない」という判断こそが、この章の最大の価値です。ディスクの選び方も含めて理解しておきたい方はDVDの種類と選び方|容量・互換性もあわせてご覧ください。

ステップ5|再生ソフトを選ぶ(Windows標準では再生できません)

ドライブがCPRM対応だと確認できたら、ようやくソフトの話になります。

Windowsには標準のDVD再生機能がありません

Windows 10以降、OSに市販DVDを再生する機能は標準搭載されていません。以前はマイクロソフトから有料の「Windows DVD プレーヤー」というアプリが提供されていましたが、これはCPRM保護のディスクには対応していないとされており、テレビ録画DVDの再生には使えません。さらに、Microsoft Storeでの取り扱い状況も変化しており、2026年時点では購入できない状態になっているという報告があります。入手状況は変わる可能性があるため、最新の状況はMicrosoftの公式情報をご確認ください。いずれにしても、これはテレビ録画DVDの解決策にはならないと考えてください。

VLCなどの無料プレーヤーで見られる場合・見られない場合

ここは利害関係のある解説記事が正直に書かない部分なので、明確に線を引きます。

ディスクの状態 無料プレーヤーでの再生 理由
DVD-VR形式でCPRMなし(アナログ時代の録画・自作映像など) 再生できる可能性がある 保護がかかっていないため、DVD-VR対応のプレーヤーなら読める
DVD-Video形式でCPRMなし(VIDEO_TSが見える) 再生できる可能性が高い 市販DVDと同じ構造で、保護もかかっていない
DVD-VR形式でCPRMあり(デジタル放送の録画) 再生できない 一般的な無料プレーヤーはCPRMの復号に対応していない
AVCREC(BDAV) 再生できない CPRM保護に加え、AVCREC(BDAV)の再生に対応したソフトとブルーレイ対応ドライブが必要

したがって、まず無料のプレーヤーで試してから有料を検討するのが合理的な順序です。無料で再生できたなら、その時点で解決です。数分で終わりますし、失うものは何もありません。再生できなかった場合に初めて、有料ソフトの検討に進んでください。

なお、無料プレーヤーで再生できなかったことは、CPRMがかかっていることの間接的な証拠にもなります。診断としても意味のある一手です。

CPRM対応の再生ソフトについて

CPRMとDVD-VRの両方に対応した再生ソフトは、現状では有料の市販ソフトが中心です。代表的なものとしてサイバーリンクのPowerDVDがあり、公式の仕様ページではDVD-Video、DVD-VR、DVD+VRへの対応と、CPRM保護DVDの再生に対応する旨が記載されています。

ただし、購入前に必ず確認していただきたい点があります。

  • エディションの違いを、正しい向きで理解してください。 公式の対応ディスク一覧では、最下位のエディションを含む全エディションがDVD-Video/DVD-VR/DVD+VRに対応しており、CPRM保護DVDの再生にも対応するとされています。上位エディションでのみ使えるのはブルーレイ再生や、BD/DVDのISOファイル再生などです。つまりテレビ録画DVD(DVD-VR+CPRM)を見たいだけなら、上位エディションを買う必要は原則としてありません。「テレビ録画DVDだから上位版が要る」と誤解して余計な出費をしないでください。ただし仕様は改版で変わるため、購入前に公式の動作環境ページで「DVD-VR」と「CPRM」の記載を必ずご自身で確認してください。
  • AVCREC(BDAVフォルダ)のディスクは別問題です。 ステップ2で触れたとおり、PowerDVDの公式の対応ディスク一覧にAVCRECの表記はありません。BDAVフォルダが見えている方は、上位エディションを選べば解決するという話ではないため、購入前に対応表でAVCRECの記載の有無を確認してください。
  • 価格は変動します。 買い切り版とサブスクリプション版が併存しており、キャンペーンによっても変わります。他サイトに書かれている金額を鵜呑みにせず、公式サイトで現在の価格をご確認ください。
  • 無料版・体験版はCPRM保護コンテンツに対応していないとされています。 体験版で試して再生できなかったからといって、製品版でも再生できないとは限りません(逆もまた然りです)。この点も公式の案内を確認してください。
  • 他社の再生ソフトについて。 過去にCPRM対応をうたっていた製品でも、現在は販売・サポートの状況が不透明なものがあります。購入前に、その製品が現在も販売・サポートされているか、Windowsの現行バージョンに対応しているかを公式サイトで確認してください。

初回のオンライン認証(見落としがちな要件)

CPRM対応ソフトでよくあるつまずきが、初回再生時にインターネット接続が必要という要件です。CPRMで保護されたディスクを再生する際には、鍵情報の取得を伴うアクティベーション処理が行われるため、オフライン環境では再生できません。

認証がうまくいかない場合は、次の順に確認してください。

  1. インターネットに接続されているか(ブラウザーでWebサイトが開けるか)を確認します。
  2. 再生ソフトを最新の状態に更新します。ソフトの設定やヘルプメニューからアップデートを実行できることが多いです。
  3. セキュリティソフトやファイアウォールが通信をブロックしていないか確認します。切り分けのために一時的に停止する場合は、確認後すぐに元に戻してください
  4. それでも解決しない場合は、ソフトメーカーのサポート窓口に問い合わせます。

ソフトを買う前の最終チェックリスト

確認項目 確認できていないと
ディスクのフォルダ名を確認した(DVD_RTAV/VIDEO_TS/BDAV) 必要なソフトの種類を間違える
ドライブがCPRM対応だと仕様表で確認した ソフト代が完全に無駄になる
AVCRECならドライブがブルーレイ対応で、かつソフトの対応表にAVCRECの記載があると確認した DVDドライブでは再生できず、CPRM対応ソフトでもAVCREC非対応の場合がある
無料プレーヤーで一度試した 買わずに済んだかもしれない
モニターとケーブルがHDCP対応の経路だと確認した ソフトを入れても映像が出ない
購入予定のエディションの対応表に、今日の時点でCPRMとDVD-VRの記載がある 仕様改定で対応が変わっていた場合にソフト代が無駄になる

ステップ6|見落とされがちな第5の条件「HDCP対応の接続経路」

ディスクもドライブもソフトも整えたのに、再生しようとすると「著作権保護に対応していない」という趣旨のメッセージが出る、あるいは音だけ出て映像が真っ黒になる――そんなときの原因がHDCPです。この項目に触れている解説記事はほとんどありませんが、実際に詰まる人が確実にいる部分です。

HDCPとは

HDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)は、映像を機器から表示装置へ送る途中で不正にコピーされることを防ぐための仕組みです。保護されたコンテンツは、HDCPに対応した経路でしか映像を出力できないようになっています。ここでいう経路とは、パソコンの映像出力端子、ケーブル、変換アダプター、モニターのすべてを含みます。1か所でも非対応があれば、そこで映像が止まります。

これは故障ではなく、仕様どおりの正常な動作です。壊れたと思って修理に出したり、パソコンを買い替えたりする必要はありません。

CPRM再生で必要とされる接続

PowerDVDの公式仕様ページには、AACS保護のブルーレイタイトルおよびCPRM保護のDVDタイトルを再生する場合、DVI、HDMI、DisplayPortの各端子でのみディスプレイに出力が可能である旨が記載されています。つまり、次のような整理になります。

接続方法 CPRM保護コンテンツの表示 補足
HDMI モニター側がHDCP対応なら可 現行の一般的なモニターは対応していることが多い
DisplayPort モニター側がHDCP対応なら可 同上
DVI HDCP対応のDVI端子なら可 DVIには対応・非対応の両方が存在する
VGA(D-Sub 15ピン) 不可 アナログ接続のため、HDCPの仕組みが存在しない
ノートパソコンの内蔵画面 通常は可 内部で完結する経路のため問題になりにくい

詰まりやすいパターン

  • 青いVGAケーブルで古い液晶モニターにつないでいる…アナログ接続なので保護コンテンツは表示できません。HDMIまたはDisplayPortでの接続に変更してください。
  • HDMIからVGAに変換するアダプターを使っている…最終的にアナログ出力になるため、同じ理由で表示できません。
  • 古いHDMI分配器・切替器を経由している…HDCPに対応していない機器を経由すると、そこで信号が止まります。切り分けとして、パソコンとモニターを1本のケーブルで直結してみてください。
  • キャプチャー機器や配信用の機材を経由している…保護コンテンツは通しません。これも仕様どおりの動作です。
  • マルチモニター環境…片方のモニターだけがHDCP非対応の場合、環境によっては再生が拒否されることがあります。切り分けとして、対応しているほうのモニター1台だけの構成にして試してください。

HDCPが原因かを切り分ける手順

  1. まずノートパソコンなら内蔵画面だけで再生してみます。外部モニターは外します。
  2. デスクトップなら、パソコンとモニターをHDMIケーブル1本で直結します。分配器・切替器・変換アダプターはすべて外します。
  3. この状態で再生できたなら、原因は外していた機器のどれかです。1つずつ戻して特定します。
  4. それでも再生できないなら、原因はHDCP以外です。ステップ4とステップ5に戻ってください。

モニターがHDCPに対応しているかどうかは、モニターの型番でメーカーの仕様ページを検索し、「HDCP」の記載を確認するのが確実です。おおむね2010年代以降のHDMI搭載モニターは対応していることが多いのですが、断定はできないため個別に確認してください。

ドライブの型番を調べて対応を確認する手順

症状・メッセージ別の早見表

自分の状況がどれに当たるかで、読むべき章が変わります。

症状 最も可能性が高い原因 読む章
ディスクを入れても何も起きない。エクスプローラーでフォルダが空に見える ファイナライズ未実施、またはドライブが非対応 ステップ1・ステップ3・ステップ4
DVD_RTAVフォルダは見えるが、再生ソフトで再生できない ソフトがCPRMまたはDVD-VRに非対応 ステップ5
「著作権で保護されています」という趣旨のメッセージが出る ソフトがCPRM非対応、またはHDCPの経路の問題 ステップ5・ステップ6
音は出るが映像だけ真っ黒になる HDCP非対応の接続経路の可能性が高い ステップ6
再生ソフトを入れたのに「認証に失敗しました」となる 初回のオンライン認証が完了していない ステップ5
ドライブそのものがパソコンに表示されない 接続またはドライバーの問題。CPRM以前の段階 切り分けの章
市販DVDも録画DVDも両方再生できない ドライブ・ドライバー・再生ソフト不在など別系統 市販DVD向けの記事へ
BDAVフォルダが見える AVCREC。ブルーレイ対応ドライブと専用ソフトが必要 ステップ2

それでも再生できないときの切り分け

ここまでの条件をすべて満たしているはずなのに再生できない場合は、機器そのものの状態を疑います。原因の切り分けは「変数を1つだけ変える」のが鉄則です。

1. 別のディスクを入れてみる

市販のDVDや、別の録画DVDを入れてみてください。

  • 市販DVDは読めるが録画DVDだけ読めない…ドライブは正常。CPRM関連の条件(ステップ4・ステップ5)に原因があります。
  • どのディスクも読めない…ドライブ側の問題です。ドライバーの再インストールや、ドライブ自体の劣化を疑います。
  • 他の録画DVDは読めるが、そのディスクだけ読めない…そのディスク固有の問題(ファイナライズ未実施、記録の失敗、劣化)です。

2. 別のパソコンで試す

家族のパソコンなど、別の機体で同じディスクを試せると一気に切り分けが進みます。他のパソコンで読めるならディスクは無事で、こちらのパソコンの環境の問題だと確定します。

3. ディスクの記録面を確認する

ディスクを明るい照明にかざして、記録面(レーベルの裏側)を確認してください。

  • 指紋や皮脂の汚れ…柔らかい乾いた布で、中心から外周に向かって放射状に拭きます。円を描くように拭くと傷が同心円状になり、かえって読めなくなることがあります。
  • 目に見える傷…深い傷は読み取り不能の原因になります。研磨サービスもありますが、記録層まで達した傷には効果がなく、自分で研磨用品を使うと失敗して完全に読めなくなることがあります。どうしても中身が必要な大切な記録であれば、まず複数のプレーヤーやパソコンで読み出しを試し、それでも駄目な場合に専門業者へ相談する、という順序で進めてください。
  • 白っぽい斑点、記録層の剥がれ、変色…経年劣化です。特に高温多湿の場所で長期保管されたディスクに起きます。この状態になると読み出しは困難です。

4. ドライブのレンズを疑う

長年使っているドライブは、レンズにほこりが付いて読み取り性能が落ちていることがあります。市販のレンズクリーナー(乾式・湿式)を使う方法がありますが、機種によっては非推奨とされている場合があるため、ドライブやパソコンの取扱説明書を確認してから使ってください。ドライブを分解して直接掃除するのは避けてください。 故障や保証対象外の原因になります。

5. 外付けドライブの電力不足を疑う

USB接続の外付けドライブは、電力が足りないと動作が不安定になります。

  • USBハブを経由せず、パソコン本体のUSBポートに直接つなぎます。
  • 二股のUSBケーブル(補助電源用)が付属している場合は、両方のコネクターを接続します。
  • 別のUSBポートに変えてみます。特に前面ポートより背面ポートのほうが安定することがあります。
  • ACアダプターが付属している製品なら接続します。

6. ドライバーを確認する

デバイスマネージャーの「DVD/CD-ROM ドライブ」に黄色い警告マークが付いている場合は、ドライバーの問題です。該当のドライブを右クリックして「デバイスのアンインストール」を実行し、パソコンを再起動すると、Windowsが標準ドライバーを自動的に入れ直します。この操作でデータが消えることはありませんが、不安な場合は先に重要なデータのバックアップを取ってから実行してください。

7. すべての条件を満たしているのに再生できないとき(最後の行き先)

DVD_RTAVフォルダは見えている、ドライブもCPRM対応だと仕様表で確認した、モニターは直結でHDCPの問題も潰した、有料のCPRM対応ソフトも導入して認証も通った――それでも再生できない場合、残る可能性はそのディスク個体の記録不良です。まず、録画に使ったレコーダーでそのディスクが再生できるかをもう一度確かめてください。

レコーダーでも再生できないなら、原因はパソコンではなくディスク側です。この章の1〜4に戻ってください。逆にレコーダーでは問題なく再生できるのにパソコンだけ駄目な場合は、環境固有の相性の問題である可能性が高くなります。ここから先は個別対応の領域なので、再生ソフトのメーカーのサポート窓口へ、パソコンの型番・ドライブの型番・ディスクの種類(DVD-Rなど)と記録方式・画面に出るエラーメッセージの文言を添えて問い合わせるのが最短です。この4点をそろえて伝えると、回答までの往復が大幅に減ります。

パソコンで見ることをあきらめる選択肢と、費用・手間の比較

ここまで読んで「思ったより条件が多い」と感じた方も多いと思います。実際、テレビ録画DVDをパソコンで見る環境を整えるのは、市販DVDを見るよりずっと手間がかかります。目的によっては、別の方法のほうが早くて安上がりです。

方法 費用の目安 手間 向いている人
レコーダーとテレビで見る 0円 ほぼなし レコーダーが手元にあり、単に内容を見たいだけの人
無料のプレーヤーで試す 0円 数分 CPRMがかかっていない可能性があるディスクを持つ人
CPRM対応の外付けドライブを買う 数千円程度から 接続するだけ 内蔵ドライブが非対応、または光学ドライブがないパソコンの人
CPRM対応の再生ソフトを買う 数千円程度から 導入と初回認証 ドライブが対応済みで、今後も繰り返し見る人
番組を再入手する(再放送・配信・パッケージ) 無料から数千円 探す手間 ディスクが読めない、レコーダーもない人

ダビング代行サービスについて

「業者に頼めば何とかしてもらえるのでは」と考える方がいますが、ここは正直にお伝えします。ダビング代行サービスの多くは、ビデオテープや自分で撮影したホームビデオのデジタル化には対応していますが、テレビ放送を録画した著作権保護つきのディスクは受け付けていないのが一般的です。これは業者が不親切なのではなく、著作権保護がかかったディスクを複製すること自体が制度上できないためです。依頼を検討する場合も、事前に対応可否を確認してください。

いちばん現実的な結論

録画に使ったレコーダーが手元にあり、テレビにつながっているなら、まずそこで見るのが最短で確実です。パソコンで見たい理由が「テレビが別の家族に使われている」「作業しながら見たい」といったものであれば、条件を整える価値はあります。一方で「1回だけ内容を確認したい」だけなら、対応ドライブとソフトに数千円を投じるより、テレビの前に座るほうが合理的です。

Macの場合の結論

Macをお使いの方には、残念な結論を先にお伝えします。Macでテレビ録画DVD(CPRM保護つき)を再生する現実的な手段は、一般にほとんどありません。

CPRMは日本のデジタル放送を中心に使われている保護方式で、macOS向けにCPRMへ正式対応した再生ソフトの選択肢は極めて限られます。「絶対に存在しない」と断定はしませんが、選択肢がほとんどないのが実情です。Macでの再生を前提に機材を買い揃えるのは、現時点ではおすすめできません。

現実的な代替は次のとおりです。

  • レコーダーとテレビで見る…最も確実です。
  • Windowsパソコンを使う…家族のWindows機や、職場・学校の環境で試せるなら、そちらのほうが早く解決します。
  • Mac上でWindows環境を用意する…理屈の上では選択肢ですが、光学ドライブの取り扱い、Macの機種(Intel搭載機かApple Silicon搭載機か)、Windowsライセンス、CPRM対応ソフトの動作保証と、確認すべき条件が多く、費用と手間に見合わないことが多いです。

なお、市販・レンタルのDVDがMacで再生できない場合は原因が別なので、MacでDVDを再生できない問題を解決する方法をご覧ください。

やってはいけないこと・この記事で扱わないこと

著作権保護を外す方法は扱いません

検索していると、CPRMを解除してディスクの中身を取り出す方法を紹介するページに行き当たることがあります。本記事ではこうした方法、ソフトの名称、入手先、手順を一切扱いません。理由は次のとおりです。

日本では、技術的保護手段の回避を伴うことを知りながら行う複製は、私的使用が目的であっても私的複製の例外から除外されるとされています。つまり「自分で録画した番組を、自分だけで見るために」という事情があっても、保護を外して複製する行為は例外扱いにならないという整理です。また、回避を目的とするプログラムを公衆に提供する行為には刑事罰の規定もあります。

「自分が録画したのだから自由にできるはずだ」と感じるのは自然な感覚だと思います。ただ、放送番組の著作権は放送局や制作者にあり、録画によってそれが視聴者に移るわけではありません。ここは個人の善意の有無ではなく制度の設計の問題です。個別の事案が適法かどうかの判断には踏み込みませんので、詳しくは文化庁など公的機関の解説をご確認ください。

本記事が示しているのは、保護を外さずに、保護されたまま正しく再生できる環境を整える方法だけです。遠回りに見えるかもしれませんが、これがいちばん安全で、結果的にいちばん確実です。

出所の不明なソフトを入れない

「無料でCPRM対応」をうたうソフトの中には、配布元が不明確なものや、余計なソフトを同時に導入させるものが混ざっています。パソコンの安全に関わるため、導入するソフトは開発元の公式サイトから入手してください。特に、検索結果の広告枠から入った配布サイトには注意が必要です。

ディスクを何度も出し入れしない

読めないディスクを繰り返し出し入れすると、ディスク表面に微細な傷が増えたり、ドライブに負担がかかったりします。「もう一度入れれば読めるかもしれない」を何十回も繰り返すより、この記事の手順で原因を1つずつ確定させるほうが確実です。

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よくある質問

Q1. 市販のDVDは再生できるのに、録画したDVDだけ再生できません。パソコンが壊れているのでしょうか?

故障ではありません。市販DVDと録画DVDでは記録方式も保護の仕組みも異なるため、市販DVDが再生できることは録画DVDが再生できることの証明になりません。テレビ録画DVDにはCPRMという保護がかかっており、対応したドライブと再生ソフトが必要です。むしろ市販DVDが再生できているなら、ドライブとドライバーは正常に動いていると判断できるので、原因はCPRM関連に絞り込めます。

Q2. ディスクをパソコンに入れても、中身が空に見えます。ディスクが壊れているのでしょうか?

ディスクの故障とは限りません。可能性は大きく3つあり、①ファイナライズが済んでいない、②ドライブがそのディスクに対応していない、③ディスクまたはドライブの読み取り不良、のいずれかです。まず録画に使ったレコーダーで再生できるか確かめてください。レコーダーで見られるならディスクは無事で、原因は①か②です。

Q3. ファイナライズをパソコンで行うことはできますか?

できません。録画済みDVDのファイナライズはレコーダー側の機能であり、しかも原則としてそのディスクに録画・ダビングを行ったレコーダー本体で行う必要があります。他機で記録した未ファイナライズディスクは、別のレコーダーではファイナライズできない仕様になっていることが多いため、録画に使った機器が手元にあるかどうかが分かれ目になります。

Q4. 自分のパソコンのDVDドライブがCPRM対応かどうか、どうやって調べればよいですか?

デバイスマネージャーで型番を調べ、その型番でメーカーの仕様を確認します。スタートボタンを右クリックして「デバイス マネージャー」を開き、「DVD/CD-ROM ドライブ」を展開すると型番が表示されます。その型番と「CPRM」を組み合わせて検索し、メーカーの仕様表に「CPRM対応」の記載があるかを確認してください。見つからない場合は、パソコン本体の型番でメーカーの詳細仕様ページを開き、光学ドライブの欄を確認します。本記事のステップ4に手順を詳しく書いています。

Q5. VLCなどの無料ソフトでは、テレビ録画DVDは絶対に再生できないのでしょうか?

「CPRMがかかっているディスクは再生できない」が正確な言い方です。DVD-VR形式でもCPRMがかかっていないディスク(アナログ放送時代の録画や、コピー制御のない映像を記録したもの)であれば、DVD-VRに対応した無料ソフトで再生できる可能性があります。有料ソフトを買う前に、まず無料で試してみる価値はあります。再生できなければ、それはCPRMがかかっている間接的な証拠にもなります。

Q6. 再生ソフトを買えば必ず再生できるようになりますか?

なりません。ソフトはあくまで条件の1つで、ドライブがCPRMに対応していなければ、どんなソフトを入れても再生できません。また、ディスクがファイナライズされていない場合や、モニターとの接続経路がHDCPに対応していない場合も再生できません。ソフトを買う前に、本記事のステップ3・ステップ4・ステップ6を先に確認してください。この順序を守るだけで無駄な出費を防げます。

Q7. 音は出るのに映像だけが真っ黒になります。ソフトの不具合でしょうか?

HDCP対応の接続経路になっていない可能性が高い症状です。保護されたコンテンツは、HDMI・DisplayPort・DVIといったHDCP対応の経路でしか映像を出力できません。VGA接続、HDMIからVGAへの変換アダプター、HDCP非対応の分配器や切替器、キャプチャー機器を経由していると、映像が出ないことがあります。まずパソコンとモニターをHDMIケーブル1本で直結して試してみてください。これは故障ではなく仕様どおりの動作です。

Q8. 録画に使ったレコーダーをすでに処分してしまいました。もう見る方法はありませんか?

ディスクがファイナライズ済みであれば、CPRM対応のドライブと再生ソフトを用意することでパソコンでの再生が可能です。ファイナライズが済んでいない場合は、正規の方法で中身を取り出す手段は事実上ありません。まず「30秒診断」の方法でフォルダが見えるかを確認してください。DVD_RTAVやVIDEO_TSが見えるなら、パソコン側の条件を整えれば再生できる見込みがあります。何も見えない場合は、その番組を再放送・配信・パッケージ商品などで入手できないか探すほうが現実的です。

まとめ

テレビ録画DVDがパソコンで再生できないのは、ディスク・ファイナライズ・ドライブ・再生ソフト・HDCPという5つの条件のうち、どれかが欠けているからです。そして、お金がかかるのは再生ソフトだけで、残りの4つはすべて無料で確認できます

やるべきことは1つです。まずディスクをパソコンに入れて、エクスプローラーでドライブを右クリックして「開く」を選び、フォルダ名を確認してください。 DVD_RTAVが見えればディスクとドライブは生きており、残る原因はソフトかHDCPに絞れます。何も見えなければファイナライズかドライブ対応の問題で、ソフトを買っても解決しません。この30秒が、この記事のすべてです。

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