※本ページにはプロモーション(広告)が含まれています
インターネットや家庭内ネットワークにおいて、接続されている機器を識別するために用いられるのが「IPアドレス」です。IPアドレスには大きく分けてふたつ種類があり、たとえば家庭内でルータに繋がったパソコン等に個別に振られるような「ローカルIPアドレス」と、インターネット接続に使用される「グローバルIPアドレス」があります。
IPアドレスは通常、ドット付き十進表記、またはドットアドレスと呼ばれる、0〜255までの数字4組をドットでつないだ記法で表記されます(「192.168.100.101」など)。
ローカルIPアドレスとグローバルIPアドレスを相互変換することで、ひとつのインターネット回線契約で、家庭内の複数の機器が個別にインターネット接続することが可能になります。
家庭内ネットワークを構築するときや、自宅サーバを立ち上げたい時など、自分が使用している機器が持つIPアドレスを確認したい場合があるでしょう。本稿ではそれらのIPアドレスをMacから確認する方法を紹介します。
この記事のまとめ
この記事のまとめ
MacでローカルIPアドレスを確認する
ローカルIPアドレスを確認するには「システム環境設定」にある「ネットワーク」環境設定を見るのがかんたんです。
1. システム環境設定を開く
システム環境設定は画面上部のメニューバーからアップルメニューを開き、「システム環境設定…」をクリックします。
2. システム環境設定から「ネットワーク」環境設定をクリックします。
3. ネットワーク環境設定から確認したいインターフェイスを選択すると(ここでは有線Ethernetを選択)、ローカルIPアドレスを確認することができます。
ターミナルの使用に慣れている方であれば、ターミナルを起動して(OS X標準のターミナルアプリケーションは「アプリケーション」フォルダの「ユーティリティ」フォルダの中にあります)、
$ ifconfig
とコマンドを実行してみてください。Macの各ネットワークインターフェイスが使用しているIPアドレスを確認することができます。
Wi-fiからIPアドレスを確認する手順
EthernetではなくWi-fi接続でネットワークを利用している場合は、下記の手順でMacのIPアドレスを確認することができます。
- アップルメニューの「システム環境設定」を開く
- 「ネットワーク」を選択
- レフトメニューの「Wi-fi」を選択し「詳細」を選択
- 「TCP/IP」タブを選択
- IPアドレスが表示される
ローカルIPアドレスとグローバルIPアドレスの違い
上記の方法で確認することができるのは、パソコンの「ローカルIPアドレス」になります。
ローカルIPアドレスは、会社や自宅などのローカルネットワーク環境内で、その端末を認識するためのIPアドレスになります。
インターネット環境に接続する場合には、ローカルIPアドレスから、グローバルIPアドレスに変換され、上記の方法で確認したIPアドレスとは異なるIPアドレスが利用されることになります。
外部のサーバーからアクセス許可をもらう場合などは、グローバルIPアドレスで設定してもらうことが必要です。
グローバルIPアドレスを確認する
グローバルIPアドレスを確認する一番かんたんな方法は、インターネットのIPアドレス確認サイトを使用することです。
IPアドレス確認サイトはたくさんありますが、たとえば「確認くん」にウェブブラウザでアクセスすると、「現在接続している場所(IPv4)」という箇所にグローバルIPアドレスが表示されます。
また、インターネット接続にルータを介している場合、製品によってはグローバルIPアドレスを確認できるものがあります。使用中のルータの取扱説明書や設定画面をよく見てみるのも良いでしょう。
ターミナルの使用に慣れている方で「curl」がインストール済みであれば、
$ curl ipecho.net/plain; echo
とコマンドを実行するとグローバルIPアドレスを確認することができます。「ipecho.net」は前述の「確認くん」同様、グローバルIPアドレスを確認できるサイトです。このサイトにウェブブラウザからアクセスすることでも、「確認くん」同様にグローバルIPアドレスを調べることができます。
CMANも便利
「CMAN」もIPアドレスを調べるのに非常に便利なサイトです。
https://www.cman.jp/network/support/go_access.cgi
サイトにアクセスするだけで、現在のグローバルIPアドレスを即座に確認することができるので、ターミナルやコマンドプロンプトを起動してコマンド入力をする手間もなく、誰でも簡単にIPアドレスを確認することができます。
その他、DNS情報やPING応答などもサイトから実行することができますので、IPアドレスやサーバー関連情報、通信情報で調べ物がある時にも活用することができます。
IPアドレスを秘匿したい時にはTorも検討
特定サービスを利用する、特定サイトにアクセスする際に自らのIPアドレス等を含むいかなる情報も渡したくない場合には、匿名性の高いTorブラウザを利用するのも一つの手段です。
ダークウェブにアクセスする手段として取り上げられることが多いTorですが、元々は通信秘匿性の高いインターネット利用を実現するために開発されたものであり、個人情報保護の観点において優れた秘匿性を発揮します。
優れた秘匿性を実現するためにアクセス速度が遅いデメリットもありますが、一般的なブラウザよりも安心して利用することができます。
IPv6アドレスとは?|次世代IPアドレスの仕組みを解説
IPアドレスには「IPv4」と「IPv6」の2種類が存在し、IPv4は従来から広く利用されている形式です。現在主流の「IPv4アドレス」は、32ビットの数値で構成されており、約43億のアドレスが存在します。しかし、インターネットの急速な普及により、このアドレス空間が枯渇してしまう問題が生じました。この問題を解決するために、新しい形式として導入されたのが「IPv6アドレス」です。
IPv6の特徴と利点
IPv6は128ビットの数値で表され、理論的には無限に近い数のデバイスにIPアドレスを提供できるようになりました。これにより、家庭内のすべての機器が個別のIPアドレスを持つことが可能となり、ネットワークの効率が向上します。IPv6アドレスは、数字とアルファベットの組み合わせで構成され(例:2001:0db8:85a3:0000:0000:8a2e:0370:7334)、IPv4のような「アドレス枯渇」の問題を回避することができます。
IPv6対応機器の確認方法
MacでIPv6アドレスを確認するには、次の手順を実行します:
- 「システム環境設定」から「ネットワーク」を開く。
- 使用している接続(Wi-FiまたはEthernet)を選択し、「詳細」をクリック。
- 「TCP/IP」タブでIPv6の設定が表示され、IPv6アドレスを確認できます。
もし、家庭内のルータがIPv6に対応していない場合は、IPv6機能を利用するために新しいルータを購入するか、ルータのファームウェアをアップデートする必要があるかもしれません。
VPNを利用してIPアドレスを隠す|匿名でインターネットを利用する方法
インターネットを利用する際に、IPアドレスを隠して匿名性を確保したい場合、VPN(Virtual Private Network)を利用するのが効果的です。VPNは、インターネット接続を暗号化し、第三者からIPアドレスを含む通信情報を隠すことができます。
VPNの仕組みと利点
VPNを利用すると、ユーザーのデバイスとインターネット上のサーバー間に安全な「トンネル」が作成され、その間の通信は暗号化されます。これにより、外部の者が通信内容やIPアドレスを確認することが難しくなります。VPNを使用するメリットには、以下のようなものがあります:
- IPアドレスが隠されるため、匿名でウェブサイトにアクセス可能
- 地域制限がかかっているコンテンツ(動画やサービス)へのアクセスが可能
- 公衆Wi-Fiでも安全な接続を確保できる
VPNサービスの選び方
VPNサービスはさまざまな提供業者がありますが、選ぶ際のポイントは以下の通りです:
- プライバシーポリシー:VPNサービスがユーザーのデータを記録しないことを確認する。
- 速度:暗号化により接続速度が低下する場合があるため、速度に優れたサービスを選ぶ。
- サーバーの数と場所:複数の国にサーバーを持つサービスだと、地域制限を回避しやすい。
無料のVPNサービスも存在しますが、セキュリティ面でのリスクが高い場合もあるため、有料の信頼できるサービスを利用することを推奨します。
動的IPアドレスと静的IPアドレス|どちらを選ぶべき?
IPアドレスには、「動的IPアドレス」と「静的IPアドレス」の2つの割り当て方法があります。動的IPはISP(インターネットサービスプロバイダー)から自動的に割り当てられ、時間が経つと変わる可能性があります。一方、静的IPアドレスは一度割り当てられると変更されず、常に同じIPアドレスを使用します。
動的IPアドレスのメリットとデメリット
メリット:
- 設定が簡単で、特に設定を変更しなくてもインターネットに接続できる。
- コストが低い(通常のインターネット契約で動的IPが提供される)。
デメリット:
- IPアドレスが変わるため、自宅サーバーなど特定のIPアドレスが必要なサービスには向かない。
静的IPアドレスのメリットとデメリット
メリット:
- IPアドレスが変わらないため、リモートアクセスやサーバー運営に便利。
- 安定した接続を必要とするサービスに適している。
デメリット:
- 動的IPアドレスに比べてコストが高い場合がある。
- セキュリティリスクが高く、攻撃者にターゲットにされる可能性がある。
利用シーンに応じて、動的か静的IPを選択することが重要です。例えば、一般的なインターネット利用であれば動的IPで十分ですが、自宅でウェブサーバーを運営する場合は静的IPアドレスが便利です。
よくある質問とその回答
Q1. ローカルIPアドレスとグローバルIPアドレスの違いは何ですか?
A1. ローカルIPアドレスは家庭や会社内のネットワークで使用され、接続されたデバイスを識別するために使われます。一方、グローバルIPアドレスはインターネット上でデバイスを識別するためのアドレスです。ローカルIPは外部に直接公開されることはなく、インターネット接続時にグローバルIPアドレスに変換されます。
Q2. MacでローカルIPアドレスを確認する簡単な方法は何ですか?
A2. システム環境設定の「ネットワーク」設定から確認できます。ネットワークインターフェイス(Wi-FiやEthernet)を選択し、詳細情報を表示すればローカルIPアドレスが見つかります。
Q3. グローバルIPアドレスを簡単に確認するにはどうすればいいですか?
A3. 「確認くん」や「CMAN」などのIPアドレス確認サイトにアクセスするのが最も簡単な方法です。ウェブブラウザでアクセスするだけで、現在のグローバルIPアドレスがすぐに表示されます。
Q4. 自分のIPアドレスを秘匿したい場合、どうすればいいですか?
A4. 匿名性を高めるためには、Torブラウザを使うと良いです。Torは通信を暗号化して秘匿性を保つため、IPアドレスを他者に見られる心配が減ります。ただし、接続速度が遅くなるデメリットがあります。
まとめ
本稿では「ローカルIPアドレス」および「グローバルIPアドレス」の確認方法を紹介しました。ローカルIPアドレスの確認方法として「ネットワーク環境設定」を用いる方法とターミナルから「ifconfig」コマンドを用いる方法を紹介し、グローバルIPアドレスを確認する方法として「確認くん」というサイトを用いる方法、ターミナルから「curl」コマンドと「ipecho.net」を用いる方法を紹介しました。
MacのIPアドレスを確認しなければならない機会があれば、本稿を参考にしてみてください。