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Windows 11レジストリエディタのお気に入りリスト移行で消える問題を徹底解説
Windows 11のレジストリエディタ(regedit.exe)には、よく使うレジストリキーを素早くアクセスできる「お気に入り」機能があります。しかし、パソコンの買い替えやWindowsの再インストール、またはOSのメジャーアップデート後に、このお気に入りリストが消えてしまう問題が多数報告されています。
長年かけて登録したお気に入りが一瞬で消える——そのような経験をした方に向けて、本記事ではお気に入りリストの保存場所・移行方法・復元手順を詳しく解説します。また、なぜ移行時にお気に入りがロスト(消失)するのか、その根本的な原因と予防策も合わせて説明します。

この記事でわかること
- レジストリエディタのお気に入りの保存場所(レジストリキー)
- お気に入りが消える原因(4パターン)
- 正しいバックアップ・移行手順
- 消えたお気に入りの復元方法
- 今後の移行を簡単にするベストプラクティス
レジストリエディタのお気に入り機能の基礎知識
お気に入り機能とは
レジストリエディタ(regedit.exe)の「お気に入り」機能は、頻繁にアクセスするレジストリキーのパスをブックマークとして保存できる機能です。メニューバーの「お気に入り」→「お気に入りに追加」から登録でき、以降は「お気に入り」メニューから一クリックで該当のキーに直接ジャンプできます。
システム管理者や開発者にとっては、深い階層にあるレジストリキーへの素早いアクセスを実現する重要なツールです。特に `HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet` や `HKEY_CURRENT_USER\Software` 配下の深い階層を頻繁に操作する場合に非常に有用です。
お気に入りの保存場所
レジストリエディタのお気に入りは、Windowsのレジストリ内の特定の場所に保存されています。この保存場所を正確に理解することが、正しい移行・バックアップのための第一歩です。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 保存場所(レジストリキー) | HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Applets\Regedit\Favorites |
| データ形式 | 文字列値(REG_SZ) |
| 値の名前 | お気に入り名(例: “よく使うキー1″) |
| 値のデータ | レジストリキーの完全パス |
| ファイルとしての保存 | 直接ファイルとして保存されない(レジストリ内のみ) |
移行時に問題が起きやすい理由
お気に入りがレジストリ内に保存されているため、通常のファイルコピーでは移行できません。さらに、Windows移行ツールやバックアップソフトがこの特定のキーをスコープに含めていないケースが多く、知らないうちに移行が漏れてしまいます。
お気に入りが消える・移行できない原因
原因1: ユーザープロファイルの移行漏れ
「HKEY_CURRENT_USER」以下のデータはユーザープロファイルと紐付いています。Windowsの再インストール時に「ユーザーデータを保持する」オプションを選択しても、全てのユーザーレジストリ設定が保持されるわけではありません。特に `\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Applets\Regedit\Favorites` は移行対象から漏れることが多いです。
原因2: 新しいユーザーアカウントへの移行
古いユーザーアカウントから新しいユーザーアカウントに切り替えた場合、旧アカウントのレジストリ(HKEY_CURRENT_USER)は新アカウントには引き継がれません。MicrosoftアカウントとローカルアカウントのHIVEは完全に独立しているため、ユーザー切り替え時には手動でのエクスポート・インポートが必要です。
原因3: レジストリエディタのバージョン差異
Windows 11のメジャーアップデート(例: バージョン22H2→23H2→24H2)では、レジストリエディタの内部仕様が更新されることがあります。古いバージョンで作成したお気に入りエントリが、新しいバージョンで正しく認識されない・パスの解釈が変わるといった互換性問題が報告されています。
原因4: Windowsの「PCを初期状態に戻す」オプションの誤使用
「設定」→「システム」→「回復」の「PCを初期状態に戻す」機能を使用した場合、「個人ファイルを保持する」を選択してもレジストリ設定は全面的にリセットされます。このオプションはユーザーファイル(ドキュメント・写真等)のみを保持し、アプリ設定やレジストリデータは保持しないため、お気に入りが消えます。

正しいバックアップ・移行手順
手順A: レジストリエクスポートによるバックアップ
最も確実な方法は、移行前にお気に入りのレジストリキーをエクスポートしておくことです。
- Windowsキー + R を押し、「regedit」と入力してEnterキーを押す
- ユーザーアカウント制御(UAC)の確認が表示されたら「はい」をクリック
- レジストリエディタの左ペインで以下の階層を順番に展開する:
HKEY_CURRENT_USER → Software → Microsoft → Windows → CurrentVersion → Applets → Regedit → Favorites - 「Favorites」キーを右クリックして「エクスポート」を選択
- 保存場所(USBドライブやクラウドストレージを推奨)とファイル名(例: regedit_favorites.reg)を指定して保存
エクスポートされた .reg ファイルはテキストエディタで開いて内容を確認できます。バックアップが正しく取れたかどうかを確認しましょう。
手順B: 別PCへのお気に入りのインポート
エクスポートした .reg ファイルを新しいPCに移行する手順です。
- エクスポートした .reg ファイルを新しいPCにコピーする(USB・クラウド経由)
- ファイルをダブルクリックするか、右クリックして「結合」を選択
- 「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」に「はい」をクリック
- 「レジストリエディタに情報を追加しますか?」に「はい」をクリック
- 「キーと値が正常に追加されました」のメッセージを確認
- レジストリエディタを開いて「お気に入り」メニューにエントリが表示されていることを確認
手順C: コマンドによる手動エクスポート(管理者向け)
コマンドプロンプトを使って、より確実にエクスポートする方法です。
- スタートメニューを右クリックして「ターミナル(管理者)」を選択
- 以下のコマンドを入力してEnterキーを押す:
reg export "HKCU\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Applets\Regedit\Favorites" C:\backup\regedit_favorites.reg /y - 「操作は正常に完了しました。」と表示されればエクスポート成功
- インポート時は以下のコマンドを実行する:
reg import C:\backup\regedit_favorites.reg
手順D: 消えたお気に入りの復元
すでにお気に入りが消えてしまった場合の復元手順です。バックアップがない場合でも、以下の方法で部分的に復元できる可能性があります。
- Windowsの「バージョン履歴」を確認する:
「設定」→「システム」→「ストレージ」→「バックアップオプション」→「バージョン履歴を表示」 - 「システムの保護」から復元ポイントを利用する:
「コントロールパネル」→「システム」→「システムの保護」→「システムの復元」
レジストリは復元ポイントに含まれるため、お気に入りの消える前の状態に戻れる可能性がある - Windows.oldフォルダーを確認する:
Windowsの再インストール後に作成される C:\Windows.old 内に旧ユーザープロファイルが保存されている場合がある
管理者権限で C:\Windows.old\Users\[ユーザー名]\AppData にアクセスし、NTUSER.DATを確認
移行方法の比較
| 方法 | 難易度 | 移行完全性 | 所要時間 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| レジストリエクスポート(GUI) | 低 | 100% | 5分 | 最も推奨 |
| コマンドによるエクスポート | 中 | 100% | 3分 | スクリプト化に向く |
| Windowsバックアップツール | 低 | 不確実(50〜80%) | 30分以上 | Favoritesが漏れる場合あり |
| PCの初期化「個人ファイルを保持」 | 低 | 0%(レジストリリセット) | 自動 | お気に入りは必ず消える |
| システムの復元 | 中 | 復元ポイント依存 | 30〜60分 | 復元ポイントが必要 |

レジストリエディタのお気に入り管理の応用テクニック
PowerShellを使った一括エクスポート・インポート
PowerShellを使うと、レジストリのお気に入りをより柔軟に管理できます。以下のスクリプトを使うことで、エクスポート・インポートの自動化が実現します。
エクスポートスクリプトの例(PowerShell):
# レジストリエディタお気に入りのエクスポート
$favPath = "HKCU:\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Applets\Regedit\Favorites"
$exportPath = "$env:USERPROFILE\Documents\regedit_favorites.json"
$favorites = Get-ItemProperty -Path $favPath -ErrorAction SilentlyContinue
if ($favorites) {
$favHash = @{}
$favorites.PSObject.Properties |
Where-Object { $_.Name -notlike "PS*" } |
ForEach-Object { $favHash[$_.Name] = $_.Value }
$favHash | ConvertTo-Json | Out-File $exportPath
Write-Host "お気に入りを $exportPath にエクスポートしました"
} else {
Write-Host "お気に入りが見つかりませんでした"
}
このスクリプトをPowerShell ISEまたはVS Codeで実行することで、お気に入りをJSON形式で保存できます。JSON形式は可読性が高く、内容の確認や編集も簡単です。
お気に入りのカテゴリ別整理と命名規則
レジストリエディタのお気に入りはフラットなリスト形式のため、数が増えると目的のエントリを探しにくくなります。以下の命名規則を採用することで、長期的な管理が格段に楽になります。
| カテゴリ | 命名プレフィックス | 例 |
|---|---|---|
| システム設定 | 01_SYS_ | 01_SYS_ブート設定 |
| ネットワーク・通信 | 02_NET_ | 02_NET_TCP設定 |
| ユーザーインターフェース | 03_UI_ | 03_UI_タスクバー設定 |
| セキュリティ・権限 | 04_SEC_ | 04_SEC_UAC設定 |
| アプリケーション | 05_APP_ | 05_APP_Office設定 |
| ハードウェア・ドライバ | 06_HW_ | 06_HW_デバイスマネージャ |
サードパーティのレジストリエディタ代替ツール
より高機能なお気に入り管理が必要な場合は、サードパーティのレジストリエディタの使用を検討できます。主な代替ツールとして以下があります。
- Registry Workshop: タブ機能・お気に入りのグループ管理・高度な検索機能を備えた高機能エディタ
- RegScanner: NirSoft製の軽量なレジストリスキャナー。特定のキーへの素早いアクセスに特化
- O&O RegEditor: Microsoft公式に近い操作感でお気に入りのフォルダー管理が可能
ただし、サードパーティのレジストリエディタはセキュリティリスクが伴う場合もあるため、信頼できる提供元のものを使用し、ウイルス対策ソフトでスキャンしてから利用することを強くお勧めします。
Windows Terminalでのレジストリ操作効率化
日常的にレジストリを操作するシステム管理者には、Windows Terminalのカスタムコマンドプロファイルを設定する方法も有効です。よく使うキーへのjumpコマンドをエイリアスとして登録することで、レジストリエディタのお気に入りに頼らずに素早いアクセスが実現します。
今後の移行を簡単にするベストプラクティス
定期的なバックアップスクリプト
Windowsのタスクスケジューラを使って、お気に入りのバックアップを自動化できます。以下の手順でバックアップスクリプトを設定しましょう。
- メモ帳を開き、以下の内容を入力する:
@echo off
reg export "HKCU\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Applets\Regedit\Favorites" "%USERPROFILE%\Documents\regedit_favorites_backup.reg" /y - ファイルを「backup_regedit.bat」として保存する
- 「タスクスケジューラ」を開き(スタートメニューで検索)、「基本タスクの作成」をクリック
- 週1回程度のスケジュールでbatファイルを実行するタスクを作成する
お気に入りの命名規則
お気に入りの名前に番号プレフィックス(例: 「01_システム設定」「02_ネットワーク」)を付けると、メニューでの並び順が整理されて管理しやすくなります。また、お気に入りをグループごとに整理した状態でエクスポートすると、移行後の確認も容易になります。
クラウドストレージへの自動バックアップ
バックアップ先をOneDriveやGoogle Driveなどのクラウドストレージフォルダーに設定することで、複数デバイス間での共有や遠隔バックアップが可能になります。特にOneDriveはWindows 11と統合されているため、Documents フォルダーをOneDriveと同期している場合は特別な設定なしでクラウドバックアップが実現できます。
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よくある質問(FAQ)
Q1: レジストリエディタのお気に入りはグループ分けできますか?
残念ながら、Windows標準のレジストリエディタにはお気に入りのフォルダー分け・グループ分け機能がありません。お気に入りはフラットなリスト形式で表示されます。名前の先頭に番号やカテゴリを付けることで疑似的な整理は可能です。より高機能なお気に入り管理が必要な場合は、サードパーティのレジストリエディタ(Registry Workshop・RegScanner等)の利用を検討してみてください。
Q2: エクスポートした .reg ファイルをテキストエディタで編集して問題ありませんか?
.reg ファイルは通常のテキストファイルであるため、テキストエディタで編集可能です。ただし、文字エンコーディングはUTF-16LEまたはUTF-8(BOMあり)である必要があります。Windowsメモ帳で開いて編集・保存する場合は文字化けに注意してください。編集後にインポートする前に、必ず元のレジストリをバックアップしておくことを強くお勧めします。
Q3: Windows 10から11への移行でお気に入りを保持できますか?
Windows 10から11へのインプレースアップグレード(上書きインストール)では、ユーザーのレジストリ設定は基本的に保持されます。HKEY_CURRENT_USER 以下のデータも移行されるため、レジストリエディタのお気に入りも通常そのまま引き継がれます。ただし、新しいPCに移行するクリーンインストールの場合は、必ずエクスポートが必要です。
Q4: 他のユーザーアカウントのお気に入りを移行するにはどうすればよいですか?
他のユーザーアカウントのレジストリデータを操作するには管理者権限が必要です。regeditを管理者として実行し、「HKEY_USERS」→「[ユーザーSID]」→「Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Applets\Regedit\Favorites」を開いてエクスポートできます。ユーザーSIDは `wmic useraccount get name,sid` コマンドで確認できます。
Q5: お気に入りのレジストリキーに追加できる数の上限はありますか?
Windowsレジストリの仕様上、1つのキーに追加できる値の数に技術的な上限はありますが、レジストリエディタのお気に入りの実用的な上限は「メニューに表示できる数」が実質的な制約です。お気に入りが増えすぎてメニューが長くなりすぎる場合は、定期的に使わないエントリを削除して整理することをお勧めします。
Q6: レジストリを誤って編集してしまった場合はどうすればよいですか?
レジストリの誤編集に備えて、定期的にシステムの復元ポイントを作成しておくことが重要です。「コントロールパネル」→「システム」→「システムの保護」→「作成」から手動で復元ポイントを作成できます。また、regeditでは特定のキーを編集する前に必ずそのキーをエクスポート(バックアップ)する習慣をつけることを強くお勧めします。
まとめ
Windows 11レジストリエディタのお気に入りリストは、`HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Applets\Regedit\Favorites` に保存されています。この場所を理解していれば、PC移行時でも確実にお気に入りを引き継ぐことができます。
最も確実な移行方法は「レジストリエクスポート(.reg ファイル)」です。移行前・OSアップデート前・PC初期化前には必ずこのキーをエクスポートしておく習慣をつけましょう。タスクスケジューラによる定期的な自動バックアップを設定しておくと、万が一のデータロストも防ぐことができます。
すでにお気に入りが消えてしまった場合は、システムの復元またはWindows.oldフォルダーからの復元を試みてください。また、今後は定期的なバックアップと命名規則の統一によって、レジストリエディタの作業効率を長期的に維持することをお勧めします。
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