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Audacityで音声録音・編集を始めたいけど何から始めればいい?
「ポッドキャストを始めたい」「ナレーション録音をして動画に使いたい」「録音した音声のノイズを消したい」——そんなときに最初の選択肢として挙がるのが、無料の音声編集ソフト「Audacity(オーダシティ)」です。
Audacityは世界中で使われているオープンソースの音声録音・編集ソフトで、完全無料でありながらプロも認めるほどの機能を持っています。ポッドキャスト制作・ゲーム実況・YouTube用ナレーション・音楽制作の素材録音など、幅広い用途に使われています。
この記事では、Audacityをまったく使ったことがない方向けに、インストールから録音・ノイズ除去・編集・書き出しまでの完全な使い方をわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- Audacityのダウンロード・インストール方法
- 録音デバイス(マイク)の設定方法
- 音声録音の基本手順
- ノイズ除去の具体的な方法
- カット・削除・複数トラックの編集方法
- エフェクト(音質向上)の活用
- MP3・WAV・AACへの書き出し方法
- よくある問題と解決策

Audacityとは?特徴と用途
Audacityは1999年から開発が続けられているオープンソースの音声編集ソフトです。Windows・macOS・Linuxすべてに対応しており、世界中の個人・教育機関・ポッドキャスターに愛用されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開発元 | Audacity Team(オープンソース) |
| 価格 | 完全無料 |
| 対応OS | Windows 10/11、macOS 10.15以降、Linux |
| 対応形式(入力) | WAV・AIFF・MP3・OGG・FLAC・M4A他 |
| 対応形式(出力) | WAV・AIFF・MP3・OGG・FLAC・M4A他 |
| 主な用途 | ポッドキャスト・ナレーション・音楽素材録音・音声加工 |
Audacityでできること
- マイクからの音声録音(複数トラック対応)
- 既存の音声ファイルの読み込みと編集
- ノイズ除去・ハム音除去
- 音量正規化・コンプレッサー適用
- イコライザーで音質調整
- ピッチ変更・テンポ変更
- 複数の音声ファイルのミックス
- MP3・WAV・AACなど各種形式への書き出し
STEP 1:Audacityをダウンロード・インストールする
ダウンロード手順
- Audacity公式サイト(audacityteam.org)にアクセス
- 「Download Audacity」ボタンをクリック
- 使用しているOSに合ったインストーラーをダウンロード(Windows用の.exe または macOS用の.dmg)
注意:ダウンロードサイトは必ず公式サイト(audacityteam.org)または公式GitHubを使用してください。非公式サイトからダウンロードすると不要なソフトウェアが同梱されている場合があります。
Windowsでのインストール手順
- ダウンロードした「audacity-win-XX.XX.X-x64.exe」をダブルクリック
- 「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」→「はい」
- 言語選択で「日本語」を選択
- インストールウィザードに従って「次へ」をクリック
- インストール先を確認して「インストール」
- 完了後「Audacityを起動」にチェックして「完了」
macOSでのインストール手順
- ダウンロードした「audacity-macOS-XX.XX.X.dmg」をダブルクリック
- Audacityのアイコンをアプリケーションフォルダにドラッグ
- アプリケーションフォルダからAudacityを起動
- 「開いてもよいですか?」の確認が出たら「開く」をクリック
STEP 2:マイク(録音デバイス)を設定する
録音を始める前に、使用するマイクが正しく認識されているか確認しましょう。
録音デバイスの選択方法
- Audacityのツールバー上部にある「録音デバイス」プルダウンをクリック
- 使用するマイクの名前を選択(例:「USB Audio CODEC」「MacBook ProのマイクJapanese」など)
- 隣の「チャンネル数」を「1(モノラル)」に設定(声の録音はモノラルで十分)
入力レベルの確認と調整
録音前にマイクに向かって話しかけ、ツールバーの「録音レベルメーター」を確認します。
- 理想の録音レベル:通常の声で-12dB〜-6dB程度が収まるように調整
- レベルが高すぎる(赤く点灯):音が歪む「クリッピング」が発生。マイクの入力ゲインを下げる
- レベルが低すぎる:後で増幅するとノイズも一緒に大きくなる。適切なレベルに上げる
サンプリングレートの設定
プロジェクトレートは「プロジェクトのサンプリングレート」プルダウンで設定します。
- 44100 Hz:CDクオリティ。ポッドキャスト・音楽の標準設定
- 48000 Hz:映像制作の標準。動画に音声を使う場合はこちら
STEP 3:音声を録音する
録音の基本手順
- 録音ボタン(赤い円)をクリック
タイムラインに赤い波形が表示されて録音が始まります。 - マイクに向かって話す
マイクとの距離は15〜20cm程度が目安。口とマイクの間に素材がある状態が理想。 - 停止ボタン(四角)をクリックして録音停止
録音が完了するとタイムラインに音声波形が表示されます。 - スペースキーを押して録音内容を再生確認
録音のコツ
- 録音前に5秒間静かにしておく(ノイズプロファイル取得のため)
- 口とマイクの間に角度をつける(ポップノイズ対策)
- エアコン・換気扇などのノイズ源をオフにする
- 本番前にテスト録音して音質・レベルを確認する
- 失敗したセクションはカットで後から対処できるので、最後まで録り切る
既存の音声ファイルを読み込む場合
- メニュー「ファイル」→「インポート」→「オーディオ」
- 読み込みたいMP3・WAV・M4Aなどのファイルを選択して「開く」
- タイムラインに音声波形が表示される

STEP 4:ノイズ除去をする(最重要)
録音には必ず環境ノイズ(エアコン音・PCのファン音・外部の音など)が混入します。Audacityのノイズ除去機能を使えば、このノイズを効果的に低減できます。
ノイズ除去の手順(2段階)
段階1:ノイズプロファイルを取得する
- タイムライン上で「何も話していない無音部分(環境ノイズのみの部分)」を選択する
→ 録音前の5秒間の静音部分が最適 - メニュー「エフェクト」→「ノイズ除去とリペア」→「ノイズ除去」をクリック
- 「ノイズプロファイルの取得」ボタンをクリック
→ AudacityがノイズのパターンをAIで学習します
段階2:全体にノイズ除去を適用する
- Ctrl+A(Cmd+A)で全体を選択
- 再度メニュー「エフェクト」→「ノイズ除去とリペア」→「ノイズ除去」
- 設定を確認(デフォルト値で通常は十分):
| パラメータ | デフォルト値 | 調整の目安 |
|---|---|---|
| ノイズ軽減(dB) | 12dB | ノイズが激しい場合は15〜18dBに。過度にするとロボット声になる |
| 感度 | 6.00 | 値を上げるとノイズが消えやすいが音質も劣化しやすい |
| 周波数スムーシング | 3 | 通常はデフォルトのままでOK |
- 「OK」をクリックしてノイズ除去を適用
- スペースキーで再生して効果を確認
ポイント:ノイズ除去は「やりすぎ」が禁物です。過度に適用すると声が不自然になります。まずデフォルト設定で試して、不十分な場合のみ段階的に強くしてください。
STEP 5:音声を編集する(カット・削除・結合)
基本的な編集操作
不要な部分を削除する
- ツールバーの「選択ツール」(Fキー)が有効になっていることを確認
- 削除したい部分をクリック&ドラッグで選択(選択部分が水色で反転)
- Deleteキーを押して削除
無音部分を短くする(話し始めまでの空白など)
- 無音部分を選択
- Deleteキーで削除(後ろのクリップが前に詰まる)
特定の部分をコピー・移動する
- コピー:選択 → Ctrl+C(Cmd+C)
- ペースト:貼り付けたい位置でクリック → Ctrl+V(Cmd+V)
- 切り取り:選択 → Ctrl+X(Cmd+X)
主要なキーボードショートカット
| 操作 | Windows | macOS |
|---|---|---|
| 再生・停止 | Space | Space |
| 録音 | R | R |
| 全選択 | Ctrl+A | Cmd+A |
| 元に戻す | Ctrl+Z | Cmd+Z |
| ズームイン | Ctrl+1 | Cmd+1 |
| ズームアウト | Ctrl+3 | Cmd+3 |
| 選択範囲の音量をゼロにする(無音化) | Ctrl+L | Cmd+L |
| プロジェクト保存 | Ctrl+S | Cmd+S |
STEP 6:音質を向上させるエフェクトを使う
おすすめエフェクト4選
1. 増幅(Amplify):音量を全体的に上げる
- Ctrl+A(Cmd+A)で全選択
- 「エフェクト」→「ボリュームとコンプレッション」→「増幅」
- 「新しいピーク振幅(dB)」を-1.0dBに設定
- 「OK」で適用
これにより音声の最大音量がピークに近い値まで引き上げられ、全体的に聴き取りやすくなります。
2. 正規化(Normalize):左右チャンネルのバランス調整
- 「エフェクト」→「ボリュームとコンプレッション」→「正規化」
- 「最大振幅の正規化先」を-1.0dBに設定
- 「DCオフセットを除去する」にチェックを入れる
- 「OK」で適用
3. コンプレッサー(Compressor):声の大小を均一にする
コンプレッサーは声の大きい部分を抑えて小さい部分を持ち上げ、音量を均一にします。
- 「エフェクト」→「ボリュームとコンプレッション」→「コンプレッサー」
- スレッショルド:-18dB、レシオ:3:1を試してみる
- プレビューで効果確認後「OK」
4. イコライザー(Equalization):音質の微調整
声の音質をEQで調整することで、より聴き取りやすく、プロっぽいサウンドになります。
- 80Hz以下をカット:不必要な低音(ボソボソ感)を除去
- 200〜400Hzを少し下げる:こもった印象を解消
- 2000〜5000Hzを少し上げる:声の明瞭感・明るさが増す
- 8000Hz以上を少し上げる:抜け感・爽やかな印象に
STEP 7:音声ファイルを書き出す
書き出し手順
- メニュー「ファイル」→「書き出し」→「オーディオを書き出し」
- ファイル名・保存先を指定
- 「ファイルの種類」で形式を選択
- 「書き出し」ボタンをクリック
- メタデータ(タイトル・アーティストなど)入力ダイアログが出た場合、入力して「OK」
用途別おすすめの書き出し形式
| 用途 | 形式 | ビットレート目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ポッドキャスト配信 | MP3 | 128kbps(モノラル) | ファイルサイズ小・互換性高 |
| YouTube・動画のナレーション | WAV または M4A | 無圧縮 または 256kbps | 高音質。動画編集ソフトとの相性が良い |
| 音楽制作のマスター保存 | WAV または FLAC | 無圧縮(WAV)または可逆圧縮(FLAC) | 最高品質。ファイルサイズは大きい |
| スマホ・Web用 | M4A(AAC) | 192kbps | MP3より高音質で同サイズ。Apple製品との相性良好 |
注意:MP3で書き出す場合、Audacityは「LAME MP3エンコーダー」が必要です。最近のバージョン(3.0以降)では標準で内蔵されているため、別途インストールは不要です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 録音しても音が録れていない(波形が表示されない)のはなぜですか?
最も多い原因は録音デバイスの設定ミスです。以下を確認してください。①ツールバーの「録音デバイス」が使用しているマイクになっているか確認する、②OSのシステム設定(Windows:サウンド設定 / Mac:システム設定→サウンド)でマイクが有効になっているか確認する、③Audacityへのマイクアクセス許可がOSレベルで許可されているか確認する(特にmacOS Monterey以降)。
Q2. 録音した音声にプツプツとしたノイズが入ります
「クリッピング」と呼ばれる音割れか、「ドロップアウト」と呼ばれるバッファ不足の可能性があります。クリッピングの場合はマイクの入力レベルを下げてください(録音レベルのメーターが赤くなっていないことを確認)。ドロップアウトの場合はメニュー「編集」→「環境設定」→「録音」で「レイテンシー」の値を大きくして(例:50ms→100ms)みてください。
Q3. ノイズ除去をしたら声がロボットみたいになってしまいました
ノイズ除去を強くかけすぎた場合によく起きる現象です。Ctrl+Z(Cmd+Z)でノイズ除去を元に戻し、ノイズ除去ダイアログの「ノイズ軽減(dB)」の値を下げて(デフォルト12dB → 8〜10dBに)再適用してください。ノイズプロファイルを取得する無音部分が短すぎても精度が下がります。最低2〜3秒の無音部分を選択することをおすすめします。
Q4. MP3で書き出そうとしたらエラーが出ます
Audacity 3.0以降のバージョンではLAME MP3エンコーダーが標準で組み込まれており、別途インストールは不要です。それでもエラーが出る場合は、Audacityを最新バージョンに更新してみてください。公式サイトから最新版をダウンロードし直すことで解決することがほとんどです。
Q5. 複数の音声ファイルをひとつにまとめるにはどうすれば良いですか?
複数ファイルをひとつに結合する手順は以下のとおりです。①メニュー「ファイル」→「インポート」→「オーディオ」で最初のファイルを開く、②続いて同じ手順でほかのファイルも開く(自動的に別のトラックに表示される)、③最初のトラック以外のトラックを時間軸上の適切な位置に移動させる(各トラック左端のドラッグで位置調整)、④全体が完成したら「ファイル」→「書き出し」→「オーディオを書き出し」でひとつのファイルとして書き出す。複数のトラックは自動でミックスされて書き出されます。
まとめ
Audacityは、完全無料でありながら録音・ノイズ除去・編集・書き出しに必要な機能がすべて揃った非常に優秀な音声編集ソフトです。最初は操作に戸惑うかもしれませんが、基本的な流れはシンプルです。
Audacity活用の基本ステップを改めてまとめます。
- 録音前に5秒間の無音を録っておく(ノイズプロファイル取得のため)
- 録音レベルは-12dB〜-6dBに収まるよう調整する(音割れ防止)
- ノイズ除去は「プロファイル取得→全体適用」の2段階で行う
- 増幅または正規化で最終的な音量を整える
- 用途に合った形式(MP3・WAV・M4A)で書き出す
ポッドキャストやYouTube用ナレーションの品質は、録音環境とノイズ除去の精度で8割が決まります。まずは静かな環境で録音することと、ノイズ除去の手順をマスターすることを最優先にして取り組んでみてください。
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