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USBメモリや外付けハードディスクを紛失したとき、中に入っているデータが他人に見られてしまうと困りますよね。特に仕事のデータや個人情報が入っている場合は深刻です。
そんなときに役立つのがBitLocker To Goです。Windowsに標準搭載されている暗号化機能で、USBメモリや外付けドライブを丸ごと暗号化してパスワード保護できます。万が一紛失しても、パスワードを知らない人にはデータを読み取れません。
この記事では、BitLocker To Goの概要から実際の設定手順、別のPCで開く方法、暗号化の解除まで丁寧に解説します。

- BitLocker To Goの概要と通常BitLockerとの違い
- 対応しているWindowsエディション
- USBメモリの暗号化手順
- パスワード設定と回復キーのバックアップ方法
- 暗号化済みUSBを別のPCで開く方法(Windows・Mac)
- 暗号化の解除方法
- 企業での活用例
BitLocker To Goとは?
BitLocker To Goは、Windowsに標準搭載されているドライブ暗号化機能「BitLocker」の拡張版です。通常のBitLockerがPCの内蔵ドライブ(Cドライブなど)を暗号化するのに対し、BitLocker To GoはUSBメモリや外付けハードディスクなどのリムーバブルメディアを暗号化します。
BitLockerとBitLocker To Goの違い
| 比較項目 | BitLocker | BitLocker To Go |
|---|---|---|
| 対象ドライブ | 内蔵ドライブ(C・Dドライブ等) | USBメモリ・外付けHDD/SSD |
| 認証方式 | TPMチップ・PIN・回復キー | パスワード・スマートカード・回復キー |
| 別PCでの使用 | 基本的に同一PC限定 | パスワードで別PCでも使用可能 |
| ファイルシステム | NTFS | NTFS・FAT32・exFAT |
BitLocker To Goのメリット
- Windowsに標準搭載で追加ソフト不要
- AES-128またはAES-256による強力な暗号化
- パスワードで別のWindows PCでも開ける
- 紛失・盗難時もデータを守れる
- 回復キーでパスワードを忘れても復元可能
対応しているWindowsエディション
BitLocker To Goを設定・管理(暗号化・解除)できるのは以下のエディションです。
| Windowsエディション | 暗号化の設定 | 暗号化済みUSBの読み取り |
|---|---|---|
| Windows 10/11 Pro | 可能 | 可能 |
| Windows 10/11 Enterprise | 可能 | 可能 |
| Windows 10/11 Education | 可能 | 可能 |
| Windows 10/11 Home | 不可 | 可能(読み取りのみ) |
USBメモリを暗号化する手順
実際にUSBメモリをBitLocker To Goで暗号化する手順を解説します。
暗号化の前に確認すること
- 重要なデータはあらかじめPCにバックアップを取っておく(暗号化中のトラブルに備えて)
- 暗号化には時間がかかる(容量によって数分〜数時間)
- 暗号化中はUSBを抜かない
手順1:BitLocker To Goを起動する
- 暗号化したいUSBメモリをPCに接続する
- 「エクスプローラー」を開く(Windowsキー + E)
- USBメモリのドライブ(例:Eドライブ)を右クリックする
- メニューから「BitLockerを有効にする」をクリックする
- BitLockerドライブ暗号化のウィザードが起動する
手順2:パスワードを設定する
- 「このドライブのロック解除方法を選択してください」画面で「パスワードを使用してドライブのロックを解除する」にチェックを入れる
- パスワードを入力する(大文字・小文字・数字・記号を組み合わせた8文字以上が推奨)
- 確認用パスワードを再入力する
- 「次へ」をクリックする
手順3:回復キーをバックアップする
万が一パスワードを忘れた場合に備えて、回復キーを保存します。
- 「回復キーのバックアップ方法を選択してください」画面が表示される
- 以下のいずれかを選択してバックアップする:
- Microsoftアカウントに保存:Microsoftアカウントにオンラインで保存(推奨)
- ファイルに保存:PCのローカルまたはネットワークドライブにテキストファイルとして保存
- 回復キーを印刷する:紙に印刷して保管
- バックアップ完了後、「次へ」をクリックする
手順4:暗号化する範囲を選択する
- 「ドライブを暗号化する範囲を選択してください」画面が表示される
- 以下のどちらかを選択する:
- 使用済みの領域のみを暗号化する(推奨・新しいUSBメモリには最適・速い)
- ドライブ全体を暗号化する(既に使用していたUSBには推奨・時間がかかる)
- 「次へ」をクリックする
手順5:暗号化モードを選択する
- 「使用する暗号化モードを選ぶ」画面が表示される
- USBメモリの場合は「互換モード(このデバイスのドライブに最適)」を選択する
(Windows 10以前のPCでも使用できるようにするため) - 「次へ」をクリックする
手順6:暗号化を開始する
- 「BitLockerを有効にする準備ができました」画面が表示される
- 「暗号化の開始」をクリックする
- 進行状況バーが表示される。完了まで待つ(容量によって数分〜数十分)
- 「暗号化が完了しました」と表示されれば完了
- エクスプローラーでUSBメモリのアイコンに鍵マークが付いていることを確認する
暗号化済みUSBを別のPCで開く方法
Windowsで開く場合
- 暗号化済みUSBメモリをWindowsのPCに接続する
- 「このドライブはBitLockerで保護されています」というメッセージが表示される
- パスワードを入力して「ロック解除」をクリックする
- ロックが解除され、通常通りファイルにアクセスできる
Macで開く場合
MacはBitLockerに標準対応していないため、サードパーティのソフトウェアが必要です。
| ソフトウェア名 | 特徴 | 費用 |
|---|---|---|
| BitLocker Anywhere for Mac | 読み書き対応、操作が簡単 | 有料 |
| Hasleo BitLocker Anywhere | 読み書き対応 | 有料(試用版あり) |
| M3 BitLocker Loader for Mac | 読み取り専用版は無料 | 無料(読み取り)・有料(書き込み) |
LinuxでBitLocker暗号化ドライブを読む場合
Linuxでは「dislocker」というオープンソースのツールを使用することで、BitLocker暗号化ドライブをマウントして読み取れます。詳細はdislockerの公式ドキュメントを参照してください。
暗号化の解除方法
BitLocker To Goの暗号化を完全に解除する手順を説明します。
- 暗号化済みUSBをPCに接続してロックを解除する(パスワードを入力)
- 「エクスプローラー」を開く
- USBメモリのドライブを右クリックする
- 「BitLockerの管理」をクリックする
- 「BitLockerを無効にする」をクリックする
- 確認ダイアログで「BitLockerを無効にする」をクリックする
- 復号化処理が始まる(暗号化時と同様に時間がかかる)
- 「復号化が完了しました」と表示されれば暗号化の解除完了

企業での活用例
情報セキュリティポリシーへの組み込み
企業では、USBメモリの使用に関するセキュリティポリシーとしてBitLocker To Goを活用できます。
| 場面 | 活用方法 |
|---|---|
| 外出先へのデータ持ち出し | BitLocker To Goで暗号化したUSBのみ持ち出し可とするポリシー |
| 顧客データの受け渡し | 暗号化USBで渡し、パスワードは別の連絡手段(電話等)で伝える |
| テレワーク端末の管理 | 会社支給の暗号化USBで自宅PCから社内データにアクセス |
| バックアップ媒体の保護 | 外付けHDDにバックアップを取る際に暗号化で情報漏えいを防ぐ |
グループポリシーでのBitLocker To Go強制適用
企業のIT管理者は、グループポリシーを使って「BitLocker To Goで暗号化されていないUSBメモリの使用を禁止する」という設定が可能です。
- グループポリシーエディター(gpedit.msc)を開く
- 「コンピューターの構成」→「管理用テンプレート」→「Windowsコンポーネント」→「BitLockerドライブ暗号化」→「リムーバブルデータドライブ」を展開する
- 「BitLockerで保護されていないリムーバブルドライブへの書き込みアクセスを拒否する」を「有効」に設定する
よくある質問(FAQ)
Q1. パスワードを忘れてしまいました。どうすればいいですか?
A. 回復キーを使用することでロックを解除できます。回復キーはBitLocker設定時にMicrosoftアカウント・ファイル・印刷のいずれかで保存したものです。Microsoftアカウントに保存した場合は、account.microsoft.com/devices/recoverykey から確認できます。回復キーも紛失した場合、残念ながらデータへのアクセス手段はありません。
Q2. 暗号化するとUSBメモリの容量は減りますか?
A. 暗号化自体によって保存できるデータ量が大幅に変わることはありません。ただし、BitLocker To Goはドライブに少量の管理情報を書き込むため、数MB程度の領域を使用します。
Q3. 暗号化するとUSBメモリの読み書きが遅くなりますか?
A. 暗号化・復号化の処理が加わるため、理論上は若干遅くなりますが、現代のPCではほとんど体感できないレベルです。ただし、非常に古いPCや性能の低いPCでは差を感じることがあります。
Q4. スマートフォンからBitLocker暗号化USBにアクセスできますか?
A. AndroidまたはiOSから直接BitLocker暗号化ドライブを読み取ることは標準ではできません。一部のサードパーティアプリが対応していることがありますが、公式にはサポートされていません。
Q5. BitLocker To Goを使用するのにMicrosoftアカウントは必要ですか?
A. Microsoftアカウントは必須ではありません。回復キーのバックアップ方法として「ファイルに保存」「印刷する」を選択すれば、ローカルアカウントでも使用できます。ただし、Microsoftアカウントに保存するとオンラインから回復キーを確認できるため、紛失リスクが減ります。
Q6. 暗号化中にUSBを抜いてしまいました。データは消えますか?
A. 暗号化処理の途中でUSBを抜くと、データが破損する可能性があります。再度接続した場合、BitLockerが暗号化の再開を提案することがありますが、データの保全は保証されません。暗号化中は必ずUSBを抜かないようにしてください。
まとめ
BitLocker To Goは、Windowsに標準搭載されたUSBメモリ・外付けドライブの暗号化機能で、情報漏えいを防ぐための重要な機能です。
- 対応エディション:Windows 10/11 Pro / Enterprise / Education(Homeは読み取りのみ)
- 暗号化手順:USBを右クリック→BitLockerを有効にする→パスワード設定→回復キー保存→暗号化開始
- パスワード忘れ対策:回復キーをMicrosoftアカウント・ファイル・印刷で必ずバックアップ
- 別PCでの使用:Windowsはパスワードで開ける・MacはサードパーティSWが必要
- 解除方法:USBを右クリック→BitLockerの管理→BitLockerを無効にする
- 企業活用:グループポリシーで暗号化されていないUSBの使用を禁止できる
USBメモリや外付けドライブに大切なデータを入れて持ち運ぶ機会がある方は、ぜひBitLocker To Goを活用してデータを守りましょう。
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