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Wi-Fiルーターのファームウェア更新で改善される5つの問題

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Wi-Fiルーターのファームウェア更新で改善される5つの問題

※「遅い・不安定・切れる」は、設定ではなく”中身”が原因かもしれません


自宅のWi-Fiが

  • なんとなく遅い
  • ときどき途切れる
  • 昨日まで普通だったのに急に不安定

──そんなとき、多くの人が「回線が悪いのかな」「ルーターが古いのかな」と考えます。

しかし実際には、ファームウェア更新だけで一気に改善するケースが少なくありません。

ファームウェアとは、Wi-Fiルーターの中で動いている制御用のソフトウェア。スマホでいう「OSアップデート」に近い存在です。

この記事では、家庭用Wi-Fiルーターにおいてファームウェア更新で実際に改善される代表的な5つの問題を、初心者にもわかる形で解説します。


そもそもファームウェア更新って何?

Wi-Fiルーターは、購入した瞬間が完成形ではありません。発売後も、メーカーは次のような理由でアップデートを続けています。

  • 実際の家庭環境で見つかった不具合の修正
  • スマホ・PC・家電の新機種への対応
  • セキュリティ上の欠陥(脆弱性)の修正
  • 新機能の追加や性能改善

ファームウェアを車に例えると

ファームウェアは、車でいう「エンジン制御プログラム」のようなものです。車体(ハードウェア)は同じでも、プログラムを更新することで燃費が良くなったり、加速がスムーズになったりします。

Wi-Fiルーターも同じで、本体は変わらなくても、中のプログラムを更新するだけで性能や安定性が向上します。

主要メーカーの対応状況

バッファロー、NEC、TP-Link、ASUS──これら主要メーカーの更新履歴を見ると、性能・安定性・安全性の改善が中心であることが分かります。

特に2024年以降、Wi-Fi 6E/7対応ルーターでは頻繁にファームウェア更新が行われており、購入時より快適になるケースも珍しくありません。


改善される問題①:Wi-Fiが突然遅くなる・速度が安定しない

よくある症状

  • 夜だけ遅くなる
  • スピードテストの数値が毎回違う
  • 5GHzなのに2.4GHzより遅い
  • 動画が途中で止まる

これらは電波の問題ではなく、制御ロジックの不具合であることが多いです。

ファームウェア更新で何が直る?

ファームウェア更新により、以下のような改善が行われます。

帯域制御(QoS)の誤動作修正 特定の端末が帯域を独占してしまう問題を解消し、複数デバイスでの同時利用時も安定します。

混雑時のパケット処理改善 Google Nest Wifiでは2024年のアップデートで「ビデオ会議トラフィックの自動検出・最適化」機能が追加され、Zoom、Teams、Webexなどの通話品質が大きく向上しました。

チャンネル幅の動的調整 Wi-Fi 7対応ルーターでは、ファームウェア更新により4096-QAMサポートやMLO(Multi-Link Operation)の処理が最適化され、理論値だけでなく実測値でも速度が改善されています。

実際の改善事例

ASUS RT-AX92Uでは、あるファームウェアバージョンでインターネット速度が大幅に低下する不具合が発生しましたが、次のバージョンで修正された結果、Wi-Fi速度が90Mbpsから450Mbpsに回復したケースが報告されています(約5倍の改善)。

結果として、**「最大速度」よりも「体感の安定性」**が大きく改善します。


改善される問題②:Wi-Fiが頻繁に切断される・再接続が必要

よくある症状

  • スマホが勝手にモバイル通信に切り替わる
  • Zoom中に一瞬落ちる
  • 朝起きるとWi-Fiにつながっていない
  • メッシュWi-Fiで部屋を移動すると切れる

原因

  • DHCP(IPアドレス配布)の不具合
  • スリープ復帰時の処理ミス
  • 端末数増加による管理テーブルの破綻
  • メッシュネットワークのローミング制御の問題

ファームウェア更新の効果

メッシュネットワークの最適化 Google Nest Wifi Proでは、2024年12月のファームウェアで「Wi-Fiメッシュ接続の安定性向上」と「メッシュAPとポイント間のローミング時の切り替え速度改善」が実現されました。

DFS問題の解消 5GHz帯のDFS(Dynamic Frequency Selection)機能により、レーダー検知時に1〜10分間のWi-Fi切断が発生する問題がありました。ASUSやLinksysではファームウェア更新でDFSのON/OFF設定が追加され、ユーザーが自分の環境に合わせて制御できるようになっています。

AiMesh安定性の向上 ASUS AiMeshでは「メッシュノード間の接続安定性最適化」が最新ファームウェアで実施され、異なるファームウェアバージョン間での互換性問題も解消されています。

ファームウェア更新で**「つながっているはずなのに通信できない」状態が大幅に減ります。**


改善される問題③:特定の端末だけつながらない・相性問題

典型例

  • iPhoneはOK、Androidだけ不安定
  • 新しいスマホだけ接続できない
  • スマート家電が頻繁にオフラインになる
  • Wi-Fi 6E/7ルーターに古いデバイスがつながらない

なぜ起きる?

Wi-Fi規格は同じでも、端末側の実装(省電力制御・高速ローミングなど)が異なるためです。特に新しいスマートフォンやIoTデバイスは、ルーター発売時には存在していなかった機能を使うことがあります。

ファームウェア更新で改善されること

新端末向けの互換性調整 Samsung Galaxy S24では、TP-Link Archer BE550/BE800で発生していた「MLO切断問題」がファームウェア更新で修正されています。

WPA3/最新暗号方式への対応 ASUSでは「IoTデバイスとWPA2/WPA3ネットワークの互換性問題」を修正し、Wi-Fi 7ルーターでは「WPA3非対応の古いIoTデバイス」向けに専用IoTネットワーク(WPA2)を自動作成する機能が追加されました。

IoT機器向けの安定化 TP-Link Deco X4300 Proでは「多数のTapoデバイス接続時にサテライトDecoがオフラインになる」バグが修正され、Matter Protocol対応もDeco BE63、BE85などに追加されています。

「相性が悪い」は実は過去の話になるケースも多いのです。


改善される問題④:セキュリティの穴(気づかないうちに危険)

これは最も重要ですが、最も軽視されがちなポイントです。

更新しないと起きうること

  • ルーターを踏み台に不正通信
  • DNS書き換えによる偽サイト誘導
  • 自宅ネットワークへの侵入
  • ボットネットへの組み込み

2024年に実際に起きた被害事例

バッファロー製ルーターのボットネット感染(2024年5月) 情報通信研究機構(NICT)が、国内で約50台以上のバッファロー製ルーターがボットネットに感染していることを確認しました。感染条件は「Web設定画面のパスワードが工場出荷時のまま」または「推測しやすい文字列」で、感染したルーターはDDoS攻撃の踏み台として悪用されていました。

Quad7ボットネット(2024年9月) TP-Link製ルーターを標的とした「Quad7ボットネット」が発見され、数千のIPアドレスを使用してMicrosoft 365アカウントへのパスワードスプレー攻撃を実行していました。米国CISAは連邦機関に緊急修正を要求しています。

2024-2025年に発見された深刻な脆弱性

NEC Atermシリーズ(2024年) 59製品に影響する脆弱性群が公表され、CVE-2024-28014(CVSSスコア8.8)のバッファオーバーフローにより任意コード実行が可能な状態でした。

ASUSルーター(2024年) CVE-2024-3080(CVSSスコア9.8)という極めて深刻な認証バイパス脆弱性が発見され、RT-AX88U、RT-AX58U、RT-AC86Uなど人気7モデルが影響を受けました。この脆弱性により、リモート攻撃者が認証なしでルーターにログインできる状態でした。

TP-Link(2024-2025年) CVE-2024-21833(CVSSスコア8.8)がArcher AX3000やDeco X50などに影響し、OSコマンドインジェクションによる遠隔操作が可能でした。

Buffalo(2024年) CVE-2024-23486(パスワード平文保存)とCVE-2024-26023(OSコマンドインジェクション)がWSR-1166DHP、WSR-2533DHPなど7機種で公表されました。

メーカー更新の実態

多くのファームウェア更新は、具体的な脆弱性内容をあえて詳しく書いていません。

理由は簡単で、「詳細を書く=攻撃方法を公開する」ことになるからです。

👉 更新通知が来たら”危険が見つかった”サインだと思ってOKです。


改善される問題⑤:ルーター再起動が必要になる不具合

こんな経験ありませんか?

  • 数日に1回、電源を抜かないと直らない
  • 家族に「またWi-Fi落ちてる」と言われる
  • 夏場や夜に不調が増える

正体は?

  • メモリリーク(使用メモリが徐々に増え続ける)
  • 長時間稼働による処理詰まり
  • ログ肥大化による内部エラー
  • 熱暴走による処理能力低下

更新後の効果

ファームウェア更新で**「何週間も再起動不要」になるケースは非常に多い**です。

NETGEAR WAX628では「メモリリーク修正」が明記されたファームウェアがリリースされており、長期稼働時の安定性が大幅に改善されています。


実際にファームウェアを更新する方法

ここからは、実際の更新手順をメーカー別に解説します。初心者の方でも迷わないよう、できるだけ具体的に説明します。

更新前の準備(全メーカー共通)

1. 設定のバックアップを取る 管理画面の「管理」「メンテナンス」「システム」等のメニューから「設定の保存」「バックアップ」を選択し、設定ファイルをPCにダウンロードします。

2. 確認事項

  • 現在のファームウェアバージョンをメモ
  • ルーターの型番・ハードウェアバージョンを確認(V1、V2は別物扱い)
  • 安定した電源を確保(壁のコンセントに直接接続)
  • 可能であればLANケーブルで有線接続
  • 雷雨時は避ける

Buffalo(バッファロー)の更新手順

管理画面へのアクセス ブラウザで http://192.168.11.1/ にアクセス(ユーザー名:admin、パスワード:password または本体側面のセットアップカード記載)

更新手順

  1. 「詳細設定」→「管理」→「ファームウェア更新」を選択
  2. 「オンラインバージョンアップ(自動更新)」にチェック
  3. 「更新実行」をクリックし、最新バージョンを選択
  4. DIAGランプが点滅→消灯まで約5分待機(絶対に電源を切らない)
  5. 「ステータス」→「システム」でバージョン確認

自動更新の設定

  • 「重要な更新のみを行う」:セキュリティ脆弱性等の重要更新のみ自動適用(推奨)
  • 「全ての更新を行う」:新ファームウェアリリース時すべて自動適用

NEC(Atermシリーズ)の更新手順

管理画面へのアクセス ブラウザで http://192.168.10.1/ または http://aterm.me/ にアクセス(ユーザー名:admin、パスワード:本体ラベルの「Web PW」)

更新手順

  1. ホーム画面→「メンテナンス」→「ファームウェア更新」選択
  2. 「確認/更新」ボタンをクリック
  3. 最新バージョン情報取得後「最新バージョンへ更新」をクリック
  4. 更新完了まで待機(電源を切らない)
  5. 自動再起動後、バージョン確認

自動更新機能 対応機種(WX11000T12、WX7800T8、WX5400HPなど)では「時刻指定バージョンアップ機能」を有効化可能。設定時刻から30分以内に自動更新が実行されます。

重要な変更 2025年12月1日より、NECのサポート期間が「販売終了から約5年」から**「約3年に短縮」**されます。

TP-Link(Decoシリーズ・Archerシリーズ)の更新手順

Decoアプリからの更新(推奨)

  1. Decoアプリにログイン→「もっと」→「システム」→「Decoのアップデート」
  2. 現在のファームウェアバージョンを確認
  3. 「ファームウェアのダウンロード」をタップ
  4. ダウンロード完了後「インストール」をタップ
  5. Decoが自動再起動し更新完了

Web管理画面からの更新 http://tplinkdeco.net にアクセスし、「Advanced」→「System」→「Firmware Upgrade」から.binファイルをアップロード(約5-7分で完了)

注意点 ファームウェアは地域別(EU/US/JP等)で異なり、日本向け専用バージョンが存在します。異なる地域のファームウェアを使用すると保証対象外となります。

ASUS(RT・ZenWiFi・TUFシリーズ)の更新手順

ASUS Router Appからの更新(推奨)

  1. アプリを起動しルーターに接続
  2. 「設定」→「ファームウェアバージョンを確認」をタップ
  3. 新バージョン検出時「今すぐ更新」をタップ
  4. 約3分で更新完了・自動再起動

ASUSWRT管理画面からの更新 http://www.asusrouter.com にアクセスし、「管理」→「ファームウェア更新」→「自動ファームウェア更新をON」に設定。更新時間を深夜に設定することを推奨します。

AiMeshシステムの場合 メインルーターとノード両方の更新が必要で、ノードのファームウェアはメインルーターの管理画面から確認・更新可能です。

NETGEAR(Nighthawk・Orbiシリーズ)の更新手順

アプリからの更新(推奨)

  1. Nighthawk/Orbiアプリを起動しルーターにログイン
  2. 「Settings」→「Router Settings」→「Check for Updates」
  3. 「Update Firmware」表示時はタップして更新
  4. 再起動で完了

Web管理画面からの更新 http://orbilogin.com または http://www.routerlogin.net にアクセスし、「ADVANCED」→「Administration」→「Firmware Update」から「Check」→「Update All」を実行。

Orbiサテライトの更新順序 手動更新時はサテライトを先に更新し、その後ルーターを更新する必要があります。


更新時の注意点とトラブルシューティング

更新中に絶対にやってはいけないこと

  • 電源を切る(文鎮化の最大原因)
  • LANケーブルを抜く
  • ブラウザを閉じる・他のページに移動する
  • Wi-Fi接続を手動で切断する
  • ルーターを操作・移動する

更新時間の目安

  • オンライン更新:3〜10分程度
  • 手動更新:2〜5分程度
  • 再起動完了:さらに1〜3分
  • 全体で5〜15分を見込む

もしトラブルが起きたら

更新後にインターネットに接続できない場合

  1. ルーターの電源を5分間オフにして再起動
  2. モデム/ONU→ルーターの順に電源を入れ直す
  3. それでもダメなら、ルーターを工場出荷時にリセット
  4. ISP接続設定を再入力(PPPoE IDとパスワード)

設定がリセットされた場合 管理画面にアクセスし(初期ID:admin、初期PW:password等)、バックアップファイルがあれば復元を試みます。復元できない場合は手動で再設定が必要です。

最悪の場合(文鎮化) 各メーカーは「リカバリーモード」を用意しています。ASUSなら「Firmware Restorationユーティリティ」、TP-Linkなら「リカバリーモード」を使用します。詳しい手順はメーカーサポートサイトを参照してください。


初心者向け:ファームウェア更新は怖くない?

結論から言うと、ほぼ怖くありません。

安全に行うコツ

  • 更新中は電源を切らない(これだけ守れば99%大丈夫)
  • 夜間や家族利用が少ない時間帯に実施
  • 管理画面 or 公式アプリから実行
  • 可能であれば有線接続で

最近の家庭用ルーターは、失敗しにくい・自動復旧しやすい設計になっています。

自動更新 vs 手動更新

家庭用には自動更新を推奨

  • 設定不要で常に最新
  • セキュリティリスクを最小化
  • 更新忘れがない

ただし企業用や特殊環境では手動更新

  • 業務時間中の予期せぬ再起動を防止
  • 新ファームウェアをテスト環境で検証後に適用可能
  • 変更管理プロセスに従った計画的な更新

サポート期間について知っておくべきこと

ファームウェア更新は永遠に提供されるわけではありません。

メーカー サポート期間 備考
Buffalo 製品により異なる 明確な統一期間の公表なし
NEC Aterm 販売終了から約5年→2025年12月より約3年に短縮 業界で初めて期間短縮を発表
ASUS 明確な期限なし 2013年発売RT-AC68Uでも2023年にファームウェア提供実績
TP-Link 製品により異なる 人気モデルは長期サポート傾向

サポート終了製品は脆弱性が修正されないため、速やかな買い替えを推奨します。


まとめ:Wi-Fiが不調なら「買い替え前に更新」を

最後に要点だけまとめます。

Wi-Fiの不調は故障とは限らない

ファームウェア更新で

  1. 速度の安定性
  2. 接続の安定性
  3. 端末との互換性
  4. セキュリティ
  5. 再起動問題

がまとめて改善することがあります。

買い替え前に”無料でできる最優先対策”

  • 2024-2025年は特に重要な脆弱性が多数発見されている
  • 国内でも実際に被害が発生している
  • 更新は思ったより簡単で、失敗リスクも低い
  • 自動更新をONにすれば、あとは放置でOK

推奨される更新頻度

  • 家庭用:3〜6ヶ月に1回の確認(または自動更新の有効化)
  • 重要なセキュリティ更新:発表されたら即座に適用

もし今、「Wi-Fiがなんとなく不満」なら、まずはルーターの管理画面を一度だけ開いてみてください。

それだけで、環境がガラッと変わるかもしれません。


参考情報・サポート窓口

各メーカーのサポートサイトでは、最新のファームウェア情報やセキュリティ情報を確認できます。

セキュリティ情報については、以下のサイトも参考になります。


執筆時点(2026年1月)での情報をもとに作成しています。最新情報は各メーカー公式サイトをご確認ください。

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