※本ページにはプロモーション(広告)が含まれています
MacのネットワークツールとNetwork Utilityを使いこなす
Macには、ネットワークの問題を診断・解決するための強力なツールが標準で搭載されています。「インターネットが遅い」「特定のサイトにつながらない」「Wi-Fiが不安定」といった問題を自分で調査できれば、問題解決のスピードが大幅に上がります。
この記事では、macOSに搭載されているネットワーク診断ツールの使い方を、初心者でもわかるよう丁寧に解説します。
- ワイヤレス診断ツールの使い方
- ネットワーク診断(アシスタント)の実行方法
- ターミナルでのPing・traceroute・ポートスキャンの使い方
- Wi-Fi診断と電波状況の確認方法
- ネットワーク問題の切り分け手順
- Network Utility(旧ツール)の代替方法
macOS Monterey(12.0)以降、従来の「Network Utility.app」は廃止されました。この記事では、同等の機能をターミナルや代替ツールで実現する方法も合わせて解説します。

ネットワーク診断(接続アシスタント)を使う
最もシンプルな方法は、macOSに内蔵された「ネットワーク診断」機能を使うことです。問題を自動検出して解決策を提案してくれます。
起動方法1:Wi-Fiメニューから起動
ステップ1:メニューバーのWi-Fiアイコンをクリックします
ステップ2:「ネットワーク診断を実行…」をクリックします
ステップ3:ウィザードに従って診断を進めます
起動方法2:システム設定から起動
ステップ1:Appleメニュー →「システム設定」(macOS Ventura以降)または「システム環境設定」を開く
ステップ2:「ネットワーク」をクリック
ステップ3:問題のある接続を選択し、詳細ボタンから「診断」をクリック
起動方法3:Spotlightから起動
Command(⌘)+ スペースキーでSpotlightを開き、「ネットワーク診断」と入力して起動できます。
診断結果の見方
ネットワーク診断では、各ネットワーク層を順番にチェックします。
| チェック項目 | 緑(正常) | 赤(問題あり)の意味 |
|---|---|---|
| Wi-Fi | Wi-Fi接続OK | Wi-Fiに接続できていない |
| ネットワーク設定 | IPアドレス取得OK | IPアドレスが取得できていない |
| ISP | インターネットプロバイダとの接続OK | プロバイダに接続できていない |
| インターネット | インターネット全体の接続OK | インターネットに接続できない |
| サーバ | Appleサーバとの通信OK | 特定サーバへの接続問題 |
ワイヤレス診断ツールを使う
Wi-Fiの詳細な診断には「ワイヤレス診断」ツールが非常に役立ちます。電波の強度・干渉・チャンネルの混雑状況などを詳しく調べられます。
ワイヤレス診断の起動方法
ステップ1:Optionキーを押しながらメニューバーのWi-Fiアイコンをクリック
ステップ2:「ワイヤレス診断を開く…」をクリック
または、Spotlightで「ワイヤレス診断」と検索して起動できます。
ワイヤレス診断の主要機能
ワイヤレス診断ツールのメニューバーから「ウィンドウ」をクリックすると、さまざまな詳細パネルにアクセスできます。
- スキャン:周辺のWi-Fiネットワーク一覧、チャンネル、電波強度を表示
- パフォーマンス:リアルタイムのWi-Fi速度、信号強度、ノイズレベルをグラフ表示
- 情報:現在接続しているWi-Fiの詳細情報(MACアドレス、チャンネル、セキュリティ方式など)
- ログ:Wi-Fi接続のログを記録して問題を特定

ターミナルでPingを使って接続確認をする
Pingは、特定のホスト(サーバーやルーター)に小さなデータパケットを送って応答時間を測定するコマンドです。接続の可否と速度を確認できます。
Pingの基本的な使い方
ステップ1:Finder →「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「ターミナル」を起動(またはSpotlightで「ターミナル」と検索)
ステップ2:以下のコマンドを入力してEnterキーを押します
ping google.com
ステップ3:結果を確認します。Ctrl + C で停止できます。
Pingの結果の見方
PING google.com (142.250.206.46): 56 data bytes 64 bytes from 142.250.206.46: icmp_seq=0 ttl=116 time=8.234 ms 64 bytes from 142.250.206.46: icmp_seq=1 ttl=116 time=7.891 ms --- google.com ping statistics --- 2 packets transmitted, 2 packets received, 0.0% packet loss round-trip min/avg/max/stddev = 7.891/8.062/8.234/0.172 ms
| 項目 | 意味 | 判断基準 |
|---|---|---|
| time(応答時間) | パケットが往復する時間(ミリ秒) | 20ms以下:良好、100ms以上:遅い |
| packet loss | 送信したパケットが届かなかった割合 | 0%:正常、1%以上:問題あり |
| Request timeout | 応答がなかった(接続できない) | 接続またはファイアウォールの問題 |
よく使うPingコマンド例
# ルーター(デフォルトゲートウェイ)への接続確認 ping 192.168.1.1 # GoogleのDNSサーバーへの接続確認 ping 8.8.8.8 # 5回だけ送信する ping -c 5 google.com
tracerouteでネットワーク経路を調査する
tracerouteは、自分のMacからターゲットホストまでの通信経路(ルート)を追跡するコマンドです。どこで遅延や障害が発生しているかを特定できます。
tracerouteの使い方
traceroute google.com
tracerouteの結果の見方
traceroute to google.com (142.250.206.46), 64 hops max 1 192.168.1.1 (192.168.1.1) 1.234 ms 0.987 ms 1.012 ms 2 10.0.0.1 (10.0.0.1) 8.456 ms 7.923 ms 8.102 ms 3 * * * 4 142.250.206.46 (142.250.206.46) 9.234 ms
- 各行がネットワークの「ホップ(中継点)」を表します
- 最初の行(192.168.1.1)は通常ルーターです
* * *は応答がなかった中継点(ファイアウォールで遮断されている場合が多い)- 特定のホップで急に時間が増えている場合、そこに遅延の原因がある可能性があります
ncコマンドでポートスキャンをする
macOS Monterey以降では従来のNetwork UtilityのPortScanが使えなくなりましたが、ターミナルのnc(netcat)コマンドで同等のことができます。
特定のポートが開いているか確認する
# ポート80(HTTP)が開いているか確認 nc -zv google.com 80 # ポート443(HTTPS)が開いているか確認 nc -zv google.com 443
「Connection to google.com port 80 [tcp/http] succeeded!」と表示されれば、そのポートは開いています。

nslookupでDNS解決を確認する
「特定のサイトだけつながらない」という場合、DNS(ドメイン名解決)の問題であることがあります。
# ドメインのIPアドレスを確認 nslookup google.com # 特定のDNSサーバーを使って確認(Googleの公開DNS使用) nslookup google.com 8.8.8.8
ネットワーク問題の切り分け手順
ネットワーク問題を効率よく解決するには、問題の場所を段階的に絞り込むことが重要です。
切り分けのステップ
ステップ1:ルーターへの接続確認
まずルーターのIPアドレスにPingを送ります。応答があれば、MacとルーターはOKです。
ping 192.168.1.1
ステップ2:インターネット接続確認
GoogleのDNS(8.8.8.8)にPingを送ります。応答があればインターネット回線はOKです。
ping 8.8.8.8
ステップ3:DNS解決の確認
ドメイン名でPingを送ります。応答があればDNSもOKです。
ping google.com
ステップ4:特定サイトの問題確認
問題のあるサイトに直接Pingまたはtracerouteを実行します。
切り分け結果の判断
| ルーターPing | 8.8.8.8 Ping | ドメインPing | 問題の場所 |
|---|---|---|---|
| 失敗 | 失敗 | 失敗 | Mac〜ルーター間の問題(Wi-Fi、ケーブル) |
| 成功 | 失敗 | 失敗 | ルーター〜インターネット間(ISPの問題) |
| 成功 | 成功 | 失敗 | DNSの問題(DNS設定を変更) |
| 成功 | 成功 | 成功 | 特定サイトの問題またはブラウザの問題 |
よくある質問(FAQ)
Q1. Network Utilityが使えなくなりましたが、代替方法はありますか?
macOS Monterey以降でNetwork Utilityは廃止されましたが、この記事で紹介したターミナルコマンド(ping、traceroute、nc、nslookup)で同等の機能が使えます。また「ワイヤレス診断」アプリでWi-Fi関連の詳細診断が可能です。
Q2. tracerouteで「* * *」が多数表示されます。問題がありますか?
多くのルーターやファイアウォールはtracerouteのICMPパケットに応答しないよう設定されています。「* * *」が多くても最終的に目的のホストに到達できていれば、通信は正常です。
Q3. Pingの応答時間が高い場合、どうすれば改善できますか?
ルーターとの距離を縮める、Wi-Fiチャンネルの混雑を避ける(ワイヤレス診断のスキャン機能で確認)、LANケーブルに切り替える、などが有効です。ISP側の問題の場合はプロバイダに問い合わせてください。
Q4. 自分のMacのIPアドレスを確認する方法は?
ターミナルで ifconfig en0(Wi-Fi)または ifconfig en1(イーサネット)と入力すると確認できます。また設定 →「ネットワーク」→ 接続中のネットワークをクリックしても確認できます。
まとめ
Macのネットワーク診断は、内蔵ツールとターミナルコマンドを組み合わせることで、ほとんどの問題を自分で切り分けることができます。
- ネットワーク診断:まず最初に試すシンプルな自動診断
- ワイヤレス診断:Wi-Fiの詳細な電波・干渉状況を確認
- ping:接続の可否と応答時間を確認
- traceroute:どこで遅延・障害が起きているか追跡
- nc:特定ポートの開放状況を確認
- nslookup:DNSの動作確認
問題が発生したら、まずルーター→インターネット→DNSの順に切り分けを行い、問題の場所を特定してから対処することで、効率よく解決できます。
minto.tech スマホ(Android/iPhone)・PC(Mac/Windows)の便利情報をお届け! 月間アクセス160万PV!スマートフォン、タブレット、パソコン、地デジに関する素朴な疑問や、困ったこと、ノウハウ、コツなどが満載のお助け記事サイトはこちら!