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パソコンの電源を入れるたびに日付や時刻がリセットされる、BIOS設定が初期化される、起動時にエラーメッセージが表示される――こうした症状に心当たりはありませんか?これらの原因として多いのが、CMOSバッテリー(マザーボード電池)の消耗です。
CMOSバッテリーはパソコンの内部にある小さなボタン電池で、電源がオフの間もBIOS設定や日時情報を保持する役割を持っています。この電池は一般的に3〜5年で寿命を迎えますが、交換作業は比較的簡単で、自分で行うことができます。
この記事では、CMOSバッテリーの基礎知識から交換手順、交換後のBIOS再設定まで、初心者の方でも安心して作業できるよう写真付きで分かりやすく解説します。
この記事でわかること
- CMOSバッテリーの役割と仕組み
- 交換が必要な症状のチェックリスト
- バッテリー型番の確認方法
- デスクトップPCでの交換手順(ステップ形式)
- ノートPCの場合の対処法
- 交換後のBIOS設定の復元方法

CMOSバッテリーとは?役割と仕組み
CMOSバッテリーの基本
CMOSバッテリー(シーモス バッテリー)とは、パソコンのマザーボード上に装着されている小さなボタン型のリチウム電池です。正式には「リアルタイムクロック(RTC)バッテリー」とも呼ばれます。
CMOSは「Complementary Metal-Oxide-Semiconductor」の略で、マザーボード上のCMOS-RAMという小さなメモリに電力を供給するための電池です。このメモリには以下の情報が保存されています。
- 日付と時刻の情報
- BIOS/UEFI設定(起動順序、CPUクロック、メモリ設定など)
- ハードウェア構成の情報
- パスワード(BIOS起動パスワードを設定している場合)
パソコンの電源がオフの間も、このバッテリーがCMOS-RAMに微弱な電流を流し続けることで、これらの設定情報が消えないように保持しています。
なぜCMOSバッテリーが必要なのか
パソコンの電源を切ると、マザーボード上のほとんどの部品は電力供給を受けられなくなります。しかし、日時情報やBIOS設定は電源オフの間も保持し続ける必要があるため、独立した電源としてCMOSバッテリーが使われています。
このバッテリーがなければ、パソコンを起動するたびに日時が1970年1月1日にリセットされたり、BIOS設定が工場出荷時の状態に戻ってしまったりします。
CMOSバッテリーの寿命
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 一般的な寿命 | 3〜5年(使用環境による) |
| 電池の種類 | CR2032(リチウムコイン電池)が最も一般的 |
| 電圧 | 3V(新品時) |
| 消費電力 | 非常に微弱(マイクロアンペア単位) |
| 寿命を短くする要因 | 長期間電源を入れない、高温環境での使用 |
豆知識
パソコンのACアダプターやコンセントが接続されている間は、マザーボードに微弱な待機電力が供給されるため、CMOSバッテリーの消耗は最小限に抑えられます。長期間コンセントを抜いて保管しているパソコンほど、バッテリーの消耗が早くなります。
CMOSバッテリー交換が必要なサイン
CMOSバッテリーが消耗すると、以下のような症状が現れます。1つでも当てはまる場合は、バッテリー交換を検討しましょう。
症状チェックリスト
| 症状 | 説明 | 緊急度 |
|---|---|---|
| 日付・時刻がリセットされる | 起動するたびに日時が過去の日付に戻る | 高 |
| BIOS設定が初期化される | 起動順序やファン制御などの設定が毎回リセットされる | 高 |
| 「CMOS Checksum Error」表示 | 起動時にCMOSチェックサムエラーが表示される | 高 |
| 「Press F1 to continue」表示 | 毎回F1キーを押さないと起動できない | 中 |
| 起動が遅くなった | BIOS画面の表示時間が長くなる | 低 |
| SSL証明書エラーが頻発 | 日時のズレにより、Webサイトの証明書エラーが出る | 中 |
| BIOSパスワードが無効になる | 設定したBIOSパスワードが消えている | 中 |
症状が出たらまず確認すること
上記の症状が見られた場合でも、必ずしもCMOSバッテリーが原因とは限りません。交換作業の前に、以下を確認してください。
- Windowsの時刻同期設定を確認:「設定」→「時刻と言語」→「日付と時刻」→「時刻を自動的に設定する」がオンになっているか確認
- インターネット接続を確認:時刻同期にはインターネット接続が必要
- パソコンの使用年数を確認:購入から3年以上経過していればバッテリー消耗の可能性が高い
- 長期間使用していなかったか:数ヶ月〜1年以上電源を入れていなかった場合、バッテリー消耗の可能性大
CMOSバッテリーの型番を確認する方法
交換用の電池を購入する前に、まず現在使われているバッテリーの型番を確認しましょう。
最も一般的な型番:CR2032
デスクトップPCのCMOSバッテリーの約90%以上がCR2032です。直径20mm、厚さ3.2mmのリチウムコイン電池で、家電量販店やコンビニでも購入できます。
まれに以下の型番が使われている場合があります。
| 型番 | 直径 | 厚さ | 使用例 |
|---|---|---|---|
| CR2032 | 20mm | 3.2mm | ほとんどのデスクトップPC |
| CR2025 | 20mm | 2.5mm | 一部のスリムPCやノートPC |
| CR2016 | 20mm | 1.6mm | 一部の薄型デバイス |
重要な注意
CR2032とCR2025は直径は同じですが厚さが異なります。マザーボードのバッテリーホルダーに合わない場合があるため、必ず元の電池と同じ型番を使用してください。型番は電池の表面に印字されています。
型番の確認方法
方法1:実際にPCを開けて確認する(最も確実)
- PCの電源を切り、電源コードを抜く
- ケースのサイドパネルを開ける
- マザーボード上のボタン電池を目視で確認する
- 電池表面に印字されている型番(CR2032など)を読み取る
方法2:マザーボードのマニュアルで確認する
- マザーボードのメーカーと型番を確認する(PCケースの側面やマザーボード上に記載)
- メーカーの公式サイトでマニュアルをダウンロードする
- 仕様の項目でCMOSバッテリーの型番を確認する
方法3:PCメーカーのサポートページで確認する
- メーカー製PCの場合、型番をメーカーサイトで検索する
- 仕様書やサポートページで使用バッテリーの情報を確認する

CMOSバッテリーの交換手順【デスクトップPC】
ここからは、デスクトップPCでのCMOSバッテリー交換手順を詳しく説明します。
交換前の準備
用意するもの:
- 新しいCMOSバッテリー(CR2032など、元と同じ型番)
- プラスドライバー(PCケースを開けるため)
- 静電気防止手袋または静電気防止リストバンド(あれば望ましい)
- スマホやカメラ(現在のBIOS設定を写真で記録するため)
交換前にBIOS設定を記録する
CMOSバッテリーを外すとBIOS設定がリセットされる場合があります。重要な設定を変更している場合は、交換前に記録しておきましょう。
- パソコンを再起動します
- 起動時に「Delete」キーまたは「F2」キーを連打してBIOS画面に入ります(メーカーによってキーが異なります)
- スマホで各設定画面を撮影して記録します
- 特に以下の項目は必ず記録してください:
- 起動順序(Boot Order)
- 日時設定
- セキュアブートの有効/無効
- RAIDやAHCIの設定(ストレージモード)
- XMPプロファイル(メモリのオーバークロック設定)
交換手順(ステップ・バイ・ステップ)
Step 1:パソコンをシャットダウンし、すべてのケーブルを外す
- パソコンを完全にシャットダウンします
- 電源ケーブルをコンセントから抜きます(非常に重要)
- モニターケーブル、USBケーブルなど、すべての周辺機器を外します
- 電源ユニットの背面スイッチがある場合はオフにします
Step 2:静電気を放電する
- 電源コードを抜いた状態で、PCの電源ボタンを5〜10秒間長押しします
- これにより、マザーボードに残った電気が放電されます
- 作業前に金属製の蛇口や大きな金属に触れて、体に帯電した静電気も放電しておきます
Step 3:PCケースのサイドパネルを開ける
- ケース背面のネジ(通常2本)をプラスドライバーで外します
- サイドパネルをスライドさせて取り外します
- マザーボードが見える側(通常は左側)のパネルを開けます
Step 4:CMOSバッテリーの位置を確認する
- マザーボード上で銀色の丸いボタン電池を探します
- 通常、グラフィックボードの下やメモリスロットの近くにあります
- 電池は金属製のクリップ(ホルダー)で固定されています
Step 5:古いバッテリーを取り外す
- バッテリーを固定しているクリップの位置を確認します
- クリップの端を爪や薄いマイナスドライバーで少し外側に押し広げます
- 電池がクリップから外れて浮き上がります
- 電池を指でつまんで取り外します
注意ポイント
クリップを強く押しすぎるとマザーボードのバッテリーホルダーが破損する恐れがあります。力を入れすぎず、ゆっくり丁寧に作業してください。
Step 6:新しいバッテリーを取り付ける
- 新しい電池の+(プラス)面を上向きにします(「CR2032」の文字が印字されている面が上)
- 電池をバッテリーホルダーに斜めから滑り込ませるように差し込みます
- 「カチッ」とクリップがはまるまで軽く押し込みます
- 電池がしっかり固定されていることを確認します
Step 7:PCケースを閉じて動作確認
- サイドパネルを元に戻し、ネジで固定します
- 電源ケーブルやモニターケーブルなどを接続します
- 電源を入れて正常に起動することを確認します
ノートPCの場合のCMOSバッテリー交換
ノートPCのCMOSバッテリー交換は、デスクトップPCと比べてやや難易度が高くなります。
ノートPCの特徴
| 項目 | デスクトップPC | ノートPC |
|---|---|---|
| バッテリーの種類 | CR2032(コイン型) | CR2032、CR2025、ケーブル付き小型電池など様々 |
| アクセスのしやすさ | サイドパネルを開けるだけ | 裏蓋全体を外す必要がある場合が多い |
| 交換難易度 | 簡単 | 中〜高(機種による) |
| メーカー保証 | 自己交換でも保証に影響しにくい | 自己分解で保証が無効になる場合がある |
ノートPCでの推奨対応
- メーカーのサポートに相談する:保証期間内であれば無償交換の可能性あり
- メーカーの修理サービスを利用する:保証期間外でも低コストで対応してもらえることが多い
- PC修理専門店に依頼する:メーカー修理が高額な場合の選択肢
- 自分で交換する場合:機種名 + 「CMOS バッテリー 交換」で検索し、分解手順を事前に確認してから作業する
ノートPCの分解に関する注意
ノートPCの分解は、フレキシブルケーブルの破損やネジの紛失、ツメの破損などのリスクがあります。分解経験がない方は、無理せずメーカーや修理業者に依頼することをおすすめします。また、保証期間内のノートPCを自分で分解すると、保証が無効になる場合がありますのでご注意ください。
交換後のBIOS設定の復元方法
CMOSバッテリーを交換した後は、BIOS設定がリセットされている場合があります。以下の手順で設定を復元しましょう。
Step 1:BIOS画面に入る
- パソコンの電源を入れます
- 起動直後にBIOS画面に入るキーを連打します
| メーカー | BIOS画面に入るキー |
|---|---|
| ASUS | Delete または F2 |
| MSI | Delete |
| Gigabyte | Delete |
| ASRock | F2 |
| HP | F10 |
| Dell | F2 |
| Lenovo | F1 または F2 |
| 富士通 | F2 |
| NEC | F2 |
| 東芝(dynabook) | F2 |
Step 2:日時を正しく設定する
- BIOS画面で「Main」タブまたは「System Time」の項目を探します
- 現在の日時を正確に設定します
- 日時はWindows起動後にインターネットと自動同期されるため、おおよそ正確であればOKです
Step 3:起動順序を確認する
- 「Boot」タブに移動します
- 起動優先順位の1番目がWindowsがインストールされているドライブになっていることを確認します
- 通常はSSDやHDD(例:「Windows Boot Manager」)が1番目です
Step 4:その他の設定を復元する
交換前に撮影した写真を参考に、必要な設定を復元します。特に以下の項目は確認してください。
- セキュアブート:Windows 11では有効が必須
- ストレージモード:AHCI(SSDの場合)またはRAID
- 仮想化技術(VT-x/AMD-V):仮想マシンを使用する場合に必要
- XMPプロファイル:メモリのオーバークロック設定を使用していた場合
Step 5:設定を保存して再起動
- すべての設定が完了したら、「Save & Exit」を選択します
- またはF10キーを押して「Save and Exit」を実行します
- パソコンが再起動し、正常にWindowsが起動すれば完了です

CMOSバッテリー交換でBIOSをリセットする方法
CMOSバッテリーの交換は、BIOSパスワードを忘れた場合やBIOS設定が原因でPCが起動しない場合のリセット手段としても使われます。
BIOSリセットの手順
- パソコンの電源を切り、電源ケーブルを抜く
- PCケースを開けてCMOSバッテリーを取り外す
- 30秒〜1分間、バッテリーを外した状態で待つ
- この間にPC電源ボタンを数回押して残留電力を放電する
- バッテリーを元に戻す(または新しいものを取り付ける)
- PCケースを閉じ、電源を入れてBIOSが初期状態に戻っていることを確認する
CMOSクリアジャンパーを使う方法(より確実)
多くのマザーボードには、CMOSクリア用のジャンパーピンが搭載されています。バッテリーを外す方法よりも確実にBIOSをリセットできます。
- マザーボード上で「CLR_CMOS」「JBAT1」「CLRTC」などの表記を探す
- 通常は2〜3ピンのジャンパーが配置されている
- 電源ケーブルを抜いた状態で、ジャンパーピンの位置を変更する(通常位置:1-2 → リセット位置:2-3)
- 10秒間その状態を維持する
- ジャンパーピンを元の位置に戻す
- 電源を入れてBIOSが初期化されていることを確認する
ジャンパーピンの位置が分からない場合
マザーボードのマニュアルに記載されています。マニュアルが手元にない場合は、マザーボードのメーカーサイトからPDF版をダウンロードして確認してください。
CMOSバッテリーに関するトラブルシューティング
交換してもエラーが消えない場合
新しいバッテリーに交換してもCMOS関連のエラーが解消しない場合は、以下の原因が考えられます。
| 原因 | 対処法 |
|---|---|
| 新しい電池が不良品 | 別の新品電池で試す。電圧計で3Vあるか確認 |
| 電池の向きが逆 | +面(文字が印字された面)を上にして取り付ける |
| バッテリーホルダーの接触不良 | クリップの接点をエアダスターで清掃する |
| マザーボード自体の故障 | マザーボードの交換が必要(修理業者に相談) |
| BIOSのファームウェア破損 | BIOSの再フラッシュ(上級者向け) |
古いバッテリーの処分方法
使用済みのCMOSバッテリー(リチウムコイン電池)は、一般ゴミとして捨ててはいけません。以下の方法で適切に処分してください。
- 家電量販店の回収ボックスに入れる
- ホームセンターの電池回収コーナーに持ち込む
- お住まいの自治体の回収ルールに従って処分する
- 廃棄時は電極部分にテープを貼って絶縁してから出す
よくある質問(FAQ)
まとめ
CMOSバッテリーの交換は、パソコンメンテナンスの中でも比較的簡単で低コストな作業です。日時がリセットされる、BIOS設定が飛ぶなどの症状が出たら、まずCMOSバッテリーの消耗を疑いましょう。
この記事のポイントをまとめると:
- CMOSバッテリーはBIOS設定と日時を保持する小さなボタン電池
- 寿命は3〜5年。時計のリセットやBIOSエラーが交換のサイン
- 型番はCR2032がほとんど。コンビニや100均でも購入可能
- デスクトップPCならドライバー1本で簡単に交換できる
- 交換前にBIOS設定を写真で記録しておくのが重要
- ノートPCの場合はメーカーサポートの利用を推奨
- 交換後は日時と起動順序の再設定を忘れずに
バッテリー交換自体は数分で完了する簡単な作業です。症状に気づいたら早めに対処して、快適なパソコンライフを維持しましょう。
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