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ネットワーク上でサーバーに対してサービスや情報を要求する側の端末・ソフトウェアを指す用語。Webブラウザ・メーラー・Outlookアプリなど、ユーザーが直接操作する利用者側のシステムが該当し、サーバーと対をなすクライアント/サーバーモデルの中核概念。
詳しい解説
クライアント(Client)は、ネットワーク通信において**サービスを提供するサーバー(Server)に対して、サービスや情報を要求する側の端末・ソフトウェア**を指すIT用語です。日本語では「利用者側」「依頼側」と訳され、サーバーと対をなす概念として、現代のあらゆるネットワークシステムの基礎を成しています。Outlookの「クライアント側ルールのみ」やリモートデスクトップ(RDP)のクライアントなど、ビジネスシーンで頻出する重要キーワードです。
## クライアント/サーバーモデルの基本構造
クライアント/サーバーモデル(Client-Server Model)は、コンピューターネットワークの最も一般的な設計思想です。①**クライアント**:ユーザーが操作するパソコン・スマートフォン・タブレット、あるいはその上で動くアプリケーション(ブラウザ・メーラー・チャットアプリなど)。②**サーバー**:データやサービスを集中管理し、クライアントからの要求に応答するコンピューターやソフトウェア。例えばWebブラウザ(クライアント)でURLを入力すると、Webサーバーに対してHTTPリクエストが送信され、サーバーがHTMLを返してブラウザが画面表示する——この一連の流れがクライアント/サーバー通信です。Outlook(クライアント)とExchange Server(サーバー)、Microsoft Teams(クライアント)とTeamsサービス、いずれもこのモデルで動作しています。
## シッククライアントとシンクライアント
クライアントには、処理能力の配分によって2種類の形態があります。①**シッククライアント(Thick Client / Fat Client)**:クライアント側にアプリケーションの大部分をインストールし、ローカルで処理を完結させる方式。Outlookデスクトップ版、Excel、Photoshopなどが該当。動作が高速で、オフラインでも一部機能が使えるのが利点。②**シンクライアント(Thin Client)**:クライアントは画面表示と入力のみを担当し、処理の大半はサーバー側で実行する方式。Webブラウザで動くGmail・Outlook on the web・Microsoft 365 Webアプリなどが代表例。端末のスペックが低くても利用でき、管理が容易で情報漏洩リスクが低いため、企業導入が増えています。リモートデスクトップ(RDP)やCitrixも広義のシンクライアント方式です。
## Outlookにおける「クライアント側ルール」
Outlookの仕分けルール設定で頻繁に登場する「クライアント側のみ」という表記は、**そのルールがOutlookアプリ起動中のみ動作する**ことを意味します。これに対し「サーバー側ルール」は、Exchange Server上で常時動作し、Outlookを起動していなくてもメールを自動仕分けします。サーバー側ルールはOutlook on the webやスマホのOutlookアプリでも同じ仕分けが適用されますが、クライアント側ルールは特定のPCのOutlookでしか機能しません。「ローカルフォルダーへの移動」「特定の音を鳴らす」「メッセージを印刷する」といったPC固有の動作を含むルールは、自動的にクライアント側ルールになります。複数端末でメールを使う場合、可能な限りサーバー側ルールで設定するのが運用上のベストプラクティスです。
## 代表的なクライアントソフトウェア
①**Webブラウザ**:Chrome・Edge・Safari・Firefox。HTTPサーバーに対するクライアントとして動作。②**メーラー(メールクライアント)**:Outlook・Thunderbird・Apple Mail・iPhoneメール。SMTP/IMAP/POP3サーバーに接続。③**RDPクライアント**:Windowsリモートデスクトップ接続、Macの「Microsoft Remote Desktop」。RDPサーバー(リモートPC)に接続。④**FTPクライアント**:FileZilla・WinSCP。FTPサーバーへのファイル転送に使用。⑤**SSHクライアント**:Tera Term・PuTTY・OpenSSH。SSHサーバーへのリモートログインに使用。⑥**チャットクライアント**:Slack・Teams・Discord・LINEアプリ。各サービスのサーバーと通信。⑦**データベースクライアント**:MySQL Workbench・SQL Server Management Studio。DBサーバーへのクエリ送信に使用。
## ベストプラクティスと注意点
①**クライアントは常に最新版に保つ**:古いクライアントはセキュリティ脆弱性を抱えていたり、新しいサーバー仕様に対応できない場合がある。Outlookの自動更新、ブラウザの自動アップデートを有効化する。②**サーバー側でできることはサーバー側で**:Outlookのルールは可能な限りサーバー側に設定し、複数端末で一貫した動作を確保する。③**シンクライアント環境ではネットワーク必須**:Webアプリやリモートデスクトップはオフラインで使えないため、ネットワーク障害時の代替手段を用意する。④**ファイアウォール設定の確認**:クライアントからサーバーへの通信が企業ファイアウォールで遮断されるケースがある。IT管理者に必要なポート(HTTPSの443、IMAPの993など)の開放を依頼する。⑤**認証情報の保護**:クライアントに保存されたパスワードやトークンが漏洩するとサーバーへの不正アクセスにつながるため、デバイスのロック、暗号化、多要素認証(MFA)を必ず設定する。
Outlook 365で受信メールを自動仕分けするルールを作成しようとしたら、「このルールはクライアント側のみで実行されます」と表示されることがあります。これは、設定したルールがOutlookデスクトップアプリの起動中のみ動作することを意味し、Outlook on the webやスマホのOutlookアプリでは同じ仕分けが適用されません。例えば「特定の差出人からのメールをローカルPCのフォルダに移動」というルールは、ローカルフォルダがPC固有のためクライアント側ルールになります。複数端末で同じ仕分けを実現したい場合は、「Exchange Server上のフォルダ(サーバー側フォルダ)」を移動先に指定することで、サーバー側ルールに切り替えることができ、Outlookを閉じていてもメール受信時に自動的に振り分けられるようになります。同様に、Windows標準のリモートデスクトップ接続もRDPクライアントの一種で、社外のPC(クライアント)から社内のサーバーPCに接続して操作する場面で活用されています。
別の呼び方
クライアント側
利用者側
クライアントPC
クライアントソフトウェア
クライアントアプリ
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