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【2026年最新版】Wordの変更履歴(トラックチェンジ)を使いこなす完全ガイド
「上司から文書の修正依頼が来たが、どこを変えたかわからなくなった」「複数人で文書を編集していて、誰がどこを変えたのか把握できない」「変更履歴を残したまま誤って取引先に送ってしまった」——Wordを使って共同作業をする中で、こうした困りごとを経験したことはないでしょうか。
Wordの変更履歴(トラックチェンジ)機能は、文書の編集内容を色付きでマーキングし、あとから一つひとつ承認・却下できる共同作業向けの機能です。学術論文の査読、ビジネス文書の校正、契約書の修正確認など、多くの場面で欠かせないツールとなっています。
本記事では、変更履歴の有効化から各種表示設定、承認・却下の操作、コメント機能、文書比較、そして「変更履歴が残ったまま送信してしまう」というリスクへの対策まで、完全に解説します。

この記事でわかること
- 変更履歴(トラックチェンジ)の仕組みと基本的な有効化方法
- 挿入・削除・書式変更の表示方法と切り替え
- 吹き出し(バルーン)表示の設定方法
- 変更の承認・却下(1件ずつ・全件一括)の操作
- コメントの追加・返信・解決マーク
- 特定の人の変更だけを表示するフィルタリング
- 2つの文書を比較して差分を自動検出する方法
- 最終版として送付する前の変更履歴削除の手順
- 個人情報漏洩リスクと対策
Wordの変更履歴機能とは
変更履歴(英語ではTrack Changes)は、文書に加えられたすべての編集内容を記録し、視覚的にハイライトする機能です。有効化後は以下の変更がすべて追跡・記録されます。
- 挿入:新しく追加したテキストが下線付きで表示される
- 削除:削除したテキストが取り消し線付きで残る(または吹き出しに表示)
- 書式変更:フォント・サイズ・太字などの変更が吹き出しで表示される
- 移動:段落やテキストの移動が二重下線で示される
変更した内容は編集者ごとに異なる色で表示されるため、複数人で編集している場合でも「誰が何を変えたか」を一目で把握できます。各変更に対して「承認」(変更を確定)または「却下」(元に戻す)の操作で、最終的な文書内容を決定できます。
変更履歴の有効化方法
変更履歴の記録を開始する方法は複数あります。
方法1:校閲タブから有効化
- Word上部のリボンから「校閲」タブをクリック
- 「変更履歴」グループ内の「変更履歴の記録」ボタンをクリック
- ボタンが強調表示(押し込まれた状態)になれば有効化完了
方法2:キーボードショートカット
Ctrl + Shift + E を押すと、変更履歴の記録をオン/オフ切り替えできます。素早く切り替えたいときに便利です。
変更履歴がオンになっているか確認する方法
ステータスバー(画面下部)を右クリックして「変更履歴」にチェックを入れると、画面下部に「変更履歴: オン/オフ」が常時表示されるようになります。うっかりオンのまま編集してしまうミスを防げます。
変更内容の表示方法を切り替える
変更履歴の表示方法は4種類あり、用途に応じて切り替えられます。「校閲」タブの「変更内容の表示」ドロップダウンから選択します。
| 表示モード | 表示内容 | 用途 |
|---|---|---|
| すべての変更履歴/コメントを表示 | 挿入・削除・コメントすべてを表示 | 校正中の標準表示 |
| 変更履歴とコメントを表示(シンプル) | 変更箇所を縦線で示すだけ(詳細は非表示) | 文書全体を読みながら確認 |
| 変更後の文書 | すべての変更を承認した最終形を表示 | 変更後のイメージを確認 |
| 変更前の文書 | 変更前の元の状態を表示 | 変更前のイメージを確認 |
重要なのは、「変更後の文書」や「変更前の文書」はあくまでプレビューであり、変更履歴が削除されたわけではない点です。実際のデータとして変更履歴はファイルに残っています。

吹き出し(バルーン)表示の設定
削除された文字や書式変更の詳細は、文書の余白に「吹き出し(バルーン)」として表示させることができます。
吹き出し表示の設定手順
- 「校閲」タブ→「変更内容の表示」→「吹き出しの表示」をクリック
- 以下の3つから選択する:
- 変更内容を吹き出しに表示:削除・書式変更を右余白の吹き出しに表示
- 変更内容をインラインに表示:文書本文の中に直接表示(取り消し線等)
- コメントおよび書式変更のみ吹き出しに表示:コメントと書式変更のみ吹き出し、テキストの変更はインライン
印刷物として確認する場合は「変更内容を吹き出しに表示」が最も見やすいのでおすすめです。画面で編集作業をしながら確認する場合は「コメントおよび書式変更のみ吹き出しに表示」が使いやすいでしょう。
変更の承認・却下
変更履歴の最終的な処理として、各変更を「承認」(変更を確定・マーキングを削除)または「却下」(変更を取り消して元の状態に戻す)します。
1件ずつ承認・却下する
- 承認・却下したい変更箇所をクリックして選択
- 「校閲」タブの「変更」グループにある「承認」または「却下」ボタンをクリック
- 自動的に次の変更箇所に移動する
次の変更・前の変更へ移動
「前へ」「次へ」ボタンを使って変更箇所を順番にナビゲートできます。大きな文書で変更が散在している場合に便利です。
すべての変更を一括承認・却下する
- 「校閲」タブ→「承認」ボタンの下にある▼矢印をクリック
- 「すべての変更を承認」をクリック
却下の場合は「却下」ボタンの下矢印→「すべての変更を却下」を選択します。
注意: 一括承認・却下は元に戻せない場合があります。特に一括却下は大幅な変更を失う可能性があるため、慎重に操作してください。実行前にファイルのバックアップを取っておくことをおすすめします。
コメントの追加・返信・解決
変更履歴と合わせてよく使われるのがコメント機能です。文書の特定箇所に注釈・質問・指摘を残せます。
コメントの追加
- コメントを付けたいテキストを選択
- 「校閲」タブ→「コメントの挿入」をクリック(または右クリック→「コメントの挿入」)
- 右余白に表示されたコメントボックスに内容を入力
コメントへの返信
- 既存のコメントにカーソルを置く
- コメントボックス内の「返信」をクリック
- 返信内容を入力する
返信は同じコメントスレッドにネストされて表示されるため、やりとりの流れを把握しやすくなっています。
コメントの解決(完了マーク)
- 対応が完了したコメントを右クリック
- 「コメントの解決」をクリック
解決済みのコメントはグレーアウトされ、未解決と区別して管理できます。完全に削除したい場合は「コメントの削除」を選択します。
特定の人の変更だけを表示するフィルタリング
複数の校閲者が編集した文書では、特定の人の変更だけを確認したい場合があります。
校閲者でフィルタリングする手順
- 「校閲」タブ→「変更内容の表示」→「特定のユーザー」をクリック
- 校閲者の一覧が表示される
- 表示したい校閲者のみにチェックを入れる(他はチェックを外す)
これにより、選択した校閲者の変更履歴とコメントのみが表示されます。チェックを外した校閲者の変更は一時的に非表示になりますが、データとしては保持されています。
変更の種類でフィルタリングする
「変更内容の表示」→「特定の変更履歴」から、「挿入と削除」「書式設定」など種類別にフィルタリングすることも可能です。書式変更だけを一括確認したい場合などに便利です。
文書比較機能(2つの版を比較して差分を自動検出)
変更履歴を有効にせずに編集してしまった文書、または外部から受け取った修正版と元の文書を比較したいときは、「文書の比較」機能を使います。
文書比較の手順
- 「校閲」タブ→「比較」→「比較」をクリック
- 「元の文書」に比較元(古い版)のファイルを指定
- 「変更された文書」に比較先(新しい版)のファイルを指定
- 「OK」をクリック
Wordが2つの文書を自動的に比較し、差分を変更履歴として表示した新しい文書を生成します。元の文書・変更された文書・比較結果の3ペインで表示されるので、どこが変わったかを視覚的に確認できます。
文書の結合機能
同じ原稿を複数人が別々に編集した場合は「比較」→「結合」機能を使います。2つの文書の変更履歴を1つの文書にまとめて表示できます。
変更履歴を非表示にして最終版を送付する方法
最終的な文書として送付する場合は、変更履歴をすべて確定させてから送ることが重要です。
手順1:すべての変更を承認する
- 「校閲」タブ→「承認」→「すべての変更を承認してドキュメントの変更履歴の記録を中止する」を選択
手順2:ドキュメント検査で確認する
- 「ファイル」→「情報」→「問題のチェック」→「ドキュメントの検査」をクリック
- 「コメント、変更履歴、バージョン、注釈」にチェックを入れて「検査」をクリック
- 変更履歴・コメントが残っている場合は「すべて削除」をクリック
このドキュメント検査は、非表示テキスト・個人情報・ヘッダーフッターなど、意図せず含まれてしまうデータも一覧で確認・削除できます。送付前の必須チェックとして習慣化することをおすすめします。

変更履歴が残ったまま送ってしまう個人情報リスクと対策
変更履歴やコメントには、編集者の名前・編集日時・コメント内容・削除したテキストが含まれています。これを確認せずに送付してしまうと、以下のようなリスクが生じます。
実際に起きた情報漏洩の例
- 社内のコメント(「この条件は飲まなくていい」等)が取引先に見えてしまった
- 削除したはずの機密情報(価格・個人名等)が取り消し線付きで残っていた
- 別の取引先向けに作成した文書の内容がコメントとして残っていた
予防策
- 送付前に必ず「ドキュメントの検査」を実行する習慣を付ける
- 最終版はPDF形式で書き出してから送付する(変更履歴がPDFに引き継がれない)
- 「変更後の文書」表示で確認しても変更履歴は残っているので注意する
- Wordの自動保存機能とバージョン履歴にも変更履歴が残る場合があるため、クラウド共有リンクを送る際も注意する
PDFとして出力する方法
- すべての変更を承認・削除した後
- 「ファイル」→「名前を付けて保存」→ファイル形式を「PDF」に変更
- オプションで「印刷対象」→「文書」を選択(変更履歴なし)
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よくある質問(FAQ)
Q1. 変更履歴を記録している間は自分の編集内容もすべて記録されますか?
はい、変更履歴がオンの状態では、自分が加えた変更(挿入・削除・書式変更など)もすべて記録されます。自分自身の編集を記録したくない場合は、変更履歴をオフにしてから編集してください。または、自分の変更を承認して確定させてから相手に送ることも有効です。
Q2. 変更履歴をパスワードで保護してロックできますか?
できます。「校閲」タブ→「変更履歴の記録」→「変更履歴のロック」をクリックし、パスワードを設定します。これにより、パスワードを知らない人は変更履歴のオン/オフを切り替えたり、変更を承認・却下したりできなくなります。校正プロセスの信頼性を担保したい場合に便利です。
Q3. 変更履歴が表示されているのに印刷されないようにできますか?
印刷時に変更履歴を除外するには、「ファイル」→「印刷」→「設定」の「すべてのページを印刷」をクリックし、「変更履歴の印刷」のチェックを外してください。これで画面上に変更履歴が表示されていても、印刷物には反映されません。
Q4. 複数の校閲者の変更が同じ色になっていて区別できません。
Wordはデフォルトで最大8色を校閲者ごとに自動割り当てします。8人を超えると色が再利用されます。誰の変更かは色ではなく、変更箇所にマウスを乗せると表示される「ポップアップ」(編集者名・日時)で確認できます。また、「変更履歴ウィンドウ」を開くと一覧で校閲者別に確認できます。
Q5. 「変更後の文書」で表示して内容を確認したのですが、変更履歴は削除されましたか?
削除されていません。「変更後の文書」はプレビュー表示であり、実際のファイルには変更履歴がそのまま残っています。変更履歴を完全に削除するには、すべての変更を「承認」するか、「ドキュメントの検査」→「すべて削除」を実行する必要があります。
Q6. 変更履歴のコメントに表示される名前(編集者名)を変更できますか?
はい、変更できます。「ファイル」→「オプション」→「全般」タブの「Microsoft Officeのユーザー設定」セクションにある「ユーザー名」と「頭文字」を変更します。変更後に記録された変更履歴・コメントに新しい名前が表示されます。過去に記録された変更履歴の名前は変わりません。
Q7. Wordオンライン(ブラウザ版)でも変更履歴は使えますか?
はい、Microsoft 365のWordオンラインでも変更履歴機能は利用できます。ただし、デスクトップ版と比べると一部機能(詳細なフィルタリング・吹き出し設定・ロック機能等)が制限されています。重要な校正作業はデスクトップ版のWordを使用することをおすすめします。
まとめ
Wordの変更履歴(トラックチェンジ)は、共同作業の効率を大幅に高める強力な機能です。本記事のポイントを整理します。
- 有効化は「校閲」タブ→「変更履歴の記録」またはCtrl+Shift+Eで簡単に切り替え可能
- 表示モードは4種類:確認目的に合わせて切り替えることで作業効率が上がる
- 承認・却下は1件ずつまたは一括で処理できる
- コメントのスレッド機能でチーム内の議論をWord文書内で完結できる
- 文書比較機能で変更履歴なしの2つのファイルを自動差分検出できる
- 送付前のドキュメント検査は必須:個人情報・機密情報の漏洩リスクを防ぐ
特に送付前の「ドキュメントの検査」は習慣化することを強くおすすめします。変更履歴の残ったまま文書を送るミスは、ビジネスシーンでは思わぬトラブルの原因になります。この記事を参考に、安全で効率的な文書共同作業を実現してください。
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