Wi-fiが遅い時の原因と解決方法

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出典:USEN スピードテスト

Wi-fiって便利です。ケーブルをつながなくてもLANに接続できます。手順も、電波を出している機器名(SSID)をリストから選んで、パスワードを入力するだけです。

WPS(Wi-Fi Protected Setup)に対応していれば、ボタンを押すだけで面倒な設定も自動でやってくれます。Windowsパソコンに限らず、MacもスマホもiPadも3DSもPS Vitaも接続できます。

そんな便利なWi-fiですが、いつもご機嫌に働いてくれるとは限りません。難しいことを自動でやってくれるカラクリの常として、不具合が発生した時は厄介です。Wi-fiが遅い場合があります。本来もっとスピードが出るはずなのに、遅いのです。下の画像は、上の画像と同じWi-fi親機に接続している同じWindowsパソコンで、条件を変えて接続スピードテスト(http://www.usen.com/speedtest02/)を実行した結果です。

以下、有線LANとWi-fiとを変換している機器(ルーターやブリッジなど)をWi-fi親機、パソコンやスマホなどの端末をWi-fi子機と呼びます。

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1.Wi-fiの規格と公称速度

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出典:USEN スピードテスト
Wi-fiは、業界団体のWi-Fi Allianceによる無線LAN接続のお約束です。無線LANの規格として国際的な電子分野の規格団体(学会)IEEE(アイ・トリプル・イー)のIEEE 802.11規格を利用しています。

製品として良く見かけるWi-fi機器のIEEE 802.11規格と公称速度・周波数帯は以下の通りです。

  • IEEE 802.11b 11Mbps/22Mbps 2.4GHz
  • IEEE 802.11a 54Mbps 5GHz
  • IEEE 802.11g 54Mbps 2.4GHz
  • IEEE 802.11n 65Mbps~600Mbps 2.4GHz 5GHz
    製品によって上限の公称速度が異なる
  • IEEE 802.11ad 4.6Gbps~6.8Gbps 60GHz
  • IEEE 802.11ac 290Mbps~6.9Gbps 5GHz

Wi-fiで使われているのは2.4Ghz帯と5Ghz帯の2種類なのです。(今後の技術進歩で周波数が追加される可能性があり)

2.Windowsパソコンで今使っている規格を調べる

Windowsパソコンでは、「netsh」コマンドで、今のネットワーク構成を調べられます。「Windows」キーを押しながら「R」キーを押して「ファイル名を指定して実行」の「名前」欄に「cmd」と入力して「コマンドプロンプト」を開きます。

「netsh wlan show interface」と入力すると今使っているWi-fiの情報が表示されます。

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ここで、「無線の種類」は「IEEE 802.11n」で「受信速度・送信速度」は「144Mbps」だとわかります。速度は理論値の最大値です。

「IEEE 802.11n」は色々な技術を利用してスピードを上げていますので、機器の組み合わせによって最大伝送速度が異なります。そのうち、アンテナ数(MIMO)と周波数の結合(チャネルボンディング)による最大転送速度の違いをまとめてみました。

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この表から、先ほどの「受信速度・送信速度 144Mbps」というのは「2ストリーム」で「20MHz使用」となります。

 

3.Wi-fiが遅い時の原因と解決方法

それでは、本題に入りましょう!

動作が遅いときは「再起動」が基本です。
パソコンなどの子機だけではなくて、Wi-fi親機も一度完全に電源を落として再起動してみます。正式に統計はとっていませんが、感覚的にはトラブルの8割はこれで解決しています。
*なお、プライベートネットワークなど特殊なネットワーク設定を行っている場合、設定内容がリセットされる可能性もありますので、事前にご留意下さい

Wi-fiが遅くなる原因を「Wi-fi親機からインターネット寄りの不具合」と「親機と子機の間の通信の不具合」と「子機の不具合」に切り分けます。

「Wi-fi親機からインターネット寄りの不具合」

この場合に考えられるのは、親機がブロードバンドにつながっているとして、その間の通信速度が落ちていることです。
親機に有線ポートがあれば、有線LANでパソコンと直接接続してスピードを確かめることで確認できます。(ブラウザからスピードテストなどで検索すれば簡単に利用できます)

この段階でスピードが落ちている場合は、一度親機の電源を含めたケーブル類をすべて外して、できるだけシンプルな構成で試してみます。LANケーブルも「カテゴリ」によって転送速度の上限があります。また、ケーブルの不具合で、表記されている「カテゴリ」通りの性能が出ていない場合も考えられます。

一般的には、ケーブルの長さが長くなれば長くなるほど通信速度は落ちますし、その材質によっても速度が低下することになります。
また、そもそも回線の契約速度を確認してみましょう。
もし、契約速度が遅いもので古くから継続的に契約しているのであれば、これを機会に契約内容を見直すのも対応の一つと考えます。

「親機と子機の間の通信の不具合」

この場合には、「電波が弱い」ことと「電波干渉が発生している」ことと「親機に対して子機が多すぎる」ことが考えられます。
それぞれのケースの原因と対応に関して、ご説明します。

「電波が弱い」原因

として考えられるのは、単純に距離が離れすぎていることと、障害物に邪魔されていること、そもそも電波強度の弱い機器であることが考えられます。

親機の近くまで子機を近づけてスピードが上がるのならそもそもの設置場所をレイアウト変更して、できるだけ親機と子機を近づけるようにしましょう。もしくは、追加の出費にはなりますが、無線LAN中継器を購入して設置することである程度解消されることが想定されます。
また、建物の構造にも依存するため、建物の1階に親機があり2階に子機がある場合や、壁が鉄筋コンクリートで構成されている場合は、著しくWi-fiの電波が弱くなり通信速度も低下することがあります。
マンションに住んでいる場合にはそういったケースが多く、設置場所を変えることで解決できることがありますし、親機の周りにアルミホイルやそのほかの金属製品が囲うように置いてある場合もそれらを移動させることで改善されることがあるようです。

一般的なメーカーが販売している家庭用のWi-fi機器では、家の大きさ別に機器の電波出力強度を分けた製品が販売されています。
その電波強度によって電波が届く距離が変化するため、より遠くへ飛ばす必要がある場合は広い家用のものを選択するとよいでしょう。その分、消費電力は大きくなりますが、対応方法の一つです。

「電波干渉が発生している」原因

として考えられるのは、電波が届く範囲に親機が4台以上ある場合と、電子レンジやBluetoothなどの機器の電波と干渉していることです。

Wi-fiも無線で電波を利用しています。
電波は、例えばテレビ放送の電波と携帯電話の電波が干渉したりしないように異なる周波数の電波領域を割り当てられています。そして、Wi-fiで利用しているのは、既述の規格で確認したように2.4Ghz帯と5GHzです。

この2.4GHz帯は、出力が弱ければ(10mW以下)免許不要で「産業・科学・医学用」に広く利用されています。(ISMバンド:Industry Science Medical band)そして、電子レンジも同じなのです。

そして、2.4GHz帯の特徴としては、周波数領がそれほど広くないのです。
つまり、この狭い周波数帯にたくさんの製品から発信される電波がひしめき合っているのです。2.4GHz帯の無線LANチャネルは「一応」14用意されていますが、重複が多くて、干渉なしに同時に利用できるのは最大3つのチャネルとなります。

チャネルは親機1台に1チャネル必要ですから、電波が届く範囲に親機が4台以上あると、どこかで干渉していることになります。

次に、5GHz帯は海外では普及していますが、日本では気象レーダーなどで使われていたため、長らく屋外では使用できませんでした。
2007年1月の省令改正で一部の周波数帯で屋外の利用も免許不要となりましたが、コストの面からもまだまだ対応機器が少ないのが実態です。

狭い回線数にたくさんの無線が飛んでいる場合には、接続が不安定になってしまうのです。
ですが今のWi-fi親機であれば、電源を入れなおした時に、自動で最適なチャネルを利用しますので、再起動が有効なのです
そして、再起動してもだめなら、空いていそうなチャネルを探して変更する作業が必要(普通の個人では少々難易度が高くなりますが)ですし、もしくは不要な機器の電源をいったん落としてしまうということも対応方法の一つです。

「親機に対して子機が多すぎる」場合

こちらのケースも速度低下の原因となります。
元の親機の回線にもよりますが、安定して利用できるのは、Wi-fi親機1台に対して、同時に利用する台数は4~5台に抑えることが推奨されます。
親機の製品グレードにもよっては15台以上同時に接続可能とうたっているものもありますが、親機がとってくるおおもとの回線は1本ですのでその回線を5台で共有するのか、15台で共有するのかで回線速度にどのような影響があるのかは明確でしょう。

「子機の不具合」

子機となるパソコンなどを再起動して解消しない場合は、スタートアップを整理したり、不要な常駐アプリを止めたり、不要なサービスを止めたりといった対処が必要になります。

多くのソフトウェア・アプリを立ち上げている場合、パソコンには多大な負荷がかかっているうえ、それぞれが通信状態にあると通信速度は著しく遅くなってしまいます。
そのため、不要な常駐アプリを落としておくことや、パソコンを軽くするという対応が大切なのです。

また、Wi-fiの通信規格も徐々に進化しているため、「親機の性能は高いが子機の性能が旧式のまま」という場合に回線速度が遅く感じることがあります。
この場合は、子機を買い替える=パソコンなどを新しくするということになるため設備投資は大きくなってしまいますが、格段に速度が速くなるでしょう。電化製品は5年程度など耐久年数がありますので、今一度ご自身の製品がいつ製造されて、どういった通信規格なのか、速度はどの程度に対応しているものなのかを確認いただければと思います。

 

4.上記の原因以外にも・・・

ひとつ、大変重要なポイントで気づきにくいことがあります。
それが、パソコンに原因がある場合で、セキュリティ対策として導入しているファイアーウォールが障害になっている場合です。この場合は、速度が遅いというよりも「通信ができない」状態となります。

ファイアウォールは、簡単に説明すると、パソコンと外部との通信を常時監視しており許可していない通信を遮断して外部のウィルス侵入などからパソコンを守る機能を主に持ちます。新しいWi-fi機器を接続しようとすると自動的にこの機能が働き、インターネットに接続できないなどの障害が発生することがあるのです。

その場合は、パソコンのファイアウォールの設定を確認して一時的に解除するか、Wi-fi機器をファイアウォールに許可させるかすると解消することができます。
※ファイアウォールを解除すると危険性が高まるため、セキュリティソフトは切らずに常駐させておくことをおすすめいたします

最後に

以上、基礎知識としてのWi-fi規格のご説明と、回線速度が遅くなる多くのケースをご紹介しました。
回線速度が遅いと感じる場合、その原因を3点、元の回線と親機、親機と子機の間、子機側で切り分けて考えていくことで、一見難しそうな問題も対応策が見つかることがお分かりいただけたかと思います。

最後に、目には見えない無線で大量の情報が通信されているWi-fiでインターネットに快適につながっているということは、奇跡的なことなのかもしれませんね。

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